それから入学式は無事に執り行われて、校内の説明を星ノ宮先生主導の下、案内された後、それから直ぐに解散となり。各々が自由行動で学校の敷地内でへと散らばった。
初日ということで授業があるわけがなく。むしろ、全寮制ということで併設されている商業施設へ駆り出て色々と買いに行かなければならないから学園側からの措置だろう。
そういうことで僕も一度、荷物を寮の割り振られた自室に置いてから、備え付けられている家具を確認……
最低限必要な物だけ商業施設で購入して色々とやって部屋に戻ってきたのは夕方になっていていた。
「ふぅ……こんなもんかな?」
部屋にある小さめの台所に調理器具を一式収納した後、改めて部屋の中を一望する。
部屋の広さは一人暮らしするには充分なスペースはあった。
それと入ってきて直ぐに簡易型の組み立てるベッドや勉強机などが始めから備え付けられていて最低限の生活だけは何も買わなくてもできるようだ。
それに加えてコンビニや商業施設で見つけた無料で売られている日用品や自炊するからと調理器具一式と作った料理を置くための机を揃えた。
これで取りあえずは問題ないだろうとベッドに腰掛けてそのまま仰向けに横たわると懐から受け取った学校専用のスマホを起動して今のポイントの残高を確認する。
高杉浩介
84236Ppt
「まあ、こんなもんか……」
家具なども買ったのだから1万程の出費で押さえ込めたのは上出来というものだろう。
制服に関しても替えの服を夏服含め同じのを2、3着買ったし生活に困ることはない。……それにしても
「Ppt……ね」
使用して減っていく数字の後ろに付いている単位。
普通ならptでいいはずが数字と単位の間にPというアルファベットが付いている。
ptがpointの略式ならPも何らかの略式……日常的に使えるということを考えてPで始まる単語……
(
そうでなければ頭文字付ける必要性がない。
端末の残高を見てそう確信する中、空腹でお腹が鳴り始める。
「お腹減った……そういえばモールにいた上級生とか観察してて、お昼食べなかったもんな。寮の中の食堂、行ってみよう」
そういって体を起こし学生証カードを懐に入れると部屋から出て食堂へと向かった。
食堂に入ると晩御飯にしては早いぐらいだが既に何人かやって来ていて少し話し合いで活気があった。
「さてと、販売機で食券を……ここにも無料の定食がある。山菜定食……」
まだ食堂は混んでいないため、直ぐに食券販売機の前に辿り着きどんな料理があるのかじっくりと確認するとここにもただで食べることができる山菜定食があり、どんなものなのかと興味がわいた僕は山菜定食のボタンを押し食券が出ると食堂の従業員に食券を渡す。
「おっ!高杉じゃないか!よう!」
「柴田くん、それに神崎くんも奇遇ですね。二人も晩御飯に?」
「柴田とはここに向かう途中であってな……高杉、嫌じゃなければ一緒に食べないか?お前とは色々話し合いたかったところだ」
それから商品の受け取り場所の近くで待っていると偶然にも晩御飯を食べに訪れた。柴田くんと神崎くんがやって来ていて挨拶を交わした後、神崎くんからの提案で一緒に食べないかと誘われ、僕は断る理由もなかったので神崎くんの提案を受ける。
「はい。山菜定食お待ち」
「それじゃあ、僕は先に行って席だけ確保しておくから」
受け取り口に山菜定食が載ったお盆が置かれたのを見て僕はそれを手に持つと柴田くん達の場所の確保のために一足早く席へと向かう。
少ししてから注文した料理をのせたお盆を持った2人もやって来ていて、僕が確保した席に座ると持ってきた定食を食べ始める。
僕が頼んだ山菜定食はというと白米に山菜の入ったお吸い物。そして山菜の素揚げといったその名の通り山菜オンリーな一品ばかり。そして気になる味といえば……可もなく不可もないというところだろう……以前訓練校時代に食べた携帯食料のレーションよりかは遙かにマシ
「なあ、高杉……それ美味しいのか?」
山菜定食を黙々と食べる僕を見て、隣の席でカツ丼を食べる柴田くんが訪ねてきて、対面にいる神崎くんも同じように気になるようにこちらを見ていた。
「味は素朴な味で、食べられないわけじゃないですよ?それに一工夫も加えられそうですし」
