異世界探索記   作:紅色の落ち葉

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世界探索 肆-弌

 side:影星

 

 祭りで賑わう夜の街を歩く。否、本当は夜じゃなくて昼かもしれない。ここが暗いから夜だと錯覚してるだけか?

 

「いらっしゃい!安いよ安いよー!」

「寄ってらっしゃい見てらっしゃい!新鮮だよー!」

 

 色々な屋台が声をあげている。が、なんか入ってたらこえーから全部スルーに限るな。変な屋台のもん食って死亡(ロスト)とか笑い事にならねーし。

 そうじゃなくても、体に異常が出たら遊びにくくなっちまうしな。

 

 にしても、ほんとに人が多すぎるし、道は長すぎるし、うるさすぎる。ショゼと一緒なら別にいいけど、1人で来ると雑音が耳に響きすぎて気分悪くなってくるな。

 

 

 

「はあ…」

 

 しばらく無心で歩き続ける。徐々に人が少なくなっていき、中には袋を持って私が来た方向へ戻る人もいる。そろそろ、祭りとしてのメインは終わりなのか?

 …そういえば、誰かが住んでるような家は見てねーな。もしかして祭り会場なのか…?だとしたらちょっと申し訳ねーことしたな。

 なんて、考えていたら目の前に赤い門が立ち塞がった。

 

「…なんだこれ。鳥居か?…にしては、ちょっと変な気もするけどな…」

 

 思わず立ち止まる。そこには誰も入っていこうとしない。なんかやべーとこなのか?

 …そんなの。

 

「行ってみるしかねーよなあ?」

 

 鳥居の向こうへ足を踏み入れる。

 

 静寂。

 

 さっきまでのうるささはどこへ行ったか。別世界だと思わざるを得ないほどに静かで、何の音も聞こえない。

 こんな無音の世界…長くいたら発狂しそうだな。

 

「少し調べたら戻るとするか…」

 

 声が不自然なほど拡がる。洞窟の中と同じ感覚。

 

 奥から何か重いものが動く音がする。

 

 『探索者』としての勘が

 

 人間の第六感が叫ぶ。

 

 ──この先は危険だ、と。

 

「それがなんだよ…」

 

 これが最後の警告でも、私は気にしない。

 

「…誰が負けるか」

 

 そう1人呟いて、私は更に奥へ進んだ。

 

 

 

 

 「…ここは…」

 

 歩き進むと、程なくして広場が見えてきた。色々なものが雑多に置かれている中、中央だけが綺麗に整理されている。

 そこには、円形に蝋燭が立てられていた。

 その中にあるのは…本だ。

 

「なんだあの本…儀式でもやってたのか?」

 

 本に向かって1歩踏み出す。

 瞬間。

 

 左手に着けたブレスレットが強く光り出す。

 同時に、こっちへ向かってくる足音。

 それは三体纏まって姿を現した。

 

 ピンクがかった生き物。甲殻類のように見えるその胴体に、翼がついている。本来であれば、頭があるはずのところには、短い触手に覆われた渦巻状の楕円形が居座っている。

 

 ──ミ=ゴ、ユゴスよりのもの──

 

「なんでこいつらがこんなとこに…」

 

 いや、まあいいか。

 

 所詮ミ=ゴなんてただの神話生物(人間)

 それがたかが3人程度、私が負けるわけねーんだよな。

 

「来いよミ=ゴ(ゴミ)さん、私と遊ぼーぜ?」

 

 ─全員、ちゃんと殺してやるよ。




次回 影星半無双(2回目の予告)
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