刀剣乱舞 小噺 かりそめの撫子   作:一之瀬 萩

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捜索先で

 

雑木林が辺りを囲んで、歩きには向かない道なき道、とは古い時代へ降れば良くあるものだ。

『三日月』

骨喰が先行く仲間とはぐれないよう、俺を呼ぶ。

『あぁ、すまん、すまん。世話をかける』

『…それより、遠征部隊の気配がしない』

『気配?』

『あぁ、これを見てくれ』

骨喰の手に握られていたのは、本丸に顕現した時に主からいただた青色のお守りだ。

そのお守りがかすかに光って見える。

自分のお守りも確かめてみる。

僅かに光っていた。

『これは何だ?』

『主によると、お守りの中に主が励起した石が入っている。我々の部隊にだけ反応するらしい』

『なんと』目を見開き、骨喰と自分の御守りを交互に見る。

『これを頼りに行動すれば良いと教えられた』

『ふむ、この様子だと……山姥切たちはここより、いささか離れた場所にいるようだな』

『...三日月宗近』

『ん?山姥切長義、どうかしたか?』

『今、山姥切と言ったな。しかしそれはこの俺のこと。偽物くんは山姥切ではない』俺の発言に、不服そうな声だ。

『はて?…あぁ、そうかそうか。うむ、そうだったな。顕現が山姥切国広の方が早かったのでな。つい、そう呼んでしまったのだ』

『アイツは、俺の偽物で顕現が早かったばかりに俺の名を語って顔を売っている』

『顔…か』

『そうだ。俺の顕現が早ければこんなことには』

『なにごちゃごちゃ話してるんだ?あ〜、まんばたちに隠れて驚かせようって話してるんだったら乗るぜ』鶴丸が長義と三日月の間を割って入る。

『鶴丸、知っていたか?我々が持っているこのお守りは我々の本丸の刀剣男士だけに光る仕様になっているそうだ』

『な、なんだと⁉︎』お守りを取り出す

『…こいつは驚きだ。このお守りをこういう風に使えるとは。さすが我らの主だな。驚かされたぞ』

長義も取り出すが、小さくため息をついてすぐに仕舞う。

『さぁ、手当たり次第では埒があかない。麓に降りて情報を…』

と、長義が何かを察知して刀を抜く。

長義が振り向くと黒色の仮面を被った、西洋風の黒甲冑が刀に手を置いて立っている。

敵か?いつの間に。

検非違使にも似ている気がする。

『…誰だ』

『問答無用。…参る!』

黒甲冑が刀を抜き、有無言わさず長義に向かっていく。

何度か刀を交わす

強い。かなりの手練とみる。

金属音が小刻みに響く。何度と受けて流していると『この刀は…』敵がポツリと呟いた。

『お前は……敵ながら目利きは確かなようだ』ニヤリと笑みを讃える長義。上段に構え直す。

黒甲冑の背後には三日月、鶴丸、骨喰と刀を抜いて囲んでいる。

『…お前は何者だ。我々が何者かわかっているから刃向って来たんだろう?』

『それは…』

チリーン……チリーン

鈴の音。静かに、そしてどこか寂しげだ。

チリーン、チリーン

どこから聞こえてくるのか…

その音を聞いて敵が何度か空をみる

『…ソニア!』

敵が鈴の音の方向へ向かおうと、三日月たちの攻撃を交わし去って行く。

『待て!』

長義たちが後を追う。

 

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