天与の少女 刃にて荒事を成す   作:皐月の王

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お久しぶりの投稿です


下弦の鬼決着と御館様

三人称視点

 

下弦の鬼と舞銀が町中で戦いを繰り広げる。だが、

 

(何故だ?何故なのだ?オレの血気術は空気中に撒いた血を使い鎌鼬を引き起こし、不可視の刃とするものだ。何れは上弦の鬼にも登りうる才能のオレの攻撃が、オレが……!)

 

血の混じった鎌鼬が切るのは木造の家屋と空気だけである。

 

(どうして……奴に当たらないのだ!?)

 

舞銀にはかすり傷どころか、服の端すら切れずにいた。

 

(お、オレは十二鬼月の下弦 参だぞ!?こんなことはあって……!)

 

そんな思考を寸断されるように舞銀の蹴りが腹部に突き刺さる。

 

「がっ!?」

 

凄まじい勢いで吹っ飛び地面を転がる。十二鬼月としてのプライドですぐさま体勢を整えて追撃に備える。だが、それに対して

 

「雷の呼吸…壱の型 霹靂一閃…!」

 

神速の抜刀術の連撃にて、両足を切り落とす。その影響で鬼は後ろから崩れ落ちる。

 

(なっ、なんだ!?足を切られた!?)

 

そう思考する間に、

 

「水の呼吸 肆ノ型 打ち潮 連撃」

 

耳に入る声。ほぼ同時に腕も切り落とされる。

 

(再生が追いつかない……!な、何なんだコイツは!)

 

視界に映るのは屋根の上に立つ満月を背に二本の日輪刀を持つ、命知らずの鬼狩りと嗤った少女だ。その少女の表情は暗がりで見えないが、下弦の参の鬼は恐怖していた

 

(こ、コイツの方が……!)

 

そして、四肢の再生を待たずして、次の瞬間に首を断たれる。

 

「化け物……!」

 

小半刻経ったか経ってないか。それを見ていた鬼殺隊の女性隊士はただただ驚いていた。そして同時に畏怖した。鬼とも人間とも言い難い蹂躙を見たのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞銀side

 

よし、下弦の参討伐完了っと。うん、なんか本格的に天与呪縛やばいと思うわ。全集中の呼吸と合わせたら、人外の域じゃない?それに、鬼に化け物言われたし。まぁ、人のを喰らう鬼に何を言われてもとは思うけど。

 

「よし、終わったー。とりあえず、1人でも生き残りが居て良かったよ。大丈夫ですかお姉さん」

 

「ええ、ありがとう。貴女とっても強いわね……」

 

「まぁ、これでも全集中の呼吸を常にしてますから」

 

天与呪縛の事なんて言えないし、常中をしているからで誤魔化そう。行けるはずだよね

 

「つ、常に全集中の呼吸を!?そんな事ができるの!?」

 

あっ、案外食らいついてくれた。なら、後は常中の説明をするだけだね。

 

「はい、最初はキツイですけど、馴れると徐々に身体能力も底上げされていきますよ」

 

「そうなのね……考えたこともなかったわ」

 

よしよし、いい感じに考えてくれている。私はそのまま立ち去ろうと

 

「それじゃあ、私はこの辺……で!」

 

「ちょっと待って!そう言えば貴女、呼吸二つ使ってなかった!?」

 

目敏いというか鋭い人だなぁ。ここで無視する訳にも行かないので私は足を止めて

 

「ええ、まぁ、使ってましたよ。水の呼吸と雷の呼吸。ですが、この二つもどうもしっくり来ないんですよね」

 

思わず話し込む。するとその女性隊士が近づいてきて、

 

「悪いんだけど日輪刀見せてくれない?」

 

と言ってきました。私は首を傾げながらも渡しました。日輪刀でどの呼吸が向いているとかあるのはわかるんだけど、

 

「お礼という程じゃないんだけどさ、風の呼吸試してみない?」

 

「え?」

 

ふとそう言い出した。私は豆鉄砲食らった気になった。

 

「ほら!黄緑だし!風の呼吸なら適正あるかもしれないから!私は風の呼吸の使い手だし、私の師匠に頼めば風の呼吸を教えてくれると思うわ!」

 

それを聞いて私は考えた。三つ目の呼吸は考えてなかった。水と雷で何とかしようと思っていたけど、そうか風の呼吸も教わることが出来るのか、そうなれば私に合った呼吸が風の可能性もあるし、足りなかったピースが埋まるかもしれないし。

 

「なるほど……いいですね。その話、受けさせてください!」

 

「分かった!案内するわ!ここから東のあの山の麓に住んでるから」

 

私は新たな可能性を試すために。その人に着いていく……。でも、早く学びたい早く使えるようになりたいので、私はその人をお姫様抱っこして

 

「じゃあ私が抱っこで走るので案内お願いしますね。舌は噛まないように注意はしてくださいね…!」

 

「え?」

 

そのまま私は走り出します。耳元で悲鳴が聞こえますがとりあえず

 

「あんまり叫ぶと本当に舌を噛みますよ?」

 

「そ、そんなこと…い、言っても!おかしいでしょ!この速さ!だって!もう、麓なのよ!?

