進撃の王国心1.5+2.5   作:いすゞ

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第11.5話 ホロウバスティオン攻防戦 その後

 

 

言峰は闇の回廊でただ道を歩いていた。

 

 

 

言峰「キーブレード…ハートレス…そして、ⅩⅢ機関…」

 

 

 

闇の回廊から出るとそこは冬木市の教会にたどり着く。

 

 

 

言峰「さて、我々もそろそろ本腰を入れねばなるまい」

 

 

フリーザ「どうでしたか?ホロウバスティオンの行く末は…」

 

 

言峰「無論、レミリア陣営の勝利となった」

 

 

無惨「結局、あの戦いはなんの為に行ったというのだ言峰よ?」

 

 

言峰「新たな始まり…創造の必要な糧というべきか…」

 

 

 

言峰は机の上にあるワインの入ったグラスを一口飲み、再び机の上に置く。

 

 

 

言峰「勿論、ⅩⅢ機関もエレン・イェーガーを狙っている」

 

 

フリーザ「ほう……この私が言うのも何ですが、やはりもう十分なのでは?もう彼等は深い絶望に打ちのめされたかと思いますよ?」

 

 

言峰「いや、まだ先がある。これから更に絶望は深くなるであろう」

 

 

無惨「我等が全力を出せばキーブレードの勇者やⅩⅢ機関を一網打尽ではないか?なぜあの戦いに参戦しなかった?」

 

 

言峰「確かに、諸君や私の力なら可能だろう。だが、我々はまだ力を蓄える必要がある」

 

 

無惨「……ふん、まぁいい。貴様の考えは気に入らないが今後の計画には興味がある。それに従うとしよう」

 

 

言峰「それそうと、黒ひげと死柄木の二人はどうしたのだ?」

 

 

フリーザ「あの二人なら、一度自分の世界へ戻りました。恐らく貴方の作成したハートレスの実験をする為かと」

 

 

言峰「そうか……」

 

 

フリーザ「それで、ここに戻ってきたということは何かご用ですかな?」

 

 

言峰「あぁ、今後についてだが……そろそろ奴を動かそうと思ってな…」

 

 

無惨「ほう……それは誰なのだ?それともまた貴様の作り出したハートレスか?」

 

 

 

言峰は一つのカプセルを取り出す。

 

 

カプセルの中身はまるで生物のような意匠であり、脈を打つような音が聞こえてくる。

 

 

フリーザはそれを凝視する。

 

 

 

フリーザ「……それは、ハートレス…ではないのですか?」

 

 

言峰「そうだ……だが、ただのハートレスではない」

 

 

フリーザ「……成る程。ハートレスの集合体……ですが、それをどう使うと?」

 

 

言峰「これは他人の肉体をも再現できる代物だ」

 

 

無惨「……つまり、キーブレードの勇者やXIII機関に対抗する為か?」

 

 

言峰「それも一つの使い道だがな……」

 

 

無惨「まぁいい、話は終わりだ。そろそろ私も戻らねばなるまい。これから大事な用があるのでな?」

 

 

言峰「そうか……また、会おう」

 

 

無惨は言峰たちに背を向け、闇に消える。

 

 

 

フリーザ「ところで何故です?わざわざ、彼に言う必要があったのですか?」

 

 

言峰「……英雄王のことか?」

 

 

フリーザ「はい、彼はまだ使える駒……わざわざ、私達に警戒心を抱かせる必要はないかと」

 

 

言峰「今のギルガメッシュは確かに我々の脅威しかない…だが、いずれ我々の力になる」

 

 

フリーザ「それは?」

 

 

言峰「英雄王ギルガメッシュ……あれもまた、我等の望みを叶える為には必要な存在だということだ」

 

 

フリーザ「……なるほど」

 

 

言峰「彼はまだ、あの戦争を経験していない。ならば、戦力が整い次第、彼がもっとも輝ける舞台で踊ってもらおうではないか」

 

 

フリーザ「成る程……"キーブレード戦争の再来"…あなたはそれをお望みだと?」

 

