平凡な場所からこんにちは   作:べーニッツ

2 / 33
いや一般人(?)です。

さっきの人がまた俺をどこかに移動させたのか、景色が少し変わった気がする。

と言ってもさっきと同じで目の前は真っ黒だし、身動きがそもそも取れななっている。

少し違うのは立っているという感覚がある感じだ。

ついでになんか体の周りがごついような気もする。

気のせいかもしれないが。

窮屈な感じもする。

いったいどう事なのだろうか?

試しに声を出そうと思っても口が動かない。

ただ感覚だけはある。

おそらく痛覚もあるだろう。

…音が聞こえる。

何かを削っているかのような音だ。

五感はおそらくだが働いていると思う。

今はただ待っていればいいのか?

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「はぁ…」

 

「だらしないですよ、ご主人様。」

 

「はいはい、分かってますよ。」

 

「はいは1回でよろしいのです。」

 

退屈だ。

私はここで指揮を執っている指揮官だ。

階級は20歳で少佐。

はっきり言ってエリートの分類だ。

母親がもともと軍で高い地位にいたからか娘の私も軍に入ることになり、士官学校を首席で卒業した。

根っからの軍人だろう。

それにしても退屈だ(大事な事なので2回言いました)。

 

「なんで軍には男がいないんだろうねぇ…」

 

「何をおっしゃているのですか、そんな夢見てないで早く執務を終わらせてください。」

 

「でも男に会えないなら軍にいる意味なんてなくない?」

 

「ご主人様、その発言が上層部の方々にバレたら軍法裁判行きですよ?」

 

「そんな事分かってますよーだ。」

 

正直な話、軍とかじゃなくて普通の高校や大学に行って男と付き合ったりとかしたかった。

でもそんな事母親に言ったら叱られるだけで意味がない。

 

「母親がお見合いの話でもつけてくれたらいいのに…」

 

「いくらご主人様のお母様が高い地位にいようともご主人様がこのようでは到底お見合いの話なんかは来ませんよ?」

 

「ベルはいつもそんな感じだなぁ…」

 

私の隣にいるのはエディンバラ級軽巡洋艦2番艦であるベルファストだ。

 

「ベルももうちょっと夢見ようよ~」

 

「夢を見るのは執務を終わらせからです。」

 

「もお~堅いなぁ~」

 

まぁいつも通りにちゃちゃっと終わらせてエリザベスに誘われてたお茶会にでも行くとしよう。

 

コンコン

 

誰かがノックをした。

 

「どうぞ。」

 

「し、失礼します。」

 

ノックをして入ってきたのはシリアスだった。

 

「何をしに来たのですか?シリアス。」

 

少しベルが不機嫌になる。

シリアスはドジっ子だからか失敗することが多く、完璧なベルからしたら邪険にしてしまうのだろう。

 

「け、建造が終わったので報告しに来ました。」

 

「そっか、ありがとうシリアス。じゃあ見に行こうかベル。」

 

「はっ。」

 

 

 

~~~~~

 

「今回のは戦艦かな?」

 

「時間的にそうかと。」

 

「うち戦艦結構多いんだよな~」

 

ロイヤルであるうちはエリザベスやフッド、ウェールズなどの歴戦の戦艦が多数いるのだ。

 

「でもまあできたのは仕方がないし、あとはフッドとかに任せよ。」

 

(ああ、可哀想なフッド様。)

 

さっさと終わらせて帰ろ。

 

 

~~~~~

 

先ほどと比べたら静かにはなった。

…足音が聞こえる。

しかも1人ではない。

どうやら話し声も聞こえる。

 

「…は…艦…?」

 

「…に…と。」

 

何を話しているのかは分からないが、動けない俺からしたらどうしようもない。

運よく俺に気づいてくれないかな。

(ま、そんなわけないか。)

 

ガチャァァァ…

 

「う…まぶしい…」

 

