side:影星
ヘヴィーに渡されたバッグはまだ空。今から作れって事かよ。
どうやって作るんかは不明、とりあえずは生体記録版を作って、それからレベル10を作って…1000秒かかるらしいからその間に呪文を獲得して内容を理解して…
「影星ってここの生徒じゃない…よね?」
「あ?そりゃそうやろ、つかお前この学校通ってんの?」
「たまに来るくらいかな、基本ヘヴィーのお手伝いしてるから」
本を少し横に退けて、虚無の空間に両手を翳す。
正直やり方なんてわからんし、これでいいやろ多分。
みのりが不思議そうな顔でこっちを見てるけど知った事じゃねーな。
コトン、と軽い音がしてiPadの様な板が現れる。これが生体記録版らしい。
《生体記録版》
名前 ???
性別 ???
身長 165cm
体重 42kg
血液型 ???
…この???ってなんだよ。私の名前も性別も血液型も分かりませんってか?まあ私もわかんねーけど。まともなスペック身長体重しかねーやん…
とりあえず次にチップ。
同じ要領で手を翳し、レベル10のチップを作ってみる。
全部作って保存するか、そっちの方が早いやろしな。
9個のガチャガチャのカプセルみたいな球体が、浮かびながら踊り回る。なんだこれ、なんの意味があるんだこの動きに。
モジュールの方はいいとして、次は呪文について。
ページ確認してみるか…
=====呪文=====
…は??
ふざけんじゃねーぞ何も書いてねーじゃねーか!!
これあれか、コストのページから呪文何かしら取らねーと意味ねーんか。
=====コスト=====
残りコスト:11
増強可能
・HP増強
・MP増強
・身体増強
解放可能呪文
・悪魔退散
・悪魔の暴露
・悪夢
・暗黒の呪い
・萎縮
・イブン=グハジの粉
・癒し
・鋭敏な2人
・黄金の蜂蜜酒の製法
・空中浮遊
・魚の招来
・精神交換
・ゾンビの創造
・肉体の保護
・無欠の投擲
・門の観察
・夢の映像
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…なあページ数の表記は??おかしいやろそれないの。
それともあれか?手翳してまた得るんか?ちゃうやろ多分。
何解放するかな…肉体の保護は安定で強いよな…よし、肉体の保護にするか。
で、どうするん?
「影星が何を見てるのかは分からないけど…」
流石に不審な動きにみのりが隣に膝をつく。
「なんかこう…この変な文字…これ文字なのかな…?翳すのが難しいなら触ればいいんじゃない?」
「……え、天才やん」
「え?」
言われるまで気付かない事ってあるよな。確かにそうやん、何で気付かなかったんやろか…
肉体の保護の文字列に触れる。
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肉体の保護(FLESH WARD)
物理的な攻撃に対して保護を与えてくれる呪文である。この呪文をかけるためには任意のマジック・ポイントのコストがかかる。消費したマジック・ポイント1ポイントににつき、呪文はその使い手(あるいは選ばれた対象)に向けられた非魔術的攻撃に装甲を与えてくれる。呪文がダメージをさえぎってくれるたびに、この呪文による防護は消耗していく。呪文の効果は24時間続く。もちろん、その前に装甲を使い切ってしまった場合はそれで終わりである。この呪文をいったんかけてしまうと、そのあとでマジック・ポイントを追加して装甲の力を補強することはできない。また、前の呪文の分を使い切ってしまうまでは、新しくかけ直すことはできない。
獲得コスト 4
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新しいページに飛ばされた、か?みてーやな、ここに手翳せば獲得出来る、んやろうけ、ど…
……何かがおかしい。なんだ?代償が違くねーか?
「…き、気持ち悪い文字が…いっぱいだね…」
「……」
…分かった。
…でもなんで?
「影星?」
「あーせんきゅみのり、お前のおかげで獲得出来そうだわ」
コスト4か、異世界では使い放題なら安いもんやな。
ページに手を翳す。
肉体の保護、獲得だ。
んで次にここ確認するんやろ、もう分かってんぜ…
=====目次=====
HP増強
MP増強
身体増強
呪文
コスト
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ここの呪文やろ、もう扱い方分かってきたぜ!舐めてんじゃねーぞ探索者のこと!
=====呪文=====
正気度喪失、ラウンド等の代償をマジック・ポイントで賄う事が可能です。
コストのページを参照に、得ることのできる呪文が表示されます。
以後、このページから獲得済みの呪文を確認する事ができます。
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って事は今ここに書いてあるんか…
=====呪文=====
・肉体の保護
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早速追加されてんな…全部解放したらどうなるんやろ?
「…ねえ影星」
しばらく変な文字に見える本を目で追っていたみのりだったが、やがてどうしても読めないと判断したか潔く諦めて話題を変えた。
「影星って一人で来てる訳じゃないんだよね?」
「そうだぜ、あそこにいる」
ショゼの方を振り向く。それだけでわかったらしい。
「もしよければなんだけど…私にも会わせてくれない?」
「あー、一応ショゼに連絡してみる」
ポケットからスマホを取り出し、ショゼにメッセージを送ってみる。
例え返信が来なくても、確実に読んでんのは分かるから気にしない。
『こっちの世界に来て出来た友達が会いたいらしいから会ってくれね?パーティ終わりでいいけど』
よし。これでいいやろ。
「んじゃ、パーティ終わりでいいか?」
「うん、ありがとう!」
次が世界探索編最終話か…長かったな