 

言峰「そういうことだ……それに、このハートレスの力なら英雄王ギルガメッシュなど取るに足らんよ」

 

 

フリーザ「……確かに。かつてあの人も言ってましたね……光と闇はいずれぶつかる時が近いと…」

 

 

言峰「ならば、その時が来るまで……力を蓄えておく必要があるのだ」

 

 

フリーザ「……わかりました。私も戻りましょう。黒ひげに使っていただくハートレスの調整も済みましたので」

 

 

言峰「そうか……」

 

 

フリーザ「では、失礼いたします」

 

 

 

そして、フリーザも闇に消えた。

 

 

 

言峰「……さて……あとは運命が如何転ぶか……」

 

 

 

そして、言峰はカプセルの蓋を開け、まるで胎児のように丸く眠るハートレスを見つめる。

 

 

 

言峰「本当の絶望は……これからだ」

 

 

 

そして、カプセルの蓋を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ホロウバスティオンではジャンは応急手当を受けていた。

 

 

 

ジャン「……いっ!!」

 

 

咲夜「腕の骨が折れてます。我慢してくださいね」

 

 

 

咲夜はジャンの折れた腕に包帯を巻く。

 

 

レミリアが設立した救急所で104期生達は怪我の治療などをレミリアに仕えるメイドたちが手当を施していた。

 

 

 

咲夜「大丈夫?」

 

 

ジャン「あぁ……」

 

 

サシャ「あの……ちょっといいですか?」

 

 

咲夜「何?まだ痛むの?」

 

 

サシャ「いえ、違います」

 

 

咲夜「じゃあ何?」

 

 

サシャ「その……まだコニーが見つからないんですけど……」

 

 

咲夜「そう……じゃあ、あなたは動かないで。私が探してあげるから」

 

 

ジャン「いや、俺も……」

 

 

咲夜「いいから休んでなさい!」

 

 

ジャン「……わかったよ」

 

 

 

 

ホロウバスティオン攻防戦でレミリア達率いる陣営が勝利を収めたが、被害はレミリア達だけでは済まなかった。

 

 

その被害は104期生キーブレード使いの他に戦いに参加したメイドや逃げ遅れた住民などに死者や怪我人を出すほど、大きなものだった。

 

 

 

この戦いで104期生はジャン、サシャ、コニー、クリスタ、ユミルを除き他のメンバーは重症と死者のみだった。

 

 

 

ジャン「……」

 

 

コニー「よう、ジャン……腕の調子はどうだ?」

 

 

ジャン「……コニーか?」

 

 

 

 

コニーが背後から現れる。

 

 

 

 

コニー「あぁ、俺はなんともないぜ」

 

 

サシャ「もうどこに行ってたのですか?……見つかって良かったですけど」

 

 

コニー「あぁ…。亡くなった同期の奴らのキーブレードを回収して、レミリアさんに頼んで弔ってもらったよ…」

 

 

ジャン「そうか…」

 

 

コニー「少しはアイツラも浮かばれてくれればいいんだけどな?」

 

 

サシャ「コニー…」

 

 

コニー「ところで、大怪我したのはお前だけなのか?」

 

 

ジャン「あぁ……幸い、大怪我をしていたのは俺だけだ。クリスタやユミルは一度ウォール・ローゼに戻って体制を立て直してくれている…」

 

 

コニー「……ごめん」

 

 

ジャン「……なんだよ?急に」

 

 

コニー「俺がヘマしちまってライナーとベルトルトを倒すことが…」

 

 

ジャン「コニー……あのな?」

 

 

コニー「……俺がなんとかすりゃ、こんな事にならなかったのに」

 

 

ジャン「お前がヘマした?馬鹿言うな……俺達はただ負けたんだ。お前のせいじゃない」

 

 

コニー「で、でもよ……」

 

 

ジャン「俺達は全力を出して負けたんだ。別に誰かのせいでもなんでもない……自分の弱さのせいだ」

 

 

コニー「……そうか?」

 