 

私はブレーキをかけ減速してやがて止まる。

 

「さて、何処の家ですか?」

 

「こ、こんなに早く着くとは思わなかったわよ。周りを見てよ、まだ真っ暗よ?月明かりがあるからマシだけど」

 

私は内心しまったと思った。つい舞い上がってしまったと。まだ、日の出まで時間があるし、夜更けに訪問して教えないと言われるのはたまったもんじゃないし。とりあえずは

 

「野宿ですね。枝を集めて、日の出まで野宿しますか?」

 

と尋ねると、ため息をつかれて

 

「修行で使った小屋があるわ。そこに行きましょう」

 

案内されてその小屋で一夜を過ごしました。そして早朝にその人の師匠似合いに行きました。

 

「という訳なのです師匠。此方に、私の命の恩人に風の呼吸の指南を!」

 

「お願いします!」

 

私も頭を下げてお願いしています。その人は優しい雰囲気の人で弟子の隊士の話を聞くと無事でよかったと喜んでいました。

 

「そうか……君が桑島殿の手紙に書かれていた子か……」

 

「え?桑島さんのお知り合いの方なんですか!?」

 

嘘でしょ!なんと言う偶然なんだろう!たまたま助けた隊士の師匠が次にお世話になる予定だった人だなんて

 

「ちょうどいい機会だ弟子を救ってくれた礼もあるし風の呼吸を君に指南しよう!」

 

「ありがとうございます!」

 

そして三つめの呼吸の習得の修行が始まりました。と言っても、型を教わりその反復をするといったシンプルなものです。まぁ、基礎ができているというのもありますけども三つ目という事もあり、型と呼吸だけで事足りると事でした。

 

「いや、普通はこうは行かねぇんだけどな?苛烈な連撃と軽快な身のこなしが特徴のこの呼吸には柔軟な体幹に加えて連撃に耐えるだけの持久力が求められるんだが……。本当に何なんだ?どれを見ても逸材何てレベルじゃない。常中もそうだが、他にも水と雷の呼吸も使い分けが出来るって何者だよ」

 

「いや、何者と言われましてもただの隊士ですよ。特異体質の」

 

「そうだとしても、食べる食事の量は普通、睡眠時間は少し短い。だが運動量と身体能力が異常だ。特異体質で片付け……まぁ、鬼じゃないしなんでもいいか」

 

軽っ!と思ったけどまぁ、追求されない方が楽だがら良いんですけどね。そんなこんなで習い始めて3日目のこと、珍しく鴉が飛んで来て

 

「八雲舞銀!本部ニコラレタシ!至急本部二コラレタシ!」

 

「あれ?私の鷲は?」

 

そう思い横を見ると、肩に止まっていました。いや、何してるんだろうこの子。ただ鴉を見ているだけの様子だった。私も私で風の呼吸の技の完成度を上げたい。馴染みそうだけどまだ違和感が拭えないから鴉を無視して練習を続けようとすると

 

「何をしているんだ!早く御館様の所に行け!」

 

と風の呼吸の育手に言われてしまったので渋々向かうことにしました。呼び出されるようなことはしていないんだけどなぁ。任務は行ってるからサボってるわけじゃないし。

 

私は鴉に案内されるまま歩き続けて館にたどり着く。

 

「後に炭治郎がここで裁判をねぇ。って、まだ誰も知らない話か」

 

私が苦笑いをしながら館の敷地内に足を踏み入れる。中庭の方に歩いて行き

 

「失礼します。八雲舞銀招集に応じ馳せ参じました」

 

と言うと、そこには『柱』らしき面々の人がいました。見覚えがある、岩柱の悲鳴嶼行冥、炎柱の煉獄槇寿郎、あとの方は……分かんねぇや。館の方には

 

「君が舞銀だね。初めまして。私は産屋敷耀哉」

 

御館様が居た。リアルで聞くと驚く程落ち着く声だ。これが本当に某最高の兵士と同じ声優とは。私は思わず二刀を地面に置き片膝を着く。

 

「今日は突然呼び出してすまないね」

 

「いえ、別に大丈夫です。御館様も自分の体を大切にしてください」

 

「ありがとう」

 

なんと言うか本当にペースが乱れるというかつい聴き入ってしまう。

 

「まずは十二鬼月の討伐おめでとう。1ヶ月と数日で十二鬼月を倒してしまうなんて、君は凄い子だ」

 

「いえ、運が良かっただけです」

 

落ち着く声だが、それ以上に私は今やりたいことがあった。内心ソワソワしている

 

「謙遜はいいよ、十二鬼月と対面して短時間で屠ることが出来たのは紛れもなく君の力だよ」

 

そう褒められると悪い気はしないんだけど、もう既に嫌な予感がする。

 

「さて、本題に入ろうか。君は十二鬼月を倒した。それは『柱』になるための条件を満たしたという事。知っていると思うけど今現在柱に3つ空席があるんだ。入れ替わりが激しい鬼殺隊が組織として成り立っているのは柱と言う戦力あってこそなんだ」

 

そりゃ……そうでしょうね。画面の向こうや、紙の向こうから見てましたよ。柱はすごいと。それも自分の呼吸を極めた剣士達がなるべきだ。それに私にはやりたいことがある。

 

「その柱が減ると柱一人一人の負担が大きくなるんだ。それに柱の空席は由々しき事態でもあるんだ。そこでだ、君に『柱』になって欲しいんだ。『柱』として力を貸してはくれないかな?」

 

私は顔を上げて精一杯の笑顔で言う。

 

「謹んで辞退させていただきます」

 

なってたまるかという思いを込めた笑顔で私は御館様にそう言った。直後に柱の人達に怒られたのは言うまでもない。




ここでなんの呼吸になるかわかった人はエスパーだと思います!

次回もお楽しみに
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