先行実装転生ゾロアニキ 作:あまも
ファッ
せ、先行実装ゾロ…アーク!
ゾロアーク…?ゾロア違うナンデ…?
あくタイプ?!悪いキツネや!
悪いキツネか…??
ハッピータイム!金策!!倍率ドン!更に倍!
……ヒスイゾロアーク(うらみつらみ搭載)が、ハッピータイム…?あらやだ解釈違い…
これじゃゾロアがハッピータイムうてないじゃないですかー!
それはそうとやったぜ└( ・´ー・`)┘
もうゴールして良くない?良くないか…
感想いつもありがとうございます。返信クソ遅(恥ずかしい時だけ早い)なのは許して下さい。
騒がしいので目が覚めた。騒がしい……ってか、賑やかしぃ……
天井に逆さまで張り付くこぎたない革靴と便所サンダルみたいな緩いつっかけと品のいいピッカピカの銀の靴!
…………逆さまなのはおれじゃないか?!
起き上がる。動きで体を捻ったからか、腹がぐぐるぅと鳴り始めた。
腹が減りましたわ!
「わ、すごい音ですねえ。ゾロアさん、おはようございますー」
いち早く気付いてくれたジニア先生がにこにこと寄ってきた。後ろにはアオキさんとクラベル校長。ここは校長室のおれの寝床!
「きゅぬ!」
おはようやで!
「宜しければこちら、食べますか?」
アオキさんの差し出してきたのは、固めの生地のパンに挟まれたサンドイッチ。間に挟まる……ソーセージ?ウインナー?が三本はみ出して見える見える。中々のボリュームだが、ぐーぐるごーなおれの腹には早急なエネルギーが必要だ!頂くのぜ!
皿に置いてもらったものにかぶりつく。
…………かっら!
辛い!熱い!痛い!
ばっ、これ、大変におスパイシーですわ?!
敏感なポケモンのお口には刺激がつよつよで、ちょっと顔を顰めてしまったのが見えたのか、アオキさんが珍しく目元と眉を大きく動かして、素早く皿ごとおれのサンドイッチを奪い取ってしまった。
べ、べつに食べれないわけじゃないよ?!
「ゾロア、あなた身体に傷は無いようでしたが……口の中、怪我してませんか?」
「きゅ?」
口の中?もにょもにょと舌を動かして口の裏の壁を撫でてみる。……あいたっ
下顎側の何ヶ所かが、確かに痛い。失礼しますねえ、とジニア先生がペンライトを持って鼻先をちょいちょい触ってくる。
開けろって?はいな。
「ありがとうございまあす。…………あー…………下顎……丁度上顎の犬歯の位置が、ちょっと傷があるので、恐らく何かの弾みに自分で噛んでしまったんでしょう。アオキさん、きのみはお持ちですかあ?」
「いえ……」
「オボンならこちらに」
おやまあ。あれかな、吹き飛ばされて、バクーダちゃんに押しつぶされたとき。
クラベル校長がなんかの研究机っぽいとこで小さなナイフでオボンを食べやすく切り分けてくれている。ありがとナス!でもそことそのナイフ、食べていい物に使って良いとこなのかい……?
まったく、ダメじゃないかアオキさんってば。ジムリーダーともあろうトレーナーがきのみも持ってないなんてぇ…
………んでも、見た感じあの時の汚れたコートは腕に掛けたままだし、髪や靴も裾も、鞄も薄らとなんかが染みてたり皺がある。
いつもこんなんじゃない? いやいや、これまだあの後、休める所にどこにも寄れてないんだよ。きっとそうだ。
道具とかも、補充してないに違いなひゃっはあオボンうめぇ!この……何味ともつかないけどオボンらしい"きのみ"って感じの……あれが……こう…………ね!
がぷがぷと水を飲まされ、また口を開けさせられる。ゾロアの小さい牙をむいっと口吻弄られ見られてる。ちょっと恥ずかしい。
「うん、大丈夫ですねえ。でも刺激物は止めときましょうかあ。ぼくのジャムサンド、食べかけですがどうぞー」
えっ! 間接……ああ、食べた部分もぎられて、三分の二の方を改めて皿に乗せて貰った。ぼくの、ってことはジニア先生の分は?
「? 大丈夫ですよお。ほら、甘くて美味しいです」
もいだ食べかけの方を、目の前でひょいと口に放り込み、咀嚼して見せてくれてくれている。や、貰った食いもんにケチ付ける気は無いっすけどお……
「スパイシーサンドで宜しければ、食べますか?」
「はあい。ありがとうございます、頂きますねえ」
あら、おれの食いかけを持っていった。えっ、甘いの欲しかったのにおれのために辛いの持ってったの……
実際は絶対にペットとかと、食いかけを食べあったりなんなりはダメだからね!お互いに!
