俺の歓迎会を終え、メイド隊の人達が片づけをしている。
俺はその中に混じって装飾をはがしたりしている。
ベルさんから、
「これらは私達、メイド隊の仕事なのでお休みになってください。」
って言われたけど、無理を言ってやらせてもらっている。
これからお世話になるし、こういうところで恩返しとかしていかないといけないからね。
時々、他のメイド隊の子達からの視線を感じるが、こういう世界では仕方のないことかもしれない。
少し恥ずかしいから片付ける手を早める。
気が付けば日も沈みかけている。
「ありがとうございますテゲトフ様。」
ベルさんが俺に近づいてきて言う。
「いえいえ、これからお世話になりますし、このくらいはやっておかないと…」
適当に答え、近くの段ボールに手を伸ばす。
しかし、その時に態勢を崩してしまい、俺が乗っている脚立が倒れてしまう。
「うわ!?」
「よっと。」
地面にあたる寸前で、ベルさんが俺のことをキャッチする。
「どこかおケガはございませんでしょうか?」
ベルさんにお姫様抱っこされた状態で、ベルさんにそう聞かれる。
「あ、いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」
ベルさんに感謝を伝え、ベルさんの腕の中から降りようとする。
「あ、あれ?」
降りようとするが、ベルさんががっちり俺の片腕を掴んでいるので降りられない。
「あの~ベルさん?なんで俺の腕を掴んでいるのですか?」
「…」
声をかけても無反応だ。
それになんかベルさんの目が少し怖いような感じもする。
「…どうやらテゲトフ様はお背中に腫れが少しあるようです。」
「え?そんなはずは…」
「至急、病室へと連れて行きます。」
「いやそこまでしなくとも…」
ベルさんは俺の言うことも聞かずに、そのままの状態で病室まで連れて行かれた。
道中にいた人達の視線がとても俺に刺さっていたとは言わなくても分かるものだろう。
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病室に着くと、ベルさんは優しく俺をベットに座らせ、近くの棚を開ける。
その間に俺は自分の背中に手を当ててみる。
少し探ってみると、一部腫れあがっているところがあった。
ドックで兵装を出した時に砲塔が背中にでもあたったのだろう。
「腫れに効く塗り薬を用意しました。」
ベルさんの手の中には棚から出したであろう薬があった。
「すみませんこんなことまで面倒を見てもらうような感じで。」
「それがメイドの仕事ですから。」
俺はベルさんから薬をもらい、服を脱ぐ。
「…///!?」
「どうかしました?」
ベルさんの顔が一気に真っ赤になっていた。
「テゲトフ様は男性なのですからそう易々と女性の前でお召し物を脱がないでください///」
ベルさんが手で顔を覆いながらそう言う。
…あの、ベルさん。
その覆っている手の隙間から俺の上半身をチラチラと見ないでもらえます?
「ああ、すみません。まだ癖が抜けてなくて。」
「私はこれにて失礼させてもらいます///」
ベルさんはそう言い、足早に病室から出て行った。
男性に対しては比較的免疫があると思っていたベルさんでも流石に裸(上半身だけだが)には免疫がなかったようだ。
ベルさんからもらった薬を背中に塗り終え、服を着る。
「さてと、指揮官のところへと行くとするか。」
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「俺の今後についてなんですが、どうする気ですか?」
俺は今、執務室で指揮官と俺の今後の扱いについて話している。
ロイヤルに所属することになったとは言え、異例中の異例なのでどういう扱いとなるのか分からない。
「実力と兵装で考えたらまだ出撃させることはできないからまずは他の子との演習かな。」
「明日の朝早くから演習だからね。」
「さっそく明日からなんですね。」
「戦時中でゆっくりしていられないからね~」
明日から演習をするらしく、休んでいる暇はもう無いだろう。
「まあ今日はもう部屋に戻って休んだら?」
「そうさせてもらいます。」
指揮官からの提案もあり、俺は部屋に戻ろうとする。
「んじゃおやすみ~」
最後に指揮官から声を掛けられ、執務室を後にする。
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部屋に戻ると疲れが押し寄せ、ベットへと倒れ込む。
今日は色々とあったのだ。
きっとそれで疲労が溜まったのだろう。
なんとか体を起こし、部屋の風呂場へと歩いていく。
来客用の部屋だからか風呂場にはシャワーしかなく、仕方なくシャワーだけ浴びる。
シャワーを浴び、風呂場からタオルを巻いて出ると、パジャマが置いてあった。
手に取り決めてるとちょうどぴったしのサイズだった。
改めてロイヤルはすごいところだなと思った。
時計はいつの間にか22時近くを差しており、月が昇っていた。
「…もう寝るか。」
電気を消し、ベットに入り、目を閉じた。
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目が覚めると日は昇っており、時計を見ると6時30分となっていた。
ベットから起き上がり、扉を開けてみると服が置いてあった。
気が利くなと思いながら服を取り、部屋の中へと入って行く。
服は軍服を少しアレンジしたかのようなものであり、少々独特だ。
取り敢えずそれに着替え、部屋を出る。
待っていたのかと思うようにベルさんが扉の前に立っていた。
「おはようございます、ベルさん。」
「おはようございます。テゲトフ様。」
挨拶をし、要件を聞こうとする。
「本日はテゲトフ様の演習でございますので、演習場までの案内をさせてもらいます。」
その前にベルさんは要件を俺に伝える。
演習場への案内を担当してくれるそうだ。
「ちなみに俺の演習相手って誰?」
「私でございます。」
俺の演習相手はベルさんらしく、どこかベルさんは嬉しそうだった。
演習場は港近くらしく、目視で港が確認できるほどだった。
「では行きましょうか。」
兵装を出してベルさんが先に海へと出ていく。
続けて俺も兵装をだし、海へと進む。
海の上に立つという感覚は今まで経験したことがないことだった。
「ちなみに砲弾ってどうやって撃つんですか?」
「では演習の前に基礎的な事をしておきましょう。」
ベルさんは海を進みながらこちらを向くと遠くにある的を指さした。
「あの的に向かって砲を向け、攻撃してみてください。」
ベルさんが指さした方向にある的はそこまで離れているわけでもなかった。
「あの…攻撃ってどうやるんですか?」
砲塔を的の方向に向けることはできたのだが、どうやって砲撃をするのか分からなかった。
「攻撃をするイメージであります。」
そういって、ベルさんは的に向かって砲撃をし、見事に的に当てた。
当たった的はこっちにも聞こえるくらいの着弾音がした。
「どうぞ。」
「う~ん…こう?」
砲撃をすることはできたが、的には届かず、手前で落ちてしまった。
「少しイメージが弱いです。」
ベルさんに指摘され、もう一度砲撃をしてみる。
今度は的を超えてしまい、遠くの方に着弾した。
「今のはイメージが強かったのです。」
何度も砲撃をしていき、ようやく的の隣に着弾した。
それでも的にはまだ当たらず、試行錯誤の末、的をカスった程度しかなかった。
「主砲が的をちゃんと捉えておりません。少し下げて砲撃してみてはいかがでしょうか?」
ベルさんの言うとおりに砲塔を少し下げて砲撃してみる。
ベルさんと違って的のど真ん中ではなかったものの、的に命中させることができた。
「テゲトフ様のを見させてもらいましたが、まだ演習するには足りないものが多すぎます。本日は演習を取りやめて砲撃の練習といたしましょう。」
朝食の時間までの間、俺はベルさんに指導されながらずっと的に向かって砲撃をし続けていた。
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