先行実装転生ゾロアニキ   作:あまも

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ニキ視点何も考えず書いてるせいで人間側で辻褄合わせようと必死な奴いるらしいっすよ




読むのは好きで覚えるのは苦手

 

 

 

 なんかねぇ。でっかいコトになってる。

 

 発端はおれに起因するんだが、おれは関与してないっていうか、見てただけっていうか。

 

 確かにね?「パルデアちほーの形ドーナツっぽいけど、真ん中のこれ何?」って顔したけど、みんなして大穴、穴、エリアゼロ、パルデアの大穴としか言わないんだもん、気になるじゃん。

 で描いてもらったらドーナツだし。バウムクーヘンだし。これがパルデアで、ここがテーブルシティ。我々のいる所。でここがエリアゼロ、通称パルデアの大穴ね……なんて地名書かれてもね。

 わかってるんですよ。

 

 おれに文字が読めないことは!

 

 ローマ字とかならワンチャンあったんだけどな。この……何?丸と折れ線グラフみたいなパルデアの文字?

 ぜんっぜんわからん。

 というか人の使ってる言葉をおれが理解できてるってぇことはおれの知ってる言葉だろ?なのに文字はわからんてなんなのさ。表音文字でもなさそうだし。いくつかの決まった形の文字で、アルファベットのような大文字小文字があり、同じ意味を持つときは同じ文字の並びなんだろうなってのは理解したけど、そもそも読み方も意味もわからない。

 一応アラビア数字は使ってるらしい。でもパルデア文字で表された文字列にはないので、簡単に数字を表したい時だけなんだろうか。oneとか、一、いちみたいな話?

 トランプの文字はちがっていたけど、あれは絵の個数で判断つくだろ?

 日本語のいろはかるたみたいなのないのかなぁ。んでも人に「かるたみたいなの欲しい」って、どう表現したものか。

 

 閑話休題。

 先生達がよってたかってやんややんや、大騒ぎしながら作った地図は、ふせんにまみれて何が何やら、って様相だ。テンション高かったなぁあれ。

 それでも、パルデアの大穴とやらに貼られたふせんは少なく、ここはなんなのか、何があるのかについての言及は、薄紫色のふせんに書かれた文字数枚のみ。

 

 おれにゃ読めないし、誰が書いたかもわかんないんだけどね!!!!

 貴重そうな情報あっても、なぁんもわからん!

 

 んでまぁ。アオキさんが構ってくれたり色々あったけど、最終的に先生方がみんなしてタイム先生のお説教をいただいてた。しゃーない。お仕事すっぽかすのはいかんよ、キミ。最後までねばってたレホール先生とかいたけどさ。あの人物静かな人じゃないよ。ヤベー方の人や。

 とはいえさすがの出来映えとなった地図は大変によろしいのでは?と思ったが、クラベル校長はこちらは没収しますとのことで。

 いいじゃん、プリントアウトして学生に配ればいいのに。校外学習とやらのお役立ちじゃなくて?

 

「校外学習は、各々で自分だけの宝物を探す"宝探し"です。学生がどのような宝を見つけるかは、学生次第。このパルデアを旅して、それを見つけ出す事が学習なのです。……しかし、ここには、ありとあらゆる情報が載っている。載ってしまっているのです。

 ……我々は、物を教える側です。

 ですが、時には。教えすぎるというのも、良いことではありません。

 皆さんには、おわかりいただけますね?」

 

 だ、そうな。

「なるほど」とぞアオキのおじちゃんは頷いてたが、おじちゃんホントにわかってる? おれと同類だと思ったのに。

 おれはゲームとかで攻略サイトとかに頼っちゃうほうの悪いキツネなのである。ネタバレはちょっと困るけど、気付けなかった事が残ってるの、嫌なのでね。

 みんなクラベル校長の言葉にしみじみと頷いてるけど、そういうもんなのか。そういうもんなんだろうな。

 

 ところでアオキさん、説教一緒に受けてる必要なくない?とも思うだろ?おれも思う。でも同時におれは知ってるぞ。こっそりありきたりな黄色のメモに、美味いもん出す店書いて貼ってたの見逃してねぇからな。

 食堂で甘いの酸っかいの塩っからいのサンドイッチ三つとスープとサラダとデザート平らげた時も思ったけど、アオキさんてばさては食欲全開ちゃんだな?

 

 

――――――

 

 そんな地図騒動のあった午後。

 

 アオキさんがハッサク先生から資料を受け取……ったあたりでそのハッサク先生が緊急事態だって呼び出しくらってオンバーンで飛んでったので、本日のおれ担当の先生がいなくなってしまった。

 しかもおれの甘やかし禁止条例がタイム先生から発令されてしまったので、いるなら丁度いいやとばかりに資料まとめにノーパソカタカタやってるアオキさんの膝の上に放り出されている、なう。フロム校長室。

 

 こやつ、パソコン充電しよる。盗電だ!!校長がオッケー出した?あ、そう。

 だいたいにして、今日は先生方がみんなしておれのことを気にしないのなんなの?!

