次の日の早朝、
ウィークスはついに中央帝国皇帝の思惑の一端に
気づき始める。
「負ける戦を仕掛けてきた。
勝てる状況になっても兵を引き始めた。
鬼人族の従属の情報を封鎖していた。
そしてグラナイトに現れたが何もしてこない。
団長もわたしも振り回されているだけ。
相手の思い通りに動いている。
我々は動かされている。
動かしたその先は。。。」
「クソッ」
ウィークスは小さく唇を噛みしめる。
感情を露わにしないウィークスの顔が少し歪む。
「帝国の目的は団長とわたしの分離だ。
団長を直接殺すことが目的だ。
なにか切り札が隠されている......
もしや鬼人族以外に
武士道国も従属にしてしまったのか......
そこに何かがあるのは確かだ」
そこまで思いを巡らせると
ウィークスはすぐさまグラナイトを離れ、
レッビーンズ平野のブラッフロー丘陵に
最速で向かう。
・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
太陽も日が上り、正午近くになっている。
ウァイトとジュピターは天幕を出る。
「ジュピター、なにかあるかもしれない。
いざとなれば身を挺して団長を守れ」
コンチネントが声をかける。
「いざとなれば自爆撃魔法を使ってでも団長を守る。
その時は後を頼む」
とジュピターは覚悟を語る。
「自爆撃魔法は絶対に使うなと言っているだろう。
わたしがおまえたちを守ることはあっても、
おまえたちがわたしをそのような守り方で守るな」
「申し訳ございません。そういう気持ちで臨む
という心構えで発したとお思いください。
ただ、命にかえても団長はお守りしたいのです」
コンチネント、スカイ、フライ、スィーが
それぞれうなづく。
「ではゆくぞ」
ウァイトが歩き始める。
・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
ライトはニケを召喚した後、
獣人族、龍人族、巨人族、鬼人族の元へ
足を運んだ。
ヘリ、フェルミ、プルトニ、トリチが死んだことを
伝えるために。
死んだ理由は聖騎士国にだまされたことにした。
停戦交渉を聖騎士国から持ちかけられ、
ライトと各族長が会議をしているところに
「上位天使ケルビム」が現れ、
ライト以外を全て無に化したということにした。
各族は聖騎士国のずる賢いやりかたに憤怒した。
族長の仇とばかりに怒り狂っている。
「つらいだろうが敵討のために
次のヘリを選出するように」
と獣人族にライトは伝える。
族長は世襲ではない。
獣人族の中で1番強い者がなる。
ヘリという族長と獣人族のNo.2では
力の差がありすぎる。
その差を埋めるのが襲名という儀式である。
種族の特性上、ヘリとして襲名すると
先代のヘリと同様の強さが身に纏う。
このことは、獣人族だけではなくて、
龍人族、巨人族、鬼人族でも襲名という儀式により
新たなフェルミ、プルトニ、トリチが誕生する。
ライトは各族に獣人族に伝えた内容と同じことを
伝える。
すべての族は聖騎士への恨みに燃え上がっている。