「やはり勇者様なんだ!」
「秩序を破壊する武器を携えて現れるという勇者様だ!」
「勇者アルゼンチンペンギン万歳!」
これは僕がセントビンセントに旅行に行った時の記憶……!?
なんで今まで思い出せなかったんだ!
僕はすでにあの教会で神父様に、この武器を戴いていたんだ!
「……ギン…………アルゼンチンペンギン! 起きろ!」
「アンジェラさん! 僕! 戦います!」
「どうやら意識が混濁しているようだな! ふんっ!」
寝起きでアンジェラさんにビンタされた! 気合いが入る一撃だ!
「僕は勇者アルゼンチンペンギン! 邪悪なる者を討ち滅ぼし、ポテトチップスを布教する宣教師!」
「邪教もまた宗教……信念の価値に差は無い、か。良いだろう! アルゼンチンペンギン! 私とともに邪悪なる者たちを打ち滅ぼそう!」
アンジェラさん……
固い握手によって僕らの間には絆が生まれた!
あったけえなあ……
「行こう! 天竺へ!」
「夜中にうるせえぞ馬鹿ども!!」
「うるせえ!」
ドゴンッ!!!
怒鳴り込んできた村長がアンジェラさんの拳骨で沈んだ!
「そういやなんで起こしたんですか!?」
「見ろ! お前の召喚した武器を!」
う、浮いてる!!!!?
高く浮いていく!!
「どっか行っちゃいましたね! アンジェラさん!」
「取り戻してこい!」
アルゼンチンペンギンは空だって飛べる!
そう、君たちの心が誰にも縛られず、自由であるように!
「フライングインザスカイ! 高く羽ばたけええええええ!!!!」
そうだ! 先生が教えてくれたじゃないか!
『それは欺瞞だよ』
親友のミカエル!?
『悪い、やっぱつれえわ』
王様!?
『お前は鳥だ!』
もう1人の僕!?
いいや!
振り切って飛んでいけ! どこまでも!
……見つけた! あの輝きこそヴァルハラへ繋がるアステカの錦帯橋!
「取り戻したか! このバカ!」
「アンジェラさん! これこそ僕たちのフリースタイルバトルなんですね!?」
さあ行こう!
「待て、まだ眠いから寝るぞ」
ぐわああああああああああ!! 足に投げ縄が引っかかったああああああああ!!
アンジェラさん! なんでこんな事を!
「寝る」
青い太陽が遥か遠くで登っていくよ!
異世界だ!
朝だ!
冒険が始まるんだ!
「アンジェラさん! ご飯はもう食べた!? いくや!」
「待て、邪悪なる者!」
衛兵さん!? なんでここに!
GPSがあったなんて誤算だった! 僕の力ではアンジェラさんの体重を空に浮かべることは出来ない! どうしよう! 逃げられない!
「おう、誰の体重が重いって?」
聖騎士アンジェラ! 行け! 衛兵を倒せ!
「お前は後で殺すがとりあえず邪魔は切る!」
アンジェラめ! 市民の秩序を守る衛兵を殺そうとするなんて許せん!
止めてやる!
勇者武器アスケールを持って立ち塞がる!
僕こそが真の騎士、アルゼンチンペンギン!
「お前何やってんだ!?」
「殿中でござる! 殿中でござる!」
何かこの場を納める良い手立ては無いか!?