大鉄人戦記   作:雑草弁士

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第064話:いろいろな少年たち

 滝川君と石津嬢が我々の指揮下に入ってくれる事になったので、改めて彼らの士翼号2機を修復する事になった。いや、戦争から離れて武装解除し、民間人として暮らしてくれても良かったんだが……。

 滝川君が北斗少年に銀河少年、大作少年を見てしまって、義憤に駆られたんだよな。『あんなガキどもが戦わなきゃならないでいるのに、俺だけ後方にゃ行けねえよ』って。ゲームでの初期の滝川君は、もう少し、なんというかヒーロー志向ではあるがチキン入ってたからなあ。成長している姿に、ちょっと驚いたな。うん。

 

 ……ただそれが、幻獣というモンスターに蹂躙されて、滅びに瀕した世界での戦いの結果だと言うのが少しどころではなく哀しいのだが。

 まあそんなわけで、滝川君の決意に同調する形で石津嬢も戦いを決意。それで2人とも、シグコン・シップⅡで預かる事になったわけだ。で、現状彼らの乗機である士翼号、特に大破に近い状態である滝川君の機体を修復するために、2機の士翼号を徹底的に調べているわけだが。

 

 

『……そうか。おそらくこれが、マシンキメラ-001が士翼号を召喚した理由、だな』

 

「なんだこりゃ? いや、光子力反応炉の回路網にも似てるが……。それが機体の両腕部を中心にして全身に描かれているな……」

 

「ほう、甲児には光子力反応炉の回路網に似ている様に見えるか。俺にはゲッター線増幅炉を始めとした、ゲッター炉の回路網にも見える」

 

「隼人にはそう見えるのか。俺には以前見せられた、サイコフレームの電子顕微鏡写真に近いものを感じるよ」

 

 

 機体の解析に協力してくれている甲児、隼人、アムロ大尉が口々に意見を言った。そう、士翼号2機の機体内部には、回路状の呪紋の様な物がびっしりと刻まれているのだ。おそらくこれは、精霊回路だろう。絶技である精霊手(しょうろうしゅ)を用いるための、霊的な回路網である。

 イメージとしては、機体の両拳を揃えて前方に突き出して念じ、青い光線を発射して敵を叩くと言う物だ。言わばロボットによる『遠当て』『百歩神拳』っぽい『技』である。いや『ガンパレード・マーチ』世界では、習得さえしていれば歩兵でも使う事はできるが、威力は落ちるらしい。

 

 と言うか士翼号に使われている他の技術は、今現在我々が保有している技術知識でも理解できる代物が大半だった。まあ元々のこの世界由来の技術だけだと足りない部分もあるが、並行異世界由来の技術知識まで含めれば士翼号そのものは、ほぼ完全に理解ができる。

 逆に技術的に劣っているとは言え士魂号M型だったら、生物部品とか使っている分だけ手が出せなかったりしたかも知れん。手が出せたかも知れんけども。この世界に来たのが士翼号で、よかったと言えるな。

 

 何にせよ精霊回路には、特に破損は無い模様だ。もしこれが壊れていたりしたら、修復の難易度はかなり上がっていたはずである。幸いにも壊れていなかったため、機械的な部分の修復だけでどうにかなる。

 マシンキメラ-001がこの機体を召喚したのは、霊的な技術をどうにか手に入れようとしていたと言う事なのだろうな。もしこれが奴の手に入っていたら……。

 

 そして隼人が士翼号の戦闘データを電脳から抜き出して、目を見開く。

 

 

「これは……」

 

「どうしたんだ、隼人」

 

「このデータが正しければ、滝川陽平と石津萌、あのガキどもは真ゲッターに乗っても楽々耐えられることになる。あの士翼号とかいう人型戦車? それに匹敵する機動力でブン回されてたらしい」

 

「「なんだと!?」」

 

 

 アムロ大尉も甲児も、驚きで目を丸くした。ああ、そうか。彼らはまだ知らなかったな。

 

 

『ああ、3人とも。彼らの世界に於いてはだな。既に普通の人間は幻獣というモンスターのおかげでほとんど生き残っておらず、それと戦うために遺伝子操作で強化されたクローン人間たちが大部分なんだそうだ。

