インベーダーを探して『わたし』たちがニューヨークに到着したとき、そこは既に戦場になっていた。多数のインベーダー、メタルビーストが暴れまわり、人々が逃げ惑う。その敵から1体の
そしてやはりと言うかブチ切れた竜馬が、こちらの言葉も聞かずいきなりブラックゲッターを発艦させる。
【アムロ大尉、竜馬の支援を。この状況で竜馬がわずかでも言う事を聞いてくれそうなのは、貴方しかいない】
『了解だ。アムロ、リ・ガズィBWS、行きます!』
電磁カタパルトでアムロ大尉機が射出される。それとほぼ同時にシャア大佐機が射出。そしてシロウのヒュッケバインNextが、カミーユ君とファさんのジェダが、次々に射ち出される。
更に『わたし』は『わたし』で、『飛行ワンセブン』形態でシグコン・シップを離艦。そのまま敵中に飛び込んで『戦闘ワンセブン』に変形した。
向こうにクジラっぽい形状をした、飛空艇が着水している。というかアニメ知識から言うと、あれは名前そのものがクジラというメカである。あれは真ゲッターロボの移動基地として使われており、文字通りクジラの様に口を開いてそこからゲットマシン3機を発進させる様になっているのだ。
しかしながら今その艦体は、むちゃくちゃにインベーダーに
『す、済まない!』
オープン回線で謝罪の言葉が来る。恩義を受けたときに謝罪の言葉を吐くのは日本人の悪いクセだとよく言われるが、ニュアンスとしてこの場合の『済まない』には『ありがとう』の意味も入っていると思うんだがね。『わたし』は軽く手を振ってやると、襲い掛かって来るインベーダー、メタルビーストを叩き潰した。
しばし後、どうやら一般市民たちは地下シェルターなどに逃げ込んだ模様である。真ゲッター1も、遠慮なしにインベーダーやメタルビーストを攻撃し始めた。敵の数は時間と共に、順調に減って行く。
この調子であれば、インベーダーを叩いた後でさっくりこちらも撤退できるだろう。そう思ったときである。
唐突に、周囲一帯に笑声が響いた。空に巨大な人影が姿を現す。異様な迫力を満ち溢れさせた、老人の姿だ。
『ふあーっはっはっは……。はーっはっはっは……』
『……生きてやがったかあああぁぁぁ!! 早乙女のジジイ!!』
ブチ切れ状態の竜馬が、オープン回線と外部スピーカー全開で叫ぶ。……まあ、この状況下では覚悟はしていたがね。できればこちらはもう少し、正体不明のままで居たかったが。まあ、まだ竜馬が仲間にいるって事がバレただけだから、致命傷じゃないだろう。
『懐かしいのう!! よくぞ生きて戻った、竜馬!! くたばり損ないめが!!』
『黙れ!! 今日こそてめえに、引導を渡してやる!!』
『ふはははははは!! 面白い、やってみろこの虫けらめ!!』
巨大な老人の人影……おそらくは立体映像の類だが、それは急速に姿を薄れさせて行く。だが笑声は
『あーっはっはっはっはははははは……。はーっはっはっはっはははははは……。』
『笑えるのも今の内だ、ジジイ!!』
竜馬のブラックゲッターが、まとわりつくインベーダーどもを蹴散らしつつ自由の女神像へ突撃する。そして真ゲッター1がオープンゲットしたかと思うと、真ゲッター2へとチェンジした。真ゲッター2もまた、ブラックゲッターの後を追うかのように空中を突き進む。
オープン回線と外部スピーカーで、女の絶叫が響いた。
『あいつは……。あいつは、わたしが倒す!!』
次の瞬間、自由の女神像の頭部に立っている早乙女博士を、上空支援させていたシグコン・シップのショック・カノンが薙ぎ払った。
『なにっ!? おい何しやがるワンセ……』
『竜馬! 冷静になれ! 見ろ! やつは傷一つない! 間違いなくあれは映像、お前を怒らせて冷静さを失わせる他にも、何がしか企んでいるぞ!』
『っく……。済まねえ』
アムロ大尉の声に、竜馬が多少の冷静さを取り戻す。そう、シグコン・シップの砲撃を受けながら、少々
『はーっはっはっは、あーっはっはっはっはははははは!! 上手く引っ掛かってくれて、感謝するぞ。真ゲッターのみならず、最近あやしげな動きをしていた竜馬、貴様まで足止めができたとはな』
『なにっ!?』
『そんな!?』
やはりそう言う展開か。そして打っていた手の1つが当たりを引く。完全に頼りにするわけには行かないとは言えど、原作アニメの知識というのはやはり馬鹿にはできない。『わたし』は早乙女博士の立体映像が出た瞬間、北米西海岸近辺に配置していた