 

ジャン「……でも、今でも信じられねぇよ。ライナーとベルトルトが…マルコを…あいつを……!!」

 

 

コニー「……ジャン」

 

 

ジャン「あいつらが敵だったなんてよ……」

 

 

コニー「……」

 

 

ジャン「……お前だってそうだろ?」

 

 

コニー「!?」

 

 

ジャン「……俺と同じ気持ちなんだろ?なんでだよ!!俺達は一緒にあの地獄のような世界から生き残れたんだぞ!!なのに、なんで!!」

 

 

コニー「……ジャン。今はどうしようもないんだ。俺だってわからない……ベルトルトとライナーの奴が敵に回ったんだ。俺もどうしたらいいのか…」

 

 

サシャ「コニー……」

 

 

コニー「でもよ……俺だってあいつらと戦いたくなかった」

 

 

ジャン「……あぁ、わかってる」

 

 

コニー「だから……今はどうにもできん。それに、俺達にはやるべきことがあるだろ?」

 

 

ジャン「……そうだな」

 

 

 

 

ジャンはホロウバスティオンの中心にそびえ立つ巨大な城に視線を移す。

 

 

 

ジャン「今度は油断しないぞ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「それで、あの英雄王が私達に協力するなんてね…」

 

 

ギルガメッシュ「不服か?」

 

 

レミリア「いや、でも……流石にびっくりね……あなたはエレンと共闘してたことは知っていたけどまさかこの私に協力を申し込むなんて」

 

 

ギルガメッシュ「我に二言はない。この世界を救うのに力を貸そう」

 

 

 

レミリアはギルガメッシュを城の作戦会議室に招き入れた。

 

 

レミリア「それで……エレンから聞いたけどあなたは1年前、言峰の配下から脱走したわね?」

 

 

ギルガメッシュ「あぁ、その通りだ」

 

 

レミリア「……どうして?」

 

 

ギルガメッシュ「奴はいずれ、世界を終わらせる」

 

 

レミリア「どういうことよ……」

 

 

ギルガメッシュ「言峰綺礼という男はいずれ全ての世界を塗り潰し混沌へと導くだろう……それにいち早く気付いた我は刃を向けたに過ぎん」

 

 

レミリア「……そう。それで協力してくれるのね?」

 

 

ギルガメッシュ「そうだ、目的を果たすまでだがな」 

 

 

レミリア「目的?」

 

 

ギルガメッシュ「貴様はこの世界を救うのだろう?ならば、我が力を貸すのになんの問題があるというのだ?」

 

 

レミリア「……わかった。あなたには期待しているわ」

 

 

ギルガメッシュ「ふ……では見せてもらうぞ……お前の目指す先を……」

 

 

レミリア「ところで、あなたは今まで言峰達と動いていたのならセブンハートについて何か知っているの?」

 

 

ギルガメッシュ「知っている。それが言峰の目的だからな。かつて世界を破滅に追い込まれた7つの心のことだろう?」

 

 

レミリア「ええ、そうね」

 

 

ギルガメッシュ「だが、我が国の書物によるとセブンハートには既に力が失われているらしいがな……」

 

 

レミリア「……そう、でもその言峰がまた再び探していると言うことは…」

 

 

ギルガメッシュ「まだ、奴の希望は潰えておらんということだ」

 

 

レミリア「……つまり、そのセブンハートを手にすれば言峰はまた世界を作り直そうとしているのね…」

 

 

ギルガメッシュ「だろうな。だが、どこにあるのかはわからんがな」

 

 

レミリア「まぁいいわ……これからの戦いに勝たねばならないのだから……協力してもらうわよ?」

 

 

ギルガメッシュ「わかっている。我を失望させるなよ?」

 

 

レミリア「……わかってるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇の回廊が開き、中からクロードがボロボロの状態で現れる。

 

 

フリーダ「クロード!?どうしたのこの傷!?」

 

 

クロード「はぁ……はぁ……」

 

 

フリーダ「ちょっと!しっかり!!」

 

