恋愛決闘─マスターデュエル─   作:新動良好

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攻防

 

 2009年。遊戯王OCG世界大会において猛威を奮い優勝を果たしたテーマがある。

 BF(ブラックフェザー)。鳥獣族、闇属性のカードを主体とし、アニメ「遊戯王5D´s」の登場人物クロウ・ホーガンが使用したテーマ。ファンデッキとしての側面を持ちながら、当時の環境トップクラスへと躍り出たテーマである。

 

「BF?」

「やっぱり玲那さんは知らないでしょうね。マスターデュエルでは、お世辞にも強いとは言い辛いテーマですから」

 

 だが、それはかつての栄光。

 時代が進み、現在のマスターデュエルでは、1ターンで決着がつくほどの展開・盤面制圧などデュエルは高速化している。

 BF単体ではどうにもならない環境へとなっているのが現実。

 

「発動処理により、手札のBF-砂塵のハルマッタンを除外する」

 

 ───悔しいが悟司さんの言う通りだ。全く知らない未知のモンスターの登場に私は警戒心を強める。

 さらに同系のBFモンスター……発動後の効果は、デッキからカードをサーチしてくる効果。サーチしてくるカードも不明だけど、彼の初動は止める。

 

「させない。フルール・ド・バロネスの効果を発動。BF-毒風のシムーンの効果を無効にして破壊します」

「っ!やっぱり止めてきますよねーいてぇ」

 

 何をしてくるかは分からないけど、このマスターデュエルというカードゲームの定石は理解できている。要するに相手に何もさせなければいいのだ。

 効果を無効にし、破壊し、相手の行動を阻害する。先行が有利なのはこのためだ。

 

「なら、次はこいつだ。BF-逆風のガストを特殊召喚する!」

 

BF(ブラックフェザー)逆風(ぎゃくふう)のガスト

効果モンスター

星2/闇属性/鳥獣族/攻 900/守1400

自分フィールド上にカードが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手モンスターが自分フィールド上に存在する「BF」と名のついたモンスターを攻撃する場合、その攻撃モンスターはダメージステップの間攻撃力が300ポイントダウンする。

 

 次から次へと、知らないカードを……。

 

「さらに手札からBF-疾風のゲイルを特殊召喚」

 

BF(ブラックフェザー)疾風(しっぷう)のゲイル

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400

①自分フィールドに「BF-疾風のゲイル」以外の「BF」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

②1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの攻撃力・守備力を半分にする。

 

「……よし!BF-疾風のゲイルの効果を発動!玲那さんの相剣大師-赤霄の攻撃力・守備力を半分にする!」

 

 なに?私のモンスターのステータスを下げる効果?

 ……対象となった相剣大師-赤霄の効果を発動すれば、その効果を無効に出来る。だけど、無効にする意味が果たしてあるの?

 半減されても攻撃力は1400。戦闘破壊を狙っているにしてもBF-疾風のゲイルでは攻撃力が足りていない……悟司さんの動きが読めない。

 

「どうしました?随分悩まれてますけど?」

「……なら!相剣大師-赤霄の効果を発動します。BF-疾風のゲイルの効果を無効!」

 

 墓地の相剣師-莫邪をコストにゲイルの効果を無効にする。

 だが、これで私の場のフルール・ド・バロネス、相剣大師-赤霄は効果を使ったため、この2体はこれ以上何も出来ない。

 

「かかりましたね。俺はフィールドのBF-逆風のガスト、BF-疾風のゲイルの2体でリンク召喚!」

 

 っ!しまった。

 やはりBF-疾風のゲイルの効果発動は私に無効化させるための囮だった!

 

「リンク召喚、RR-ワイズ・ストリクス」

 

RR(レイド・ラプターズ)-ワイズ・ストリクス

リンク・効果モンスター

リンク2/闇属性/鳥獣族/攻1400【リンクマーカー左下/右下】

鳥獣族・闇属性モンスター2体

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはリンク素材にできず、効果は無効化される。

②自分の「RR」Xモンスターの効果が発動した場合に発動する。デッキから「RUM」魔法カード1枚を自分フィールドにセットする。速攻魔法カードをセットした場合、そのカードはセットしたターンでも発動できる。

 

「BFモンスターじゃない?」

「そうですね。けど鳥獣族・闇属性という共通点があるのでこのデッキに相性がいいんですよ」

 

 現れたのは、これまでのBFモンスターとは別のテーマのように思われるカード。

 このカードも見たことがない。リンク召喚の条件が限定されているから、悟司さんの言う通り特定のデッキでしか召喚出来ないということか。

 

「RR-ワイズ・ストリクスの効果を発動。デッキからBF-精鋭のゼピュロスを守備表示で特殊召喚する」

 

 デッキから呼んできたのは別のBFモンスター。なるほど……これでさらにBFモンスターの展開につなげていくというわけ。

 

「妨害なくデッキからモンスターを呼べたところをみるに、どうやら玲那さんも手札誘発がないみたいですね」

「……だとしても、悟司さん忘れているんじゃないですか?」

 

 確かに私の手札には、彼のカードを止めれるようなカードは無い。

 

 

「この瞬間、罠カードを発動!相剣暗転!」

 

 

 けど、まだ場にはセットしたこのカードがある。

 

 

相剣暗転(そうけんあんてん)

通常罠

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①自分フィールドの幻竜族モンスター1体と相手フィールドのカード2枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

②このカードが除外された場合に発動できる。自分フィールドに「相剣トークン」(幻竜族・チューナー・水・星4・攻/守0)1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したトークンが存在する限り、自分はSモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

 

「私のフィールドの相剣大師-赤霄を破壊し、悟司さんのRR-ワイズ・ストリクス、そしてBF-精鋭のゼピュロスの2体を破壊します!」

 

 既に効果を発動し終えている相剣大師-赤霄をコストにすることで、私のモンスター1体と彼のモンスター2体が破壊される。

 結果、フィールドに残されたのは、私のフルール・ド・バロネスが一体のみ。悟司さんのフィールドにカードは何もない。そして彼の手札はもう残り僅か2枚。

 

 

「これ以上、まだ何か出来ますか?」

「………」

 

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