先行実装転生ゾロアニキ 作:あまも
うちにゾロアニキ(色違い♂最小個体)が来ないのが悪い(言い訳)
おかげさまでキタカミ周りもまぁまぁわか……わからないこと多くない?
ゼロの秘宝も思ってたよりパゴッさんの情報無かったから、やっぱりアニメの方で重点的にやりそうな…………結局ヒスイゾロア(ーク)の配布以外の野生個体は?!
何はともあれ続きましたが、中々結末上手い所見つからなくてウンウンウニウムです。
よろしくお願いいたします。
ボールの中ってこんな感覚なのなぁ。などと思いける。
小さくなる方法なんてポケモンというひとつのくくりのいきものが持つ本能を、お生憎様このおれは知らなかったわけだが、現状のこれはそういう効果のあるものにそういう効果を発揮させられて小さくなっちゃった!な感じなんだろうか。モンスターボールにそういう効果があるなんて聞いた事ないけども。
そういえば、なんだかんだとボールに触れた事無かったのだなとしみじみ。
や、未だに小さくなり方は知らないんだが。
で、だ。そんなこんななんやかんや、閉じ込められてしまったおれである。だがボールの外で、ジニア先生やチリちゃんやアオキさん達が奮闘してくれている気配を感じているので、ボールから出る方法はこちとらさっぱど考えていない。どうせ小さくなる方法も知らないおれだ。大きくなる方法だって知らんのだ。ましてやボールからの出方なんてのも。
捕獲モーションで起こる、なんか大きく揺れてるドキドキタイムだってパチンと捕まっちゃったら出ようが無いし。いやホントにどうやって皆さん出てるの?
そこはおれにはどうしようも無いからよいのさ。ジニア先生達に色々聞かれたが、答える事は答えたし。ハムスターのお散歩ボール形式であったが応えられてはいたようなので。
後はどうにかなんとかしてくれるに違いない。
というか、そちらより先に、考えるべき事があるからな。
『……』
ポロポロと光を零し、きゅんきゅん鳴き声を上げ続ける、ゆらゆらした白い煙みたいな、炎みたいな何か。
こちら、このボールの先住の方でござる。
ゆ、ゆうれいだー!?
と叫んでみたりしたのだが、ただでさえ哀しそうなのが更に哀しそうにしやるので、かわいそうになって話を聞いてやるスタイルを取ってみた。
ぎっちょんこれがマ、なんか哀しそうってこと以外何一つわからないんだがね! 微塵もなんも言葉わからんのやもん。しゃーないやんけ。
そう広くもない空間なので離れる訳にもいかないし。最近あった事も踏まえ、お前おれのきょうだいか?と聞いてみたが反応はなく。
んもー、一体全体何なんです?ナニモンなんじゃ!ナンジャモンジャ!
ススッと擦り寄ってくる白いモヤに、サイズ感といいなんとなく懐かしい感じといい、きっときょうだいなんだろうと好きにさせて意識逸らして外の様子を見ていると、何やら…………あまり見かけないボールが並べられていくのが見える。緑と、カラフルな模様。…………あれなんだっけな。オシャボなのはわかるんだが。オシャボ興味無かったもんだからなにがどれやら。ムーンボールっていう名前のプレミアボールがあったのは知ってる。
てか、オシャボってめっちゃ珍しくなかったです?…………何に使うんだろうか。このボールはヒールボールだが、同じボールは試したし、ってこと?……おいおい、ただでさえ希少でスペシャルなおれが、さらにスペシャルになっちゃうじゃないか!
……………………
しかしまぁ、できれば早めに出してもらいたいってのはあるのだ。一応そう急がんでもええでとは
というのも、感触もなしに擦り寄ってくるような動きを見せるこの白いモヤくん。触れる度に触れたところからぞわぞわと、身の毛もよだつような……寒気というか、怖気というか。鳥肌、脂汗滲む……
つまりはとってもホラーな気分です。嫌とは言いたくないのだが、あんまり気持ちよくはない。
これ大丈夫なやつ?大丈夫な気ぃしないんだが。
でもMaybeきょうだいだしなぁ。
狭いし身動きも自由にとれるわけじゃない。それに、ぞわぞわぴりぴりと一緒にこう、腹の中が熱くなるみたいな、込み上げてくる何か……吐き気ではないはずのね?
質問されてる時には何にも無かったのだ。白いモヤくんが擦り寄ってきても、特に何だと言うこともなかったし、なんか不調だなと思って狭い外周を白いモヤくんから離れるようにウロウロしてみたりもしてみたが、やはりどうにも、どんどん違和感が増して行くのである。遂には外の見える辺りで座り込み、白いモヤくんに悲しそうに覗き込まれてるなう。いや、多分きみのせいではないのよ。……無いのか?このこのせいだと思いたくはないのだが。
「…………?」
?
