15時となった。
ベルさんからもらった本は既に読み終わっており、ベットに寝ころんでいた。
あんなにあった騒がしさもなくなっていた。
コンコン
「どうぞー」
暇にしているとまた扉がノックされた。
今度は誰だろうか?
「失礼いたします。」ガチャ
入ってきたのはまたベルさん。
今度は何も持ってはいない。
「また呼び出しっていう感じ?」
「左様でございます。」
さっきの兵装の確認と同じ様に指揮官に呼ばれたみたいだ。
ベットから起き上がり、扉の方へと歩いていく。
「では、行きましょうか。」
~~~~~
~~~~~
ベルさんの後ろをドックに行くときと同じようについて行く。
ドックへ行く時とは反対の方向へと進んで行く。
段々と話し声が聞こえてくる。
「あの、これってどこに向けて歩いているんですか?」
明らかに何をしようとしているのか分からず、咄嗟にベルさんに聞いてみる。
「ふふ、秘密です。」
先ほどとは違い、笑いながらそう返すベルさん。
どこへ連れて行かれるのが分からない恐怖をあなたは知っていますか?
悲しいかな、そんな俺の嘆きもベルさんには届かず、どんどん前へと進んで行く。
「こちらです。」
薄暗いような場所へと連れてこられ、困惑する。
何の目的なのかすら分からず、おどおどしている。
「後は呼ばれるまでこちらで待機しておいてください。」
「え?いや、これ何をやるんですか?」
「…大丈夫です。…多分。」ボソッ
「聞こえてますからね?」
ベルさんがさらに不安になる発言をする。
カーテンみたいなものの向こう側がさらに騒がしくなる。
「カーテンの向こう側はどうなっているんですか?」ふるふる…
震えながらベルさんに聞いてみる。
「…秘密でございます♪」
またもや突き放された。
救いはどこにもないのだろう。
「テゲトフ様、落ち着いてくださいませ。問題がございましたら、我々ロイヤルメイド隊がすぐに駆け付けます。」
ロイヤルメイド隊って何?
なんかさっき読んだ本の中に書いてあったような気がするが緊張してしまって忘れてしまった。
ロイヤルのメイドの部隊とかそんなだった気がするが、今は目の前のことで頭がいっぱいだ。
「お~い、そろそろ出てもらえるかな?」
「時間のようです。」
「え?どゆこと?」
指揮官がカーテンから顔を覗かせる。
ベルさんもそれに答え、一歩、後ろへと下がる。
俺が道の中央に立っている。
「そのままカーテンをくぐって前へとお進みください。」
ベルさんにそう告げらる。
俺は未だに戸惑いを見せている。
「…テゲトフ様、失礼をお許しください。」
しどろもどろしている俺の腕をつかんだかと思うとベルさんは思いっきり引っ張ってカーテンの外側へと押し出した。
「うぇぇぇ~!?」
急に投げ飛ばされて、素っ頓狂な声をあげてしまった。
狙ったのかはどうか知らないが、奇麗に両足で着地することができた。
シーン
俺が登場してからか周りは急に静まり返ってしまった。
見渡すと俺はステージの上に立っており、まるでパーティーのように全員が料理を手に取っていた。
そして全員俺の方を見ていた。
「…あ、男だと伝えるの忘れてたわ。」
マイクから指揮官の声が聞こえた瞬間…
「「「ええー!!!???」」」
大量の叫び声が聞こえた。
~~~~~
「…あ、男だと伝えるの忘れてたわ。」
マイクがこの音声を拾った瞬間、叫び声が聞こえた。
「「「ええー!!!???」」」
大量の叫び声の後、会場は大慌てとなった。
「え?え?だ、だ、だ、男性!?」
「どうしよう!?どうしよう!?」
「こここここういうときでもゆゆゆゆ優雅にふふふふふるまうものですわわわわ。」
「まずは落ち着きなさい。」
反応は多種多様で、大半がパニックになっていた。
「あー、事前に言っといた方がよかったのかな~?」
事前に言っておいても今と同じような反応になっているだろうからサプライズで言わなかったけども。
