大鉄人戦記   作:雑草弁士

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第014話:狂気の科学者Dr.ヘル、そして……

 今『わたし』たちは宇宙空間、衛星軌道上でINFINITYの再出現に備え、待機していた。地上からは連邦軍との通信用に設定しなおしたチャンネルに、随時情報が送られてくる。

 Dr.ヘルが狙いそうなのは4箇所。先日INFINITYを奪われた際に攻撃を受けた富士光子力プラント、それ以外の中では最も規模の大きい北米光子力プラント、規模は中程度だが逆に駐留戦力が少な目でねらい目かもしれない欧州光子力プラント、規模が最小とは言えども設備としては最新型に近い南米光子力プラント。

 

 何処にDr.ヘルとINFINITYが出現するかは分からないが、発見しだい即座に向かう事ができる様に、『わたし』たちも準備を整えていた。まあキャンベル大将からの連絡待ちだけでなく、ネットワークに介入してニュースをチェックしたり、現地の連邦軍の通信を傍受したり、色々やっているんだが。

 実は他にも今現在、重力子砲(グラビトン)の連射不可能問題をクリアするために、ちょっと思いついた事を試してもいる。チャージ時間が長いのをなんとかするタイプの、抜本的な対策ではないんだが。ある意味場当たり的だが、効果は低くないだろう。

 

 艦橋(ブリッジ)にいたシロウが同じくその場にいた甲児に向かい、溜息の様な力のない口調で言う。

 

 

「……光子力プラント(コレ)、本来はよぉ。もっと世界中のあっちこっちに建設されるはずだったんだろ? 甲児さんよ」

 

「ああ。数々の戦乱で疲弊した世界を立て直す、渾身の計画……のハズだったんだ。だが人類は、互いに足を引っ張り合い、集められた予算も本来の1/4に満たない。野良機械獣はうろつきまわり、ジオン残党のテロ目標にもなり、ザンスカールからも戦略目標として狙われる始末。

 それでも建設できたプラント周辺には、大量のエネルギーが供給できて、人類復興の足掛かりができた。首の皮一枚で、崖っぷちで、人類を助けられる。そう思っていたんだがな」

 

 

 悔しそうに言う甲児に、だがシロウは一転して力強く語り掛ける。

 

 

「諦めちゃ駄目だぜぇ? 甲児さんよ。……ワンセブンの受け売りなんだが。人類には、人間には、クソ野郎も、クズも、ゴミみたいなのもいる。たっくさん下種どもがいる。だけど、そんなのばかりじゃねえ。熱い心、輝く魂を持った、外見の美醜の意味じゃなく、美しい人が、まだ居るんだ。

 たとえ一握りしか居なくてもいい。そいつらのために、戦おうぜ。甲児さんよぉ」

 

「その通りですマスター! あの『ぼすら~めん』の技術! あの味! あの栄養バランス! あの全ての調和! まさしく人類の叡智(えいち)の味です! なによりも、それをお客に提供するボスさんの心意気と魂……!! アレは失われてはならない物です!」

 

 

 突然割って入ったリサ君だが、甲児はシロウとリサ君に笑みを向ける。その瞳に、迷いはない。

 

 

「……ああ。そうだ、その通りだ!」

 

 

 いいものを、見せてもらった。だがそんな時に、ちょうど無粋な奴が湧いて出た様だ。『わたし』は全艦に放送を行う。

 

 

『地上の連邦軍から連絡があった。INFINITYおよび機械獣軍団が、北米光子力プラントに出現。地上のネットニュースでも確認できた。幸い当艦の軌道位置は、北米への突入軌道に最適だ。最短時間で降下可能。

 総員、戦闘配置。機動兵器搭乗員は、各々自機にて待機されたし。これより当艦は北米光子力プラントへ降下する』

 

「来やがったか!!」

 

「ああ、行くぞ!」

 

「了解です、ご主、マスター!」

 

「生きたコンピューターでも、クセが残るってあるんだな」

 

「高性能ですし!」

 

 

 彼らは格納庫へ走る。ブリッジクルーの面々も、急ぎ配置についた。彼らは『わたし』が艦から離脱して単体戦闘をする場合に、艦を制御(コントロール)してもらわないといけないからな。

 

 

 

*

 

 

 

 艦首にビーム・シールドを展開し、限界ぎりぎりまで制動を遅らせて大気圏に飛び込む。しばし後『わたし』たちは、北米光子力プラントを目視で確認した。そのド真ん中に全高600mの巨大なマジンガーっぽいロボットが屹立(きつりつ)し、センサー群によればプラントから光子力エネルギーを吸い上げている。