 ってかそもそも、チリちゃん先生どこ?!学校の先生とは全員会ったって紹介されたのに、学校にチリちゃん全然おらんやん!チリちゃん先生の地理の授業どこですのん?!誰よあの女!バームクーヘンレディって呼んでやる!

 

 

 …………………………

 おいおい、アオキさん構ってくれないんだが?!

 なんならこのかわいいゾロアに見向きもしねぇんだが?!?

 

 ずっと文句を言い続けてもなんの反応も無いの、つまんないよね。しかも文句の対象がそこに居ないときた。むん。

 ちょーーっとばかし不服ではあるが、悪いキツネながらもおれは作業の邪魔してまでの構ってちゃんではないのだ。

 なので箱座りでむっすりしてるなう。

 

 ……でも、たまには触ってくれてもええんやで?

 ちらりと見上げても、奴は画面から目を離さない。クソがよ……おっと、お口が悪いですわ!

 

 

 ……いや、まぁ。見てりゃわかったよ、ちょっと先生方が忙しそうなの。

 どうやら、校外学習中の学生に何かあったらしい。

 なんだろね?

 きゅんとぞ首を傾げて振り仰ぎ見て鳴けば、ちゃんとこちらを見たアオキさんがパソコン画面に目を戻して口を開く。

 

「北エリアで、強力なポケモンに襲われた、という学生がいたようです。その場に居合わせた、ポケモンバトルの得意な学生に助けられたそうですが、その強力なポケモンの気配にあてられて周辺の野生ポケモンの気が立っていると」

 

 すると教えてくれるじゃん。ほーん、強いポケモンねぇ。ハッサク先生は?何しに行ったの?

 

「ハッサクさんは、元々その付近に生息しているカイリューやオンバーンをなだめに行きました。群れのリーダーが落ち着けば、その下位の仲間も自ずと落ち着くでしょう。後々、調査のためまた人が派遣されるかと」

 

 つよーい野生のドラゴンタイプ?うむ、やばそう。

 でもさアオキさん。ハッサク先生、そういう強いポケモンどうにかできるくらい頼りになる人なのか?

 

「彼はドラゴンタイプのエキスパート。所謂、ドラゴン使いです。大変にお強い方ですよ」

 

 へぇー! 美術の先生だよ〜くらいにしか見てなかったが、そう言われてみるとなんか強そうな……気は…………し……しないな。やっぱぱっつぁんって感じだよ。

 人という字はぁ!って言い始めそうな。

 

 しかし、強力なポケモンねぇ。元々強いドラゴンタイプがいたってところに? ふーん……

 きな臭いじゃん。匂うぜぇ!

 こりゃ誰かが持ち込んだか……他のもっと強いポケモンがいるところから、追い立てられて来たんだ!モンスターをハントするゲームとかでやったやつ!大体この流れになりがち!

 

「…………これはひとりごとだと思って下さい」

 

 うん?おう。おれに話しかけてるのが恥ずかしいのか?いいぞいいぞ、黙って聞いてやるから、この聞き上手ゾロアくんに任せとけ。

 

「該当地点、及びその付近は、パルデアでも屈指の強力なポケモンが多く生息する地域です。そのため、自分のポケモンの強化にと、修行に赴くトレーナーも多い」

 

 ふむふむ。

 

「ですので、そこの野生のポケモンも、そこに自分から足を踏み入れたトレーナーも……相手が強い事はわかっていた筈。予習も下準備もしないトレーナーが居て良い場所ではない。…………となると現れたポケモンが相当強いか、もしくは」

 

 そのたまたま居合わせたポケモンバトルが得意な学生トレーナーとやらが、はちゃめちゃに強かったか、ってことです?

 

 ふーーむ……あれじゃね?

 いわゆる、主人公くんちゃん。

 

 この世界にも、ついにトレーナーにもポケモンにも暴虐の限りを尽くし大量のタマゴとポケモンを量産し健康を損なうレベルの人間性を披露して最後には全てをパソコンに預けて消滅してしまうような存在が現れたのでは?

 やだ、怖……

 ま、無いとは思うけどね。でもチャンピオンレベルのツワモノは、若い頃から頭角現しても不思議じゃない。そういう才能溢れる学生さんなんだろう。

 この学校、年齢制限無いから幾つの人か知らんけどね。

 

「……いえ。これは私の考えることではないですね。アカデミーの管轄の出来事であり、チャンプルタウンとは真逆の場所です」

 

 そうなの?

 そりゃそっか。めちゃ強主人公疑惑才能マントレーナーとドラゴン使いのハッサク先生が出動するような相手に、ポケモンリーグの一サラリーマンがなぁにするのって話だよな。知ら管だね。

 

 ん、ならアカデミーは管轄外のアオキさんが、なんでポケモンリーグじゃなくて今ここでハッサク先生待ってるんだ?そのパソコンカタカタも、ここでやらなきゃいけない作業じゃないよね。充電してるけどさ。それこそ、リーグ本部?に戻ってやれるだろうし。

 ……おれを任されたから、しゃーなしに居てやるかぁってこと!? そういや、なんかの連絡受けてたな。

 いやいや、いいよぉ?