そしてニューヨークの都市に隠れ潜んでいた、インベーダー多数が姿を現す。インベーダー連中は、何かに擬態しているとセンサーでも見つけ難いのが難点だ。早乙女博士の立体映像は消える。だがその笑声の残響は、しばし残っていた。
『はーっはっはっはっははははははは……。あーっはっはっはっはははははは……』
『な、なにっ!?』
『どれだけ隠れていた!?』
【こいつらは足止めだ。太平洋に、敵拠点がある。国際基準点X2357-Y0386ポイントの孤島だ。各地のインベーダーがそこに集まっている。そして、
早乙女博士は、間違いなくそこで待ち構えているぞ。こんな足止めを行ってくる以上、その目論見は完成間近なんだろう】
そして『わたし』はその場の全機にテキストメッセージを送信する。真ゲッターロボにも、だ。
【ここは『わたし』とシロウが残って、ここのインベーダーを潰してから後を追う。皆はシグコン・シップに乗って、急いで敵の根拠地へ向かうんだ。そちらの真ゲッターロボも、いっしょに乗って行け。少しでもエネルギーを回復させながら行くんだ。
シロウ、済まないが貧乏くじ引いてくれ。後に残って、ゴミ掃除だ】
『了解だぜ!』
『わ、わかった! すまねえ恩に着る!』
『……わ、わたしたちはクジラで』
『うるせえ! あのクジラよりか、シグコン・シップが速え! 乗ってけ!』
おっと、忘れるところだった。『わたし』は竜馬と真ゲッターロボに追加のメッセージを送る。
【それと旧早乙女研究所関連のデータをハッキングして得た情報だ。真ドラゴン、アレが旧早乙女研究所で研究されてたものならば、アレには絶対にゲッタービームを撃つな。アレにはゲッター線を直接ブチ込むゲッタービームはご馳走だ。逆にビームを介してゲッター炉内部のゲッター線にまでアクセスされて、全エネルギーを吸い尽くされるぞ】
『……ご忠告、感謝、だ!』
竜馬の声を後に残し、皆の機体を載せたシグコン・シップは主機関全開、最大戦速で太平洋へと向かう。それを追おうとする気配を見せたインベーダーの個体に、『わたし』とシロウはミサイルやフォトン・ライフルを撃ち放った。
【さて、コンビプレイは久しぶりだな】
『おう! いっちょ派手にかましてやるか!』
『わたし』とシロウは、普通なら絶望的とも言える数のインベーダー、メタルビーストに立ち向かう。だが正直な所、負ける気は欠片も無かった。
避けて
*
インベーダーどもを片付けて、『わたし』は『飛行ワンセブン』形態で高高度をマッハ6で飛んでいた。わたしの背中には、ヒュッケバインNextが伏せの姿勢でしがみついている。
『向こうの様子はどうだ!?』
【周囲を固めるインベーダーやメタルビーストどもはともかく、敵のボスである真ドラゴンを攻めあぐねている】
正直向こうに行った面々での最大火力は、ブラックゲッターのゲッタービームと真ゲッターロボのゲッタービームだ。だが真ドラゴン相手にソレは使う訳にはいかないからな。次点で2機のリ・ガズィBWSのメガビーム砲が気を吐いているが、それでも相手の再生能力によって致命打とはならないでいる。
なんで向こうの様子が判るかと言うと、シグコン・シップは『わたし』がリモコンで動かしているからだ。シグコン・シップのショック・カノンはある程度有効だが、これも決め手と言うには若干心もとない。
【シグコン・シップは基本的に母艦機能を優先しているからな。こんな事なら設計の第2案、単艦戦闘能力を高めたタイプにしておくべきだったか?】
『今更だ。それよか、早く行こうぜ』
単艦戦闘能力を高めたタイプの設計案では、艦首に馬鹿でかい固定型の大砲を積んでたんだ。まるで宇宙戦艦ヤ○トとか、超時空要塞マ○ロスとかの様に。搭載力が無くなるから、断念したんだが。
やがて火山島の様な島が見えて来る。その噴火口から、巨大なゲッターロボ……いや、顔だけはゲッタードラゴン系の面影を留めているが、
【島に強引に着陸するぞ。インベーダー、メタルビーストどもの迎撃に注意】
『大丈夫! まかせろ!』
言葉の通り、『わたし』は島に強引に着陸する。そしてヒュッケバインNextが飛び降りるのを確認するや否や、『要塞ワンセブン』形態を介して『戦闘ワンセブン』へと姿を変えた。
竜馬がブラックゲッターから咆える。
『遅えぞ!』
『これでも急いで来たんだぜえ?』
【遅れた分は、活躍するから勘弁してくれ】
ドドドドド……!! ドガン!!