 

~~~~~

 

「じゃあ開けるね。」

 

私はコンテナを開けるために取っ手を掴んで引いた。

新しい戦艦の子が来る…

そう思っていたのだが…

 

「う…まぶしい…」

 

聞こえた声は明らかに女の子のとは思えず、低い声だった。

そして顔を見るとそこにいたのは…紛れもない“男とは”だった。

 

「え?お…男?」

 

誰がどう見ても男としか見て取れない人がそこに立っていた。

そして背中にはKAN-SEN特有の砲塔や機銃などの武装が付いていた。

その武装は明らかにエリザベス達とは違い、もう少し古い物であった。

主砲は三連装砲ではあるが、口径が一回り小さかった。

私が考え込んでいると彼が話しかけてきた。

 

「あの、ここはどこですか?」

 

「え?ああ!こ、ここはロイヤル陣営の鎮守府だよ!」

 

男性に対しての免疫があまりない私は挙動不審になっているとベルが動いた。

 

「あなたは誰ですか?」

 

「ちょっと!?ベル!?」

 

ベルは主砲を彼に向けていて、殺意MAXだというのは分かった。

手厚く守られている男性に対してするようなことではなく、危険行為そのものであった。

 

「え?え?」

 

彼は主砲を向けられていることに大分動揺しており、手を両手とも上に挙げている。

降参のポーズである。

 

「えっと…俺の名前は並木 哲人…」

 

彼がそういった瞬間ベルは私を突き飛ばして叫んだ。

 

「突然の無礼をお許しください、ご主人様。」

 

「え?」

 

私はベルに突き飛ばされて近くのドラム缶の山に突っ込んでった。

 

ドガーン!

 

「いったぁ!?」

 

痛みのあまり私は叫んだ。

ベルは彼に対して詰め寄っていた。

 

「重桜の者がどうやってロイヤルに侵入したのですか?」

 

「じゅ、重桜?ロイヤル?あなたは何を言って…」

 

「とぼけても無駄です。」

 

ベル…少しくらいは話を聞いてあげてもいいんじゃないかと思うんだけど…

立ち上がろうにもまだ体中が痛いから立ち上がれず、ただただ見ていることしかできなかった。

 

「俺は日本出身です。重桜やロイヤルなんて知りません。」

 

「ふざけたことを…」

 

私はたまたま近くで尻もちをついていたサフォークに頼んでベルを止めるように言ったが…

 

「無理です、無理です、無理です!」

 

って言っていたけど指揮官命令で行かせた。

うん、私って最低だわ。

 

「お、お二人ともやめてくださーいぃぃぃ!」(涙目)

 

「止めないでくださいサフォーク、今からスパイを粛清するだけですから。」

 

「スパイって、俺はただの一般人(?)ですよ!」

 

「背中のそれを見てもまだ一般人だとおっしゃりますか?」

 

「え?」

 

彼は背中についている武装に気が付いていなく、今頃気づいたようだった。

ベルはスパイとか言っているけど、そしたらうちで重桜のスパイ建造したことになるんだよね。

 

「なんか変なのついてますけど、一般人(?)です!」

 

「…分かりました。」

 

ベルはどうやら理解してくれたのか彼に向けていた主砲を下げる。

こちらに歩いてきた。

 

「突然のことでしたので申し訳ございませんでしたご主人様。どこかおケガはされていませんか?」

 

「ケガというよりは全身打撲だと思うけど…大丈夫だよ。」

 

ベルが手を差し出してきたので手を取り立ち上がらせてもらう。

ベルも母港の危機だからこのようなことをしたのだろう。

ベルがこの後、罰を受けに来たと言えば軽めのにしよう。

無しだとベルが納得しないだろうから。

私は立ち上がったら彼に向かった。

 

「私の部下が失礼したね。君は大丈夫?どこかケガしてない?」

 

これで彼の中で私の評価は爆上がり間違いなし。

顔に出ていたのかベルが露骨に引いた顔をする。

 

「俺は大丈夫ですけど…あなたは大丈夫ですか?さっき思いっきりドラム缶にぶつかってましたけど…」

 

ああ…心配してくれるなんて…彼は優しいな…

よく見たら少し子供っぽいから彼よりは男の子の方が似合うのかな?

 

「少しよろしいでしょうか?」

 

ベルが男の子に近づいて話しかける。

 

「日本とはどこの国ですか?」

 

「え?」

 

男の子は驚いた顔をする。

 

「日本を知らないのですか?」

 

「はい。恐れながら…」

 

「ではアメリカは…」

 

「存じ上げておりません。」

 

「…イギリスとドイツは?」

 

「先ほどと同様に存じ上げません。」

 

私もその4か国は聞いたことがない国だ。

この子は一体どこから来たのだろうか?

 

「取り敢えずさ、そういう話は執務室でしない?」

 

「仰せのままに。」

 

ベルはそう言って男の子と共に私の後ろを歩いてついてきた。

 

 

~~~~~

 

俺は今すっごい困惑している。

いきなり目の前が明るくなったと思ったら人が蹴り飛ばされて大砲みたいなの向けられるし、背中には変な兵器が付いてるし、その兵器もなんか急に消えたしで色々な情報がこの短時間で俺の頭の中に入ってきていた。

頭の中の情報を整理していると目の前を歩いていた女の人がいきなりしゃべりかけてきた。

 

「ところでえ~と…」

 

「並木 哲人です。」

 

俺の名前が分からなかったのか俺はとっさに自分の名前を出した。

 

「そうそう並木 哲人君ね。出身は本当に日本という国なの?」

 

「そうですけど…」

 

女の人は立ち止まったかと思うと隣にある部屋の扉を開けてこう言った。

 

「もう少し詳しい話はこの中でしようか。」

 

 

~~~~~

 

執務室に男の子を入れてから彼の方を向いて私はこう言い放った。

 

「よかったら私の元で戦わない?」

 

字数はどのくらいがいい?

  • 3000字(今)
  • 4000~5000字
  • 6000~7000字
  • 8000字以上
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。