【年末年始特番】トリビアの種No.415「駅に見送りにきたウマ娘が、発車する電車に乗った相手の忘れ物に気づいて走った場合、隣の駅で忘れ物を渡せる距離は■■m」 作:河畑濤士
「ウマ娘とは(ナレーション)」
「有史以前からヒトとともに人間社会を発展させてきた種族であり、またヒトに比較して高い身体能力を有していることで知られているが」
「はたして駅に見送りにきたウマ娘は、発車する電車に乗った相手の忘れ物に気づいて走り出すと、隣の駅で忘れ物を渡せるのか」
「これまでの検証の結果、2200mまでは忘れ物を渡せることが判明した」
「続いての検証は船橋法典駅から西船橋駅の3000m」
「はたしてライスシャワーは電車よりも早く、西船橋駅に着くことができるのか。ライスシャワーの元・トレーナーにお話を聞いてみた(ナレーション)」
――Q.ライスシャワーが発車する電車に乗ったあなたの忘れ物に気づいて走り出したら、隣の駅で忘れ物を渡せると思いますか?
「ライスはああ見えてしっかりとしたウマ娘です。これまでターフの内外の逆境を跳ね除けてきた。今回も勝利を収めて、ウマ娘の可能性を示してくれると信じています(元トレーナー)」
「ライスシャワーの元トレーナーさんが言うと説得力が違いますね(高下)」
◇◆◇
「検証開始(ナレーション)」
◇◆◇
「日を改めて始発電車前。第6回UVT杯3000m、出走です。本日実況は私、青柳。そして解説は中央トレセン学園生徒会長のシンボリルドルフさんにお願いしております(実況)」
「よろしくお願いします(シンボリルドルフ)」
「第6回UVT杯3000mですが、いかがでしょう。連勝したサイレンススズカからライスシャワーはバトンを受け継ぐことはできるでしょうか(実況)」
「確認したところ鉄道側が発表している船橋法典駅から西船橋駅の所要時間は3分程度となっています。一方、菊花賞3000mを勝利するウマ娘のタイムは、概ね3分2秒から3分5秒です。データからすると間に合うか微妙なところです(シンボリルドルフ)」
「結構厳しそう(イモリ)」
「階段、改札で数秒ロスするのが痛いな(高下)」
「がんばれえええええ!(八島)」
「ハハハハハハハ!(SE)」
「さあ、いま武蔵野線のオレンジの電車がホームに着きました(実況)」
「やはり電車の運転士――神崎さんが1番人気ですね(シンボリルドルフ)」
「しかし2番人気、ライスシャワー。GⅠ4勝。長距離ではあのメジロマックイーンも下している。実績あるウマ娘。決して侮れません……(実況)」
「なんなんだこの茶番は(イモリ)」
「さあドアが開き、元・トレーナーが乗りこみます(実況)」
「お兄さま――向こうで待ってるね(ライスシャワー)」
「一度でいいからお兄さまって言われてえええ!(八島)」
「ハハハハハハハ!(SE)」
「ライスシャワーが構える(実況)」
「ファンファーレが鳴り響きます(実況)」
「……態勢、整いました(実況)」
「ドアが閉まります。ご注意ください(アナウンス)」
「スタートしましたッ!(実況)」
「いけッ! がんばれッ!(高下)」
「スタートよく飛び出したライスシャワー、一気に階段を駆け上がる! 身軽ッ身軽ッ! 瞬く間に改札も突破した!(実況)」
「しかし運転士の神崎さんも早く電車を出しています(シンボリルドルフ)」
「ライスシャワー、赤い駅舎を背中に加速! 線路沿いのウマ娘専用レーンに入った!(実況)」
「緩やかなカーブを描くレール、その上を往く電車のハナを抑えていく!(実況)」
「彼女の本来の脚質とは若干違いますが、電車相手にマーク戦術と最後にかわすのは無理と考えたのでしょう(シンボリルドルフ)」
「当たり前だ!(イモリ)」
「ハハハハハハハ!(SE)」
「中山レース場を右手にライスシャワーが駆けていく! すでにトップスピード!(実況)」
「このペースでもつ!?(高下)」
「ライスシャワーがんばえーっ!(八島)」
