先行実装転生ゾロアニキ 作:あまも
閲覧ありがとうございます!
いつまでたってもライムさんとタイム先生間違えたりしてるのやめられないとまらない()すいません報告ありがとうございます。
ジニア先生の口を借りていますが、ざっくりと設定まとめ見たいな箇条書きしてたものをごちゃっとまとめてぶち込んだお話です。
よくわからないと思いますが、よく分からない時はとりあえず書いて置いとけば後から思い出して見返してそうそうそんな設定にしてたなぁと思えるので、そのための資料のようなものです。ブランチマイニング…
しかして読んで理解する必要のあるパートではないので、幕間とさせていただいております。
読み飛ばしてもらって大丈夫なところですが、暇な時にでもチラッと見て、見つけたここおかしくないか?の穴を感想辺りで穴を殴って貰えると坑道がさらに拡げられてアマモが助かります。
よろしくお願いいたします。
元気にゴスのみを食べるゾロアを眺めながら、ボールから出てきたばかりのゾロアの様子を思い出す。
あれは、人の顔を見て『ヒトだ』と認識しただけの顔で、知り合いを見る目では無かった。ドわすれや、こんらんしたポケモンの様子に近かったように思う。
その後はちゃんと思い出してくれたようで、懐っこく擦り寄ってきてくれたが、ボールからボールへと移し替える等の通常ではない作業があったとはいえ、引っかかるものはある。
そもそも長時間ボールに閉じ込められていたのだから、寝ぼけていたんちゃうの?とチリさんの言う通りなのかもしれないけれど、にしたってもどうにも引っかかっているのは僕だけではなく、よくゾロアを見ていたアオキさんも同じであるらしい。
「となると、ポケモンの定義とはいったいなんなのでしょうね」
「……すみませんが、おっしゃられている意味がよくわかりません」
アカデミーの東にあるまいど・さんどのテラス席にて、ひと段落ついた息抜きにと、ややくたびれた様子のアオキさんを連れ立って外に出てきた。
これまでの積み重なったあれやらこれやらでお互いに寝不足な自覚があり、一度さっさと帰って休みたいのはやまやまではあるのだけれど……
「いえね、あのゾロアが今回、ボールに入って出られなくなった件で色々考えてみたんです。ボールに小さくなって入れたので、それはポケモンとしての本能からくる行動であるのは確かです。けれど、あのゾロアはこれまで、それらを自発的には行えなかったのですよねえ。
思えば、彼はポケモンとしては不完全な点が多いのでは?と、改めて考えてみてしまったんです」
「……」
技が使えないこと、大きなダメージにも、小さくなることはなかったこと、ほかのポケモンとちゃんとした意思疎通が難しいこと、などなど……
おやからそれを教わる前だったのか?いいえ、そんな筈はありませんよお、たまごから生まれたばかりのポケモンだって、わざも使えるしボールにも入れます。あの個体に、何かしらの欠陥があるのは間違いないんです。恐らくそれは
ひとつの仮説として、あの個体にはいわゆる
それも後から考えると、あの一度しか彼の出した
「とりあえず食べませんか?」
声をかけられて、はた、と思考と同じく動いていたらしい口が止まる。目の前のサンドイッチを示してから、アオキさんが自分の手元のサンドイッチを一口。そういえば食事中だった。
「えへへ、すいませえん。いただきますねえ」
せっかくの出来たてだったのに、放置しておくものでもない。いい食べっぷりのアオキさんに吊られて、自分も無言で食べ進める。思考は件のゾロアに向いてはいるが、結局推測ばかりになってしまうのはどうしようもない。資料が少なすぎるのだ。
ひと足早く食べ終えたアオキさんが、包み紙を畳みながら首を傾げている。