 おれ別にそこのベッドで不貞寝してるし。ここに居ろって置かれたからここにいたけど、アオキさんにいなきゃいけない理由は無かろうもんだし……んじゃ退居しますね……とぞ立ちあがろうとしたら、やんわりと肩を押さえつけられた。そのまま撫でつけられる。なんやなんや、立つなって?

 

「……アカデミーが手薄になりますから、連絡と作業ついでに居るだけですので。画面から目を離すのも面倒です」

 

 あ、そう?

 おじちゃんの膝の上ってあんかにされてるみたいでちょっと……いやだけど、アオキさんが別にいいですってんなら、いいか。

 

 いやいや、別に膝の上ならそんなに構われんでも良いかなとかじゃないし?

 なんならジニア先生とかミモりんの膝の上の方がいいですげふんげふん。軽率に構ってくれるからよ。

 でもミモりん、怪我した生徒とやらの付き添いで、クラベル校長と病院にいってんのよね。

 ジニア先生は案の定、集中講義が延長戦入りました。がんばえー。

 

 

――――――――

 

 ロトロトロトロトしたスマホロトムの着信音から、出ていた面々が戻るという連絡を受けてアオキさんがスマホロトムと連絡の話を始めてしまい、まーたおれはヒマになってしまった。しかも今度は文句も言えない。ぐぬぬ。

 普通の人間ってのは、膝の上に生き物が居たら手持ち無沙汰に手慰みに撫ぜるもんだろ?!膝の上の生き物はみんなそれを待ってるんだよ!

 何故その手はパソコンを離れない!

 自慢だけど、毎朝クラベル校長がパフュートンの毛ブラシとやらでブラッシングしてくれてるから手触りは保証するぞ!自慢だけど!!

 毛を毟られたパフュートンくんさんには感謝しかないなぁ!

 

 ここまで無言で尾で抗議していたが、ついにアオキさんがおれに触れた。おっ、来たか?お手元温めましょうか?

 

「これからクラベル校長とハッサクさん、撃退した生徒の一人が戻ってくるそうです。上司への報告をまとめるため、聴取に私も同席しますが、あなたの会ったことのない学生が来ます。恐らくは、あなたの苦手な威勢の良い方です。

 このままここにいても、職員室に戻っても構いません。他の先生の元へ行くのでしたら、案内しますが」

 

 違うか。事務報告みたいな話だった。未来のチャンピオンねぇ……

 

 んー? アオキさんがおれの好みを知っている……?妙だな……

 当たってるか、確かめてやろうじゃねぇか。せっかくだから、おれはここに留まるを選ぶぜ!

 

 アオキさんの腿の上ですっくと立ち上がったら、あまり立たないで下さいねと腹掬われてやんわり降ろされた。なんでぇ?

 

「足、刺さって痛いんですよ」

 

 あ~、子どもとか痩せた人座らせたり乗せると、ケツの骨が刺さる現象?わからなくもないな。

 …………おれ、なんでわかるんだ?

 まぁいいや。知らんひとのひとりやふたり、今更どうってことはない。迎え撃ってやろう。

 

「……ここにいるんですか」

 

 アオキさんの足元で、パソコンしまったりなんなりしているのを眺めてたらそんなことを言う。居るって言ったじゃないですか!

 

「……」

 

 なんか考えておられる。この人、考え事してるとき全然動かなくなるよね。考え事してなくても動かないときあるから、ちょいちょいわかんないけどさ。今は間違いなくなんか考えてる。

 いきなりスイッチ切れたロボットみたいだ。

 

「まぁ……大丈夫でしょう。悪い人間では、ないですし」

 

 んでいきなりスイッチ入るのね。自分で納得して頷いている。

 もっとおれに解るように説明してぇ?

 

「……彼女は、強い人やポケモンに大変興味をお持ちですが、あなたは珍しいだけの……小さく、戦う力の無いポケモンです。そこまで強い興味は抱かない……のではと」

 

 ……え、おれ今、アオキさんにディスられた?

 

「そうショックを受けた顔をしないでください。むしろ、そうであってほしいという私の願望込みの推測です。出来れば、当たっていると……いいんですが」

 

 めちゃ深ため息。がっくり落ちた肩。至極面倒くさそうに下がって寄った眉。

 おおっと、これは……アオキさんもおれも、考えてるよりはるかにずっと、おれの苦手なタイプが正解の予感……!

 

 い、今からでもかまくらに避難してもいいか「失礼しまーす!!!!」おあああ元気なコきちゃあああ

 

 

 

 

 




ああああ
ゾロアくんちゃんさんの苦手なタイプってなんだ?
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