平凡な場所からこんにちは   作:べーニッツ

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近代化改修への道は遠い

しばらくたって倉庫での事件の怪我が治り、指揮官の命令通りに演習をしていた。

指揮官がローテーションを作ったのか、月曜日は駆逐艦、火曜日は軽巡洋艦、という風にしてくれ、土日は休みになった。

今日は木曜日なので空母との演習となる。

 

「今日はよろしくね…お兄ちゃん。」

 

今週はユニコーンちゃんが相手をしてくれるらしい。

 

「こっちこそよろしく。」

 

大分離れたところへ行き、通信機で確認をする。

 

「準備できた?」

 

『大丈夫だよ…お兄ちゃん。』

 

ユニコーンちゃんは準備が終わっているらしいので開始の合図を送る。

 

「よし!スタート!」

 

『がんばるぞ…』

 

開始と同時に通信機を切り、前進する。

俺の兵装には対空砲が無いから撃ちあいというよりかはいかに爆撃機の攻撃を避けながら相手の空母に接近できるかを俺は重要視している。

 

「早速来たか!」

 

上空には爆撃機が編隊を組んで多数こちらへと飛んできていた。

ジグザグに進みながらなんとか避けようと試みる。

 

ドーン!

 

海面に爆弾が落ちる。

…これ演習用か?

爆発はしてはいないものの、轟音が鳴る。

 

「当たったらやばい奴じゃん!」

 

必死に落ちてくる爆弾を避ける。

何とか躱しきり、そのまま前進を続ける。

爆撃機隊はユニコーンちゃんの方へと帰って行った。

 

「ユニコーンちゃんが射程圏内に入るまであと何回来るんだろうか?」

 

流石にすべてを避けることはできない。

さっきの爆弾だってすれすれで避けることができたのだ。

演習用のとしてもあれには当たりたくはない。

 

「言っているうちにまた来たし…」

 

再び爆撃隊がこちらに来る。

さっきと同じ様にジグザグに動いて避けようとする。

 

ヒュゥゥゥ…

 

爆弾が落ちる音が聞こえる。

 

ドカン!

 

その爆弾は俺の頭上に落ち、鈍い音がする。

 

「うわっ!」

 

痛みは少しだけして、爆弾は海に落ちて行った。

今ので中破判定となってしまい、全速力での航行ができなくなった。

 

「これだと射程圏内に入れる前に大破判定になってしまうか。」

 

一旦進むのを止め、迂回して進むことにする。

進路を変え、横へと進む。

 

 

~~~~~

 

~~~~~

 

迂回をして進んだのが功をなしたのか、突然発生した霧で爆撃機は俺の位置を見失っているらしい。

慎重に進むながらユニコーンちゃんに近寄る。

霧が晴れたのか急に辺りが見えるようになり、ユニコーンちゃんが射程圏内に入っているのに気が付く。

俺が気が付くのと同時にユニコーンちゃんも俺に気が付いたのか急いで爆撃機を発艦させるが俺は狙いを定めて主砲を一斉に撃つ。

 

「きゃー!」

 

何発かはユニコーンちゃんに当たり、中破判定が出る。

 

「よし!このまま押し込めれば…」

 

主砲の装填の間に副砲で追撃をしようとするが、爆弾がまた俺の頭上に落ちる。

 

「あいて!」

 

これにより俺は大破判定となり、敗北した。

どうやら俺を探していた爆撃隊が帰ってきていたらしい。

それに気が付かずそのまま攻撃を受けてしまったのが敗因だった。

 

「勝ったと思ったんだけどなー」

 

「お兄ちゃんも…中々強かったよ?」

 

「あははっ、ありがとうね。」

 

港に帰り、艤装を解除する。

 

「明日はエリザベスさんとの演習か…」

 

明日の予定の確認をして余った演習弾を倉庫に戻していると指揮官が近づいてきていた。

 

「あれ?どうして指揮官が?」

 

「今日はちょっとテゲトフに報告があってね。まあここで話すのもなんだし、作業が終わったら執務室まで来てね~」

 

「了解。」

 

返事をし、そのまま演習弾を戻す。

またお茶会のことではないだろうか?

あれ以降も何回かエリザベスさんのお茶会に行っているけどほとんどが修羅場になるんだよな。(主にフッドとイラストリアスのせいです)

作業を終え、倉庫を後にする。

 