「……なんとなく、推測ではあれどわかりました。ポケモンとは何を基準とするのか……確かに考える所かと。
ところで、話は変わりますがひとつ疑問があります」
「あ、はあい。なんでしょう?」
「何故、あのゾロアがノーマルタイプであると?」
――なるほど。きっと彼はそれが聞きたくてこんな所に付き合ってくれたのか。
そして質問の内容は、それなりに難しい話だった。前提から始めなければいけない。
「そうですねえ……ノーマルタイプというのは、タイプの力が無い、という事ではありません」
「はい」
「うーんと、そう、……力そのもの、ともいえるかと。
かくとうタイプなどはそのまま技術的な意味での
「からげんき?」
アオキさんの十八番のわざ名が、本人の口から出てきた。それこそ正に振り絞った力そのものなんだろう。
「ふふ。はあい。気力、元気、そういったもの、でしょう。きあいだめ、なんてわざもありましたねえ。
精神的にも、物理的にも、生きてるいきものが、行動を起こすときの力。生きていくのに必要な力。いきものとして動くための力。何かを生かすための力。ノーマルタイプの力は、大きなくくりではそんなところで分類されることが多いですねえ」
「……生きている、いきものが」
ここは少し難しい話になる。フェアリータイプのポケモンは、昔はノーマルタイプと混同されていた頃もあるし、未だに研究者の間ですらノーマル複合タイプの分類等での間違いは多い。
よく話にあがるのは、ゴーゴートとメブキジカだろうか。何が違うんだとたまに生徒にも聞かれるけれど、あれは専門家の間でもなかなか決着のつかない長い討論が行われているので持論で語るものじゃない。なんなら意思を汲み取るならエスパータイプなのではだの、お花を生み出すのだからじめんタイプなのではなどと他所から言われている。
目の前の、ノーマルタイプのエキスパートとしてジムを任されているアオキさんなんかは、「ノーマルタイプは普通、平凡、ありふれたもの」と良く言うけれども。
研究者の間ではノーマルタイプは調べれば調べるほど、「ノーマルタイプとはなんなんだろう?」と頭を悩ませる、謎の多いものでもある。中には、全てのタイプが含まれているから、なんて一説を唱える学者だっているのだから、まったく奥が深いタイプだと思う。
もちろん、他のタイプもそれぞれ様々な不思議があるのだけれども。
それはさておき。
「ええと。――――ゾロアのお話ですねえ。
あのゾロアは間違いなく
彼らは、あの地で生きていく為の力を手に入れた。冷たい世界で、周囲を欺くためのあくタイプを捨てて、暖かさを得るほのおタイプでもなく、溶け込むためのこおりタイプでもなく……確かに生きる為の、力を選んだのでしょう」
「……」
ゴーストタイプのポケモンが、軒並みみんな『生きていない』と言う訳では無いけれど、食べ物を必須としなかったり、“何処か”と繋がっていたりする生態をしているのが彼らだ。“生態がよくわからない”とも言える。そこはノーマルタイプと似ているようで、やっぱりちょっと違うだろうか。
……一部、例外は居るけれども。考えてみるとドラゴンタイプ、というのもある意味生きる力と言えるのかもしれない。
「なんて言いましたがあ、結局のところあのゾロアがあんまりにもポケモン以前にいきものとしては
「………………普通、ですか」
「タイプの力ってのは自然エネルギーと同一視されることもありまあす。自然エネルギーは自然に生きるいきもの、それこそポケモンが多く持ち、ヒトはほとんど持ちません。一部の人……例えばライムさんの様なちょっと不思議な力があるヒトは、恐らく自然エネルギーをちょっぴり多く持っているヒトなんでしょう。ユンゲラーの図鑑は、あれはちょっと言い過ぎかもしれませんけどね。
ではヒトや、ポケモン以外のいきものが持つエネルギーはなんでしょおか?
