異世界の権力者   作:IQ114の類似6

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(7)皇帝ライトは何を考えているかわからない

ウァイトは悩んでいた。

 

今、このタイミングでのライトからの

停戦の申し入れ。

 

大戦の開始後は中央帝国軍が劣勢にも関わらず

戦闘を続け、

中央帝国軍が優勢に変わったばかりなのに

停戦の申し入れ。

 

何かはある。そう考えざるを得ないウァイト。

しかし、それが何かはわからない。

 

聖騎士国軍のことを考えると

停戦の申し入れを受けた方が

兵士の生きる命の数が守られる。

 

一瞬の間にできる限りの思考を重ねる。

 

「停戦を受け入れる!

 停戦交渉は明日正午にてブラッフロー丘陵にて行う」

 

ウァイトはライトに声を発する。

 

ブラッフロー丘陵は

レッビーンズ平野の中央に位置する小高い丘である。

 

ウァイトが明日の正午に停戦交渉を設定したのには

理由がある。

 

明日の正午までであればウィークスが

アストロフィライトに帰還し、

首都の状況が確認できる。

 

首都とウィークスの安全確保が確認できれば

停戦すべきだと考えた。

 

「こちらはわたしと鬼人族族長トリチを連れて行く」

 

ウァイトはまた理解しがたいことが起こっていると

認識する。

 

ライトが隠し球であるはずの鬼人族族長のトリチが

中央帝国軍に従軍していることをバラしたのである。

 

(アストロフィライトは攻められていないのか)

 

「こちらはわたしとジュピターを連れて行く」

 

「承知した」

 

各人が自身の本陣に戻る。

 

ウァイトは聖霊ディーナーシーを召喚し、

各師団長に指示を出し、戦闘を停止させる。

 

ライトも同様に各軍に戦闘を止めるように

指示を出す。

 

ウァイトの天幕にはすでに師団長が集結している。

 

ウァイトは停戦に至る状況を師団長に説明をする。

 

「不可解なことが連続してますな」

 

ジュピターが声を発する。

 

師団長の意見や考えはジュピターによることが多い。

 

「とはいえ、現状では中央帝国軍が打つ

 次の手はないはず」

 

ジュピターは述べる。

 

「同意見だ。だが何かが起こる可能性がある。

 

 明日の停戦交渉まで気を抜かぬよう

 今しばらくよろしく頼む」

 

ウァイトは師団長に伝える。

 

ライトの天幕には、

ヘリ、フェルミ、プルトニ、トリチが集結している。

 

ライトが戻ると各族長がひざまづく。

 

「ライト様大丈夫でしたか?

 

 ウィークスが急にいなくなりましたので

 心配しておりました。

 

 見失い申し訳ございませんでした。」

 

「よい。気にするな」

 

「ライト様には考えがあってのことかと思いますが、

 

 これまでの経緯を考えても

 この先どのような結末を描いているのか

 見えませぬ。

 

 教えていただけないでしょうか」

 

族長を代表してヘリが答えを求める。

 

中央帝国軍と各部族は関係が良好なわけではない。

 

中央帝国皇帝ライトは力でもって

近隣の獣人族、巨人族、龍人族、鬼人族を従わせている。

 

圧倒的な武力にて。

 

ようやく鬼人族まで従属させたのが

つい最近のことである。

 

各部族はライトの強さにひれ伏した。

 

そして人間の代表国家でもある聖騎士国を倒すなら

亜人種として願ってもないことと思い

喜んで参戦している。

 

鬼人族は島国であり、他国と干渉せずを

貫いていた。

 

それをライトがついに攻略したのである。

 

主従関係が成立しているとはいえ、

蔑ろにされるつもりはないのが今の各部族である。

 

今回のライトの不可解な行動についに痺れを切らし

答えを求めたのがヘリだった。

 

ライトが声を発する。

 

「すまんがお前たちはここまでだ。死んでもらう」

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