 周囲には機械獣軍団が展開し、近隣より駆けつけて来た連邦軍のジェガンやイチナナ式と戦っている。その中に、ステルバーの姿があった。

 

 

『へぇ、シュワルツの奴も頑張ってるじゃねえか!』

 

【これよりシグコン・シップは敵中に吶喊する。各機は発艦準備されたし】

 

『『『『『『了解!!』』』』』』

 

【弁慶、すまないがステルバーに通信を頼む】

 

『わかったぁ! 聞こえるか、ステルバー。こちら地球連邦軍少佐、車弁慶。特別任務にて、INFINITY攻略を任されている。奴の攻撃力は桁が外れている。奴の相手は任せて、支援に専念、距離を取ってくれ』

 

 

 ステルバーからは即座に返答が来る。

 

 

『こちらシュワルツ少佐……。貴様か、弁慶。竜馬、隼人も居るのか……。貴様らの手を借りねばならんなど、腹立たしいが……っ!?』

 

『シュワルツ! ステルバー! おい応答しろ!』

 

 

 望遠映像の中で、ステルバーが必死に回避運動を取る。INFINITYが周囲にワームホールを生成し、それを通じてパンチやキックを飛ばして攻撃したのだ。一撃ごとに数機のジェガンやイチナナ式が吹き飛び、爆散する。

 

 

『なんでもない! こちらにかまうな! 支援はしてやるから、貴様らはあのデカブツを、うぉっ!』

 

【艦首ビーム・シールド再展開完了。これより当艦は敵に吶喊(とっかん)する。機動部隊、発艦準備。『わたし』は敵ブラスターインフェルノを妨害するため、甲板上にて重力子砲(グラビトン)発射準備に入る。艦の指揮は副長に移譲】

 

『こちらケイン副長、了解! 操舵士、操艦を引き継げ!』

 

『こっちゃ操舵士、アイハブコントロール!』

 

『こちらセンサー手! INFINITYがミサイルを発射! 多数、いえ無数!』

 

『戦闘オペです! 各機、発艦は待ってください! ミサイルが来ます!』

 

 

 まずいか? 敵はミサイルの集中砲火でこちらの動きを封じて、その隙にブレストインフェルノを発射するつもりだ。前回重力子砲(グラビトン)でブレストインフェルノを妨害したから、それの対策か。艦首のビーム・シールドを張ったままだと、重力子砲(グラビトン)が撃てない……。

 わたしは『戦闘ワンセブン』形態に変形し、甲板に仁王立ちになる。

 

 

【副長、艦首ビーム・シールドを解除】

 

『ワンセブン! それではミサイルが!』

 

【シグコン・シップも『わたし』も、あの程度のミサイルでは致命傷を負わない。かなり痛いは痛いがね。だが、ブレストインフェルノは駄目だ。ビーム・シールドがあっても、こちらは撃沈必至だ。死中に活を求めよう】

 

『……了解っ! 戦闘オペレーター! 艦首ビーム・シールド解除!』

 

『りょ、了解!!』

 

 

 そして艦首のビーム・シールドが解除される。ミサイルから艦を護るのは近接防御火器のみだ。多数のミサイルが撃墜され爆炎を上げるが、それでも100%を迎撃できるわけじゃない。シグコン・シップにも『わたし』にも、多数着弾する。

 

 

ドゴオン!! ドガアン!!

 

 

『ひるむな!』

 

『キャアアア!』

 

 

 そしてINFINITYの胸部パネル……放熱板にエネルギーが集中し、紅く光り輝く。ブレストインフェルノが発射された。しかしこちらも重力子砲(グラビトン)の砲撃準備は完了している!

 

 わたしはテキストメッセージではなく、『声』をもって叫ぶ。

 

 

『グラアアアビトオオオォォォン!!』

 

 

 発射された高密度の重力子が、INFINITY胸部直前の空間そのものを攻撃する。高重力場で空間が歪み、ブレストインフェルノの超高熱線は直進することができない。赤く輝く熱光線は、天空の彼方へと方向を捻じ曲げられて消えて行く。

 

 

【今だ。機動部隊、出撃】

 

『了解だ! やってくれやがったなぁDr.ヘル! シロウ・サハラ、ヒュッケバインNext、いっくぜえええぇぇぇ!!』

 

『ゲッターチーム、真ゲッター1、行くぞ! おりゃあああぁぁぁ!!』

 

『アムロ、リ・ガズィBWS、いきます!』

 

『シャア・アズナブル、リ・ガズィBWS、出るぞ!』

 

『カミーユ、Ζガンダム! 出ます!』

 

