異世界探索記   作:紅色の落ち葉

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前編後編で分けようと思って…
てか戦闘シーン相変わらず書けてねえな


世界調査 ─新たな能力 前─

 side:影星

 

 狭く暗い道。後ろで扉が閉まる音。耳を劈く程の大きな警報音は、すぐに止んだ。

 私の前の2人組が立ち止まった。

 

「まさか気付いていないとでも?だとしたら、お前相当バカだな」

「ここに入り込もうとする時点でバカ丸出しっすけどね〜?」

 

 バレてたのかよめんどくせーな…

 こいつら能力持ってんのか?ま、どっちでもいいな。さすがに負けねー。…いや、負けるつもりがない、の間違いか。

 

「このアジトには何人能力持ちがいんだ、答えてくれたら生かしてやるぜ?」

 

 すこーし圧かけたら吐くか?

 …いや、無理やな。こいつら、仮にも暴力団か。相当肝は座ってるやろし、やっぱ力で無理やりぶちのめすしか…

 

「そっすね…例えば…」

 

 ─オレなんかが、能力者っすかね。

 

「…は?」

 

 私を囲む様に壁が展開される。元々道が狭い。前後を塞がれれば、どうしようもない。

 …あ?これ壁か?壁にしては半透明な気がするんやけど…何だ、これ。

 

「その結界、ちょっとやそっとじゃ壊せないんで暫く大人しくしといてください。ボス呼んできますんで。…ね、あいつのこと見張っといてくれません?万が一逃げ出されても困るんで」

「ああ。分かった」

 

 結界を貼ったやつは更に奥まで進んでいく。もう1人のやつは、結界の外から私の事をじっと見つめている。

 試しに、結界に対して拳を振り下ろす。たかが結界程度なら、この程度で割れるはず。割れなくても、ヒビ程度は入るやろ。

 そう思ったんやけど、全然ビクともしない。身体能力三乗、それでも割り切れない。これが能力者の力、か?神格なんかより強そーやな。

 本当は今すぐにでもあいつを殺したいんやけど…先にこれを何とかするのが先やな。

 一撃で足りねーなら二撃入れればいい話やし。

 高さ的に<跳躍>使えねーけど、まあ打開策は一応あるんやししゃーなし。

 <こぶし>に<マーシャルアーツ>を乗せ、思い切り殴る。何ともならねーけど、これは予想通り。ノータイムでマーシャルキックを叩き込めば、流石に耐えきれなかったのかヒビが入る。

 に、しても。まさかこんな頑丈だとは。体力削られるかもしんねーな…

 

 ん?

 

 ヘヴィーから渡された、小さなバズーカを思い出す。あれは…服のポケットに…

 ポケットを探ると、ストラップにしか見えないものが出てきた。

 拡大縮小は自由、弾は魔力で補える。

 この結界、物理に対しては確かに圧倒的な耐久性を誇るんやろーけど、そういえばこっちはまだ試してなかったな。

 

 大きさを標準に戻し、本体に魔力を込めると全体的に温かくなる。貯めとけば暖房器具として使えそうやな。

 暫くすると、先端に光が集まってきた。これで発射準備は整ったんかな。

 引き金に指をかけて、とりあえず1発ぶち込んだ。

 

 力で破壊しようとした結界は、いとも容易く粉々に砕けた。物理耐久が相当だっただけやな。魔力に対しての結界構築はされなかったんか、ラッキー。

 

「…割れた?」

 

 結界を破壊し、道に立つ私に、見張ってたやつが警戒して体をこっちに向けた。

 2通りの攻撃方法。本当に、楽やな。

 肉体の保護も使おうと思えば使えるし、ガード面の確保も出来てる。

 これなら行けそうやな。

 

「こんな時の為に残されたから別にいいが。面倒な雑魚が入り込んだな」

 