 普通の人間は第一世代、滝川君や石津嬢で既に第六世代だと言う事だよ。……そこまで追い詰められていた世界らしい』

 

「「「……」」」

 

 

 彼らに生殖能力が無い、本当に戦うためだけの存在である事は、別に言わんでもいいだろうな。更に石津嬢については、より一層ひどい年齢固定型クローンだと言う事も、この場では言わんでおこう。

 と、甲児が呟いた。

 

 

「……そんなひどい世界だってのに、やっぱり帰りたいんだな」

 

『それはそうだろうな。彼らにも友や仲間が居た。滝川君も石津嬢も、そんな大事な仲間たちから、おそらく永遠に切り離されてしまったんだ』

 

「う……む。そうだな」

 

 

 その後『わたし』たちは、黙々と士翼号の機体解析を進めた。生産技術的に普通に作るのが難しいパーツもあるが、それも『わたし』の体内工場であれば生産可能だ。これならばすぐに、士翼号は直るだろう。それとこの2機の士翼号は大気圏内仕様の模様なので、宇宙を含めた全領域仕様に改装しておかねばならんな。

 それと彼らの着用していた操縦士(パイロット)用の強化服、たしか『ウォードレス』だったか。あれも色々と痛んでいたし、それに大気圏外には対応してないので、それに相当する大気圏外仕様の物を設計開発して用意してやらないといけないな。でも2人とも歩兵用の『武尊(たける)』型ウォードレスを着用してたってことは、戦車随伴歩兵(スカウト)の経験もあるのか、彼ら……。

 

 

 

*

 

 

 

 シグコン・シップⅡは大きい。だから食堂も幾つもある。そのうちの1つで、電童の操縦者(パイロット)である北斗少年、銀河少年、それにサポートメンバーであるエリス嬢がテーブルに座して何やら話していた。どうも悩みがあるらしい北斗少年から、その悩みの内容を聞き出そうとしているらしいのだが。

 

 

「なあ北斗。お前がなんか悩んでるのは、はたから見ても分かってるんだぜ? 話せねえってのは、そんなに俺たちが信用できねえってのか?」

 

「北斗がそこまで黙るっていうのは、何か重い内容なんだとは思うわ。でも……」

 

「銀河、エリス……。2人が信用できないって事じゃないんだよ。本音を言うなら、僕も2人には聞いてほしいって言うか、正直助けて欲しい。意見、貰いたい。だけどダメなんだ」

 

「「なんで!」」

 

 

 北斗少年は、悄然とした苦り切った様子で肩を落とす。仕方ないので、わたしも話に割り込むとしようか。

 

 

『まあまあ。北斗少年の場合、話すわけにはぜったいに行かないんだ。いや、理由がある』

 

「「「ワンセブン!?」」」

 

 

 3人が驚いた隙に、給仕ロボットを使って三人の前にチョコレートパフェを出してやる。そして『わたし』は彼らに言った。

 

 

『まあ『わたし』に隠し事をするのはシグコン・シップⅡが『わたし』の身体の一部である以上、不可能に近い。だから『わたし』は北斗少年の悩みを知っている。けれど北斗少年がその悩みを話せない理由も、また知っている。

 北斗少年の悩みは、この場に居ない第三者の秘密を知ってしまった事に関するものなんだ。だから、その相手とちゃんと腹を割って話し、互いに納得するところまで行かないと、それ以外の人間には話しちゃいけない事柄なのさ。第三者のプライバシーに関わる問題だ、って事だ』

 

「「な、なるほど……」」

 

 

 銀河少年とエリス嬢は、どうにか納得してくれた様だ。北斗少年は、給仕ロボットに向かい、感謝のしぐさをする。いや、それよりか壁にある『わたし』の意識端末に向けてやってもらった方が……。

 

 

『まあ、それでも感情的に納得のいかない部分はあるだろう。せめて『わたし』にできるのは、おやつを出して慰みにしてもらう事ぐらいかな。パフェのアイス、融けないうちに食べたまえ』

 

「「「ありがとう、ワンセブン!」」」

 

 