 

「ハートレスに襲われたのか?」

 

 

クロード「……ち、違う。奴らだ……奴が現れたんだ……」

 

 

フリーダ「奴?」

 

 

クロード「……ミカサが機関員に連れ去られた…」

 

 

「そうか…大丈夫なのか?」

 

 

クロード「俺はなんとか逃げてきたんだ……すまない……」

 

 

フリーダ「……わかったわ。今は休んで」

 

 

クロード「あぁ……悪いな……」 

 

 

フリーダ「ミカサが連れ去られたということは機関はエレンをまたハートレスにしようと?」

 

 

「分からない…けれど、奴等はエレンのキーブレードを狙っているのなら…ミカサが狙われてもおかしくないだろう」

 

 

フリーダ「……エレンのキーブレードを狙ってる?」

 

 

「奴等の狙いはキーブレードから放たれるハートレスの心。ならば、ハートレスにすると言うなら……」

 

 

フリーダ「エレンのノーバディも狙ってるってことね」

 

 

「とにかく、僕達でなんとかするしかない」

 

 

フリーダ「……そうね。みんな、いつしかは再会する時が近いもんね。あなたとエレンも…」

 

 

「僕はエレンを救う。それだけだ」

 

 

フリーダ「エレンは大丈夫かしら?」

 

 

「彼の心は強い。心配ないよ」

 

 

フリーダ「……そうね、行きましょう!"アルミン"!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

琵琶の音が鳴り響く。

 

 

 

無惨「頭を垂れてつくばえ」

 

 

 

集められた下弦の鬼達の脳に彼の声が響く。

 

 

 

無惨「平伏せよ」

 

 

 

5人いる下弦の鬼達は膝をつき、頭を下げる。

 

 

 

「も、申し訳ございません。お姿も気配も異なっていらしたので」

 

 

無惨「誰が喋って良いと言った?貴様共の下らぬ意志で物を言うな、私に聞かれたことにのみ答えよ。私が問いたいのは一つのみ、何故に下弦の鬼はそれ程までに弱いのか。ハートレス達ならまだいい働きをするぞ」

 

 

 

下弦の鬼達「「……」」

 

 

 

無惨「十二鬼月に数えられたからと言ってそこで終わりではない、そこから始まりだ。より人を喰らい、より強くなり、我々の役に立つための始まり。ここ百年余十二鬼月の上限は顔ぶれが変わらない。鬼狩りの柱共を葬ってきたのは常に上弦の鬼たちだ。しかし下弦はどうか、何度入れ替わった?」

 

 

 

その後、無惨は5人のうちの4人の下弦の鬼達を無慈悲に消滅させる。

 

 

そして、残ったのは下弦の一の鬼、魘夢のみだった。

 

 

 

無惨「最後に言い残すことは?」

 

 

魘夢「そうですねぇ~。私は夢見心地でございます。貴方様直々に手を下して頂けることを。他の鬼の断末魔を聞けて楽しかったぁ~、幸せでしたぁ~。人の不幸や苦しみを見るのが大好きなので、夢を見るほど好きなので、私を最後まで残してくださってありがとう」

 

 

 

それ聞いた無惨は不敵に笑みを浮かび魘夢に自分の血を注入した。

 

 

 

無惨「気に入った。私の血をふんだんに分けてやろう。ただしお前は血の量に耐えきれず死ぬかもしれない。だが順応できたならばさらなる強さを手に入れるだろう。そして私の役に立て。耳に花札の様な飾りをつけた鬼狩りと鍵の剣を持った小僧を殺せば、もっと血を分けてやる」

 

 

 

そして、琵琶伴奏の音と共に魘夢はとある列車の中に転送される。

 

 

 

魘夢「うぅ 無惨様の血とともに流れ込んでくる。ふふ、ふふふ、柱とこの子供達を殺せばもっと血を頂ける。夢心地だ~」

 

 

 

そして、魘夢を乗せた無限列車は汽笛を鳴らしながら異空間を走り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be Continue

 

 

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