 一瞬の瞬きの間。

 目の前から姿が消える。

 気配は後ろ。

 咄嗟に振り向き、小型ナイフを手で受け止めた。

 肉体の保護はまだ続いてるのか、全くの無傷。

 それより、こいつ結構はえーな。能力か?いきなり戦えるとは思わんかったな。折角だし、どんなもんか試してみるとするか。

 受け止めたナイフを手で掴む。手を離すならこの武器は有効活用させてもらうし、離さないなら引き寄せて1発で蹴り殺すだけでいいな。

 

 そう思った時、ナイフを残してまたも目の前から消えた。

 瞬間移動系の能力か?だとしたら当てるの大分難しくなるな…

 いや、何かしらのデメリットがあるはず。それが分かるまでは耐久勝負の方がいいか…?

 でもここでやってたら増援来るかもしれねーな…そうなったら不利になるし…

 

 やっぱ今すぐ殺した方がいいよな。

 

 いくら早く動こうが、この場所じゃどこに行くかなんて限られてる。想像の範囲を出ない行動しか取れねーやろし。

 

 後ろを振り向き、確認せずに手を伸ばす。一瞬でも捉えられたらそれでいい。捕まえれば、それで終わり。一撃で屠ってやる。

 

 手に、何かが触れた。

 即座にそれを力の限り握り締める。

 

「うぐ…」

 

 動きを止められたからか、視界で捉えられるようになったそいつの手首を引き寄せる。

 攻撃を受けるより早く、腹に蹴りを叩き込み、同時に手を離す。

 哀れそいつは遠くへ飛んでいった。頭でもぶつけて死んだろ。つーか私の蹴りにあの程度の奴が耐えられるわけねーな。

 見張りもいなくなったことやし先に進むか。何人くらいいるか全然わからんけど。

 

 

 道を進んでしばらくすると、開けた部屋に辿り着いた。10人くらいいる…けど、奥に続く通路もある。そん中にさっき見たやつは居ない。全員無能力者か?

 こいつらが単純にバカなおかげで、敵が入り込んでるってのに隙しかない。

 

 物陰に隠れながら、リスク無しで近づく為に、気配と足音を殺して1番近くにいたやつに奇襲をかける。

 死角から飛び出して、みのりに対してとは違う容赦のない飛び膝蹴り。

 一撃で壁まで吹っ飛んだそいつを見て、室内は一気に騒然とした。

 漸く私の存在に気づいたらしいけど、おせーんよなそれじゃ。

 

「お前ら全員殺しに来た奴やけど何やってん?気付かないとかバカなん?」

 

 冗談でも煽りでもない本心。普通、あんなバカデカいアラート聞こえたら構えるやろ。それすらしないとか私以下やぞこいつら。

 

「黙れ!侵入者発見!侵入者発見!即座に排除──」

「あ、そういうのいらねーから」

 

 さっきのやつから奪い取ったナイフを、そいつの心臓狙って投げる。更に距離を詰め、刺さったナイフを押し込むように持ち手を蹴り込んでやる。これで2人目。

 背後から向けられる8人分の殺気と銃口。正直撃ちたきゃ撃ってもらって構わねーんよな。肉体の保護で防げるんやし。

 でもまあ…折角なら攻撃に生かすとするか。

 

「侵入者は1人、油断するなよ」

「ほんとそーれな」

 

 8発中の7発は肉体の保護で受ける。残り1発は、指で弾いて撃った本人に跳ね返してやった。

 殺しにも芸は必要、ただそれだけなんやけど。

 銃弾を受けたのにまだ生きてるそいつを、次はどうしようかと考えて、そして閃いた。

 こんだけ人数が多いんだ。

 

 人間の1人や2人、物理攻撃として利用してやればいいな。

 

 てなわけで、早速実行。

 

「そういやお前らさっきから戦うつもりらしいけどさあ」

 