 まあ、北斗少年の悩みは、ベガ副司令が母親である草薙織絵女史である事を知ってしまった、という事だからなあ。言うに言えまい。北斗少年には、ベガ副司令と早めに話をする様にはたまに言っているんだが……。言いすぎても彼が困るだけだし。やれやれ、だ。

 

 

 

*

 

 

 

 シグコン・シップⅡおよび僚艦は、今大気圏突入の直前だ。ガルファの別動隊、母艦がアルデバランである事からアルテアとその手の者だと思われるのだが、そいつらが地上は北アメリカの光子力プラントを攻撃したのだ。

 光子力プラントはガルファにとって戦略上優先度はそこまで高く無いはずだ。つまりは我々『スタイシュッツ』、そして何よりも電童をおびき出すための陽動攻撃だと言う事だろう。『わたし』は皆、特に電童の面々に向かい、言葉を発する。

 

 

『全員、奴らがこちらをおびき出すと言うことは、何らかの罠が待ち構えていると言う事だ。充分に注意して、特に電童は仲間との連携を忘れない様にしてくれ』

 

『おう! わかったぜ!』

 

『注意しておくよ、ワンセブン!』

 

『その意気だ、銀河少年、北斗少年』

 

 

 そしてシグコン・シップⅡは大気圏に突入する。独力での完全な大気圏突入能力を持つVF-4ライトニングⅢスカル大隊、そしてカミーユ君のサイコΖガンダムと言った一部MS(モビルスーツ)、スペイザーとドッキングしたグレンダイザー始め一部の特機(スーパーロボット)たちは、先行して独自に大気圏突入していた。ちなみに電童も、独力で大気圏に突入できるため先行して出撃している。

 やがて望遠レンズの直接視界に、光子力プラントが見えて来る。他の機動兵器群も、艦体の緊急冷却が終了しだい電磁カタパルトや重力カタパルト、一部は機械式カタパルトで次々に射出されて行く。だが……。

 

 

『……!? あれは……。今しがた出現したアルテアの騎士GEAR凰牙の両脇に従者の様に控えている機士は!?』

 

『ワンセブン、どうした』

 

【アムロ大尉、すまん。思わず音声に出てしまったか。望遠映像を送る。アルテアの両脇に、何やら今までに無いタイプの機士がいる。何かしら特殊能力がある可能性が高い。電童を絶対に単機であたらせるな。データウェポンも、下手に接触させない方がいい】

 

『……了解だワンセブン。『物語』の件、だな?』

 

『『『!!』』わかったぜ、ワンセブン』

 

 

【感謝する、アムロ大尉、竜馬、隼人、弁慶】

 

 

 今の会話に参加した面々とあと少数は、『わたし』が並行異世界からやって来ていて、いろいろな特機(スーパーロボット)たちの『物語』をアニメや特撮、小説の話として『観測』していた事を知っている。知った上で、色々と問題になりそうな場合を考慮し、黙っていてくれている。

 だからこそ、『わたし』が『本来知っているはずが無い事』も、納得して動いてくれるのだ。そして真ゲッターやサイコΞガンダムAが射出される。彼らは全速力で、アルテアの凰牙と機士2体……機士ロムと機士ラムに向けて飛ぶ。

 

 そう、あの機士ロムと機士ラムは、サイコウェーブでデータウェポンを絡め捕り、強制的にファイルセーブするための機士であるはずだ。『わたし』はその事を、アニメ知識から知っている。なんとしてもそれは避けねばならない。

 そして『わたし』自身も自身をシグコン・シップⅡから切り離し、戦闘飛行ワンセブン形態に変形して、全速力で飛翔した。

 

 

 

*

 

 

 

 ぎりぎりだった。ぎりぎりで、『わたし』たちは失敗した。機士2体のサイコウェーブにドラゴンフレアとガトリングボアが絡め捕られ、奪われそうになり、ベガ副司令の駆るセルブースター2番機が吶喊(とっかん)した事でデータウェポン2体は脱出に成功する。

 しかし代償としてセルブースター2番機が小破して不時着。ベガ副司令がアルテアの凰牙に捕まってしまったのだ。

 

 

『か、返せ! ベガさんを返せ!!』

 

