私は花柱のカナエさんと一緒に御館様からの呼び出しを受けて産屋敷邸に足を運んでいました。こうして柱の私達が呼ばれるという事は那田蜘蛛山の一件かもしれません。つまり下弦の鬼の蜘蛛の糸の鬼の所まで時期が進んでいたんですね。
「私の剣士たちは殆どやられてしまったらしいんだ。そこには十二鬼月がいるかもしれない。柱を行かせなくてはならないようだ。カナエ、舞銀」
「「御意」」
要約すると向かわせた隊士が全滅したから十二鬼月の可能性がある。柱の私達が対応しなければ行けない案件という事である。御館様の言葉を聞き、急いで出発の準備をする。
「こうして任務に行くのは初めてね舞銀ちゃん!」
「そうですねカナエさん。最初から一緒なのは初めてですね」
私達は話を進めながら準備をする。カナエさんは自身の他にしのぶちゃんと炭治郎と同じ時に鬼殺隊に入ったカナヲちゃんを連れて、救護をしながら対応する手筈になった。しのぶちゃんは鬼の首を切れないのはこの世界でも一緒で毒を使っての戦法を取る。ただ、苦しめて殺すというより出来る限り安らかに殺せるように工夫はしている見たいです。
『できる範囲で姉さんの願いは尊重したいし。私も必要以上に苦しむ様を見たい訳じゃないしさっさと死んでくれる方が安心出来るのよ』
と話していましたね。因みに、毒の素材集めに駆り出された事がありますね。連日で流石に疲れましたよその時は。
出立が決まってから私は一つどうにかしないと行けないことを考えました。炭治郎と禰豆子の事です。まぁ、カナエさんは大丈夫とは思うんですけど二人がどういう反応をするかですよね。念の為に義勇と真菰に烏……私は鷲だった。鷲に使いを頼んだ。炭治郎と禰豆子が居る那田蜘蛛山に十二鬼月が出没してる可能性ありと伝える様に鷲に伝える。
そこからはカナエさん達と合流して向かう。しばらくして那田蜘蛛山に到着する。隊士の遺体が蜘蛛の糸で吊り下げられている状態だった、同士討ちさせられて亡くなっている。その惨状を見てカナエさんとしのぶちゃんが表情を曇らせる。
「思ってた以上に酷い状況ね」
「そうみたいね、しのぶ、カナヲ無茶はしないようにね。十二鬼月が居るのは間違いなさそうだから」
「見たいですね、上弦なら合図を出してください。下弦ならしのぶちゃんの相手にもならないでしょうけど上弦の鬼は面倒なので」
「ええ、力を合わせましょう。それとコレ、鎮痛剤と麻酔の注射ね。大怪我してる人が居たら投与お願いね。何時も手伝いしてくれてるし覚えたでしょ?」
カナエさんの笑みに押し切られて注射器を受け取ります。カナエさん達は微かにでも息のある人の救護をするように指示を飛ばして対応を始める。私は鬼の掃討をするために動き始める。と言うのは建前で真菰と義勇と合流する。錆兎にも伝えようと思ったが、多分遠方すぎて間に合わないし……。鱗滝一門の長兄ェ……。
「あっ!舞銀!」
「炭治郎達は無事か?」
そうこうしている内に二人と合流出来ました。義勇の言葉に首を横に振り
「まだ、見つけることが出来ていないの。とりあえず、この山にいる禰豆子ちゃん以外の鬼を掃討して、バレる前に炭治郎を下山させよう」
「そうだな、そうとなれば早めに行動するしかないな」
「そうだね、炭治郎と禰豆子が無事な事を祈るしかないよ。急ごう!」
義勇と真菰、そして私の三人は那田蜘蛛山で炭治郎と禰豆子を探し回る。その途中。大きいガタイの鬼と今にも握り潰されそうになっている猪の被り物を被った鬼殺隊士が居た。って……伊之助じゃん!?アレ危ないよね!?
私は一瞬で加速して伊之助を掴んでいる腕を両断する。
「大丈夫!?イノシシ君!」
初対面だから名前を呼ぶ訳には行かないのが面倒だけど……そんな事は今は良い。伊之助の安否を確認する。
「テメェ!前見やがれ!」
伊之助に言われて前を見ると鬼がこっちに向かって走ってきてた。それでも、童磨よりも比べると遅く話にならない。まぁ、十二鬼月でも無い鬼と上弦の弐だった鬼を比べるのは酷な話か。
「オレの家族に近づくなァァァ!」
「うるさい!」
襲いかかってくる鬼の拳を軽く跳躍し逆に顔面に膝を叩き込む。勢いよく膝が突き刺さり、顔面から血を出しながら吹っ飛び木に激突して鬼は仰向けに倒れました。アレから常中を続けて更に強化された私の膝蹴りはそれなりに痛いよ?
