例のごとく梅雨まぐろ様が描かれた素晴らしい作品を小説化させていただきました。
ご本人様認可済みです。
梅雨まぐろ様該当作品リンク。最高ですので是非ご覧くださいませ。
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https://twitter.com/2yu___akaunto/status/1608825267065352198?cxt=HHwWjMDT0c6D2dMsAAAA
大晦日──。
空は突き抜ける程澄み渡り、夕焼けが街を暖かなオレンジ色に染めていく。
夕焼けには一片の曇りも見えず、きっと明日は快晴だろう。
風は少し冷たいけれど、誰かと一緒に歩いていれば、そこまで寒さは感じない。
そんな陽気だった。
「ほんでな──」
「あははは!」
そんな、中身も何もない会話をしながら、二人は歩いていた。
「そういえばさァ──」
「なはは!」
ルフィが喋れば、ウタが笑う。
ウタが喋れば、ルフィが笑う。
黒く色づき始めたアスファルトを踏みしめながら、二人は年の暮れに向かって、家路を歩いて行く。
隣で笑う彼を、ウタはちらりと見遣った。
肩が触れそうな距離。
幼馴染の距離。
親友としての、距離。
ウタは目線を、太陽の沈む橙の空へと向けた。
──この距離は、ずっとこのまま変わらない。
きっと、ずっと。
自分の心がそう思っていることに少しだけ安堵して、それと同時に、ウタの頭が別解を囁く。
──変われない。
ウタは目を閉じて微笑んで、顔を少し俯けた。
どちらが正しいとかでは、ない。
変わって欲しくない自分がいる。
変えたくない自分がいる。
──だって、ここがわたしの“居場所”だから。
それと同時に、胸の奥底に芽生えたその感情を、ウタは自覚しているのだろうか。
(でも──)
なんて。
いずれ変わってしまうだろう、この距離への哀惜? それとも──。
「ねえ、ルフィ」
少しだけ歩を進めたウタが、ルフィの方を振り返って、笑う。
夕焼けを背負った自分の影がルフィの瞳に映る。
──ああ、わたしは今、どんな笑い方をしているのだろうか。
「来年も、わたしが勝つから」
でも今は、この距離でいい。
この距離が、いい。
珍しく言葉に詰まったように呆けたルフィに、ウタは渋い顔をして首を傾げた。
「ルフィ?」
わたし、今変なこと言ったっけ?
夕焼けに照らされた幼馴染の顔が、いつもの太陽のような笑みを浮かべる。
「来年もおれが勝つ!!」
にっしっしと笑いながら、ルフィが言う。
黄昏時の魔力に、一瞬だけ揺れた二人の距離感。
だが、それが今の二人にとって心地よい距離を再認識させてくれた。
「はァ? あんたがわたしに勝てるわけないでしょ!」
「何言ってんだ!! 今までもこれからも、おれが勝つ!!」
年の暮れだというのに、いつものように言い争う。
これでいい。
これがいいんだ。
──きっと、二人の距離感が動くときは、わたしたちの意図しないタイミングでやってくるから。
だから、今は。
騒がしく、一年が終わる。
そしてきっと、来る年も──。
お読みいただきありがとうございました。
再度元作品リンク(梅雨まぐろ様)です
https://twitter.com/2yu___akaunto/status/1608825267065352198?cxt=HHwWjMDT0c6D2dMsAAAA
来年もよろしくお願いいたします。