そういって、座っている席の近くに等間隔に常備されている塩や醤油などの調味料などの中から塩のはいった瓶を手に持ち。それを山菜の素揚げに振りかける。
「これなら味に困らないですし……無料ですから懐にも優しいです。」
これなら週に3、4回食べても問題ないと軽い口調で告げると2人とも引きつった顔で僕のことを見ていた。
それから暫く食事を堪能しながらお互い今日の出来事や他愛のない話をして満喫する
「ところで一ノ瀬とはどういった関係なんだ?」
「帆波と?」
「そうだよ。あんなに仲睦まじく話し合ってたじゃないか……もしかして彼女とか?」
「そうだな。俺も気にはなっていた。言える範囲で聞かせてくれ」
どうなんだ?と僕の肩に腕を乗せておちゃらけた口調で柴田くんが訪ねてくる。
神崎くんも満更ではないなか柴田くんの意見に賛同し興味津々な2人の眼差しに流石にはぐらかせずに答えた。
「別に隠すようなことではないけど……帆波とは幼少の頃からの幼馴染みで……家庭の都合で海外に引っ越すまでは良く一緒に遊んでいた仲ってだけだよ」
「本当にそれだけか?」
「?それだけだけど」
これ以上簡潔に言えることはないぐらいに帆波との関係を話したのに何処か納得していない表情を見せる。
「ただの仲のいい友達……というには些か無理があるような気が」
「あれじゃねえか?身近すぎて自分達の関係がよくわかってないパターン」
2人とも僕のことを蚊帳の外にしてぼそぼそと話し始め……僕が訪ねようにも2人してそのことについてはぐらかし、その後全員が晩御飯を食べ終わった後……僕らはそれぞれ自分達の部屋へと帰っていくのであった。
数時間後……
「…………そろそろ時間かな」
自身の部屋で持ってきていた本を読んでいた僕は端末で今の時間を確認。打ち合わせ通りの時間が差し掛かっているのを見ると持っていた本を机に置き、座っていた体を立ち上がらせる。
「さてと……ふぅ……術式展開」
一息吐いた後。体に力を入れて足元に藍色の丸型……ミッド式の魔法術式を展開し僕を中心に部屋全体へと結界が覆われる。
これは遮音結界……これで外部に中の音が漏れる心配はなくなった。
更に別の魔法を発動するため意識を集中し感覚を研ぎ澄ませる。
「………………見つけた。波長確認。波長の同調完了。空間相転移……発動!」
僕の前に丸型の魔法陣を展開し魔法陣が光り輝き、その光が収まると魔法陣が展開されていた床には無事に管理局で使う通信端末が置かれていた。無事に転移は成功したようだ。
成功したことで一息吐いた後、直ぐに転移してきた通信端末から着信音が流れ、僕は直ぐに端末を手に持ちその着信に出る。
「はい。こちら時空管理局、本局捜査四課所属。高杉浩介曹長です。……はい。無事に端末の転移は成功しました。……はい……はい……了解です。それでは今日は失礼します……はい。お疲れさまです。」
相手側からの安否確認を済ませたあと。通信を切り……通信端末を勉強机の上に置いた後。今日一日のやることは全て終わったため明かりを消してベッドに寝転がり……そのまま眠りにつき……僕にとっての入学初日の一日はようやく終わりを迎えた。
高杉浩介
身長162cm
体重54kg
学力 A
身体能力C+
知性A
判断力A+
協調性A
面接官からのコメント
学力、身体能力共に問題なく。面接においての咄嗟の判断能力やコミュニケーション能力から判断、協調性も高い。
小学校の途中から両親の事故による他界により叔父に引き取られる形で海外に出ていて、日本に帰国して間もないがブランクは感じられない。実力はAクラスに相当するが海外にいた期間が長いことから日本と海外のモラルの差を考え、経過観察のためBクラスへの配属とする。
担当教師からのコメント
入学初日だというのに既にこの学校の実態を理解してクラスの中でも頭角を現している凄い子。同クラスの一ノ瀬さんと共にクラスを先導してくれる子になってくれると思われ今後にも期待が高まる。
管理局からの評価
高杉捜査官は若くして捜査官資格を取得し洞察力、観察眼共に非常に優れた人材。魔導士としての実力ははエースとは呼べないが防御、拘束などの後方支援が優れており、今後の伸び代も含め期待の若手の一人。