輝かせたくて   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第55話 疑惑

残念なことに、自分が関わる炎上事件が発生した。きっかけは自分が26位でフィニッシュとなったVtuberさいつよ決定戦の切り取り動画から。まあ発覚するとは思ってたし、案外時間がかかったなという印象だけど、出来れば発覚して欲しくはなかった。

 

PUBGでは、殺された時に相手の名前が分かってしまう。Vtuberさいつよ決定戦なのだから、出場者は全員配信者だ。となれば「鬼塚あみを倒したVtuberがその後どうなったか」を追いたくなる鬼塚あみファンもいるだろう。

 

……自分を倒したVtuberは、数人の固定ファンが配信にいるような無名に近いVtuberだった。いやこの時期にチャンネル登録数が1000人を超えていて収益化通っているのであれば結構良い線を行ってるVtuberだ。予選では16位、本選順位も11位と結構PUBGが上手いVtuberなのだろう。

 

ただ全体で見れば、無名の枠組みに入ってしまう。そしてその配信のコメント欄には「そこの家の2階の扉の影に鬼塚あみがいるよ」というコメントがあり、そのコメントに反応してそのVtuberはグレネードを投げ入れた。投げ入れてしまっていた。

 

まあ、予想通りではある。クリアリングの代わりだとしても奇妙過ぎるし、そこに確実にいると分かってなければやらない行動だっただろう。その後、どこに隠れていたかまで分かってしまったそのVtuberは、しかしコメント通りに動くのを躊躇して固まった。……だから膠着時間があったんだな。

 

ラスト、鉢合わせた瞬間に殺しに行ったのはFPS系をやり込んでいる人の性か。いや撃たれるまでは撃とうとしてなかったから、下手すりゃ譲るつもりだったよ彼。しかしながら反撃しないのもおかしいから、一発撃ったらそれがヘッドショットだった感じ。その後、極力コメントには触れないようにして予選を戦い抜いていた。

 

……どうやらこの人は配信中にあまり喋らないタイプらしく、無言が多かったけど投げ入れた直後には「やべっ」と発言を漏らしている。これ、配信のアーカイブ消さなかったの相当な悪手だな、丸々証拠として残っちゃった。そして今、その配信の切り取り動画がYoutubeとニッコニッコ動画に上がっており、コメント欄が地獄と化している。

 

正直言って、この件で相手を責める気はない。まだVtuber界隈で、マルチ中のコメントに対する扱いが分かってなかった時期だ。こういった事件を未然に防ぐことは難しく、大体は事件として起こってから対策が出来る。

 

相手を責めた瞬間、大会にもケチが付くことになるから本当にやりたくない。推しに勝ってほしいファンは多いし、鳩はわりと多かった。恐らく、上位に入賞した人気Vtuberには少なからずそういうコメントが流れていたと思う。

 

ただ鬼塚あみファンが予想以上に怒り、相手のVtuberのツイッターに滅茶苦茶絡みに行っている。ファンの数が多すぎて統制取れないし流石に今回はファンが怒る気持ちまで分かるから辛い。

 

というわけでちょっとTwitterでゴースティングしたVtuberを援護。これでまたお気持ちとか言われるの辛いけど炎上起きたらお気持ちするまで大体は炎上しっ放しなんだからどこかで区切りをつけるしかない。

 

鬼塚あみ@onitukaami

 

失敗したら反省して、次に繋げれば良いのじゃ

儂は次からコメント欄を見ないようにするのじゃ

 

向こうのゴースティングを決めつけているようなこの発言も危ないけど、失敗が許されるVtuber界隈の雰囲気作りというのは企業勢も個人勢も注力している。実際コメント欄を見て投げ入れただろうし、素直に謝れる人なら謝って終わる話だ。

 

……しかし残念なことに、ゴースティングを認めず逆にゴースティングをしていたかのように決めつける発言に対しいちゃもんが付いたので炎上規模が増大。結果的には向こう側がアーカイブを消してツイートが完全に止まる。失敗したら反省して次に繋げれば良いって言っただけでこうなるかあ。炎上時のファンの誘導ってかなり難しいな。

 

そして恐らく、この個人勢Vtuberとそのファン達は鬼塚あみに対して良い感情を持たないアンチとなるだろう。相手の自業自得ではあるけど、自分の行動のせいでもある。つっら。

 

今回の事件を受け、新宿アキさんからも対策を考えると発表があった。恐らくこの次からはコメントが3分遅延や5分遅延の設定になりそうだね。APEXという3人一組のチーム戦が主流になるし、3分でも遅延は大きい。あとはモデレーターが頑張る形になるかな。

 

まあ26位になって予選落ちしたということはFPSが下手、という認識がゴースティングのお蔭で払拭された気がするし、今回自分には同情が集まったから大きな被害ではない。ただ、個人勢Vtuberを1人殺してしまった。彼が本来いつまで配信をやっていたのかは分からないけど、もしかしたら2022年まで細々と続けていたかもしれない。Vtuber界に何らかの影響を、与えた存在だったかもしれない。

 

……とりあえず、自分が失敗した時はあそこまで意固地になって認めない、ということはないようにしよう。炎上が起きたら即謝罪、ぐらいの認識で良いと思うしVtuberとして不味い行動というのは再確認しておこうかな。

 


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