ドラゴンってイイよね。 作:天然マネー
初めての狩りを成功させた後、獲得した30DPを消費して召喚した《
《爪竜》以外にも、竜種の中のスライム的存在《
夢中になって狩りを行なっていると、だんだんと空が暗くなってきていた。今日はここらで狩りをやめて、寝床とする大湖の近くに戻ることにする。
ここら一帯での水飲み場はあの大湖がメジャーなようで、色々なドラゴンが休憩にやってくる。狩りの間も色々なドラゴンを観察していたが、やっぱり草食竜しか居らず平穏な時が流れており、あまりにも湖に近いとこで戦闘をした時はあたり一帯のドラゴンが全て逃げ出してしまう事態もあった。それ以降は、効率を落とさないためにも少し離れたところで狩りをするように心がけたが、そのせいで《爪竜》や《蹴竜》などの森の中での機動力では勝てない竜種には逃げられてしまうことも多かった。
これに関しては、この先の戦力増強で頭数を増やせばいくらでも対処できるのでさしたる問題でもない。
これからも竜狩りによる戦力増強を行うつもりの俺は、しばらくの間主要な狩場になるだろう大湖を中心に活動を行うことにした。
今日の寝床に決めた、大湖からいい具合に離れている大樹の下で戦果を確認をする。
まず、今後の活動でも最も重要な資源になるDPは820ポイント。それと、今夜の食事として奇跡的に一匹ハントできた《息吹の竜》の肉。《息吹の竜》は各属性系統にすぐ進化してしまうため、その肉を手に入れることは難しく、珍味として市場ではほぼ常に高価な値を付けられている。
そんな存在とまさかこんなところで出会えるとは思わなかったが、四体と一人で仲良くボコして手に入れた肉はありがたく頂くことにしよう。肉を食べていると4体から物欲しそうな視線を浴びせられたが、お前たちには質の代わりに量を与えているのだからそれで満足して欲しい。
そしてポイントの使い道だが、これに関してはある程度決めている。それも、狩りをしている途中にまるでスマホに通知が来たのを知らせるように脳内で軽い電流が走ったのだ。それを確認すると、《進化》というなんとも心踊る文字が浮き上がってきたのだ。
手持ちの《最も弱い雑魚子竜》を《進化》させるためには、一体につき100DPが必要なようだ。腕や脚などの身体の一部のみを《進化》させる、《部位進化》という能力もあるようでこちらは50DPを消費する。こう聞くと《部位進化》のメリットが分からないが、これには
なんでも、《進化》という行為には時間がかかるようで、例えば《最も弱い雑魚子竜》なら進化先である《
ここで気を付けなければいけないのが、全身に《部位進化》を施しても次の進化種にはならずに、ただ全身が通常種より発達した強化種になるということだ。
そのため《部位進化》は時間の逼迫した緊急時のみ実行し、普段は時間はかかるがDPの節約できる《進化》をなるべく優先するべきだろう。
DPに余裕が出来てきたら、《部位進化》を何度も重ね掛けして見た目で油断した相手を予想外の力で蹂躙するという遊びをしてみるのもいいかもしれない。
《進化》への期待感でワクワクしながら、先ずはファーストに100DPを支払う。
そういえば、増えたドラゴンを呼ぶときに区別をするためそれぞれ単純に、ファースト、セカンド、サード、フォースと召喚順で名前を付けることにした。
《進化》を命じられたファーストは、10秒程の時間をかけながら徐々に淡青色の殻に覆われていき、最終的には綺麗な楕円型の卵となった。
この状態になれば、後は4時間待つだけだ。他の三体に《進化》が完了したら起こすように言いつけ、周囲の警戒に当たらせる。
進化を待つ間に、仮眠を取ることにする。今日は、一日中慣れない山歩きをした上に戦闘もこなしたことで全身疲労困憊だ。魔法も戦闘での実用性が今日の狩りで証明されたから、進化した《雑魚子竜》と合わせて明日からさらに効率的に狩りができることだろう。
そのためにも、今は少しでも体力回復に努めるべく木に凭れかかりゆっくりと意識を手放してゆく……。
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何かに強く身体を揺さぶられる感覚を覚え、手放していた意識を再び手繰り寄せる。
目を開けるとそこには、《最も弱い雑魚子竜》より大きい1mほどの深緑の鱗を持つドラゴンがいた。
《最も弱い雑魚子竜》はトカゲをそのまま大きくした感じの見た目をしていたが、この推定《雑魚子竜》のファーストはいかにも典型的なドラゴンっぽいといった見た目をしている。
未だ子竜であるため翼が未発達で四足歩行の点は変わらないが、鋭爪はさらに鋭く巨大になり、元々は丸っこかった黄金色の眼光も鋭く、今にも獲物を仕留めようと爛々と輝いている。
「キシシシィィ!!」
ボーッと進化した後の姿を眺めていると、ファーストから喜びの念が脳内に送られてくる。
「そうか…。お前も進化できて嬉しいんだな」
ドラゴンとしての欲求なのかもしれないが、進化によって大幅に強くなれたことへの強い歓喜の念をファーストは抱いている。配下のドラゴンが強くなることはこちらも大歓迎なため、この調子でドンドン強くなっていって貰いたい。
ファーストと戯れていると、警戒に当たらせていた三体からも、早く進化させろ、もう待ち切れないといった念が送られてくる。
《進化》について確認できた俺は他の三体にも進化を命じ、さらに追加で22回《下位竜召喚》を行いその内の2体にも《進化》を命じる。
これで明日の準備も完了してDPがスッカラカンになったため、空が明るくなってきたら起こすようファーストに命じ、再び木に凭れかかり二回目の睡眠へと洒落込むのだった。