大鉄人戦記   作:雑草弁士

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第065話 狙うはアルテア

 『わたし』はエネルギー消費が激しい戦闘飛行ワンセブン形態で、全速力で()ぶ。おそらくだが、どうにかエネルギー切れにならずに目的地にはたどり着けるはずだ。その後の戦闘には少々ばかり問題が出るかもしれないが、間に合わなければどうにもならない。

 長距離センサーからは、耳障りなアルテアの勝ち誇った台詞が入電している。ちょっと腹が立つ……。

 

 

『ふははは、さっさとGEARを、電童を放棄するがいい! さっさとしなければ』

 

『黙れよ』

 

『『な!?』』

 

 

 アルテアと、そして銀河少年の驚愕の言葉が聞こえた。黙れ、と言ったのは北斗少年だ。

 

 

『僕は、さ。僕たちが馬鹿だ、とは言ったよ。だけど、さ? 諦めたなんて、心折れた、なんて一言も言っていないよ……。ねえ、『伯父さん』?』

 

『何!?』

 

『ほ、北斗……』

 

『銀河……。『伯父さん』が言う通り、人間には悪い奴は大勢いる。下手したら、良い人の方が少ないかもしれないぐらいだ。だけど、さ』

 

 

 北斗少年は、訥々(とつとつ)と語る。

 

 

『『伯父さん』が言ったガルファの理屈……。悪者が人間の中にいるからって、さ? 全部滅ぼしていいわけないだろ? ……銀河、ねえ。人間が悪いやついるからってさ。地球人に悪いやついるからってさ。銀河の妹の乙女ちゃん、死んでいいの?』

 

『!』

 

『銀河のお母さん、死んでいいの? 銀河のお父さん、僕のお父さん、エリス、吉良国さん、愛子さん、久美さん、Dr.井上、渋谷長官、死んでいいの? 東方師匠、甲児さん、大介さん、ブライトさん、アムロさん……。大沢先生、伊集院、サラ、金、時田さん、宮城君、篠原さん、中井君、中澤さん……。他にも、いっぱい、いっぱい……。殺されてもいいの?』

 

『そんな、そんな事ねえ!』

 

『そうだよ。そんなこと絶対に、無い。なのに、ベガさん……母さんが宇宙人だったって事に動揺して、アルテアが『伯父さん』だって事に動揺して、一瞬だけでも地球を守る事に疑問を抱いて。そんなの……。ユニコーンたちに見放されても、何の言い訳もできない無様を晒した』

 

 

 北斗少年の声音には、深い悔恨と苦悩が満ち満ちていた。そこに無粋な声が挟まる。

 

 

『フン! そんなもの、論ずるに足らぬわ! すべてはガルファ皇帝の仰せのままに! 全知的生命体は、滅ばねばならぬのだ! これが最後だ、GEARを、電童を引き渡せ! データウェポンの無い貴様らに、勝ち目は無い!』

 

『『黙れ、よ』』

 

『!?』

 

 

 通信電波を通じて、ギャリッ!! という音が伝わって来る。電童の腕か脚に付いているギアを回転させて、攻撃を受け流したときの音に酷似していた。いや、間違いなくその音だったのだろう。

 

 

『ああ、そうだ』

 

『僕らには、もうデータウェポンの助けは無い』

 

『だけど電童の腕は、まだ動く』

 

『だけど電童の脚は、まだ動く』

 

『こ、こやつ、ら』

 

『『まだ電童の五体が動くなら、負ける事は! 無いッ!!』』

 

 

 そして通信可能距離に、ようやく到達した。指向性を高めた通信電波であれば、おそらく届く距離だ。センサーの精密分析範囲にも入っている。母艦アルデバランと、凰牙と、そして電童がしっかりと捕捉できた。ちなみにアルデバランは損傷を回復できずに、宇宙に浮いているままだ。どうやら作動不良にも陥っている模様。

 『わたし』はテキストメッセージを電童に送信する。

 

 

【北斗少年、銀河少年、今助けに行く。ああ、言葉には出さない方がいい。アルテアに対して不意打ちできるなら、した方がいいからね】

 

