プロセカ世界の住民がキズナランクを見れるようになった話 (なおキズナランク30な模様) 作:鳩羽しろ
詳しくは活動報告にあるので、お手数ですがよろしくおねがいします。
『……それにしても、K、大丈夫かな? 突然休ませてくれって連絡来たけど』
今日は本当に珍しく奏がナイトコードに来ていない。
奏は『ごめん。今日は休みます』とだけDMで送ってきたっきり連絡がつかず、誰かを救える曲を作るためだったら徹夜上等、無休上等な奏が連絡の通り本当に休んでいる。
絵名やまふゆも奏が休むことにかなり驚いていたけれど、それと同じぐらい気になる存在がもう一人いる。
『そうだよねー、Kにしては珍しいよね。……ひよりは何か知ってる?』
……ボクの声は誰からも反応がないまま、どこかへ消えていった。
奏と同じくらい気になる存在というのはまあ、ひよりの事だ。
ナイトコードに入ってから、奏からDMが来たのだが、その時にだれよりも驚いて悲しんでいたのがひよりだった。
さすがに大げさぐらいの反応だったので、何かしら奏の事を知っているんじゃないかとボクは考えたんだけど、どうやら落ち込みすぎて話してくれないらしい。
ボクもちょっとだけ悲しくなる。
『…………ひより、すごい落ち込んでる』
『あちゃー……これじゃ原因分かりそうにないなー』
まふゆが若干呆れているように聞こえるのは気のせいだろうか?
まあ連絡が来てから本当にずっとこの調子だから、当然と言えば当然だけど……
ひよりは昨日、奏の家に行ってお手伝いをしていたらしい。
だから、何かしら知っているかもしれないと聞いてみたけれど、奏からの連絡が来てから驚いていたしやっぱり知らないのかな?
『……ひより。大丈夫なの? さっきからずっとだんまりだけど』
絵名がしびれを切らしたのか、ボクが聞けずになっていたことを聞いていく。
そろそろひよりに調子を取り戻してもらわないと、ボクとしてもあんまり本調子になれない。
『………ごめん』
ただ、ひよりはそれでも元気は出してくれないらしい。
頑固だなーっとボクは思った。
『……ひより、作業はちゃんとできてるの?』
『………ごめん……ごめん……』
『ちょっと雪! そう言うこと言わないの!』
『ま、まーまー』
まふゆも同じように聞くが、なんというか……ひよりの心が壊れそうで怖い。
ひよりの声だけでもどんな表情をしているか手に取るようにわかる。
絵名がそれを咎めるけれど、たいしてやっていることは変わらないと思うのはボクだけなのだろうか?
まふゆが何か言ってそれを絵名が突っ込むという構図だけ見たらいつもと同じなんだけど……
とりあえず、これ以上こじれても面倒くさそうだから宥めた。
『……よし、わかった! ボクからひよりに1つ提案があるんだけど聞いてくれる?』
これ以上、ひよりが落ち込んでたらまふゆが言っていたように作業もできなさそうだし、流石に元気を出させないといけないなー。
ボクはやむを得ず、ひよりが落ち込み始めた時から考え始めていた提案をひよりに言った。
『……? いいけど……提案ってなに?』
『ボクがひよりのお願い1つ聞くからさ、元気出してくれたら嬉しいな~』
ああ言ってしまった。
これで本当に後がなくなってしまった。
これを言ってしまったからには、本当にひよりに何をされるかわからなくなる。
苦渋の決断だったけれど、ひよりの調子を戻さないことには作業の効率も悪くなってしまう。
『……え!? ほんと!?』
予想通りになってうれしいというか、ここまで単純なことで元気になるのかという呆れというか……
なんというか複雑な気持ちになった。
それと同時に何をお願いされるのだろうという恐怖がかさましされたのを感じた。
『おっ、食いついてきた。もちろん本当だよ』
『じゃあ、元気出す!!』
速い。
あまりにも速すぎる。
ひよりのそのあまりにも元気すぎるその声と対極に、ボクは疲れと呆れで溢れかえった。
『…………単純』
『本当ね。餌を前にした子犬みたい」
もうボロクソに言われる始末である。
ボクも言葉にはしないものの、まふゆや絵名と同じようなことを思っている。
それでもひよりは「そんなの関係ない!!」と言わんばかりだ。
『やった~!!』
『……言っておくけど、オーバーすぎるのはやめてね! ダイヤモンド買ってとか裸で街中歩いてとか』
『私のことなんだと思ってるの!?』
あまりにもはしゃぐので念は押しておいた。
なんだと思ってるのと言われても、さっきまでの行いを見たら誰だって心配になると思う。
ひよりから明らかに不満そうな声が聞こえるが、すぐに切り替わって何かを考えるようなうーんという唸りが聞こえる。
『……明日……いや今日、Amiaは予定ある?』
『え? ないよ。それがどうかしたの?』
『それじゃあ、どこかに遊びに行こ!』
──え?