今、なんかこう……何…………なに?
どうかしたのか、哀しいのか、くやしいのか、安心したのかなんなのか。ぐわんと、熱いものが一層込み上がって来たんだが、とりあえずめちゃくちゃ気持ち悪い。
え、うそ、これ吐き気?やだよヤバイよ、こんな狭いところで吐いたら、おれもモヤくんもゲロまみれになっちゃう。
なんだっけな。これ、なんかあった気がするな。
これ共感って心霊現象では?
ほらあの、あれ、うさんくせぇ心霊番組とかでタレントが取り憑かれてしまった!みたいな感じの演出で、ボロボロ泣いたりうーうー言ったり、体調悪そうにするやつ。うっさんくせ〜って見てたけど、同行してる霊能者名乗る怪しい人物に背中どつかれてるやつ。スッキリしました!ってホンマかいなってな……
………………ほなこれゆうれいやないかい!!
霊障……ってコト?!
ええ?やだぁ……おれ取り憑かれてるのぉ?
んでも体調はよくないけど、怖や怖やって気分とは違うんだよなぁ。かなしいなぁとか、くやしいなぁとかそんな感じで。
なんじゃろな。もう少し集中してみたら、この白いモヤくんの正体がわかるだろうか。どうにも外はしばらくかかる様だし、頭もぐらぐら腹もぐるぐるしてきたし、ちょっと横になって目を閉じてみる。うーん……目を閉じると余計にぽんぽん熱いのわかるような。
んでも、普通ゆうれいってひゃっこいものだと思うんだが?
耳元で聞こえるきゅんきゅん音と、まぶたの裏に見える光の残像。あと奥底の熱と、きりきりしてきた頭の痛み。咳き込んだら出てきそうな吐き気。
これあれだ、なんか発表しなきゃいけない会の前に急遽ドえらいお偉いさんがくるから、頑張ってねってだけ言われた時のどわっと嫌な汗出てくる時のやつや。
しかもそんなにいい発表内容でない自覚ある時の。
かわいいかわいいゾロアちゃんになってから、そういうのとは無縁だったんだがなぁ。ぐぬぅ……どんどん増してるぞこれ。
くそう、もうちょっと最初のうちに大暴れしておく
んだった……ワンチャン捕獲失敗で出れてたかもしれんのに……
――――――――――
故郷の雪のようだった。
氷でできた洞窟の壁が、薄く青く光っている。空いた穴から見える、白と、黒と、灰色と、青。
あのこと同じ色。あの子?
どれだけ探しても見つからない。探しているうちに、どこから来たのかもわからなくなった。原っぱにも、森にも、沼にも滝にも山にも川にもどこにもいない。何探してたんだ?
ボロボロのかれが帰ってきて、シンオウさまにお願いしようと言う。
広い、広い、水があって、それは海だとかれが言う。王子が守る海には居ないと言う。ここはどこかと訊ねると、ただ、シンオウさまにお願いしようと言う。シンオウ様ってなんだ?
かれに抱えられ、登った崖の先に、霧に囲まれた小さな洞窟があって、その奥で、シンオウさまにお会いして。いやだから、シンオウ様ってなんだよ。
いつか、かれに聞いたような姿のシンオウさまが、かれが、かえれずともかまわないと、シンオウさまに食べられて、食べられた?ぐるぐると、うえも空も川も森も壁も何もわからない、おかしなところで、いやそれって。
ぎらぎらと、炎みたいな赤い光が周りに飛び散って。
さいごに、とてもまばゆくかがやく ひかりをみた。
――――――――
「ゾロア? 大丈夫ですか?」
「あれえ?……少し体温が下がってますねえ。ポピーさん、抱えてあげてくださあい。あと、毛布、毛布……」
「危険ありありやったんかなぁ。痩せ我慢なんか、せんでええのに」
賑やかだ。重いまぶたを開けると、小さい手のひらが目の前に伸ばされていた。そのまま、頭を撫でられる。
「目が覚めましたか」
「おはようございますですの!」
毛布に包まれる。膝に抱えられる。動く気が出ないというか、動く気力がないというか。だるい。頭が重い。
「……ゾロア? あれれぇ?」
なんだろう。心配そうに覗き込んでくる人の顔。くたびれたおじさんに、可愛い女の子、イケメンやら六角形メガネやら、でっかい人やら色々だが……
「…………何か、様子がおかしいようですねえ。ゾロアさあん?意識ありますかあ?」
間伸びした口調。六角形のメガネの奥から心配そうな目で見つめられている。……頭がぼやぼやとハッキリしない。寝起きのような、はたまた四徹目の風呂上がりのような、気を抜いたら即座にスコンと寝てしまえそうな、ああ、とにかく考えるのが億劫な、意識の散りそうな……
「ゾロア」
声と共に、大きな手で頭を撫でられた。袖が動くのと一緒に、ぷんと鼻に覚えのある匂いを感じる。
うむむ、うーん、これは……白米。
途端、くぅとおれの腹が鳴る。ついさっき食べたような気もするが、どうにも腹が減ったような気もする。
はて。
空腹に気付いたら、ついでにその周りも気になってきた。あれ、おれはいつ物を食べただろう。そもそもここはどこだろう。なぜ人がいるのだろう。おれは何をしていて、何をされて、何があったのだろう。白いモヤが掛かってたようだった意識が、きりばらいでもしたみたいに段々とハッキリしてくる。
考える気がしねぇとか言ってる場合じゃねぇな。何これ何が起きたの?