『わたし』は周囲を取り囲むインベーダー、メタルビーストを無視して、ミサイルを撃ちながら真ドラゴンへと接敵、おもいきりブン殴ってやる。『わたし』の数十倍の体躯を持つ真ドラゴンだったが、その巨体が鳴動して悲鳴のような駆動音を上げた。
だが、それによるダメージはあっさりと再生されてしまう。こいつは面倒だ。ならば一発で、限界を超える大ダメージを与えなければならない。
『おい、真ゲッターが居ねえぞ! 墜とされたのか!?』
『あのデカブツの馬鹿ッ強えゲッタービームを
と、そこへミサイルやマシンガンの雨が降って来る。『わたし』は急ぎ、後退した。周囲のインベーダー、メタルビーストはそのほとんどが吹き飛ぶ。
竜馬が呟く様に言った。
『……隼人。来やがったか』
陸上戦艦バヴェル・タワー、通称タワーか。南の海上から、下部のフロート機構で浮上走行して、真ドラゴン目掛けて突撃して来る。周囲にはあのシュワルツ氏のステルバーを中心に、イチナナ式が多数で守っているな。
そこへ早乙女博士の声が響く。
『ドラゴン! ライガー! ポセイドン! 出撃せよ!』
真ドラゴンの腕部分がバラバラにバラけて、その断片が人型ロボットへと変化していく。量産型のゲッタードラゴン、ゲッターライガー、ゲッターポセイドン……。無数のゲッターGが、ミサイル、ビームを放ち、タワーを攻撃する。多数のイチナナ式が、タワーを護って撃墜されて行く。
……やらせてなるか。彼らは連邦軍の中でも、腐っていない奴らだ。それをこんなところで、死なせてなるものか。
ドゴン!! バギン!! ドゴゴン!!
再度真ドラゴン本体に接敵した『わたし』は、パンチと蹴りを連打で見舞う。苦悶した真ドラゴンは、それにより量産型ゲッターGの制御が甘くなる。ステルバーとイチナナ式の集団は、全滅を
しかし真ドラゴンは上体をくねらせて、その不気味な頭部を『わたし』に向ける。敵の額が緑に光り輝いた。
『まじい!』
『
『くっ……』
アムロ大尉とシャア大佐のリ・ガズィBWSから、メガビーム砲の強圧的な光条が
わたしの傍らを、極太のゲッタービームが通り過ぎて行く。
【助かった。ありがとうアムロ大尉、シャア大佐】
『何、気にしないでくれ』
そして陸上戦艦タワーが、全力で吶喊してきた。あれはゲッター線の吸収能力を持っているはずだ。それで真ドラゴンを無力化しようという腹なのだろう。だが、タワーでは吸いきれるはずが無い。『わたし』はタワーにテキストメッセージを送りつける。
【待て。もっと敵を消耗させてからだ。バヴェル・タワーがゲッター線の吸収能力を持っているのは、小耳にはさんでいる。しかし今の段階では無理だ】
しかしタワーは動きを止めない。そして思いっきり真ドラゴンに体当たりをした。くそ、無理だと言っているのに。
タワーはアームを伸ばして、真ドラゴンに突き刺す。そしてゲッター線を吸収し始めた。量産型ゲッターGの群れがタワーにまとわりつき、攻撃を加える。その量産型ゲッターGを、ステルバーとイチナナ式、それにウチのブラックゲッターや
タワーは満身創痍になりながら、ゲッター線の吸収を続ける。真ドラゴンから、早乙女博士の罵声が上がる。
『おのれ隼人! だがその程度では無駄、無駄、無駄よ!』
く、今がチャンスなのだが。インベーダーやメタルビーストは全滅し、量産型ゲッターGもこちらに注意を向けていない。だがタワーが真ドラゴンに組み付いているために、『大技』が使えん。
と、タワーの一部が爆発を起こした。そして他の部分に、連鎖的に爆発が広がって行く。ゲッター線を吸収していたアームも、吹っ飛んだ。
『く、駄目か! 総員退艦! 各部脱出装置を使い、脱出せよ!』
『隼人ぉっ!!』
タワーを構成しているあちこちのブロックが射出され、タワー本体から離脱して行く。そして陸上戦艦バヴェル・タワーは、次の瞬間大爆発を起こした。
その爆炎の中、真ドラゴンはゆらりと蠢いていた。まるで炎を気にしていないかの様に、ただただ立ち尽くしている。早乙女博士の声が響いた。
『くくく、愚かな。隼……』
うるさいよ。もう喋らないでくれ。頼むから。『わたし』は腹部装甲を展開し、『砲門』を開く。そしてテキストメッセージではなく、『声』をもって大音量で叫んだ。
『グラアアアビトオオオォォォン!!』
『な、何っ!?』
腹部の
『馬鹿な! 真ドラゴンが! ええい、ここは撤退させてもらうぞ!!』
『待ちやがれジジィ! ぬお!?』
次の瞬間、真ドラゴンの残骸は無数の量産型ゲッタードラゴン、ゲッターライガー、ゲッターポセイドンに分裂する。そして四方八方に向かい、文字通り四散した。
『わたし』たちは量産型ゲッターGの群れを、可能な限り駆逐した。だが大半に逃げられてしまう。
『く……。逃げやがったか……。畜生……。ちっくしょおおおぉぉぉ!!』
竜馬の叫びの残響が、この戦いの終わりを告げた。
ちなみに真ドラゴンですが、ゲーム的にはグラビトンで撃墜されてます。スパロボでよくあるパターンで、撃墜して資金と経験値とPPとかが入った後で、敵ボスが撤退エフェクトで消えるアレです。
ちなみに【幸運】や【祝福】、【努力】や【応援】はありませんが、ファ・ユイリィが【希望】の精神コマンドを持ってるのでソレかけて【必中】【魂】グラビトン撃ちました。