『ほ、北斗!? あ、いやそうだな、こんちくしょう! ベガさんを返しやがれ!』

 

 

 北斗少年と銀河少年は咆える。特に北斗少年の激高は凄まじい。それはそうだ。北斗少年は、ベガ副司令が自分の母親であることを知ってしまっているのだから。『わたし』は、音声で叫ぶ。

 

 

『ワンセブン……クロス!!』

 

『マスタークロス!!』

 

 

 師匠と『わたし』の掌から伸びたビームの布槍術が、ロムとラム2体の機士を絡め捕る。そこへグレンダイザーのスクリュークラッシャーパンチが、マジンカイザーのターボスマッシャーパンチが、2体の機士を破壊。そして北斗少年が叫ぶ。

 

 

『ユニコーン・ドライブ・インストール!!』

 

『フン、仕方あるまい。今日のところはベガを取り戻せただけで、良しとするか』

 

 

 飛翔するアルテアの凰牙。そしてその姿は母艦アルデバランへと吸い込まれて行く。だが電童はそのままファイナルアタックを撃った。

 

 

『ユニコーンドリル! ファイナルアターック!!』

 

 

 渦巻くビームの光条が、凰牙を追って迸る。だがベガ副司令を巻き込むのを避けたためもあるだろう、下半身を狙ったその攻撃は(かわ)されて、背後のアルデバラン胴体に突き刺さる。

 

 

『む!? しまった!? ええいアルデバラン、緊急退避だ!』

 

『逃がすか!!』

 

 

 電童が飛翔、突進する。『わたし』も背中の翼を展開した戦闘飛行ワンセブン形態で、その後を追う。更にその後を、吉良国のセルブースター1番機が飛んだ。

 

 

『で、電童! ちょっとだけ待て! デンチ、デンチを受け取れ! 行くぞ!』

 

『さ、サンキュー吉良国さん!』

 

『りょ、了解……!!』

 

 

 必死の吉良国の努力で、電童のデンチは交換された。やはり北斗少年は焦っている。ファイナルアタックを撃ったのに、デンチの事を失念するなど、いつもの彼とはちょっと違っている。冷静さが、無い。

 そしてVF-4ライトニングⅢが単機で突っ込んで来て、ガンポットを連射。アルテアの母艦であるアルデバランの表面に着弾する。いつもだったらアルデバランはワープっぽい瞬間移動手段で既に消えているはずだが、しかし今回はユニコーンドリルのファイナルアタックをくらったためか、転移に時間が掛かっている模様だ。そこにトッ、違った銀騎士の複製品ビルバインと、ウッソ君のV2アサルトバスターガンダムが加わる。

 

 

『逃がしませんよ!』

 

『ちっ、もう仲間を(さら)わせやしないぜ! いや、ジュドーたちもいつか取り戻すけどよ!』

 

 

 頼もしい仲間たちだ。どうにかアルデバランの足を止められれば。……だが。

 

 

『うわあああぁぁぁ!?』

 

『わあああぁぁぁ!!』

 

『何!?』

 

『し、しまった!』

 

『ま、待て!!』

 

 

 あ、これはいけない、か!? 周囲の空間が歪むのが感じられる。アルデバランの空間転移に、巻き込まれる!

 

 

【全員、離脱しろ。空間転移に巻き込まれるぞ】

 

『んな事言ったって、よおおおぉぉぉ!!』

 

 

 トッ銀騎士の叫び声を背景に、我々は空間の歪みに捕らわれて、何処かへと運ばれて行く。頼むから、せめて転移に巻き込まれた者たちがバラバラにならなければいいのだが……。

 

 

 

*

 

 

 

 そして我々は、いつの間にか宇宙空間に浮いていた。見下ろせば、巨大な蒼い地球が見える。

 

 

【全員、いるかね? 転移に巻き込まれたのは、『わたし』以外は電童、銀騎士のビルバイン、ウッソ君のV2アサルトバスターガンダム、そして命令系統が現状で一条艦長経由だから誰だか分らんが、VF-4ライトニングⅢの君】

 

『あー、俺……。というか自分は、星間移民船メガロード-01所属護衛艦載機部隊スカル大隊大隊長、一条輝少佐です』

 

 

