エピローグ
「やっと行ったか…」
二人が去った後の校庭。紅葉は一人、そこに立ち尽くしていた。
別に、別れが惜しかったかと問われれば違う。寧ろ、早めに帰ってくれて良かったとすら思っている。それよりも、少し前から気になっていた、この不穏な気配の正体をどうにかする方が重要な事だと考えている。故に、たかが別世界から二人迷い込んだとて、問題にはならないのだった。
「お話は終わったかな、魔王様?」
突然、紅葉の背後に人が現れる。とはいえ、身長は100cmにも満たない小人なのだが。その雰囲気は、決して侮っていいものではない。
「…」
「黙り込んじゃってどうしたの?まさか私が見えてないわけでもないだろうし」
面白そうに笑う小人の方を向かず、紅葉は問いを投げる。
「何の用?『裏世界の主』が直々にボクに言いたい事って何?」
「へ〜…」
裏世界の主と呼ばれた小人は、興味ありげに笑みを深める。その表情は、凡そ小人とは思えない、何処か闇を感じる笑みだ。
「1ヶ月後、私達裏世界は表世界を乗っ取りに来る。既に手は打ってあるけど、それでも私達にも準備ってものがある。分かる?これはね、あなた達表世界への─」
「─宣戦布告って訳か」
「そういう事、私はちゃんと伝えた。もちろん、戦わないつもりならそれでいいよ。まあ、いきなりそんな事言われて戦力を揃えられる程暇じゃないだろうけど。だって、あなた達大魔王の数より裏世界の方が多いんだもん」
一頻り紅葉を小馬鹿にした後、裏世界の主は周囲と同化する。
そしてまた、愉しそうに笑うのだ。
「それじゃあ、決戦の日、楽しみにしてる」
その言葉を最後に、不穏な気配が背後から消えた。どうやら、今までのものは全て裏世界の主の物だったと思っていいようだ。
裏世界と本格的に敵対する日はそう遠くない。これは、学園外の魔王全員にも戦ってもらわなければならないかもしれない。更に邪王が加わるとすれば、もう少し──
あの赤髪の方の異世界人は見込みがある。親友の名を出して釣れば、嫌でも協力するだろう。
それに、戦力がそこまで枯渇している訳でもない。行動可能な人数は、60名近くいるはずだ。裏世界に2人ずつ向かわせても足りる。
この戦い、思ったよりは難しく考える事も無さそうだと、紅葉は決めた。
「…それで、これを見てるキミは?」
紅葉は目を上げると、貴方の方を見る。
暗い赤色の瞳が、貴方を見据えた。
「…キミも幕引きを見に来たのか」
そう言うと、画面に向かって指先を向け─
「一旦、この物語はここでENDだ。また会う日まで。」
ということで、異世界探索記は終了です
次章、異世界戦闘記ー表裏一体ーが開幕します(多分名前はこれで決まると思う)
次章は来年動かす気持ち
ここまで見てくれてありがとうございました!!
(感謝の土下座)