――――――
さて。
食べている間、チャカポコカタカタはいはいと、各自パソコンやらお電話やらなんかの機械やらを弄っていて、忙しなかった。時折タイム先生やサワロ先生なんかがやって来て、クラベル校長に報告して帰ってったりリーグ委員会のマーク付けたスーツの人が来てアオキさんになんか渡してったり。
何かしら進めてるんだろう。おれにはわからんけど。ジャムサンドうめぇ!
食い終わった頃に、皿のかわりに目の前にボールを並べられた。通常のボールから、スーパー、ハイパー、プレミア、ヒール、リピート…オシャボなどと呼ばれる一点物の特殊なボールは趣味ではないため持っていないと、置いてったアオキさんが言う。
「選んでください」
ええ?
細かい説明を聞くところによると。
「……今回、ボールで捕獲されなかったのは運が良かっただけです。今のあなたはアカデミーで生活していますが、野生のポケモン。ボールで捕獲された場合、そのボールを持っている相手に管理……所有の権利がある。
一言戻れとボールを開かれたら、こちらで連れ去られぬよう対処していても意味がなくなってしまうでしょう。
……転送、交換の機能でも使われてしまえば、より一層連れ戻すのが困難になります。
……ですから、やはり仮にでも……保護者を決めておくべきだ。とは、……人間の考えですが」
「……ぎゅぬ……」
チラチラ見てくる面々含めて、みんなしておれを心配そうに見てくる。
おれもね?心配しただろうし、心配かけさせちゃったなぁって、セイジ先生に泣きつかれた辺りで思ったともよ。
言うことに一理あるってか、百理しかねぇ。
あの人間さん、ボールで捕獲しないでわざわざおれのこの、小柄とはいえ体をそのまま持ち出したって事だろ?
そんな否ィ効率的な事、わざわざする理由があったんだろうし、今後もその理由が適用されるってのは考えにくい。
おれはまぁ、かしこくてかわいくてとってもスペシャルだが、ポケモンだからなあ。
どんな伝説ポケモンだって収まっちゃうボール投げられたら、おれなんて抵抗できなくて捕まって、そのまま…………ヒェッ
しかし……しかしなぁ。ボール並べたのはアオキさんだ。つまり、このボールは彼ので、選んだらきっと彼がおれを捕まえるんだろう。
何度だって言うけどね?嫌いじゃないのよ。むしろ、この現代人らしい空気が親近感あるし、基本陰キャのおれには、パルデアの陽な人々はちょっと眩しい。
それに、初めもこの前もと、幾度となく助けられた。
特に、この間の件で、ちゃんとこの人が皆から認められるだけの実力者だってこともわかってしまった。
ただなぁ。
面倒事を嫌っているんだよなぁ。わかるよ、おれも嫌いだもん。
無表情で取り繕うのも隠すことが苦手なのか、迷惑面倒かったるいって気配。下手に取り繕うよりは、素直に見せるあたりは誠意見せてるじゃん。
「生活はこれまで通りで構いません。保護者が自分だと、触れ廻るつもりもない。
自覚はあると思いますが、あなたはかなり希少な種類だ。特にこの地方では、あなたの仲間は見つかっていない。他の地方でも、今の所未発見です。どんな扱いをされるかもわからない者に捕まるよりかは、調査の名目で、このアカデミーに居るのが最も安全でしょう。
しかし、あなたがこのパルデア地方で生活していくならば、人目につくのもまた事実。
……もし万が一、興味本位の学生に戯れにでもボールを当てられて、油断して捕獲されてしまった、なんて事になりたくはないでしょう?」
あ、ああ〜!
あるんだよなぁ……そんな目が。
興味本位って顔に書いてある学生が、ハイパーボール構えてる所をタイム先生が朗らかにインターセプトしてくれた事がある。
ホントにおれに投げつける気だったかはわからないが、何かしら誤魔化した様子で逃げてった学生。それでなくても、おれが人の言葉よく分からんと思ってなのか、平然とタマゴの話とかバトルで使えるかとか、生態は、とかなんとか……生々しいお話するもんだから、お前らにわか学生と違って、誰より詳しいジニア先生が頑張ってるでしょうが!ってぷりぷり怒っちゃったのも記憶に新しい。
うん、誰か保護者か決める……うん、大事なのはわかるんだが…………
アオキさんの無表情を見る。
クラベル校長の眉を寄せた難しい顔を見る。
ジニア先生の下がり眉と、目が合うとにこと笑いかけてくれる笑顔を見る。
なんでおれと仲良いの、野郎ばっかなんですぅ?
しかもジニア先生、ボールに手を伸ばす様子ないし……俺の前で、わざとボールに触らないようにしてない?