 

~~~~~

 

執務室に戻ってきて、椅子にドスンと座る。

ベルが見たらはしたないと言うかもしれないが今は私一人なのでいい。

 

「それにしてもようやくか…」

 

とある書類を持ち上げ、呟く。

 

〈戦艦テゲトフの近代化改修について〉

 

ようやく待ちわびたものだ。

テゲトフの練度は高く、他のKAN-SENにも劣らないレベルにまで成長した。

ただ兵装が古く、装甲も他の戦艦と比べると一回り薄い。

これまで何回か本部に近代化改修の要請を送っていたが、見送られ続けてきた。

今回ようやく受理させたみたいだ。

 

「それにしてもまさか条件付きとは…」

 

テゲトフが近代化改修するための条件も一緒に送られてきており、それは6対6の演習でテゲトフがいる艦隊が勝つことである。

勝つだけならいいのだが、編成も指定されている。

 

〈演習艦隊の編成〉

 

【第一艦隊】      【第二艦隊】

旗艦・エリザベス    旗艦・ウェールズ

  ・ウォースパイト    ・テゲトフ

  ・イラストリアス    ・ユニコーン

  ・ベルファスト     ・ジャベリン

  ・シリアス       ・サフォーク

  ・シェフィールド    ・エディンバラ

 

「これは少し厳しいかもね。」

 

エリザベスやウォースパイトなどロイヤルでも最強と言われる戦艦がテゲトフの相手となるのが痛いところだ。

イラストリアスとユニコーンにも実力に差がある。

ベルとエディンバラに関しては…ベルが戦闘面でも優秀過ぎるだけだから…

 

「でも勝たせる気が無いのならなんでジャベリンを入れたんだろう?」

 

ジャベリンは古巣でロイヤルの中でもトップクラスに強い。

エリザベスやウォースパイトには少しひけをとるがそれでも駆逐艦なのに戦艦に対抗できるほど強い。

 

「サフォークを入れたのはよく分からないな…」

 

そもそもサフォークとテゲトフって関わりあったっけ?

でもテゲトフに初めて会った時に一緒にいたか。

 

「勝たせる気があるのかないのか…」

 

 

~~~~~

 

コンコン

 

『いいよ~』

 

ガチャ

 

「少し遅れました?」

 

「そこまで時間は経ってないから大丈夫だよ。」

 

執務室に入り、指揮官の前に机越しに立つ。

相変わらず書類の山が机の上にある。

 

「それで報告とは?」

 

「それはね~…じゃーん!」

 

指揮官が書類の一枚を俺に見せる。

それには〈戦艦テゲトフの近代化改修について〉と書かれていた。

俺の近代化改修?

 

「これって?」

 

「書かれている通りだよ。テゲトフの近代化改修が認められたんだ。」

 

「まじすか!?」

 

これでようやく俺の弱い兵装が改善される。

これならセイレーンとの戦いに行くのももう少しかな。

 

「まあ条件があるけどね。」

 

「その条件って?」

 

「演習らしい。」

 

「誰とですか?」

 

演習での勝利が条件と思って相手を聞く。

知り合いなら説明をすれば少しは手加減をしてくれるだろう。

 

「誰とっていうか…6対6での演習。」

 

「…え?」

 

まさかのチーム戦だった。

俺まだ馴染めてないのにチーム戦やんの?

 

「それと編成も決まっているからね。」

 

「ええ…」

 

しかも勝手に組む人決められてるし…

なんでこうも勝手に決めちゃうんだろうなー、上の人は。

 

「はい。これが編成。」

 

「うわぁ…」

 

編成を見ると、相手のエリザベスさん達の第一艦隊は強い人達が集まっていた。

ベルさんとイラストリアスさんは一度演習をしたとがあるがまるで手が出なかった。

エリザベスさんとウォースパイトさんはまだ演習はしたことがないがロイヤル最強と呼ばれる二人だから不安だ。

シリアスさんとシェフィールドさんには勝ったとこがあるがシェフィールドさんに、

 

『戦艦が軽巡洋艦に勝ってうれしいのでしたらテゲトフ様は戦艦の中の害虫でございますね。』

 

って言われて精神的にきつかったのは覚えている。

っていうか俺のいる第二艦隊…

ウェールズとユニコーンちゃんはいい。

サフォークさんとジャベリンさんはしゃべったことあるけどよく分からん。

エディンバラさんは…演習をしたこともあるけど…ベルさんに対しては対抗心が強かったのしか記憶にない。

 

「よく分からないですね。」

 

「私もよく分かんない。勝たせる気があるのかないのか…」

 

「ちなみにこの演習っていつですか?」

 

「明日。」

 

「は?」

 

「明日。」

 

「…急すぎますよ。」

 

明日はエリザベスさんとの演習でエリザベスさんの対策を考えれると思っていたのに消されたよ希望。

こんなチームワークあるかどうかな艦隊で勝てるのか?

 

「でも勝ったら近代化改修だから…」

 

「無理っす。」

 

「「…」」

 

沈黙が俺と指揮官の間で流れる。

もう近代化改修の喜びより不安の方がでかい。

 

「…取り敢えず第二艦隊となっている子達呼んでおくね。」

 

「お願いします。」

 

「演習場に集合にしておくから砲弾とか積んでおいてね。」

 

「分かりました。」

 

「じゃあまた演習場でね。」

 

「はい。」

 

先ほど倉庫で降ろしてきたばかりなのにまた倉庫に行き、砲弾を積みに行く。

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