あまりにも唐突すぎて、ボクの思考能力が一気に持っていかれる。
『え〜!? 遊びに……か』
『ダメかな?』
……正直、ボクとしては断りたいという感情がどうしても出てしまった。
ボクは〝あの時〟からみんなとオフで会うことにあまり積極的でない。
その提案があまりにも予想外だったのもあって、ボクは困惑や焦りなどが入り混じったよくわからない感情になっていた。
でも──
『…………いや、いいよ。じゃあ遊びに行こうか!』
『やったーー!!』
流石にボクから言った提案だし断れない。
ひよりはボクの答えを出した瞬間に、両手を真上に挙げるような景色が思い浮かべれるほどの嬉しそうな声で言った。
『…………うるさい』
『はあ……瑞希も羨ましいわね』
なお、まふゆと絵名のテンションはちょっとだけ下がった。
突拍子もないことだけれど、私こと如月ひよりの朝は遅い。
そんな私を見て、「だらしがない」や「もっと早く起きろ」など言ってくるあるいは思ってくる輩は多いだろう。
だけれども、よく考えてほしい!
私はニーゴに参加してから、夜遅くに寝ることが本当に多くなった。
ニーゴに入る前も遅かったけれど、今はそれはどうでもいい。
重要なのはニーゴに入った結果、夜遅い時間に作業をするという事象だけだ。
つまり何が言いたいかというと、必然的に朝起きる時間が遅くなっても仕方ないじゃあないかということだ。
まふゆという例外中の例外がいるけれど、あれはどう考えても気にしなくていいはずだ。
故に! 私は朝早く起きることが不可能なのだ!
だからこそ……だからこそ仕方ないと思う。
私が起きた時には、瑞希と会う約束の時間に刻一刻と近づいて行き、明らかに遅刻しそうな勢いだった。
「──まずい!!」
奏の時もそうだったけれど、最近あまりにもこの夜遅くの作業という悪いジンクスが働きすぎている気がする。
そろそろ何か対策するべきなのかな?
でもさすがに睡眠時間は削りたくないしなー……
って今考えることじゃないなこれ。
私は奏の家に行った時と同様に、猛ダッシュで支度をして家を出た。
ちなみに今日はスマホの有無もカギ閉めたかもちゃんと確認した。
なんとか間に合いそうだ。
さっきまでの小走りから、普通の歩きに変化させていく。
目的地まであと数十メートルくらいだ。
そこからだんだんと近づいていくと、瑞希の姿がちらりと見えた。
もう待ち合わせ場所にいるんだ。
私はそれに気が付くと、さっきまでよりも速いペースで歩いていき、笑顔で叫んだ。
「瑞希!! 私はここだよー!」
私自身でもなかなかな声量だったと思う。
瑞希はまた人陰に隠れてしまって、今は見えないけれども流石に気が付いているだろう。
私はさっきまで瑞希が見えていたところに続けて向かっていく。
お、見えた──。
「おーい……あ、いたいた。ひよりー、こっちだよー!」
──え?
いや、まさか……これって……
頭の中がおかしなくらい混乱する。
私は瑞希の姿が見えたと同時に、その上にあるものも認識した。
暁山瑞希
キズナランク 30
もしかするとこのキズナランクというものは……私が思っているような単なる幻覚ではないのかもしれない。
明らかに私の様子がおかしいのを察知したのか瑞希が不思議そうに何か言ってくる。
「どうしたの、ひより? 何か驚いた顔してるけど」
瑞希がそういってくるが、あいにく今の私にはその内容を理解する力はない。
瑞希の頭の上にあるものにしか今は興味が向いていない。
私がずっと幻覚だとかだと思っていたキズナランクだが、まさか瑞希の上にもあるとは本当に思いもしなかった。
こうなってくると……このキズナランクとやらの対応を変えないとなー。
奏の上に会ったときは、ほかの人には見られなかったから、ただの私の奏愛が引き起こした幻覚だろうと片付けていたけれど、瑞希の上にもあるとしたらこれはもう……流石に幻覚では片づけられなくなる。
奏と瑞希……共通点として真っ先に思い浮かぶのはニーゴのメンバーということ。
だとすると絵名やまふゆの上にもこのキズナランクがあるのかもしれない。
うーん、いろいろと考えてみたけれど、今はとりあえず忘れよう。
瑞希との遊びもあるし!