クラベル校長は絶対に0:1000で良い人だしおもしれー男だし、ゴージャスだしパワフル……だけど、おじいちゃまなのよ。死に目には会いたくないのよ。悲し過ぎるから。
アオキさん…………アオキさんなぁ………………
ペットとかもね。仕方ないから飼いましたって人、責任感強いような人だとすごい、ちゃんと飼ってくれるんだよね。飼い方とか知らん!ってちゃんと勉強したりと、真剣に向き合ってくれたりするのよ。
アオキさんは、多分ポケモンに関してならそういうタイプの人だ。人付き合い?ええー……苦手そう。
面倒でも、やれることならちゃんとやれる人だ。
でもさぁ、それって、疲れるじゃん。
おれ見て溜息吐かれるのもいやだけど、おれが見てるの見て「気にしないで」って気ぃ使われんのもいやじゃん?
「ゾロアさん。アオキさんはこう見えて、ポケモンバトルの実力に間違いはありません。危ないことがあっても、必ず助けに来てくれるでしょう」
「…………」
クラベル校長がフォローの言葉をくださる……のだが、おれならそういった保証も無いことに対して"必ず"、"絶対"にという言葉を使いたくはないなぁ。おれならね?
今回はたまたま、助けて貰えたけども。
「ボールの識別機能や保護機能があると、ぼくらも安心なんですよお」
「あなたに自由でいて欲しい思いもありますが、そうもいかない事情もあります」
ぬぁー……やっぱり?
今回の件なぁ。あの……キラキラきょうだいとゆうれい結晶の根元のメイビーパパさんの念…………あのふたりが諦めるとは思えないから、また来るだろうし……おれ目当てだと考えても自惚れじゃないはずだ。
そんな、恐らくは周囲に影響ありそうな事象を呼びそうなかわいいゾロアちゃんが、なんの保護もされていない状態で野放しってぇ訳にはいかないだろう。
誤解を解くことが出来なかった以上、仕方ないことだが、おれの方から会いに行く!ってのも、人間側的には嬉しくはないんだろうなぁ。
「きゅ……ぐぬぅ……!」
仕方ないよ?仕方ないけどさぁ……仕方ないじゃん!!!よくわからないけどよくわからない理由で知らない場所に来ちゃったのはおれのせいじゃないし………………
……そりゃ、おれみたいなかわいいゾロアちゃんが怪我して倒れてたら、助けたくもなるし…………助けちゃったらその後も責任取らなきゃ……!みたいな使命感は、まともなポケモントレーナーならあるだろうし…………
となれば、そうなるんだろうけどさぁ……
この、『君が決めるといいよ(暖かい目)』、な空気、小生やだあ!
「きゅぬぬあ!」
ひとしきり悩んだ末、ベッドの穴に逃げ込んでしまった。
優柔不断で不甲斐ないおれですまんめんみよ……
「私が見てる分には、アオキさんの事は彼も信頼してるように見えるのですが……」
外からクラベル校長のそんな言葉が聞こえてくる。信頼してるよぉ、してるけどさぁ。
だって、だって……ええ……
――――――――――――
とっぷり夜である!!
………………夜まで籠城決め込んじゃった……
モモンもんもん考えてみたんだが、どうも、たぶん、おれは人とポケモンの付き合い方ってのに、ちょっとキラキラし過ぎた理想を抱いてしまってるのかもしれない。
下手に元の世界の動物なんかより頭が良いいきものであるせいか、それともゲームやアニメの物語上の感動があるせいか、そう…………うん。
きっと憧れてるんだろうな。
ゲームでも、ポケモン交換を気軽に持ち掛けてくるNPCは居ただろう。悪い軍団がポケモンのあれそれを売り捌いていたし、初期の頃のライバルトレーナーなんて、滅茶苦茶ポケモンの扱い悪かっただろう。
それと比べたら、なんでもない。良い人ばっかりじゃないか?
自分ってば高望みしてるのだろう、と自覚が湧き上がって来たのが夕方頃で、今、それを打ち消すように湧いてきてるのは普通に後悔だ。
あの時アオキさんは、「過ごすのはアカデミーでいい」って言ってた。それをおれは、アオキさんがおれの世話面倒臭いからだと思ってたが……
もしかしなくても、あれアオキさん自身が、「自分の事が嫌いであれば、一緒にいなきゃいけないわけじゃないぞ」って、言ってくれてただけでは?
どことなく寂しそうな眉と目と額が浮かぶ…………ごめん、いつもの無表情だったわ。
おれがアカデミーが好きだって、色んな人やものを自由に見たがってるって、そう判断して提案してくれてたんだろうに……
と、ポジティブシンキングで後ろ向きに考えていたら、もうめっちゃ夜中だった。昼間ぐっすやしたせいで全然眠くない。
もっと、ちゃんと意思疎通できるようになりっちぃなぁ。
予想では春頃にHOMEと一緒にレイド辺りで来るかなと思ってたんですけど八倍くらい早くてびっくりしました。
びっくりついでにオスとメス2匹貰わないと…
いつ来ても良いように本編開始前開始にしといて良かったです(震え声)
え、終わらないんですか?