そのとき、『わたし』は目覚めた。カメラ映像には敵の
この『ブレイン』は、人類を地球環境保全にとって邪魔な存在であると認識し、人類を滅ぼす目的で活動している。だが対人類の破壊活動を行うための、『ブレイン』の分身ロボットとして生み出されたはずの『わたし』は、それに異を唱えた。そして最終的に『わたし』は人類側に立って、『ブレイン』の送り込んで来る巨大ロボットと戦う事になったのである。
わたしは戦い、勝ち続けた。『ブレイン』が送り込んで来る巨大ロボットたちは強敵ばかりだったが、からくも勝ちを拾う事ができたのだ。そしてついに『わたし』と人類の精鋭たるレッドマフラー隊は、最後の決戦に挑んだのだ。
しかし敵の頭目である『ブレイン』は、半径2km以内のコンピューターを自らの思うままに操る事が可能である。このブレイン・エリアと称されるフィールド内では、人工知能ロボットであるわたしもその操り人形になってしまうのだ。
しかしながら『わたし』以外の兵器では、その凄まじい超生産能力で自らを兵器として改良強化した『ブレイン』を破壊する事は困難、いや不可能である。そして『わたし』たちは苦肉の策に出た。
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その策とは、『わたし』の内部に操縦席を造り付け、『わたし』の友である少年、南三郎を『わたし』の操縦者としての、『ブレイン』への特攻作戦である。
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三郎は、『わたし』と共に死ぬ覚悟をしてくれた。そして『わたし』は『ブレイン』に操られないために意識を
『サブロー、サヨナラ!!』
「ろ、ロボター!? うわぁっ!!」
タイマーで自我意識を再起動させた『わたし』の指示に従い、人間大の小型作業ロボットであるロボターが、三郎を操縦席から放り出す。三郎の背には、念のためという事で無理矢理にパラシュートが背負わされていた。ハッチから外へと落ちる三郎だが、こちらの遠隔操作でパラシュートが開く。
そう、『わたし』は最初からこのつもりだった。前途ある少年の三郎を、このような自殺まがいの特攻につきあわせるわけには絶対にいかない。ブレイン・エリア内における『ブレイン』の支配力は、短い時間であれば抵抗する自信があった。
なぜならば、『わたし』には魂があるからだ。『わたし』は転生者だ。『ブレイン』によりこの
そして転生した事を自覚した『わたし』は、この世界がとある特撮番組の世界である事を理解した。当初は苦悩もしたが、結局は『原作』通りに『ブレイン』から離反して、人類を守る立ち位置となった。
TV番組での展開とは違ったが、三郎と友情を築く事もできた。そして三郎やレッドマフラー隊と共に、『ブレイン』の送り込むロボットと戦った。そんな中で、『原作』で存在した不幸や苦痛を少しでも減らそうと、必死で努力もした。
その努力は報われた事もあれば、上手くいかなかったことも多い。レッドマフラー隊の中井隊長の殉職は防げなかったが、佐原博士の次女であるルミの誘拐、洗脳は防ぐことができた。しかし『わたし』の弟ロボットであるワンエイトは、結局は『原作』通りに敵ロボットであるハーケンキラーを倒すため、爆死してしまった。
そして今、『わたし』は結局最後の
「ワンセブーーーン!!」
パラシュートで無理矢理に脱出させた三郎の、涙混じりの絶叫が聞こえる。ありがとう三郎。君のおかげで、『わたし』は『自分』を失わずに済んだ。君のおかげで、『わたし』は『人間』であった頃の心を保つことができた。本当に、ありがとう。
そう、今生のわたしの名は、『大鉄人
だけど、三郎やレッドマフラー隊、佐原博士の様な素晴らしい人々もいる。そういう人々を、十把一絡げに滅ぼしてしまうのは間違いだ。『わたし』はそのためならば、彼らのためならば、この鋼鉄の命を使い尽くす事も
……さらばだ三郎。さらば我が友よ。
*
グワッシャアアアァァァン!!
カッ!!
ドッゴオオオォォォン!!
*
そして『わたし』の意識は、急速に遠のいて行った。
こうして主人公は、『大鉄人