side:ショゼット=シュゼット=シェヴァンターレ
「あ?誰だよお前」
パッと振り返り、相手を見つめる影星。
暗い紫の髪色と、光の無い瞳が印象強い女の子がそこにいた。
「人に名前を聞く時は自分から、でしょ?」
「そんなテンプレ求めてねーから答えろよ。それとも死にたいのか?」
初対面にすら噛み付く彼女。流石に、初めて会った人にお前っていう呼び方は、ちょっとどうかと思うんだけど。普通なのかな。
「あははっ!こわーい!…そんなこと言っちゃっていいのかなあ?」
「邪魔すんなら容赦しねえって決めてるから。ま、名前知った上で殺すか、知らないまま殺すかの違いだけどな」
街中ではない(と思う?)にしろ、こんなところで殺意に溢れた言葉の応酬をされても、困るのは私だ。後、通行人も。
というか、名乗る順番だけで大揉めしないで欲しい。
「自信家だね。嫌いじゃないけど…後悔するよ?」
「後悔するのはお前の方な」
私が一瞬目を離した隙に、影星は相手の背後で既に攻撃態勢に入っていた。さっきの人と同じように、一撃で頭を消し飛ばす事を前提としたキックは、どこからか現れた人に止められた。
容易く跳ね返された影星は、それでも笑う。1度離脱して、私の隣へ戻ってきた。
「ふーん、2-2だったか。1人じゃ勝てないって思ったんだろ?」
「勝てるとは思ったけどね。どうせなら楽しみたいんでしょ?
「分かってんじゃん。お前もそっち側か?」
「そう見える?…僕は君が遊びたそうだったから構ってあげるだけだよ。ねえ?」
その子が声をかけた先にいたのは、私達よりも少し背が高い男の子。闇程暗い髪色、前髪には白い毛束が1房。片目だけ覆って、隠れていない瞳はやっぱり黒い。
影星の攻撃を止めた、いつの間にか居た人。
「2-1したいなら付き合ってやっても良かったんだけどさ。さっきのあいつと同じ程度なんだろ?」
「それは…ないと思う。…止められたこと、覚えていないの?」
少なくとも、私の知っている中であれば、影星を止められた人は、知らない。『神話生物』とかいうそれも、影星には適わなかったようだから。
「覚えてるけどこれがデフォの可能性あるやん?」
「…まあ、そうかもしれないけど」
納得はしていないけど理解はした、という意味で、一応肯定だけしておく。
「ま、いいや。ショゼ、その黒髪の奴は任せといてもいい?私はそいつと決着つけなきゃならねーんだ」
まさかの助っ人の方を任された。別に、不服は無いけれど。
「分かった。いいよ」
「さっすが、まーお前なら大丈夫だろ」
私は、影星程強くない、はず。だけれど、やれるだけやってみよう。
「話は終わり?終わったなら始めよっか!間違えて殺しちゃっても悪く思わないでね?だって君達が選んだんだから。僕の正義とは少し離れちゃうけど、これは遊びで別ってことに出来ないかな?」
どこからともなく取り出したロケットランチャーを構えたその子は、影星に照準を定めている。
「…えっと、私達も…やる?」
一応、戦闘の意思があるかの確認はしてみる。
「…好きにしろ」
どっちとも取れる返事に、それなら私もこの世界での肩慣らし、程度の認識で殺し合いを始めたのだった。
名前書いてないと表記分かりにくすぎでは?影星が戦犯