異世界探索記   作:紅色の落ち葉

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世界探索 零ー弍

 side:ショゼット=シュゼット=シェヴァンターレ

 

「い…行っちゃった…」

 

 颯爽と学園を去った影星をぼんやり見ていると、紅葉から声がかかる。

 

「まあ、とりあえずそうだね。羅刹、ショゼットの事を案内してあげて。雨飾、夜鴉、キミらには話があるから逃げないように」

 

 意識的な冷たい声に、無関係の私まで若干寒くなる。

 

「え、僕何かしたっけ?」

 

 だというのに、雨飾…さん?は、慣れている様だ。

 

「さっきの事について。っていうか雨飾、キミに関してはそろそろお灸が必要だって話も出てる」

「ふーん、誰から?」

「ボクから」

 

 と、ここで私は気になったことが1つ。雨飾さんの心境って、何なんだろう。

 言い方的に、常習犯…みたいだし。

 何を考えているかは分からなくても、感覚で何となくは分かる技能─<心理学>を使って見る事にした。

 

 結果から言えば、何も分からなかった。

 

 紅葉さんの方に対してもやってみた。それでも、結果は同じ。

 本当に、何も読めない。

 

 …大切な『なにか』が欠けている?

 

 …気のせい、かな。

 

「そういう事だから、任せたよ羅刹」

「はーい!」

 

 あ、いけない。話を聞いていなかった。

 雨飾さんも夜鴉さんもいなくなっていて、紅葉さんも校舎の出入口から声をかけてくれたらしい。

 そのまま、中に入って行っちゃった。

 

「…………ねえショゼット、どこ行きたい?」

 

 しばらくの沈黙の後、恐る恐る羅刹さんに問われる。どうやら、距離感を探っているらしい。

 

「…えっと」

 

 一方、私は1対1のコミュニケーションはそこまで得意な方ではない。つまり、これは…

 

 コミュ障同士の…対話…?

 

 いけないいけない。ちゃんと答えないと。

 とは言え、どこでもいいが困るのはよく知っている。

 そういえば、今日は影星と新しく出来たカフェに向かう予定だったんだっけ?

 

「あ、えっと…綺麗で、広くて…後、パフェがメインのカフェ…?」

 

 …そんなに都合のいいお店なんて、ないか。

 

「…綺麗で広いかはわかんないけど…パフェがメインのカフェならあるよ」

「…本当?」

 

 純粋に驚いた。そんなお店があるなんて、思わなかった。

 

「うん。行く?」

「行く」

 

 何も考えずに即答してしまった。まあ、考えても行かない選択肢はなかったけれど。

 

「分かった。それじゃあ、案内するからついてきて!」

「うん。…ありがとう」

 

 少し…本当に、少しだけ距離が縮まった気がする。…気がするだけ。でも、何となく羅刹さんは甘い物が好きなんだろうな、と想像はついた。

 だって、少し嬉しそうだから。きっと、人と出かけることもほとんどないんだろうな。

 

 ─影星と、何となく似ているような気がする。

 

 そんな訳ないか。きっと、紅葉さんに管理されているとかそういう話なんだろうな、大魔王って。

 

 あぁ、こんなこと考えたら失礼だった。折角案内してくれるんだもの。

 

「早く行かなきゃ閉まっちゃうよ?ランチタイムまでしかやってないんだから!」

 

 こんなに楽しそうな人を置いて考えるなんて、やっちゃいけないよね。

 

「…早く、行こう」

 

 なら、気づいたってもう少し。

 

 見て見ぬ振りだって、許されるじゃない?

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