朝食を取るために、一旦ベルさんとの練習は休憩となった。
的のど真ん中には結局一発も当たらず、ほとんどの弾は目の前で落ちるかギリギリ的に当たるものだけだった。
食堂に入ると、食堂にいた人達の視線が痛いほど刺さる。
ロイヤルに所属することになってからは今の所、喋ったことがあるのは指揮官とベルさん、サフォークにエリザベスさんとウォースパイトさんの5人だけである。
朝食をもらい、席を探す。
食堂の席はほとんど満席で空席を見つけられなかった。
「こちら空いておりますわよ?」
空いている席を探していると近くにいた人に声を掛けられ、手招きされる。
「あ…お邪魔します…」
手招きした人は知らない人ではあったが、厚意に甘えてお邪魔させてもらう。
「ふふ、そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ?」
声をかけてくれた人は白髪に白いドレスと白い帽子をかぶっており、その…すごく…大きいです…(どこがとは言わない。)
「私は装甲空母、イラストリアスです。よろしくお願いしますわ♪」
「ああ、よろしくお願いします。」
多少の困惑はあれど、席に着く。
席は4人席であり、イラストリアスさんの他にもう一人いた。
もう一人の子は紫髪で、イラストリアスさんと同じ白いドレスを着ており、ぬいぐるみを抱いていた。
…なんか動いている気がするが気のせいか?
「あ…わたし…ユニコーン…あのぉ…お兄ちゃんって呼んでも…いい?」
…?
なんだこの子、可愛すぎだろ!
「別にいいよ。」
ユニコーンちゃんの隣に座り、食事をとろうとする。
昨日の時に一応全員に自己紹介はしたはずだし、名前は知っているだろう。
「ちなみにテゲトフさまはお付き合いしているお方っています?」
「ごほっ!?」
いきなりのことで食事が喉に詰まってしまう。
「い、いないですけど…」
なんとか水を流し込み、事なきを得る。
「ふふ、そうなんですね♪」
笑顔を浮かべながら俺のことを見るイラストリアスさん。
どこか狙われている感じがする…
「ね、ねぇ…お兄ちゃん…そのぉ…あーん…してくれない…かな?」
ユニコーンちゃんが甘えてくる。
初対面なのにここまで甘えてくるのっておかしな気もするが、気のせいか?
「それくらいだったら…はい、あーん。」
「あーん…」
ユニコーンちゃんにあーんをして食べさせる。
「…」もぐもぐ
「おいしい?」
「うん…」
ユニコーンちゃんは満足そうな顔を浮かべている。
笑顔が可愛い。
「テゲトフさま、よければイラストリアスにも…」
「何をしていらっしゃるのですか?」
「あ…」
隣でベルさんがものすごい形相でイラストリアスさんを睨んでいた。
「まだまだテゲトフ様はKAN-SENとしては弱いのです。このようなことに時間をかけないでくださいませ。」
「すいません…」
「食事を終えたら朝と同じ場所へと“すぐ”にいらっしゃってくださいませ。」
ベルさんの声には少し怒気がこもっていた。
「イラストリアス様もテゲトフ様をあまり誘惑しないでください。」
「私はそんな事考えてはいませんよ♪」
「では私はこれで…」
ベルさんはそう言い残し、どこかへ行ってしまった。
「…流石にバレちゃったかな?」
イラストリアスさんはよく分からないことを言っているが、俺には関係ない話だろう。
ゆっくり食べているとまたベルさんになんて言われるか分からないから急いで口ののかに放り込む。
ユニコーンちゃんは終始、俺にくっついて自分の食事を食べていた。
~~~~~
~~~~~
朝食を食べ終え、急いで朝ベルさんと砲撃の練習をした場所まで行く。
ベルさんは先にその場所で待っていたのか、すでに的に砲撃をしていた。
「ようやく来られましたか。」
ベルさんは少し怒ったような顔でこちらを見る。
「すいません、遅れました。」
「大丈夫です。時間的にはぴったりですから。」
ベルさんは持っていた時計を見る。
「ほんとは砲撃の練習の予定でしたが、変更いたしましょう。」
「私との演習に変更します。」
「え?」
ベルさんは俺との演習をすると言い出した。
「ちょっと待ってください!俺まだまともに砲撃できてないですよ!?」
「実戦形式で学べるはずです。」
「回避行動は?」
「先ほどと同様です。」
ベルさんに抗議してみるが、ダメそうだ。
俺は諦めてベルさんとの演習を受け入れる。
「お手柔らかにお願いします。」
ベルさんに向けて一礼し、兵装を構える。
「ベルファスト、行かせてもらいます。」
ベルさんは開幕主砲での砲撃をしてくる。
「うわっと!?」
ベルさんの砲撃をギリギリで避ける。
足元に着弾し、水しぶきが服にかかる。
「…ん?」
