天与の少女 刃にて荒事を成す   作:皐月の王

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束の間の平穏

「へ、へぇ、今義勇と真菰は錆兎の継子なんだ……」

 

「ああ、俺とそう実力差が無い義勇は勿論、真菰も速さなら俺達を上回る、何より実力は俺達が知っているからな。柱になったのが俺と言うだけで義勇がなってもおかしくはないと思っている。ただ、俺の方が早く下弦の鬼と出会って倒しただけだ」

 

私は落ち着いた錆兎とこれまでの経緯、継子に着いて話を聞いていた。

 

「何はともあれ、柱就任おめでとう!錆兎!」

 

「ああ、ありがとう。舞銀。そういえば修行の方はどうなんだ?

 

錆兎は気になっていたのか私の修行に着いて質問してくる。私は誤魔化そうかなぁと思ったが、誤魔化してもバレるだけなんで

 

「うん、形になったよ。実戦ではまだ使うつもりは無いけど」

 

「そうか、出来たのか。よく練り上げたな」

 

錆兎は私の頭を撫でる。思わず顔に熱を持つがそれは恥ずかしいからである。もう、子供じゃないんだから

 

「錆兎〜子供じゃないんだからやめてよー」

 

「そうだったな、お前も立派な剣士だったな」

 

錆兎は笑いながらに手を離す。そして改めて向き直り錆兎は私に提案してくる。

 

「舞銀、俺の継子にならないか?」

 

「私も?」

 

「ああ、俺にもしもの事があった時、後任を任せるなら同じ鱗滝さんの所で学んだお前たちに任せたいんだ。あと、ここを拠点にしたらどうかと思ってな。俺達は家族みたいなものだしな」

 

なるほど、確かに錆兎の継子は義勇と真菰と言う、鱗滝さんに呼吸を教わった仲間だ。あの日々は私にとってももう一つの家族と言っても差し支えない。だから、受けない通りなんて私には無かった。死なせたくないためにこの道に進んだのだから

 

「ありがとう錆兎。その話、受けさせて!」

 

「そうか!それは良かった、これからもよろしく頼む舞銀!」

 

錆兎は嬉しそうにしながら手を出してくる。私はその手を握る。それと同時に真菰と義勇も入ってきて

 

「良かったな錆兎」

 

「鱗滝一門全員集合だね」

 

「だな」

 

三人は嬉しそうに笑う。私はこの光景を見て胸が熱くなる。本来はありえない光景、私はこの日のこの光景を忘れない。と言うか写真に撮りたい。給料で買おうかなカメラ。これが尊いの光景…全て遠き理想郷ということなのか!?

 

「や、やんごとなし……」

 

私は一人、尊死した。もうこれでいいとも思ったが、目下備えたいことがあるため直ぐに私は蘇生する。目的がなければ即死だった自分を受け入れるしか無かった。

 

「とりあえず、せっかくこの屋敷に住むわけだし、今日は私が腕によりをかけて盛大に料理をするよ!ついでに今から買い物に行くし」

 

それを聞くと義勇はリクエストをしてくる。

 

「俺は鮭大根があればいい」

 

「私も買い物に行く」

 

「俺は屋敷で待ってる。義勇、それまで打ち合いして風呂を沸かすぞ」

 

「ああ」

 

「分かった!じゃあ少し買い物に行くね!真菰行こう!」

 

私と真菰は買い物に義勇と錆兎は鍛錬するということで屋敷に残った。

 

「久しぶりだね舞銀の作る料理を食べるの」

 

「私も人に料理作るの久しぶりな気がする。いや、まともな料理を作るの自体が久々かなぁ」

 

だって半年間は山篭りで修行してたし。まぁ、型の開発とイメージトレーニング、瞑想とかが主だったけど。無駄に筋肉とか付けたくないし。

 

「卵とか色々買って、鮭も買わないと……。お金は有り余ってるから、気にすることなく買えるのが心底楽だ」

 

「そういうものなの?」

 

真菰が私に聞いてくる。私は頷きながらに話す。

 

「そりゃ、そうだよ。だってさ?お金が無いと節約しないとだし、そうなると買えるものが限られる。だから食べたいものを我慢しないとだしでねぇ。まぁ、普通に考えれば今回が特別みたいなもんだけどね」

 

転生前の暮らしを思い出しながらに話していた。会社終わりにスーパーに半額の弁当探しに行ったり、食材を買って自分で作ったり。色々経験したものだ。

 

「さて、八百屋行って魚屋さんに行って肉屋に行って帰ろう!」

 

「そうだね」

 

それから私達はそれぞれの店で食材を見て周り食材を買い集めていく。だが、

 

「少し買いすぎたかな」

 

「うん、1週間分以上あるんじゃないかな?」

 

調子にのって買いすぎてしまいました!さっきの通りタガが外れてしまいました!馬鹿だよ!私馬鹿だよ!!