 ……いや、大隊長が単機で吶喊(とっかん)したらイカンだろう。

 

 

【輝少佐だったか。以前の会議以来だったかな、こうして直接話すのは】

 

『そうですね、ワンセブン? でいいのかな』

 

【かまわない】

 

『こっちゃ、銀騎士。ワンセブン! 現在位置わかるか!?』

 

『こちらウッソ! ワンセブン、こっちの通信機だと範囲外みたいで本隊に届かないんですけど!』

 

 

 とりあえず、銀騎士とウッソ君も無事、と。

 

 

【シグコン・シップⅡとはもう通信復旧している。それを通じて、ブライト准将とは連絡を付けている。向こうもこちらの消息が分かって、安堵している模様だ。現在『スタイシュッツ』全艦は、最大戦速でこちらの回収に向かっている途中だ。ちなみに現在位置は、ほぼオデッサ上空の静止軌道上。

 だが問題なのは、近場に電童が居ない事、それとアルデバランも短距離センサー範囲内には居ない】

 

『それは……』

 

『そいつぁヤベぇな』

 

 

 その時、『わたし』の長距離センサーが通信を拾った。『わたし』は急ぎ、その内容を周囲の機体に共有する。だが、その内容はちょっとヤバい状況であった。

 

 

『ふはははははは! 手に入れたぞ、データウェポン!』

 

『そ、そんな……。レオ……。ボア……。北斗のユニコーンやドラゴンまで』

 

『……鹿だ』

 

 

 アルテアの勝利の叫び。そして銀河少年の愕然とした声音。北斗少年の、消え入りそうな悄然とした呟き。……アニメとは前後の成り行きが大きく違うが、それでもおそらくは。アルテアの口車によって動揺し、自分たちの正しさに疑念を持ってしまい、そしてそれにより揺らいだ心のせいでデータウェポンたちと契約を続けていられなくなったのだろう。そして契約を破棄したデータウェポンたちを、アルテアがファイルセーブしたのだ。

 北斗少年も、銀河少年も、安定していた様に見えた。しかしその前提条件として、『スタイシュッツ』の仲間たちや東方師匠などが横に居てくれる事があったのは、想像に難くない。そしてアルデバランの転移に巻き込まれ、せめて『わたし』たちが傍にいたならともかく、単独でおそらくはアルデバラン、アルテアの近傍に出現したのだろう。その心細さも、おそらくはこの事態を招いたのだ。

 

 

【全員、これより電童、北斗少年と銀河少年の救援に赴く。通信電波から割り出した彼らの位置を、各機に転送する。各自、自機に出せる最大速度で向かってくれ】

 

『『『了解!!』』』

 

 

 そして、『わたし』の長距離センサーは更なる通信を拾った。悔し気な、悲し気な北斗少年の叫び。

 

 

『……鹿だ。馬鹿、だ。僕らは馬鹿だ!! ユニコーンやレオたちに見捨てられても仕方のないくらい、僕らは、馬鹿野郎だ!!』

 

『北斗! な、何を! おい、どうしちまったんだ北斗!!』

 

『ふ、ふははは、ははははははは!! 絶望したか!! よかろう、その電童を、GEARをあけ渡せ! さすればこの場での命だけは助けてやろう! まあ、宇宙全ての知的生命体を滅ぼすまでの間だけだが、な!』

 

『北斗!! おいぃ、北斗おおおぉぉぉ!!』

 

 

 今にも泣きそうな、銀河少年の悲鳴。通信を長距離センサーでどうにか拾っているので、こちらからの通信はまず届かない。『わたし』は全力の、全身全霊の速度で宇宙空間を飛んだ。




どうにかこうにか、青息吐息で続編執筆でございます。倒れてましたが、復活して以来いくつかの停止中作品を書き進めておりますです。

あと新作ネタも倒れてる最中に布団の中で思いついたりしてて。新作の欲望と停止中作品続編の欲望とでせめぎあいをしております。

そして前半はガンパレ世界線の子供らがつらたん、って話。後半は電童とベガさんピンチなのと、特に北斗少年折れたか!? って話。北斗少年は本当に折れてしまったのでしょうか? 次回、乞うご期待!
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