刀剣乱舞 小噺 かりそめの撫子   作:一之瀬 萩

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はぐれた部隊

暗闇の林の中。最初は1つ、2つと数えられた光が手付かずの草むらが見えて、そちらに向かってガサガサと荒っぽく、草むらを掻き分けて、走る。

次第に光は無数に広がり、辺り一面を覆い囲む。

…なんちゃあない。

ここはこの銃で威嚇、不意を突いて歌仙と合流すりゃえい。

『…よぉ狙って』引き金を引く。

銃声が夜空に響き渡る。

 

銃声が聞こえた。

そうか、陸奥守はあそこか。

気を取られていると敵の矢的が顔を掠めた。

『…無作法者はどこだ?万事に値する!』

銃声がした方へ走り寄ると敵が幾重にも重なって行く手を阻む。

『少し手荒だが、通させてもらうよ』

歌仙が素早く間合いを詰め、敵をなんなく斬り倒す。

『首を差し出せ。順に切ってあげよう』

敵の咆哮。

『こう見えても僕は之定だからねぇ…刃向かってきたこと後で後悔すれば良い』

 

銃声と刀を交わす金切り音が鳴り響く。

敵の数はまだ把握できん。取り囲まれるくらいの…

まぁ、えい。敵も考えが一緒みたいやからのぉ。

陸奥守の背後に忍び寄る敵に銃口を向ける。

『銃は剣より強し、ぜよ』引き金を引く。

『やっとうなんて時代遅れじゃ』刀で受け止め、銃を放つ。歌仙の気配が近い。

『よう、狙って…』

 

大太刀が何度となく刀を振り回す。

歌仙は受け流しながら、右、左と相手を翻弄しながら戦う。

程なくして横から銃声と共に銃弾が大太刀の頭を貫く。

大太刀がゆっくりと横倒しに倒れ、暗闇に溶け込んだ。

『歌仙!』と陸奥守吉行の声が聞こえた。

振り向くと無数に向かってくる弓が見える。

『薙ぎ払う』

向かってくる弓に刃が走った。

薙いだ矢は勢いを無くして地面に突き刺さる。そしてまた撫でるように薙刀が振り落とされる。

敵の大半が崩れて消えた。

『助かった。礼を言う』

『これも主のため。忘れないように記録につけておいてくれ』

『いや〜大したもんぜよ。巴!』

『隊長の姿がまだ見えん。これでは主に心配をかけてしまう』

『山姥切たちはもう先へ行ったのか?それとも我々が追い越してしまったか』振り向く歌仙。

『下手に動いて部隊が合流しそこねて、散り散りになってしもうたら、遠征の意味がないぜよ』

『今夜は野宿か…はぁ、雅じゃないねぇ』

『まぁ、えいやないかぁ。なぁ、巴』

腕を巴の肩に手を乗せようと伸ばしたが、巴がおらずバランスを崩す陸奥守。

『おわ!…巴、おんし!』

しっ、と口元に人差し指を立てる巴。

『なんじゃあ』

『陸奥守、見ろ』

草むらに光る瞳の行列が向こうの林道に沿って歩いているようだった。

『何だ?あの林道の先に何が…』

『ここは、静かに跡を追うしかないろう』

『嫌な予感しかしないな』

『これも主のためよ。な!歌仙』

『やめてくれよ、僕を巻き添えにしないでくれ』

がははと豪快に笑い、歌仙の背中を叩く陸奥守。

『仲間とは、良いものだな』

『…巴、行くぞ』

『ああ』

『君は見つかりやすい姿だからね、特に気をつけてくれよ』

『気をつける』

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