天与の少女 刃にて荒事を成す   作:皐月の王

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柱稽古編見てて楽しいと思う反面、一般隊士のアレが辛すぎる。


『嵐柱』が生まれた日

第三者視点

 

鬼殺隊の柱と御館様の産屋敷耀哉にある報せが入る。それは鬼殺隊にとって大きな報せである。

 

『上弦の弐を八雲舞銀が撃破した。花柱 胡蝶カナエ 水柱の継子 鱗滝真菰 両名生存』と

 

それを聞いた耀哉は嬉しそうに話した。

 

「そうか倒したか上弦を…!!よくやった舞銀!無事で良かったカナエ、真菰!百年もの間変わらなかった状況が今変わった!」

 

普段こんなに嬉しそうに話さない耀哉を見たあまねは傍に着きながら頷いていた。

 

「これは兆しだ、運命が大きく変わり始める!この波紋は確実に広がる!やがてはあの男に届く!」

 

耀哉は見ることが出来ないが、微かな満月の光を見ながらこれから先の未来に思いを馳せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

舞銀視点

 

私は刃が砕けた日輪刀を見ながら座り込んでいた。

 

「はぁ……疲れた」

 

思わず口から溢れる言葉が疲れたとは歳をとったと思わせてしまう。年齢まだ13歳なんだけどね。全集中の呼吸のおかげで痛みを抑えられ天与呪縛のおかげで回復もある程度早い気がする。

 

でも、精神的疲労は如何ともし難い。上弦の鬼との戦い、しかも相手は鬼殺隊にとっては天敵とも言える血鬼術を扱う童磨。真面目にキツかった。今までも命をかけていなかった訳じゃない。だけど、今回は確実に命に死神の鎌がかけられた気がした。

 

「反省点はあるだろうけど、今くらい何も考えなくていいよね」

 

そう呟き、私は立ち上がり真菰達がいる所に向かう。二人の所には隠の人が居て、肩を借りて立っていた。

 

「おーい!カナエさん、真菰ちゃん!私勝ったよ!」

 

「舞銀ちゃん!少しごめんね!」

 

カナエさんは隠の人に一言謝り私の方に来て…抱きしめてくれた。そして怒った表情になり

 

「心配したわよ!舞銀ちゃん!1人で行くなんて無茶して!!傷だらけになって!!!私や真菰ちゃんがどれだけ心配したと思ってるのよ!!」

 

私は何も言い返せなかった。心配かけたのは事実だし。傷だらけも事実。まぁ、致命傷も骨折も酷い凍傷も無いのだけど、見た目はそれなりにとは思う。でも、それは向こうには知ったことでは無いとは思う。私が二人を傷つけられて怒った様に、カナエさんも私が1人で行って心配したんだし。私は

 

「心配おかけしました……」

 

そういうしか無かった。カナエさん頷いて私の頭を撫で

 

「無事で良かった。本っ当に心配したんだから……。真菰ちゃんも何か言ってもいいわよ!」

 

そう言うと真菰の私の方に来る。体力が限界であろう真菰はふらふらしながらも私の方に来て足がもつれたのか私の胸に寄りかかる。もちろん私は受け止める

 

「ま、真菰!?大丈夫!?」

 

「……た」

 

「え?」

 

くぐもった声で何を言ったのか聞き取れず思わず聞き返してしまった。真菰は涙を流しながらに言った。

 

「良かった…生きていて…!本当に……良かった……!」

 

本当に心配させてしまったんだ。罪悪感と嬉しい気持ちが混ざりあっておかしくなりそうだ。私はそんな気持ちを抑えて真菰を抱きしめた。真菰が痛く無い程度に強く抱きしめて、私が言うべき言葉を

 

「戻ったよ、真菰。ただいま」

 

私は微笑んで真菰に言う。真菰は涙を拭いながらに微笑んで

 

「うん。おかえり、舞銀」

 

そう言ってくれた。その後、隠の後処理や、カナエさんと真菰は蝶屋敷に運ばれた。私も念の為と言われて蝶屋敷に行く事になった。

 