『ファ・ユイリィ! 百式R! 行きます!』

 

『シロー少尉、イチナナ式だ! 出るぜ!』

 

『剣鉄也だ、グレートマジンガー発進する! マジーン・ゴオォ!!』

 

『兜甲児とリサ、マジンガーZ! マジーン・ゴオオオォォォ!!』

 

 

 一斉に、機動部隊が展開する。周囲のアシュラーP1、ブロッケーンT9、機械獣軍団がその行く手を阻もうとするが、それをシュワルツ氏たち連邦軍が引き受けてくれた。

 

 

【各機、二手にわかれてINFINITYの左右から攻撃を。当艦は正面から行く。ねらい目は、頭部の地獄大元帥、Dr.ヘルだ】

 

『『『『『『了解!』』』』』』

 

 

 そしてDr.ヘルの声が周囲に響き渡る。

 

 

『くくく、来たか兜甲児。懐かしいな、マジンガーZに乗った、その姿は……』

 

『Dr.ヘル! 生き汚くこの世に舞い戻って来た様だが、また地獄へ送り返してやる! お前にはその名の通り、地獄がお似合いだ!』

 

『ふふふ、お前は変わらぬように見えるが、だがそうでもないのかな? お前も成長して、理解しているはずだ。お前たちはかつて、我々を倒した。そうすれば理想の世界が訪れるとでも、思っていたのだろう?

 なれど、どうであったか?世界復興の望みをかけた光子力プラント計画は、各国や各勢力の足の引っ張り合いで規模を大きく縮小。地球圏はおろか、火星圏、木星圏においても人類同士の争いは()まぬ』

 

 

 Dr.ヘルは嘲笑する様に言う。その間も、INFINITYも機械獣軍団も、激しく攻撃を行っている。無論甲児のマジンガーZも、問答(もんどう)の間も攻撃の手を休めはしていない。

 

 

『人類とはその様なものなのだ。人類は多様性というこの上無い武器を使いこなせずにいる。多様性と言う武器こそが、この窮地(きゅうち)に於いてすら一つにまとまれぬという弱点になっておるのだ。

 しょせん人類は、その程度の物なのだ。やはりこの世は存在に値しない。わたしが世界を創りなおしてやる』

 

『何!?』

 

『新たな世界こそ、我らにはふさわしい』

 

【天才が行き過ぎて、紙一重を突き抜けて馬鹿になったのかね? Dr.ヘル】

 

『何っ!?』

 

 

 その瞬間、シグコン・シップが艦首ビーム・シールドを再展開し、そのシールド形状を円錐状に変形させてINFINITYの胸元に突撃をくらわせた。更に(ゼロ)距離でショック・カノン、ミサイル、機関砲を連射。

 INFINITY胸部の放熱板が大破し、飛び散る。たぶん自己修復能力は持っているんだろうが、それが済むまでブレストインフェルノは封じられた。シグコン・シップは急速後退する。

 

 

【視点がマクロ過ぎて、大きな物しか見えなくなっているんじゃないかね? 『わたし』が戦っているのは、『人類』なんて大きな曖昧な物のためじゃない。その中にいる、例えて言うならば兜甲児の様な、美しい人のためだよ。

 人類同士が(みにく)相争(あいあらそ)い、殺し合う。当たり前すぎて、人類や世界に愛想を尽かすのも分からなくもない。けれど、それと世界を滅ぼすのは別次元の事だ。『わたし』は個々の、一人一人の人間を、美しい人間たちを消されてしまうのは、断固御免被(だんこごめんこうむ)る】

 

『そのようなもの、論ずるに足らぬわ!』

 

【それは結局、お前個人の考えに過ぎないだろう? まさにお前の言った、多様性の悪い側面じゃないか。お前は結局、自分一人を高い位置に置いているだけの、お山の大将だ。

 賭けてもいいぞ。お前はお前の気に入る『新たな世界』とやらを創ったところで、しばらくすればソレに飽きる。そしてソレを消して、また『新たな世界』を創るだろう。けれど何度繰り返したところで、お前の求める物は手に入らない。……お前自身が、『足りてない』からなんだよ、紙一重を突き抜けてしまったご老体?】

 

 

 そしてマジンガーチームが雄叫びを上げる。

 

 

『……そんな事のために、この世界を消させちまうわけにゃ、いかねえなあ!!』

 

『応! いくぞ甲児! シロー!』

 

『踏ん張れ、イチナナ式!』

 

 

 INFINITY頭頂部に、マジンガーZ、グレートマジンガー、イチナナ式が到達する。3機は一斉に、その胸部放熱板を赤く輝かせた。

 