 捉えきれない速さでまだ無傷の…この言い方だと紛らわしいな。私から見て左から12345678って区別するわ。さっき弾跳ね返した奴が4な。

 3の背後に回って蹴り飛ばす。1人分空いた場所から、今度は5を巻き込むような形で4に向けてバズーカを撃つ。

 とりあえず3人処分して、残りは5人。次は…対角線上位のやつの方が蹴り飛ばして巻き込むのは1番簡単やな。

 そうと決まれば、次に狙うのは1と8。どっち蹴り飛ばしてもいいんやけど、まあ1蹴り飛ばして7も巻き添え食らわせてやるか。そっちの方が近いしな。

 

「お前らみたいな無能力者が勝てる訳ねーやん?」

 

 後ろに下がって1を背中から蹴り飛ばす。不自然に加速した気もするけどそんなん些細な事やし大丈夫大丈夫。

 飛ばされた1は狙い通り、避ける暇もない程の速さで8の方へ飛んでいった。これが人間サッカーってな。

 残念な事に7は巻き添えにならんかったけど、まあ人間を物理攻撃に利用出来た訳やし結果は別に悪くないやろ。それにどうせもうあいつら死んでるわ。

 後は残りの3人をどうすっかな…6と7は比較的2人が近い位置にいるけど…2だけ私の近く、ってか残り2人と離れてるんよな…

 先にこいつ落としてから残り2人のこと考えるか。

 2に向けて足を踏み込み、ほぼ体当たりの様にして凸り投げ飛ばす。  

 頭から壁に激突したんやしまあ気絶やろ。後でトドメ刺すとして…残り2人は…めんどくせーから普通に蹴り飛ばすか。

 

「って訳でおつおつ、地獄でどうぞごゆっくりしとけよ」

 

 天井ギリまで飛び上がって、まずは頭部を蹴り潰して1人。

 傾いた体を蹴って加速してから腹パン。勢いがつきすぎて体ぶち抜いたけどこれで2人仕留めきれた。

 

 とりあえずこの部屋のやつ全員殺して、先に進む。

 数歩も行かず、人影が見えた。

 しかもあいつ、結界貼ってたやつじゃねーか。一応バズーカ用意してから背後奇襲で仕留めるか。

 魔力を込めながら、少しずつ近付く。

 でもよく考えたらこの暗い中、背後から突然光が溢れたらバレるよな。

 思慮の浅さにより、そいつに思いっきりバレたけど隠れる場所もねーし、とっととバズーカぶちかますか。

 引き金に指をかける。

 

 …手になんかが刺さった気がする。

 

 なんだこれ?

 バズーカを持ってる手の甲に細い針が突き刺さってんな…なんだこれ。

 

「生きてるとはな…しかもそれ魔力だな。まさかデメリットまで見破られるとは、少し甘く見すぎましたかね」

「何言っとんお前、死ぬぞ?」

 

 バズーカを相手に向ける。逃げ場がないことを察してか、無駄に結界を貼ることもしない。

 …こいつ、何考えてんだ?

 

「まあ、仕方ないんで。お前もタダじゃ帰れませんけど」

「は、関係ねーな。んじゃお疲れ」

 

 引き金を引いて光の束を発射する。当然のようにワンパンしてやって、後には何も残らない。

 その事を分かっていたのか、相手も無駄に抵抗することはなかった。

 あいつほんとに何考えてたんだ…?限りなく嫌な予感がするけど…ま、いっか。あんま気配も感じられねーし、建物の割りにはそこまで人数いないっぽいな。

 

 奥に進もうと足を1歩踏み出した時。

 

「…?なん、だ?」

 

 視界が少しだけ歪んだ。動くのに支障がある訳でもねーけど…なんだこれ。

 まあいい、とりあえずこいつら全員殺して呪文解放して…魔界行って悪魔(ゴミ)共抹殺して紅葉んとこ行って…

 よし、計画にブレはねーな。

 

 んじゃ、とっとと終わらせに行くか。




次回!影星、新たな能力を得る(既に得てる)
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