―――――――――――――――――――――

 

蝶屋敷に到着する頃には日が昇り朝日に照らされた。

 

「姉さん!真菰!舞銀!」

 

門の前で待っていたしのぶが私達を出迎えてくれる。

 

「急いで処置するから中に運んで!」

 

隠の人に指示を飛ばしながらしのぶ本人も動いていた。朝からだけど的確に指示をとばすしのぶを見て私は関心していた。というか尊敬するよ。

 

「次!舞銀!」

 

「そんなに怪我とかないと思うから、お風呂に入りt」

 

「良いから見せなさい!烏の報告は聞いてるわ!単独で上弦の鬼と戦う無茶をしたんだから!早く体を見せなさい!」

 

有無を言わせず隊服を剥ぎ取られ身体を診察されました。今は同性なんだけどすごく恥ずかしかったです。私は軽い処置で済みました。カナエさんと真菰は2週間は安静との事だった。私はとりあえず蝶屋敷を出て水柱の屋敷、現在の家に向かおうと蝶屋敷後にしようとすると

 

「待って舞銀!」

 

「しのぶちゃん?」

 

しのぶが蝶屋敷から追いかけて来ました。忙しいだろうに何だろう?

 

「言いそびれたことがあって」

 

「言いそびれたこと?」

 

私は首を傾げながらに尋ねる。するとしのぶは頭を下げて言う。

 

「姉さんのこと助けてくれてありがとう。真菰と一緒に無事に帰ってきてくれてありがとう。3人が生きていて良かった……!それが言いたかっただけ。それじゃあ、何かあったら何時でも来なさいよね。あ、包帯は変えないとだから明日も来なさいよ!」

 

しのぶは笑顔でそう言うと蝶屋敷に戻って行った。なんて言うか、自然な笑顔のしのぶって原作で見るとなると回想でしかなかった気がするから、こうしてみると心がほっこりするというか良かったと思えた。

 

「うん、その時は頼らせてもらうよ」

 

私もそう言い、帰路に着く。錆兎の屋敷に着き私は戸に手をかけて

 

「ただいまー」

 

そう言いブーツを脱ぎ、上がろうとすると奥から慌てたような足音が二人分聞こえ

 

「大丈夫か!?舞銀!真菰の容態はどうだ!?胡蝶の奴も大丈夫なのか!?」

 

「怪我は無いか?真菰の怪我の様子はどうだ!?」

 

錆兎と義勇が出迎えてくれた。二人も心配してくれてたみたいでその表情からも分かる。だから、安心できるように状況を説明する。

 

「カナエさんと真菰は念の為二週間安静。歩く事も話すこともできるし、五体満足だよ。私は軽傷だから、傷を消毒して包帯を巻いて終わり。包帯変えないといけないから明日も蝶屋敷に行かないとだけどね」

 

そう説明すると二人は脱力したように座り込み。

 

「良かった…いや、上弦の鬼と遭遇して大きな怪我がないのは凌げる程の実力があったという事だろうが……肝が冷えた。救援に行けなくて悪かった」

 

「俺達も助けに行きたかったが、遠方の任務あった。知らせを聞いて急いで向かおうとしたが、道中で上弦の鬼を撃破したと聞いてな。とりあえず、激戦だったのは言うまでもないだろうから、蝶屋敷に必要そうなものを準備していたところなんだ」

 

「なるほどね。とりあえず、顔を見せてあげてよ。私は少し疲れたから、水浴びしたら休むし」

 

「ああ、ゆっくり休めよ」

 

「風邪だけは、引くなよ」

 

二人にそう言われて私は奥に入り、水浴びをして寝間着に着替えて布団を敷き横になる。

 

「あー、しんど」

 

上弦の鬼との戦いは図らずとも私にとっては得難い経験になった。初戦が童磨とは思わなかったけど。まぁ、鬼殺隊の天敵を早めに潰せたのと、カナエさんの生存、真菰も救うことが出来た。全員生還出来たのは、間違いなく天与呪縛の恩恵だと思う。アレがなければ、例え嵐の呼吸を編み出していても、全集中の呼吸・常中で底上げしていても、殺られていた。まだ、身体が成長途中というのもあって、禪院真希や伏黒甚爾には届かない。こればかりは仕方ないと割り切るしかないのだが。

