恋愛決闘─マスターデュエル─   作:新動良好

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元々は短編の予定でしたが分割しました。久しぶりの投稿です。
よければ皆様のご感想、評価お待ちしております。


開始

 

 

「今の遊戯王って効果多いな……」

 

 最初に引いたURカードに書かれた効果を見て、俺、宮木悟司(みやぎ さとし)24歳は呟く。

 

 遊戯王マスターデュエル。

 オンライン対戦が可能なデジタルカードゲームとしてリリースされた今作は、累計5,000万DLを突破。

 Google Play2022年ベストゲームエキサイティング部門大賞に選ばれるなど、従来の遊戯王ファン、新規を呼び込み人気となった。

 

 何十年ぶりに遊戯王カードゲームを始めようとしていた俺もその内の一人。

 子供の頃、遊戯王カードで遊んだ世代だが、大人になり、もう一度やってみたくなったというわけだ。

 

「シンクロ召喚?エクシーズ召喚??ペンデュラム召喚???リンク召喚????」

 

 昔、遊んでいた頃とはカードの種類だけでなく、ルール自体も変わっていた。まずは、覚えることからかー。

 

「このテーマは、昔ニュースで強かったって聞いたことがあるし……デッキ組んでみるか」

 

 初めて引いたレアカードだ。

 何だか思い入れがあるし、イラストもかっこいいぜ。

 

 

 

 

                         

シンクロ・効果モンスター

星10/闇属性/鳥獣族/攻3000/守3000

                         

①このカードは他のカードの効果を受けない。

②                                                                

 

 

③                                                    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ◆

 

 

 

 

 

「あー緊張する……」

 

 時間は流れて7月某日。

 夏の始まりを感じる暑さの中、俺は市内の喫茶店前で人を待っていた。

 

 店の中にも入らず何をしているかというと……マッチングアプリで知り合った女性と会う約束をしているのだ。

 

 いや!決してやましい気持ちではない!

 周りの友人達が結婚していく中で、このままじゃいけないよなぁと思い。友人に勧められて、流行りのマッチングアプリを始めただけ!

 しかも、アプリで知り合った女性と実際に合うというのは、今回が初めてなんだ。

 

「えっと、あなたが悟司さん?」

「!?はい、そうです!」

 

 俺がキョロキョロしながら待っていると、後ろから声をかけられた。

 振り向くとそこには身長160cmくらいだろうか?黒髪のロングヘアーを後ろで一つにまとめた女性が立っていた。

 

「はじめまして、玲那と言います。今日はよろしくお願いしますね」

「こちらこそ!よろしくお願いします」

 

 彼女の名前は三ツ矢 玲那(みつや れいな)さん。

 年齢は23歳だが、まだ誕生日を迎えてないらしく、俺と同世代のようだ。職業はOLをしているらしい。

 

 玲那さんはとても落ち着いた雰囲気の女性で……うん、正直こんな綺麗な方と知り合えるなんて思わなかった。アプリのプロフィール写真には後ろ姿しか写っていなかったから実際に会うまで分からなかったが。

 

 高揚する気持ちを抑えて、喫茶店の中へ玲那さんと一緒に入店する。ふぅ、店内は冷房が効いてて涼しいな。とりあえず飲み物を注文し、お互いのことを話し始めた。

 

「悟司さんはイラストレーターをしているんですか。個人で仕事をされるのは凄いですね」

「いえいえ、まだまだ勉強中ですよ」

 

 ほんと、昔は進路を決めるときにどうしようか悩んだ。

 大学在学時からイラストの仕事をWEB上でしていたが、それを続けるかどうかは俺の人生での一大決心だったと思う。何とか卒業後も食っていけるだけの仕事を貰えているが、まだまだこれからも頑張らないとなー。

 

 しばらくして、頼んでいた珈琲と紅茶が届く。俺は喉を潤すために紅茶を一口飲み……え?珈琲は玲那さんの分だよ。俺は珈琲の苦いのが嫌いなんだ。

 それはともかく、俺は彼女に少し踏み込んだ質問をしてみた。

 

「あのー玲那さんは何がきっかけで、俺と会おうと思ってくれたんですか?」

「そうですね……特にはないですかね」

「へ?そ、そうですか、あはは……」

 

 会話が途切れて、気まずい空気が流れる。

 いやぁ…きっついな。特にないってことは暇つぶしってことか?そんな調子良くいかないとは思ってたけど、これは予想外だったな……。

 

 

「私、実は男性恐怖症なので」

「……えっ!?」

 

 

 と、思っていたら急な話が出てきて動揺してしまう。

 いや、言われるまで気づかなかった。受け答えも普通に感じてたけど、病気ってことは異性に対して恐怖感を抱く。だけじゃないよな?

 詳しくは知らないけど、過去に何かあったのか?

 

「そ、それは大変ですね」

「…………」

 

 玲那さんは沈黙する。

 やばい、変な汗が出てきた。

 

 俺はぎこちない仕草でカップに入った紅茶を飲み続けながら考える。くそ!初対面でなんでこんな緊迫した状況になってるんだ!?落ち着けー俺。彼女にとって気軽に言える話ではないだろうから、俺の反応を見てる……のか?

 何か事情がある。が、言いづらいことかもしれない。ここは深追いしないほうがいいだろう。

 

「大丈夫!俺は別に変なことしませんから!」

「……すみません。気を使わせてしまって」

 

 うわ、どうしようこの状況。

 なんだ?やっぱり玲那さんにもっと深掘りして聞くべきなのか?分かんねぇ。俺の異性との恋愛経験値はクソ雑魚なんだ。でも、なんとか話題を振りしぼれ!!このままだと、お互い気まずくなって解散だぞ。

 

「えっと!休みの日とかは何をしてますか?」

「…ショッピングをしたり、あと、最近はゲームもよくやりますよ」

 

 趣味の話ならいけるかと思い聞いてみたが正解だった。危ない。

 共通の話題を見つけたおかげで、さっきよりは打ち解けられそうな気がする。このまま仲良くなれればいいんだけど……

 

「俺もゲーム好きですよ!普段どんな感じのゲームをするんですか?」

「RPGが好きですね。悟司さんはどんなゲームを?」

 

 しまった。自分で話題振ったけど、今しているゲーム。マスターデュエルだけだった。

 最近は仕事が忙しくて、それ以外やってないから新しいゲーム分からないし。女性は知らないよなぁどうしよう(汗)

 

「………マスターデュエルというゲームなんですけど、ご存知ですか?」

「………知らないですね」

 

 やっぱり知らないか……人気がないわけじゃないけど、やっぱり男女で人気のあるゲームって違いがあるよなぁ。

 

 

「でも、どういうゲームか教えて頂けませんか?せっかくこうして会ったわけですし」

 

 

 落ち込んでいた俺に対し、玲那さんが優しく声をかけて少し微笑んだ。───え、可愛い。女性に少し優しくされたら、直ぐ惚れると馬鹿にされてもいい。

 ただ、今日会ってから初めて見せてくれた彼女の笑顔に、俺は心を奪われてしまった。

 

「わ、分かりました!では説明しますね」

 

 それから、俺は玲那さんにマスターデュエルについて説明をした。カードを使ってデッキを組み、戦うゲームであること。ランク戦やイベントがあること。他にも色々と説明した。

 

 最終的に、初めの気まずさが互いに解けて、会話も弾み楽しい時間を過ごせた。俺と玲那さんは連絡先を交換し、また合う約束をして帰路についたのであった。やったぜ。

 

 

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