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何処かも分からない空間。
「
誰も何もいない空間。
何処に向かってかも分からない問いに答えるのは、実態のない声。
「いるぜ、どうした?紅葉」
反応があったことを確認し、紅葉は尋ねる。
「ついさっき、他の世界から2人来たでしょ?早く戻なさいといけない。キミらならすぐ出来るのに何でやらないの?」
「仕事放棄常習犯の大魔王リーダーには言われたくない」
「ごもっとも」
まあでも、と朱杏は呟く。
「他の奴らはお前が仕事してるの知らないんだろうなあ…」
紅葉が怠惰で仕事をしていないと思っているのは大多数。影で行動を起こしている事を知っているのは、神の5柱だけだ。
「ボクの仕事事情はどうでもいいよ。出来るの?出来ないの?」
何もない空間で紅葉が指を鳴らすと、椅子とテーブルが現れる。椅子に腰かけ、テーブル上のティーポットを取り上げると、朱杏は態とらしくわかりやすい溜息を吐いてみせた。
「勝手にティーパーティーすんな虚しくなるぞ」
「別に一人なのは慣れているから気にしないけど」
「なんか…悪い」
「何が?」
カップを手に取り、紅茶を一口飲む。
「……ま、いっか。…答えから言うと帰す事は全然出来る…が」
「が?何?」
話の間にも、皿上のクッキーに手を伸ばす。
「そいつらと一緒によくわかんねえ変な奴が来ててさ…今はこの空間に封印してるけど量多くてそっち流れるかも知れねえしちょっと危険だからな…まだ帰せない」
「もぐもぐ」
「人の話聞きながら食ってんじゃねえ」
もきゅっ、とクッキーを呑み込むと、紅葉は席を立つ。
「つまり、その変な奴らがいなくなれば帰せるんだね?」
「そういうことになるな、そっちは頼めるか?」
「いいよ、あともう1つ」
皿からクッキーが消えていく様を眺めながら、紅葉は気にしていた別件について話を切り出す。
「裏世界、何か行動を起こし始めるかもしれない。気をつけて」
「あ?裏世界?」
朱杏は、流石に驚いた様な声を出す。しかし、ただの振りだと知っている紅葉からすれば、既に5柱は予め認識していた事になる。
「何、知ってたの?
「いーや、
呼んでやろうか、という朱杏だが、どうせ既に聞いているのだろうと勝手な推測を立てる。
それでも、一応呼ぶように頼んでみれば、案の定すぐ傍にいた。
「何だ?」
「キミが裏世界の事を探っているの?」
「探っている…?」
「…は?」
その疑問符に、紅葉は疑問で返さざるを得ない。
紅葉は、玄戈が裏世界の調査をしているものだとばかり思っていたのだから、仕方ないと言えばそれまでだが。
「何の調査もしていない…ただ、根拠は無いがそんな気がしただけで、朱杏にも確認は頼んでいない」
「そそ、俺もまだ手ぇつけてないんだよこれ」
「そう…まあ、もしそうなれば…」
彼女の中に浮かぶ、最大の懸念事項。
「(邪王が敵になるかもしれない…)」
あくまで仮定。あくまでif。
しかし、0ではない可能性。
「…何とでもなるか」
いざとなれば自分が動けば問題ない。
全てをその一言で片付けた紅葉は、空間内から姿を消した。
次は影星、よし