 

『『『トリプル! バーニング! ファイヤー!!』』』

 

『甘いわあ!』

 

 

 Dr.ヘルの操縦で、INFINITYの腕が頭頂部の地獄大元帥を(かば)った。そしてそのまま3機を殴り飛ばす。甲児、鉄也、シローは必死で避けた。そしてミサイルサイクロン。

 INFINITYの全身から、周辺に向けて無差別に、圧倒的多数のミサイルが降り注ぐ。味方各機は、必死でそれを回避した。まあ中には『わたし』の様に命中するに任せて敵に取り付こうと前進した者もいるが。

 

 

 

*

 

 

 

 ……その瞬間『わたし』の(センサー)は、天空からこちらに降って来る流星を捉えた。それは明らかに、こちらを目掛けて落ちて来る。いや、『降りて』来る。

 そして『ソレ』は、ぐんぐんとこちらへ向かい飛んで来る。どうやら円盤状の機動兵器ではないだろうか。……いや、アレは。

 

 

 

 

*

 

 

 

 青年の声が響き渡る。

 

 

『ダイザー・ゴオオオォォォ!! 反重力ストーム!!』

 

『ぬっ!? ぬあああっ!?』

 

 

 唐突に戦場に乱入して来たその機動兵器が、反重力場を発生させる光線を、胸元から最大出力で放つ。それはINFINITYの片脚を捕らえ、それを高々と宙に打ち上げた。

 600mもの巨体が、ド派手に転倒する。下敷きになって、多数の機械獣が爆発した。兜甲児が叫ぶ。

 

 

『大介さん……。デューク、デューク・フリード!!』

 

『ひさしぶりだ、甲児君。だが再会を懐かしむのは後だ! そうだろう?』

 

 

 上空をスペイザーがフライパスして行く。それを背に雄々しく立つのは、UFOロボ・グレンダイザーだ。

 

 

『……ああ! デュークが来てくれたなら、百人力ってもんだ! 鉄也、シロー、奴が転んでいる今がチャンスだ!』

 

『もういちど、トリプル・バーニング・ファイヤーを見舞うぞ!』

 

『わかってらい! いっけえええぇぇぇ!!』

 

 

 マジンガーチーム3機から、凄まじい熱量の熱線が放たれる。必死に両手で頭頂部を庇うINFINITYだったが、起き上がる事ができないでいる。……そう、INFINITYは今、転倒しているのだ。そしてINFINITY頭部脇の地面から、出現した物があった。

 

 

『美味しいところを貰ってしまうが、悪く思うなよ』

 

『やっちまえ、隼人!』

 

『腕が鈍ってないところ、見せてもらうぜ』

 

『な、何っ!?』

 

 

 土中から出現した真ゲッター2は、その勢いでINFINITY頭部の地獄大元帥に躍りかかった。腕の巨大なドリル切っ先が、地獄大元帥の頭部を狙う。

 

 

『……目だ! 耳だ! 鼻ぁ!!』

 

『ぐわっ! お、おのれっ! ヘル・サンダー!! 地獄ハリケーン!!』

 

『うおっ!?』

 

 

 角から放射されたヘル・サンダーは回避したものの、真ゲッター2は腹部ベルトバックル部分から放出された竜巻、地獄ハリケーンに飲まれて吹き飛ばされる。しかし地獄大元帥の強力な武器である、目から投射される光子力ビームにも勝る地獄ビーム、耳から発射されて超合金ニューZをも溶かす溶解弾は、これで封じられた。

 

 

『おのれ、だがINFINITYは……!?』

 

 

 そして『わたし』の出番、だ。『わたし』は『戦闘飛行ワンセブン』形態になって、腹部装甲を展開し、INFINITYの上空に浮上していた。『わたし』は叫ぶ。

 

 

『グラアアアビトオオオォォォン!!』

 

 

 腹部の砲門が重力子の(たば)をINFINITYの胴体に叩きつける。必殺兵器、重力子砲(グラビトン)だ。Dr.ヘルが狼狽した声を上げた。

 

 

『馬鹿な! 連射が可能なら、何故前回に用いなかった!?』

 

 

 それはね? 前回は連射が不可能だったからだよ。と言うか、今も『わたし』単体では不可能だがね。

 『わたし』は胸部装甲……『17』の文字が刻印されている部分を解放する。そして飛来する、シグコン・ジェットⅢ。偵察機タイプのシグコン・ジェットⅡと違い、シグコン・ジェットⅢは比較的大型の、高速輸送機タイプだ。何を輸送しているかと言うと……。

 

 そしてシグコン・ジェットⅢは、まるで006P電池の様な形をしたカートリッジを射出する。『わたし』がそれと同型のカートリッジを胸部装甲の中から排出すると、射出された新たなカートリッジが、そこにぴたりと収まった。

 そして瞬時に、重力子のチャージ状態が容量フル状態になる。そう言う事だ。重力子のチャージに10時間かかるなら、ハイパー電童デンチ方式であらかじめチャージ済みのカートリッジを用意しておいて、随時取り換えればいいのだ。

 

 

【連発、だ】

 

『グラアアアビトオオオォォォン!!』

 

 

ド……ッガアアアァァァアアアァァァン!!