答えは生命エネルギー。正しく、
……あのゾロアはゴーストタイプとは思えない程“普通のいきもの”ですよお。普通の、生きてる、ポケモンです。生きようとしてる、とも言えるかもしれません。
どおでしょう?ノーマルタイプのような気がしてきました?」
「……………………」
結局、『ではヒトとポケモンの違いとはなんだろう?』に流れてしまう思考が浮かんで来てしまう。自然エネルギーの有無で言えば、ヒトだってたまにちょっと不思議な力がある人物はいるのだし、あのゾロアのようにわざも小さくなることもできないいきものもいる。
そんなこと言ったら自然エネルギーをヒトが使えるようになったらそのヒトはポケモンなのかと言えば、考えてしまうような事件だってかつてあった。生命エネルギーを集めて束ねてひとつにしたなら、その
「……ジニア先生、食事の手が止まっています」
「あ!えへへ、すいませえん。やっぱり、調べている途中の研究内容だと、ちゃんとまとめないと……よくわからないお話になっちゃいますねえ。すいません」
促して貰って存在を思い出した。口にサンドイッチを運びながら、下の広場のコリンクとトレーナーを見る。咀嚼し、味を意識しつつ、考えていたことを忘れないように細々と考える。ケチャップとマスタードの酸味が効いている。
話をまとめるのは昔からあまり得意ではなかったけれど、こうして教師となり、授業をやるにあたって教える事柄と範囲を決めてからは大分マシになったと思う。でもこういった、調べれば調べるほど謎が出てくる一件は、どうも歯止めがつけにくくてかなわない。
世界各地で事故や事件は起きている。大きなエネルギーが関わる事件はいくつかあるが、大まかに分けることは可能ではある。
それで考えると、やっぱりシンオウ地方で起きた事件は中々特殊であると言えるだろう。
神と呼ばれたポケモン、時空、心……
「アオキさん」
「……はい?」
「今度、シンオウ地方に出張行きませんか?ゾロアも連れて」
「………………………………仕事と、いうことであれば」
たっぷりの沈黙の後の言葉はチーゴのみでも食べたかのようにとても苦々しいけれど、パルデア地方で起こる事象の調査、なんて名目であれば、きっとオモダカ理事長は一も二もなく頷いてくれるに違いない。
――――――――――
『――と、いうお話をしたかと思うんですが』
「……………………………………はい」
夜。夜中。
一般的には人間は睡眠を摂っている時間帯、を大きく過ぎた、深夜の事。スマホロトムが着信を報せ、中々派手な寝癖のついたジニア先生が画面に出た。ビデオ通話にする必要を感じないのだが。
『あの時、テラスタル結晶のゾロアを捕まえたボールにゾロアが入ってしまったじゃないですか』
「…………ええ、そうですね」
『自然エネルギー、もとい、“ゴーストタイプの力をたっぷり蓄えた、体を持たないゾロア”を捕まえたボールに、“怪我も治って元気いっぱいなゾロア”が入ってしまったじゃないですか』
「………………ええ、そうですね」
『出てきたの一匹ですよねえ』
「…………………………ええ、そうですね」
トロピウスに、ポケモンリーグ本部ではなくテーブルシティのアカデミー前へと向かって貰うよう指示を出す。
『出てきたゾロアは
「……とりあえず。これから向かいます」
通話が切れる直前、「お待ちしてまあす」と、間延びした声が遠くに聞こえた。
深夜のアカデミーは、深夜とはいえ夜も講義を行っている関係で人の出入りもあるし煌々と明かりもついている。昼間より人気が無いのは間違いないが。
玄関前で待っていたジニア先生と合流し、校長室へと向かう道すがら、ジニア先生の見解を聞く。彼も、ボールから出た直後のぼんやりした様子のゾロアに何か不信感を感じていたらしい。
「とはいえ、ここまで何か変化があった、という事はありませんし、ゾロア自身も、そりゃ出た直後はあんな感じでしたが以降はちゃんと見知った顔を認識しています。
けど、一応……ラベン博士の図鑑の一文と、結晶のゾロアの様子から考えると、その、まあ……『そういった感情』が……あのゾロアが忘れていたものが、思い出された可能性が……」
一般の生徒のいる廊下を進む手前、ジニア先生の濁した言葉はきっと『うらみ』だろう。
つくづく思う。
アレの何処が
ええ……?