よく考えると演習弾ではこんなでかい水しぶきは上がらない。
つまり…
「ベルさん?これ実弾なんですけど?」フルフル…
震えながらベルさんに言う。
帰ってきた答えは…
「承知しております。」
地獄だった。
「沈みますよ!?殺す気ですか!?」
「最初に言ったと思いますが、実戦形式でございます。」
~~~~~
~~~~~
結果から言おう。
敗北である。
ベルさんに一方的に撃たれ、俺はただ避けていた。
俺に当たった砲弾は3発くらいで、それ以外は外れた。
当たった砲弾も主砲ではなく全部副砲だったので損傷はそこまでない。
一度だけベルさんに反撃したが、避けながらの砲撃はしたことがないので明後日の方向へと飛んで行った。
終わった後、ベルさんは…
「明日は動きながらの砲撃でございます。」
って満面の笑みで言われたのが一番怖かった。
昼食の時間になるまでずっと演習をしていたのでへとへとである。
昼食後は自由時間らしいので部屋の中で休もうと思う。
~~~~~
朝食をテゲトフ様と一緒に取ろうと思い、広い食堂の中でテゲトフ様を探す。
見つけたテゲトフ様はイラストリアス様とユニコーン様と一緒にお食事を取られていました。
お二人は肉食獣のような目でテゲトフ様を見ており、テゲトフ様を狙っていると一目見るだけで分かります。
ユニコーン様がテゲトフ様からあーんをされており、羨ま…ではなく、淑女としてはしたないことをされておりました。
私は見かねてテゲトフ様へ苦言を言いに行きました。
「何をしていらっしゃるのですか?」
「あ…」
テゲトフ様は驚かれたような顔をしてこちらを見てくれました。
「まだまだテゲトフ様はKAN-SENとしては弱いのです。このようなことに時間をかけないでくださいませ。」
「すいません…」
「食事を終えたら朝と同じ場所へと“すぐ”にいらっしゃってくださいませ。」
私は一部の言葉を強調し、今度はイラストリアス様の方を向きます。
「イラストリアス様もテゲトフ様をあまり誘惑しないでください。」
「私はそんな事考えてはいませんよ♪」
「では私はこれで…」
イラストリアス様に釘をさし、朝食を取りに行きます。
朝食を取り終わった後はすぐさま朝の場所へと行き、テゲトフ様より先に砲撃の練習をします。
~~~~~
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少し遅れて、テゲトフ様がご到着しました。
「ようやく来られましたか。」
嬉しさを抑えながら、冷たげにそう告げます。
「すいません、遅れました。」
「大丈夫です。時間的にはぴったりですから。」
手元の時計を見ながら少しのフォローをします。
実際、今の時刻は8時前で朝食からはそこまで時間が経ってはいません。
テゲトフ様も来られたことですので、砲撃の練習をするはずですが、先ほどの光景を見せられては少し躾けをしたくなります。
「ほんとは砲撃の練習の予定でしたが、変更いたしましょう。」
「私との演習に変更します。」
「え?」
困惑した顔でテゲトフ様は聞き返してきます。
「ちょっと待ってください!俺まだまともに砲撃できてないですよ!?」
「実戦形式で学べるはずです。」
「回避行動は?」
「先ほどと同様です。」
テゲトフ様が渋々離れていきます。
「お手柔らかにお願いします。」
一礼をし、兵装をこちらへ構えます。
「ベルファスト、行かせてもらいます。」
走りだした瞬間、主砲をテゲトフ様へ当たらぬように撃ちます。
「うわっと!?」
「…ん?」
テゲトフ様はとあることに気が付かれたようです。
「ベルさん?これ実弾なんですけど?」フルフル…
私が装填している弾薬は演習弾ではなく、実弾であることを指摘してくださいます。
「承知しております。」
私はついに抑えきれなくなった嬉しさが顔に出てしまいました。
「沈みますよ!?殺す気ですか!?」
テゲトフ様は反論を続けますが、すでに始まったことですので止めることはできません。
「最初に言ったと思いますが、実戦形式でございます。」
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結果は私の勝利でございました。
実弾ということもありましたのでテゲトフ様に当てぬように砲撃をし、判定勝ちにするために副砲を数発だけ問題にならないところへと撃ちました。
副砲は実弾ではなく、演習弾だったのでテゲトフ様には入浴などの必要性は無いと思われます。
しかし、何故かテゲトフ様との演習は気分が高揚します…
もう、逃がしませんよ?
テゲトフ様♡
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