 

 

 再度『わたし』の雄叫びが響き渡り、この戦場で3度目の重力子砲(グラビトン)がINFINITY胴体に叩きつけられる。INFINITY胴体は大爆発を起こした。ちなみに用意してあった重力子カートリッジは、もう無い。これで重力子砲(グラビトン)は正真正銘の打ち止めだ。

 

 

『やった……!! やったぞ!!』

 

『勝った!!』

 

【待て、油断するな。万が一再生する可能性を残してはならない。各員、全開射撃。シグコン・シップも砲撃を】

 

『『『『『『りょ、了解!』』』』』』

 

 

 グラビトン・ライフルが、ゲッタービームが、メガビーム砲が、ハイパー・メガ・ランチャーが、ロング・メガ・バスターが、サンダー・ブレークが、ブレストファイヤーが、スペース・サンダーが、ショック・カノンが、INFINITYの残骸に叩き込まれる。INFINITYは連鎖的に爆発を起こし、崩壊して行った。

 

 と、その時である。爆発の中から1体の戦闘機械獣の影が現れた。……Dr.ヘル操る地獄大元帥である。だがそれはあちこち小破し、火花と煙を噴き上げている。

 

 

『おのれ、おのれ! だがまだ終わらぬわ。INFINITYのデータは取った。これを元にして、隣接次元よりINFINITYが破壊されなんだ可能性を召喚し、復活させて見せようぞ!』

 

『Dr.ヘル!! いい加減に観念しやがれ!』

 

『そうはいか……』

 

 

 次の瞬間、閃光を(まと)った円環が飛翔した。それは背後より地獄大元帥の首を、本体から斬り飛ばす。ヒュッケバインNextの、リープ・スラッシャーだ。

 

 

『な、何ぃっ!?』

 

『今だぜぇ! 甲児さんよぉ!!』

 

『ありがたい、シロウ!! くらえ、鉄拳!! ロケットパアアアァァァンチ!!』

 

 

ドッガアアアァァァン!!

 

 

 Dr.ヘルが乗ったまま、地獄大元帥の頭部はロケットパンチに撃ち抜かれて爆散する。あまりにあっけない、Dr.ヘルの最期(さいご)であった。いや、もしかしたら隣接次元から、また自身が滅びなかった可能性を召喚して復活するかもしれん。後で甲児に注意喚起しておこう。

 

 ……それよりも、今は。

 

 

 

*

 

 

 

 崩壊し、炎を上げるINFINITYを背後に、グレンダイザーはゆっくりとこちらを向いた。マジンガーZが、一歩前に歩み出る。

 

『デューク・フリード……。また会えて、嬉しいよ。だけど、どうして? 今はフリード星の復興のため、少しも手が離せない時期じゃないのかい?』

 

『甲児君。その通りだ。……本来なら』

 

『本来なら?』

 

 

 そしてグレンダイザーの後方に、ゆっくりとスペイザーが着陸する。デューク・フリードは(おもむろ)に語り出す。

 

 

『僕のことを知らない人も多そうだ。自己紹介がてら……。

 フリード星から来た。……僕の名はデューク、地球は狙われている!』

 

『『『『『『!?』』』』』』

 

 

 ちょっと待ってくれ。それは番組が違わないか。

 思わず現実逃避をしたくなった『わたし』だった。




この話数でやりたかった事は3つ。

その1、ハイパー電童デンチ形式でグラビトン(ファイナルアタック?)連打する主人公の魔改造ワンセブン。なんとなく『ダイ大』でシルバーフェザー使って魔法力回復させて、ダイがドルオーラ連発したの思い出す。

その2、目だ、耳だ、鼻!!

その3、アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ君の台詞を剽窃するデューク・フリード(宇門大介)。

思うさま出来て、満足(笑)。と言いたいところだったけれど、少し長くなり過ぎたので、アシュラーP1とブロッケーンT9の戦闘シーンを削らないとならなくなりました(涙)。
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