side:影星
祭りで賑わう夜の街を歩く。否、本当は夜じゃなくて昼かもしれない。ここが暗いから夜だと錯覚してるだけか?
「いらっしゃい!安いよ安いよー!」
「寄ってらっしゃい見てらっしゃい!新鮮だよー!」
色々な屋台が声をあげている。が、なんか入ってたらこえーから全部スルーに限るな。変な屋台のもん食って
そうじゃなくても、体に異常が出たら遊びにくくなっちまうしな。
にしても、ほんとに人が多すぎるし、道は長すぎるし、うるさすぎる。ショゼと一緒なら別にいいけど、1人で来ると雑音が耳に響きすぎて気分悪くなってくるな。
「はあ…」
しばらく無心で歩き続ける。徐々に人が少なくなっていき、中には袋を持って私が来た方向へ戻る人もいる。そろそろ、祭りとしてのメインは終わりなのか?
…そういえば、誰かが住んでるような家は見てねーな。もしかして祭り会場なのか…?だとしたらちょっと申し訳ねーことしたな。
なんて、考えていたら目の前に赤い門が立ち塞がった。
「…なんだこれ。鳥居か?…にしては、ちょっと変な気もするけどな…」
思わず立ち止まる。そこには誰も入っていこうとしない。なんかやべーとこなのか?
…そんなの。
「行ってみるしかねーよなあ?」
鳥居の向こうへ足を踏み入れる。
静寂。
さっきまでのうるささはどこへ行ったか。別世界だと思わざるを得ないほどに静かで、何の音も聞こえない。
こんな無音の世界…長くいたら発狂しそうだな。
「少し調べたら戻るとするか…」
声が不自然なほど拡がる。洞窟の中と同じ感覚。
奥から何か重いものが動く音がする。
『探索者』としての勘が
人間の第六感が叫ぶ。
──この先は危険だ、と。
「それがなんだよ…」
これが最後の警告でも、私は気にしない。
「…誰が負けるか」
そう1人呟いて、私は更に奥へ進んだ。
「…ここは…」
歩き進むと、程なくして広場が見えてきた。色々なものが雑多に置かれている中、中央だけが綺麗に整理されている。
そこには、円形に蝋燭が立てられていた。
その中にあるのは…本だ。
「なんだあの本…儀式でもやってたのか?」
本に向かって1歩踏み出す。
瞬間。
左手に着けたブレスレットが強く光り出す。
同時に、こっちへ向かってくる足音。
それは三体纏まって姿を現した。
ピンクがかった生き物。甲殻類のように見えるその胴体に、翼がついている。本来であれば、頭があるはずのところには、短い触手に覆われた渦巻状の楕円形が居座っている。
──ミ=ゴ、ユゴスよりのもの──
「なんでこいつらがこんなとこに…」
いや、まあいいか。
所詮ミ=ゴなんてただの
それがたかが3人程度、私が負けるわけねーんだよな。
「来いよ
─全員、ちゃんと殺してやるよ。
次回 影星半無双(2回目の予告)