「お、大きい鬼を蹴り飛ばしやがった……!」
あっ、伊之助が居るの忘れてた。さて、どうしようかな。どうせ立ってくるし、あんまり時間取らせたくないし早く立ってくれないかな。
「よくも、よくも!」
鬼が起き上がって来て再度私に襲いかかってきました。その瞬間、私は鬼が腕を上げる動作に入る前に四肢と首を切り落としました。
「ただの蹴りで吹っ飛んでる時点で察しなのにね」
私はため息をつきながら刀を収めて、歩き出そうとしました。すると
「おい!白髪女!オレと戦え!!」
伊之助が勝負を仕掛けてきました。そう言えばそうだった。この時の伊之助はとりあえず自分より強いと認識した相手には状況構わず勝負を請うタイプだった。
「あの十二鬼月にお前は勝った。そのお前に俺が勝つ。そういう計算だ!そうすれば一番強いのは俺って言う寸法だ!」
そう言えば原作では義勇に縄で拘束されて吊るされてたっけ?生憎私の手持ちに縄は無いなぁ。どうしよう。炭治郎達の事も気になるし、本当にどうしよう伊之助もボロボロだから手荒な事はしたくないしと私が困った表情を浮かべていると
「怖いのか!俺様に恐れを成すのは弱味噌の証だ!!」
襲いかかってくる。私は何かないかとポケットを見ると鎮痛剤と麻酔の注射があった。私は伊之助の視界から外れて、拘束し麻酔と鎮痛剤を投与する。
「何を……しやが……」
限界も相まってすぐに伊之助が落ちた。ふぅ、何とかなった。とりあえず、上裸のまま放置するのもアレだし、羽織だけ被せて次に進む。
第三者視点
「どうしてもその鬼を庇って私と対峙するつもりですか?」
「待って欲しい、その鬼と炭治郎は他とは違う気がするんだ」
「どういう事ですか?貴方程の人が隊律を犯してまで守る必要があるということですか!?」
しのぶと義勇が対峙していた。義勇は炭治郎と禰豆子を庇うように立っていた。義勇はしのぶの問いに答えていた。
「ある。さっきも言ったが、炭治郎達は他の鬼やなにか他にとは違う可能性があると感じたんだ。それを見極める為にもここで殺させる訳にも行かない」
義勇はしのぶの目を見て真剣に話す。
「そう、ですか最後の通達です。冨岡さん、それにそこの坊や、そこをどいてください。そこにいるのは鬼です。鬼殺隊として鬼を見過ごすことはできません」
「ッ!?ち、違います!」
炭治郎は禰豆子を抱き抱えながら話をする。
「い、いや、違わないけど……あの、妹なんです!俺の妹で……それで……!」
「妹……なんですね……」
炭治郎の話を聞いたしのぶは思う所はあるのか目を一度伏せて、悲しげに言う。
「坊やの妹が鬼になったことは同情します。それでも、私達は鬼殺隊です」
そう言いながら日輪刀を構え
「せめて、苦しまないように優しい毒で殺します。決して苦しませず眠るように」
「……!」
しのぶの言っている事、悪意なんてなく、本当に同情して心を痛めてまでそう言っているというのが炭治郎は匂いで分かった。そんな匂いを嗅ぎ炭治郎が悲しそうに顔を顰めていると義勇が声をかける。
「動けるか?」
「冨岡さん……」
「動けなくても根性で動け。妹を連れて逃げろ、この場は俺に任せろ」
炭治郎はその言葉を聞き禰豆子を抱き抱えて
「すみません!!ありがとうございます!!」
走り出す。
「待ちなさい!」
それを見たしのぶは追いかけようとするがその間日輪刀を納刀した状態で立ちはだかる義勇が居た。
「止まってくれ、しのぶ……ここから先は行かせる訳には行かない」
しのぶは握る手に力が入り、義勇を睨みつける。
「鬼の被害の無念が分かってる筈の貴方がどうしてですか!」
義勇は何も言わず構えるのみだった。
一方、走り出した炭治郎をカナヲが捉えさらに邪魔をされたので踵落としで意識を刈り取る。カナヲは禰豆子は切るべく日輪刀を振るう。しかし、その刃は第三者に止められる。
「間一髪だね……起きている時に会うのは初めましてかな?禰豆子。炭治郎は……、無事じゃないね。遅れてごめんね」
真菰がカナヲの刃を防いでいた。カナヲは驚いた様子で何度も禰豆子に切りかかるが真菰が全て難なく防ぎきる。
「カナヲちゃん、今は引いてくれないかな。流石に刃を向けるのは忍びないから……」
真菰はバツが悪そうな表情を浮かべながら話している。カナヲは何も言わずに切りかかろうとしたタイミングで
『伝令!!伝令!!カァァァ!!伝令アリ!!炭治郎・禰豆子・両名ヲ拘束、本部ヘ連レ帰ルベシ!!』
鎹烏が伝連を伝えていた。
鬼殺隊の柱の二名が鬼の件を見過ごしていたとなったらかなりヤバいことですよね(今更)
柱合会議大変そう……