 

「あー、どうしよう。こんなに消費できるかなぁ……」

 

「腐らせる前に食べきらないとね」

 

「あー、鬼狩りで食べるであろう分消費しないと」

 

私がボヤきながらに屋敷に帰る。

 

「ただいまー。ごめん!錆兎、義勇ー材料買いすぎた」

 

私が戸を開けて居間に入ると

 

「あら、舞銀ちゃん!」

 

「お邪魔してるわよ」

 

胡蝶姉妹が居た。……なんで?

 

「おっ!誰かと思えば御館様の柱就任の件を蹴った派手な女剣士じゃねぇか!錆兎!お前の継子だったとはなぁ!!」

 

更には音柱の宇髄天元も居るぅ!?

 

「あぁん?コイツが前に聞いた御館様の話を蹴ったヤツかァ」

 

風柱の不死川実弥もいるぅ!!

 

私はあまりにも多い情報量で混乱しそうになるが、錆兎が

 

「帰ってきたか舞銀、真菰」

 

錆兎が洗濯されてるであろう隊服で居間に入ってくる。私は錆兎を捕まえて居間の隅っこに引っ張っていき

 

「なんでこんなにも人がいるのさ!」

 

「ま、待て!お前の言いたいことも分かる。だから事情を説明させろ!」

 

「聞かせて貰おうか!食材買いすぎたから渡りに船だけど、胃が痛い事この上ない濃いメンツになった理由を!」

 

私は錆兎を捕まえながら事情を話させる。

 

「お前が盛大に料理をすると思い出してな、せっかくなら柱の面々と顔合わせをするいい機会だろうと思ってな。とりあえず、同性がいた方がいいと思い花柱の胡蝶カナエとその妹を呼んだ。そこから、俺は音柱の宇髄天元を呼んだんだが、カナエと一緒に風柱の不死川実弥が来てな。まぁ、呼ぶ手間が省けたし、材料も買い込んできてるから良かったんじゃないのか?料理なんて余ることは無い」

 

「作るんは私なんだけどね……!」

 

「それに、御館様の柱就任蹴った件、俺達は聞かされてないんだけどな?」

 

おっと?私が攻めてたのに形勢が逆転するぞ?私の錆兎を掴む手が弱くなんて目を泳がせてしまう

 

「食べたあと話し合いだからな」

 

錆兎の圧に気圧されながら私は小さくなり

 

「ハイ」

 

返事をして台所に入る。居間からは

 

「一人でこれだけの人の分作れるの?」

 

「手伝うわよ?」

 

胡蝶姉妹から提案をされるが私の助けに入ろうとする。私はそれを

 

「大丈夫!お客さんにそんなことさせれないよ!真菰は手伝ってよ」

 

断って真菰を徴収する。

 

「手早く作ろうね」

 

「本気で行くぞ……!!」

 

真菰と私は割烹着を身にまとい調理を開始する。多少の時間がかかっても仕方ないだろうから、多くの料理を遠慮なく作り出す。和食、洋食、中華、自分の頭の中に入っているレシピを遺憾無く使って真菰に指示を出し作り出す。次いでに和菓子のおはぎも作る。真菰も料理が出来る人間だから指示を理解したり、先回りをして料理を進めてくれる。うーん、嫁に欲しい逸材だ。

 

そして、3時間かけて多くの料理を大量に作り出す!

 

「これで全品出来上がりました!!召し上がってください!」

 

並べられた料理を見て鱗滝一派以外の面々が驚く

 

「和食、洋食、それと見なれない料理とは派手に作りやがったな!!」

 

「す、凄いわね!これ全部舞銀ちゃんと真菰ちゃんが!」

 

「もう、なんでもありじゃない…貴女達」

 

「これだけのもん作ったのかよ…2人で……。おはぎもあるじゃねぇか…!」

 

四人は驚いたように言葉を漏らす。ふふん、これが転生者の力だ……!すいません調子に乗りました。ただの料理好きの鬼殺隊員です

 

「凄いだろ?舞銀と真菰の料理は。見たことも無い料理や普段食べないような料理を作れるんだ」

 

「鮭大根も美味しい」

 

「私は舞銀の指示通りしただけだよ。さぁ、冷めないうちに食べよ」

 

「それじゃあ皆さんお待たせしました。改めて」

 

『いただきます!!』

 

その日の夜は盛り上がった。料理で盛り上がったり、これまでの人生の話で盛り上がったり泣いたりで。わざと不死川さんの隣をカナエさん、義勇の隣をしのぶちゃんにして反応を楽しんだり。正直に言うとこんな日が続けばいいと思えるほどに濃密で楽しい時間を過ごした。

 

だけど、そんな楽しい日々は鷲や烏の知らせで突然崩れる。

 

『花柱 胡蝶カナエ 鱗滝真菰 上弦ノ弐ノ鬼ト交戦!!至急応援ヲ要請!!』

 

上弦の弐である童磨が現れたことを告げた。




いよいよ、次回山場のひとつですね!

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