「……とりあえず、何か暖かいものでも飲みながら、ゆっくり状況を整理してみては?」
なるほど。くたびれたおじさんの言う事も尤もだ。であれば……そう。ミルクでももらおうか!
――――――――――
とまぁ、目覚めて数分はなんだかモヤモヤしていた頭も、沸かしてもらったミルク飲みながらアオキさんやジニア先生はじめ皆さんの状況整理の会話を聞いてる間に大体落ち着いてきた。
結論を先に言えば、皆様の尽力のお陰で、おれはあのホラーなボールから外に出れたのである。
方法は、どうにも小難しい事をジニア先生がやや興奮気味に語っていたけれど、簡単に理解した所だけで考えるに、古いデータを新しい機種に移行する手順を逆に行った、と そういうことのようだ。
生憎と機械には疎いもので、最終着地地点である石と木製の蒸気機関で動くらしい骨董品に如何にしておれをぶちこんだのか、さっぱりわからないままなのだが。てかこのサイズで蒸気機関って何……?どうなってんの?そして骨董品って話は聴こえてたんだけど、これ歴史的にも相当大事な物じゃないの?経由地らしいフレンドボールやらムーンボールやらも、職人ハンドメイドの後期型(クラベル校長のコレクション)と機構の古い物を使っているという前期型(レホール先生のコレクション)やらで、しかもおれを一度入れたせいで使えなくなってるから鑑賞用ですねとかなんとか聴こえるんだが。
め、迷惑おかけしてるゥ!(財政的)
おれがぽやぽやしてる間の会話だったので、聞いてないかと思っていたか!甘いわ!情報だけは入ってたのさ!考えられる頭では無かったがね。
どうにも眠気MAXというか、どちらかといえば徹夜からの休日に惰眠貪って起きたら夕方だった時の虚無感に近いアレといいますか、
暖かミルクでポカポカになったお腹も快調だし、頭痛も吐き気も無い。何はともあれ、おれは無事にこうして外の空気を満喫出来ている。
無事で何よりと人間たちからやんややんやと安堵の声をかけてもらっているが、先程からアオキさんとジニア先生が隅の方でコソコソ密談などしておられる。
何よ……何なのよ! ここぞとばかりに聞き耳立てる。
「あのボール……アレはその……そのままにはしてはおけないものですよね?」
「そおですねえ……。 そもそもボール自体もいつ故障するかわからない年代物ですからねえ。早急に入れ替えは必要でしょう。ですが……
現状、無事出れてはいますが、先程の挙動が再発する恐れは充分考えられます。原因の解明は必須です。しかし、ええと、そうですねえ…………あまりこう……いったものは……何らかの故障によるもの、という……」
「…………」
「今回はこうして複数人の目が保証してしまってるので、勘違い、とする訳にもいかないんですけどお……オカルトな話って、ゴーストタイプが絡んだりすると稀によくあるんですけど、それ以外にもある事はあってえ……
調べても結局、よく分からないことの方が多いんですよねえ……」
「……やはり、ゴーストタイプですか」
「でしょうねえ。一応詳しく調べてみたいところではありますが、現状の計測されたデータと、シンオウ地方からいただいた資料から推察した分では……ゴーストタイプと、ノーマルタイプではないかなあと」
「……ノーマル?」
「仮説ですが、あのゾロアはどういうわけかタイプの力が著しく劣る……いや……ううん…………なんと言えばいいやら……むずかしいところですがあ…………」
専門的な話になりそうで、ジニア先生が首を傾げて、アオキさんもやや無表情にほんのりとむずかしいはなしなら別にまとまってからの報告でもいいなぁなんて言いたげな感情を湧かしている様子が見える。
というか、え?
おれノーマルタイプなの?
何度か修正させていただくと思います(ひさびさ)
ゾロア配りおじさんしてる間に随分更新が滞ってしまいました……あとこことこの先少しの展開に未だに悩んでるので……待っててくださったお兄さんお姉さんありがとうございます。