「……ううん、大丈夫! なんでもないよー」
瑞希はほんのちょっぴり納得をしていなさそうな顔をしていたけれども、すぐに表情をもとの笑顔に戻す。
「そうなの? ……まあひよりが大丈夫って言うんだったらいいか! それじゃあ、行こうか」
「うん!」
それから私たちは予定していた通りに遊びに行った。
買い物したりゲームしたり本当にいろいろと遊ばせてもらった。
お願いを聞いてくれたことは本当に感謝している。
やっぱり瑞希はいい女だな~!!
遊びに遊びつくした後、私たちはいつものファミレスで休憩していた。
瑞希は相変わらず山盛りポテトを頼み、私も相変わらずハンバーグを頼んでいる。
私の大好物はハンバーグである。
中にチーズが入っていればなおよし。
「あ~、美味しい」
「ひよりってば本当にそればっかり食べるよねー。……子供舌だなー」
「なに!? そういう瑞希だってポテトばっかり食べるじゃん!」
瑞希も人の事を言えない。絶対に。
だってハンバーグは美味しいんだもの。
……それにしても
暁山瑞希
キズナランク 30
やっぱりこれ幻覚じゃないのかー。
瑞希と遊んでいる中、これは消えることなくずっと瑞希の上にあり、どんなに目を凝らしてもはっきりと私の目に映っていた。
奏に関しては私の奏愛で説明はつくけれど、瑞希はなー……好きだけれども奏ほどヤバい愛っていうわけでもない。
そうなると、これは幻覚じゃなくて本物かもしれなくなってくるわけだ。
──でも
そうなると、このキズナランク30っていうのはやっぱり低い方なのかな?
奏と全く同じ数値なのもちょっと気になるけど……それよりもこの数値が高いのか低いのかが気になる。
まあ……30だとやっぱり低い方だよなー
奏も私が家に行った後に休み始めたし、瑞希の場合は……
『え〜!? 遊びに……か』
『ダメかな?』
『…………いや、いいよ。じゃあ遊びに行こうか!』
今思うとあの時瑞希はちょっとだけ行くのを渋っていたようにも感じる。
私が言った後、結構間とかあったしなー。
……そうなると、私ってどちらかと言うと嫌われてるのかな?
だとしたら……流石に悲しいな。
まあでもみんな優しいから私に気が付かれないように配慮してくれているのかもしれない。
前まではこんなこと思いもしなかったけど。
やっぱり私の態度ってウザいのかな?
後、今度奏に謝らないといけないなー……私が何しちゃったのかはまだあんまり理解してないけど。
他にも──
「──ひより! ひより! どうしたの!?」
──え?
私はさっきまでの色々な考えが、瑞希の声によって霧散し、ようやく瑞希が私を呼んでいた事を自覚する。
「あ──ごめん、ごめん。どうしたの?」
「それはこっちのセリフだよ! いきなり何言っても反応しなくなっちゃってびっくりしたんだよ!」
あ、そうなんだ。
全然気が付かなかった。
「え、そうなの?……ごめん」
「……本当に大丈夫? ひより見てると結構顔色悪いように見えるけど……」
考え過ぎちゃったのかもしれない。
そんなに私深刻そうな顔してたのかな?
だとしたら申し訳ない。
「だ、大丈夫、大丈夫。私のことなんて気にしなくていいよ」
「……ひより、本当に、どうしちゃったの……?」
瑞希がとうとう泣きそうな顔でこちらを見てくる。
……そんな顔されるとこっちまで心が痛むなー。
瑞希は何も悪くないのに。
「──やっぱり、瑞希はやさしいね」
「──っ!?」
でも、好感度が低いからってくよくよはしてらんない!
瑞希も私のお願いを聞いて楽しませようと今日来てもらったんだし。
私はいつもの私しか演じれないしね。
私たちのその後はさっきのようなちょっとした曇りもなく、楽しく進んでいった。
その中でもやっぱり瑞希って気遣い上手なんだなーって思う場面が多々あった。
やっぱ瑞希は良い女だな〜。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
前書きや活動報告にもある通り、この作品の内容を変えさせていただきました。
勝手ではありますが、こっちのほうが展開的にも面白くなりやすいとは思ったので、許してくれれば幸いです。
あと、これからは投稿頻度が遅くなると思います。
お気に入り登録や高評価は僕のモチベにもかなりつながるので、してくれると本当にありがたいです……。
これからもよろしくお願いします!