「ちょっと指揮官!?お、お、男の人ってどういうことなの!?」
目の前にいるジャベリンはうちの古巣で、一番初めにここに来た子だ。
流石に経験が一番あるジャベリンですら、この驚きようだ。
「いや~、建造したらコンテナの中から出てきた。」
「なにそれ!?」
建造したら男が出てきたなんてすべての陣営を探してもうちだけだろう。
「一応、兵装ついているから今後うちから出撃するからね。」
「ああ…」バタン
急なカミングアウトでジャベリンの脳はショートしたのか、ジャベリンは倒れ込んでしまった。
近くにいたベルが受け止めたおかげで頭は打たずに済んだ。
「ちゃんと説明しておられなかったのですか?」
「事前に言ってもこうなると思って…サプライズってことにならない?」
「なりません。」
きっぱりと否定された。
「私はジャベリン様を休ませて来られますので、それまでに皆様方を落ち着かせてください。」
「んな無茶な。」
「十分な説明をしておられないご主人様の自業自得でございます。」
ベルはそれだけ言ってジャベリンを抱えてこの場を後にした。
私はマイクのスイッチをつけてからこう言った。
「取り敢えずみんな落ち着いて~、落ち着けないかもしれないけど落ち着いて~」
~~~~~
「取り敢えずみんな落ち着いて~、落ち着けないかもしれないけど落ち着いて~」
再びマイクから指揮官の声が聞こえる。
混乱に陥った会場を落ち着かせるには物足りなかったのか、そこまで効果は無いように感じられた。
指揮官の顔を見てみるとのほほんとした顔で、ドックで見たような威圧感は無かった。
しかし、とある人が指揮官からマイクを取り上げ、俺のいるステージに上がってきた。
その人はエリザベスさんだった。
さっきまで見ていたエリザベスさんとは違い、堂々としていた。
「全員よく聞きなさい!」
エリザベスさんが声をあげると、あんなに混乱していた会場は嘘みたいに静まり返った。
続けてエリザベスさんは喋る。
「これから我が艦隊には男が入ってくる。それでもロイヤルの強さと高貴なる艦隊は変わらないわ。」
「盛大に歓迎してやるわよ!」
その声と同時に歓声が沸き上がった。
「「「わー!!!」」」
初めて見たときはギャグキャラみたいな感じだと思っていたが、俺の予想は180度いい意味で裏切られた。
「じゃあこれからよろしく頼むわよ!」
俺はエリザベスさんからマイクをもらい、前へ歩き出す。
ベルさんに投げ飛ばされるまでは緊張していたが、まさかこんな事態になるとは思いもしなかった。
でも、エリザベスさんやベルさんのおかげで自身が付いた。
「戦艦テゲトフ級二番艦、テゲトフです。いきなりのことですが、この艦隊へ所属することとなりました。」
「自分は経験もなく、兵装も戦艦では弱く、必ず足を引っ張ってしまいます。」
「ですが、居場所が分からない自分に居場所を与えてくれた指揮官に感謝しています。必ず強くなります。だから、よろしくお願いします!」
俺は自己紹介と意気込みを言い終わると、再び歓声が沸き上がった。
「よくできたじゃないの!」
後ろにいたエリザベスさんが声をかけてくれる。
「エリザベスさんも最初に会った時とは思えないくらいたくましかったです。」
「ちょっと!そのことは忘れなさい!」
少しからかってみてみると、あれほどたくましかったエリザベスさんは急に可愛らしくなった。
俺はステージの裏側へと戻って行く。
「完璧でございました。」
ベルさんが待ってたとばかりに声をかけてきた。
「ベルさんが投げ飛ばしてくれたおかげですよ。」
「私はただテゲトフ様を支えているだけですので。」
「そこまで謙遜しなくとも…」
ベルさんは職業柄か、謙遜した言い方が多い。
今日からは一緒に戦って行く仲になるのだ。
「改めて、よろしくお願いします。」
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