 

私はそんなことを考えながらも目を瞑り眠りについた。

 

上弦の鬼を討伐して二週間が経ち、カナエさんや真菰が機能回復訓練を行うとなった時期に、再び鴉が飛んできて

 

「八雲舞銀!本部ニコラレタシ!至急本部二コラレタシ!」

 

と言われる。私は横を見ると鷲が止まっていた。

 

「ねぇ、君からこの呼び出し聞いた事ないし、なんかデジャブを感じるんだけど」

 

私は未だ届かない日輪刀にもため息をつきながら御館様の所に向かう。その間の日輪刀は仮の日輪刀が届けられた。暫くはこれで対応しろとの事だった。そりゃあんなにボロボロにしたらそうなるよねと思いながら一本の日輪刀を腰に差し向かう。

 

再び、御館様の屋敷に到着する。そこには柱が既に到着していた。

 

岩柱 悲鳴嶼行冥

 

音柱 宇髄天元

 

花柱 胡蝶カナエ

 

風柱 不死川実弥

 

水柱 鱗滝錆兎

 

炎柱 煉獄槇寿郎

 

合計六名の柱がその場に揃っていた。三名程少ない気がする。欠員が出ているのだろうか。槇寿郎さん、荒れてた時期だよね、こっちに向ける視線が怖いな。

 

「舞銀ちゃん!こっちこっち!」

 

「来たな、舞銀」

 

カナエさんと錆兎に迎えられる。

 

「聞いたぜ?派手に上弦の鬼倒したらしいじゃねぇか!やるなぁ!」

 

「胡蝶や鱗滝の継子もいたんだろ。最後に首を切ったのが八雲ってだけじゃねぇのか?……まぁ、胡蝶を助けてくれたのは恩に着るがよ…」

 

天元さんと不死川さんがそう言ってくる。褒めてくれる。後、不死川さん。生きていて嬉しいって本人に言いましたか?立場が同じになれば囲んで問いただしますよ?

 

「御館様がお成になる」

 

悲鳴嶼さんがそう言うと同時に産屋敷の童子が二人出てきて。

 

「お館様のお成りです」

 

といった。すると御館様がお成りになりました。柱達は一糸乱れぬ動きで片膝を地面につき頭を下げました。私も二度目なので片膝を着き頭を下げました。砂利だから痛いんですけどね。

 

「今回集まって貰ったのは、舞銀の柱就任の件についてだよ」

 

いや、まぁ、ですよね。半年前に納得する呼吸の会得かもう一体十二鬼月を倒したらと言う条件だったのだが、物の見事に両方満たしてしまった訳で……。もうダメだ柱からは逃げられない。

 

「まずは、舞銀は半年前に自分に適した呼吸の会得、もしくはもう一体十二鬼月を倒したら『柱』なると言う話をしたのを覚えているね?」

 

「はい、あの時は猶予を頂きありがとうございます」

 

私は頭を下げながらに言う、正直に言うと胃が痛い。鬼殺隊に入り1年経った経ってないかでこんなことになるとは。

 

「今回、カナエの報告、鴉の報告を聞かせてもらったよ。カナエや真菰を守り、上弦の弐の撃破。よくやってくれた」

 

優しい声と褒めてくれたことに嬉しくなってしまう。そして御館様は微笑みながらに言う。

 

「舞銀。『嵐柱』として、どうか力を貸して欲しい」

 

柱の皆さんから視線が突き刺さる。私も覚悟を決めるしかないみたいだ。寧ろ半年間、一般隊士として自由にさせてもらったんだ。

 

「八雲舞銀『嵐柱』の名、謹んでお引き受けいたします」

 

この日、私は、柱になってしまった。




舞銀が柱稽古するとなったら何するんだろう?

次回の話で3択で迷っているのでご助力を!

  • 原作突入
  • 日常回(刀の件も含めて)
  • 時透無一郎との邂逅編
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