異世界探索記   作:紅色の落ち葉

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影星編ラスト、次回はショゼ編に移ります(多分)


世界探索 捌-弌

 side:みのり

 

 どうも。モブ男Aこと穂ことみのりです。

 なんかよくわかんないけど命の危機に陥りました。

 

 いやだってさぁ!!俺が今までにあった事とか話して納得してくれる人だと思えねぇから!

 ヘヴィーには「刺激するな」って言われたけどまさかそんな些細な事でこうなるとか予想外だから!

 

 …そもそもあの自称女神とかいうやつが悪い。うん。

 自称女神って誰かって?俺が知りたい。

 

 時は大体半年前くらいに遡る。

 俺はごく普通の一般家庭に産まれたただのモブA、雨宮(あまみや)(みのる)って名前で暮らしてきた。

 ある日、名も知らぬクソBB…じゃなかった、ご老体の女性の余所見運転で買い物帰りに轢き殺された。事故死だ。

 まだやり残した事あったのに…限定衣装買いたかったのに…ライブ当選確認してないのに…推し活の後悔が湧き上がってくる気持ちを引きずりながら天国へ向かっていたら、その自称女神とやらに

 

「貴方ちょっと手違いで死んでるから本来の時間にまた来てね、じゃーね」

 

 とか言われて気付いたらこの世界(異世界)に転生していた。

 

 

 いやマジで俺の人生何があった?

 

 初期スポは森の奥だし女だし前世となんか色々違うし前前前世の俺は何やった?人殺した??ってくらいツイてなかった。

 森の奥で正体不明のケンタウロス的なやつに襲われた時は転生して即死するかと思った。

 

 その俺を助けてくれたのがヘヴィー。

 以降、なんやかんや世界やヘヴィー、それからヘヴィーの知り合いのヴァリネッタと紆余曲折あってからこうしてヘヴィーの助手としてなんとか生き長らえている。

 今となっては生き長らえていた、か。

 

 まさか初対面のやつに殺されるとはちょっと思ってなかったしなんで止めてくれてないの?

 

 でも、でも、俺だって(一応)能力持ちで。

 別に弱くはなくて。多分。きっと。

 転生する時能力貰えただけ有難いな、うんうん。

 

 …誰が感謝するかあの野郎!!

 

 そんな訳で、俺はとても死にそうになっている。

 

「で?死出の折に言いたい事あんなら聞いてやるぜ?」

「あ、いや…」

 

 どうしよう。言ったら殺されるし言わなくても殺されそう。

 

 え、でもそんな強くない可能性とかどうっすか神様。

 俺これでも一応世界の統治者の大魔王とかと会ったことあるし。

 それに比べたらきっと可愛いもんだろうし。

 うん、何も恐れることは無い。もういっそ何とかして力で誤魔化した方が早いに決まってる。

 

「…」

 

 やべぇ頭真っ白!

 何言えばいいんだ!?脳内パニクりすぎて何も言えねぇ!

 

「お前マジで何なんだよ…まーなさそうだしちゃっちゃと終わらせますか」

 

 俺はちゃっちゃで終わらねぇぞこんにゃろ!!!

 

「んじゃ先手貰うわ」

 

 天井なんて知った事じゃないとギリギリまで飛び上がる影星。

 ヤバいって誰かに言われた気がして慌ててその場から離れた。

 

 直後、俺が今まで居たところだけじゃなく、その周りまで一気に地盤沈下を起こす。

 

 え?何こいつ。キック1回でこんななる??

 

「あー室内だから加減したけど良くなかったかもな」

 

 なんてことない顔で、無事な面に足をつける。

 

「次はお前の番だぜ」

 

 番とかあるのか、これ。

 正直怖いから今すぐに逃げ出したい。

 

 が、そんな事も言ってられないので。

 

 仮にも能力者。

 

 俺の能力、『神様のいたずら』は全ステータスの飛躍的な上昇、+ライフの自動回復の発生。

 つまり俺だって弱くない!

 

 地面を強く蹴り、勢いそのままに腹パンならぬ鳩尾パンするつもりで拳を繰り出した。

 

 はず、だったのだが。

 

「雑魚過ぎて話にならねーわ」

 

 手首を握られて、攻撃は無事空ぶった。

 

 あれこれカウンター…

 

「お前の腹に私の得意技ぶち込んでやるよ。良かったな、楽に死ねそうで」

 

 あ、死んだ──

 

「…面白かったから敢えて止めなかったが…私の家が壊れるから流石にやめてくれないか?」

 

 間にヘヴィーが入ってくれた。

 

「…はぁ、事情説明とかしろよ。しなかったら家全部吹き飛ばすからな」

「…だそうだ。という事でみのり、頼んだぞ」

 

 手首を握られたまま、俺が異世界転生したことや、名前が違う理由などなどを説明した。

 ちなみに俺の名前が違う理由は、見た目が完全に女だったので名前を女の子らしくておきました。

 

「…えなんでそれ早く言わなかったん?」

「言おうとしたけど言えなかった」

「しっかりしてくれ…家の危機だぞ」

「あ、はい…」

 

 横でんー、と影星は考える素振りを見せた後

 

「まー知り合いになったし私も穂とみのりで呼び分けてもいいよな?後別に私の前では素でいいぜ」

 

 と、特に俺にはデメリットがないことなので(外部に広がらない限りは)その提案を承諾した。

 

 ようやく一難が去って、気付けば時間は夕方近く。

 影星は、手持ち無沙汰なのか枕元の本を手に持っている。

 

「私が倒れた原因ってなんなん?」

「魔力とMPが同じものではないから…それによるものだろう。不可能では無いが、本当に最終手段という感じだな」

 

 注意書きらしきものを読み流しながら、ヘヴィーの話を聞く影星。俺にはなんて書いてあるのか分からない。

 

「そろそろ帰った方が良くないか?」

「あーせやな、この後のこと、紅葉に相談した方がいいかもな」

「あ、それなら穂。学校まで送ってやってくれ。私は…後片付けをしなければ」

「へい。じゃ行くかあ」

「おけおけ、そんじゃまたなヘヴィー」

 

 ちょっと壊れた家を2人で後にする。

 

「…一応外だから、この話し方にしておくね」

「りょー、つか私の事なんて呼びたい?私は個人が識別できるならそれでいいと思ってるけど」

 

 なんて呼びたい?…なんて呼びたい、か。

 普通に影星でも良さそう、だけど…

 

「それなら…私も、私の時は影星って呼んで、素の時は星辰って区別しようかな?」

「それでいいぜ。んじゃよろしくな、穂改めみのり」

「うん、よろしくね!影星兼星辰」

 

 学校が遠くに見える。

 

「ここでいいよ、後は自分で行けるから」

「そう?分かった、それじゃあまたね」

「ああ、じゃーな」

 

 舗装された道を、振り返りもせず走っていく影星。

 

 …あれ、もしかしてこの世界の初めての友達だったんじゃ?

 

=====

現在ステータス

Name 影星

Default HP増強Lv1 MP増強Lv1 身体増強Lv1

Peculiarity 世界補正

Personal Effects 書籍『クトゥルフ神話〜Real〜』

Skill

人体強化モジュール

星達の不純物

=====

 




影星の書籍、『クトゥルフ神話〜Real〜』、之本だから能力じゃなくても?ってことで所持品へ変えました。
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