「ハハハハハハハ!(SE)」
「中山レース場を抜けたところでレールのカーブは終わりッ! 直線になります!(実況)」
「やばい、追い上げてきてるね(イモリ)」
「オレンジの電車が、いま無情にも――ライスシャワーを捉えたッ!(実況)」
「まずいっ!(高下)」
「ねばれ――(八島)」
「運転士の神崎さん、無慈悲な加速!(実況)」
「――ッ(ライスシャワー)」
「ライスッ、諦めるな!(元トレーナー)」
「うん――!」
「窓から叫ぶ元トレーナーッ! しかし電車とライスシャワーの差は――(実況)」
「縮まらない!?(イモリ)」
「むしろ逆! むしろ逆だ!(実況)」
「“やっぱり、勝てなかったね”」
「それだけは言わせないッ――言われたくない!」
「たとえ、バラエティでもッ!」
「ライスのファンが、ひとりでもいるのなら!」
「ライスシャワーが電車を差し返したッ!(実況)」
「もう停車のために減速を始めざるをえないということか! 3000mは鉄道側としてはあまりにも“短すぎる”っ!(シンボリルドルフ)」
「ライスシャワーが、
「行け行け行け行けえーッ!(八島)」
「ブルーローズチェイサーが、タクシープールに突っ込んでいく!(実況)」
「いや、ヤバい! もうオレンジの電車もホームに……!(高下)」
「鬼気迫るライスシャワー、階段を駆け上がるが――!(実況)」
「ドア周辺のお客様、ご注意ください。ドア、開きます(アナウンス)」
「……(イモリ)」
「……(高下)」
「……(八島)」
「お客様、乗降車完了(アナウンス)」
「♪~♪~♪(発車ベル)」
「ライス、ここだああああああああああ!(元トレーナー)」
「お兄さまっ――!」
「ホームに、ライスシャワーッ!(実況)」
「跳べ、ライス!」
「うん――!」
「お弁当を持ったままのライスシャワーが飛び――元トレーナーが彼女を抱きしめて車内へ!(実況)」
「うわあああああああああああああああああ(イモリ)」
「うわあああああああああああああああああ(高下)」
「うわあああああああああああああああああ(八島)」
「ハハハハハハハ!(SE)」
「3000m、ギリギリクリア(ナレーション)」
◇◆◇
「こうしてこの世界にまた一つ新たなトリビアが生まれた(ナレーション)」
「んじゃっ♪んじゃっ♪んじゃっ♪んじゃっ♪(BGM)」
「駅に見送りにきたウマ娘が、発車する電車に乗った相手の忘れ物に気づいて走った場合、電車を追い越して隣の駅で忘れ物を渡せる距離は」
「3000m」
「じゃからかぁ♪(BGM)」
◇◆◇
「じゃらかかぁー♪(イモリ)」
「ハハハハハハハ(SE)」
「えー、今回の実験は鉄道会社、警視庁・警察庁の指導、またURAの方々、サイレンススズカさん、ライスシャワーさんの協力のもと、安全対策を講じて行っています!(八島)」
「隣駅まで走る、また発車間際の電車に飛びこむといった行為は、事故につながる危険があります! みなさんは絶対にマネしないでください!(八島)」
「いやあ……真似できないですけどね(イモリ)」
「ハハハハハハハ(SE)」
「まあ3000m、ここが限界みたいですね(高下)」
「タイム的には妥当なのかなと思いますけどね(イモリ)」
「それではこれよりイモリさんに、このトリビアの種から生まれた新しいトリビアが、どれくらい素晴らしいものだったかを評価していただきます(八島)」
「それではイモリさんにお聞きします。このトリビアの種、
「……(レバーに手をかけ、引くイモリ)」
「~♪ ♪ ♪(めくられるパネル)」
「おおっ(八島)」
「ご覧ください! 満開です!(高下)」
「ありがとうございまーす!(八島)」
「やったね!(パネル)」
「まあ、今回はね。レースよりも熱いものをみせてもらいました(イモリ)」
「ライスシャワーさんもお幸せにーっ!(八島)」
「ハハハハハハハ(SE)」
「よいお年を!」
(完)