 

 ようやく確立した映像リンクで、通信画面の中の北斗少年と銀河少年が頷くのを確認する。データリンクで、電童の機体データも確認。損傷、左前腕部装甲に軽度損傷、1%未満。デンチのエネルギー、99.5%……ほぼ満タン。操縦者(パイロット)たちの気合も十分だ。

 

 

『バイパー・ドライブ・インストール!』

 

『『させない! 旋風回転脚!!』』

 

『ぐあっ!? お、おのれっ! だが次もまぐれあたりすると思うな! イリュージョンフラッシュ!!』

 

 

 データウェポン、バイパーウィップの特殊能力で幻を(まと)い、攻撃を(かわ)すつもりか。だが……。

 

 

『『()えるッ!! 旋風回転拳!』』

 

『ぐあっ!? ば、馬鹿な!』

 

『あまいんですよ、伯父さん!!』

 

『東方師匠と比べんのも馬鹿臭いが、あんたパワーやスピードは馬鹿でかいけど、気配があからさまに騒々(そうぞう)しくて、気配辿れば幻と本体が見え見えなんだってばよぉ!!』

 

『馬鹿な、馬鹿なぁッ!! お、おのれ、ならばっ! バイパーウィップ! ファイナル……』

 

 

 唐突に北斗少年が、アルテアに話し掛ける。その声音はいかにも普通に、何の気なしに、という感じだ。

 

 

『ねえ『アルテア伯父さん』、あなた母さんが地球にいるって、最初から知ってたんですよね? で、サイド1宙域で僕らや『スタイシュッツ』と、そして母さんと戦いました、よね?』

 

『ぬ? 今更情に訴えかけようとでも』

 

『その時の事、思い出してくださいよ。あなた、あのとき母さんの顔を見て、どうなりましたか?』

 

『な……。な、え、あ!? あ、あ、あああ、あ゛あ゛あ゛!?』

 

 

 北斗少年はたたみ掛ける。銀河少年は、空気を読んで、というか北斗少年に考えがあるらしい事を感じ取ったのだろう、黙っている。

 

 

『あなたはあのとき、母さんの顔を見て、『母さんを知らなかった』!! だけど『母さんを思い出した』!! そして『存在しないはずの妹がいる』ことに驚愕し、混乱し、錯乱した!』

 

『や、やめろ』

 

『そりゃそうです。あなたの記憶は、あなたの頭の中は、ガルファ皇帝に(いじ)り回されてる! あなたは作られた記憶で、ガルファ皇帝に従ってる! だけどガルファ皇帝は、あなたを裏切ってる! 記憶をいじって洗脳してる! その証拠が、あなたの記憶の矛盾だ! あのときあなたは確かに『母さんを知らなかった』! なのに今のあなたは『母さんが地球にいる事を最初から知っていた』!』

 

『やめろ、やめろ、やめろおおおぉぉぉ!!』

 

 

 ようやくわたしの(カメラアイ)で捉えられる距離まで来た。その瞬間、騎士GEAR凰牙の腕から光を放って、バイパーウィップが離脱するのが観える。なるほど、アルテアの自分に対する『自信』、ガルファ皇帝に信頼されているという『自信』、全てに対する『自信』が、少なくともこの一瞬、大きく揺らいだ、か。

 

 

『ファイルセーブ! バイパーウィップ! バイパー・ドライブ・インストール!』

 

『がぁっ!? し、しまった……。ぐああぁぁ……。あ、頭、が』

 

『やったな北斗! バイパーウィップ、奪い取ったぜ!』

 

『……アルテア伯父さんの洗脳それ自体は、母さんが地球に逃げて来たあたりの時代からもうン十年も掛けて作られてきた、強固な物さ。だけど、それが母さんにサイド1で出会ってしまって、壊れかけた。あの頃までは、本当にアルテア伯父さんは、母さんの事を『知らなかった』んだ。

 だけど洗脳が壊れかけたから、前回から長くても1ヵ月も無い間に再洗脳したんだ。母さんの事を『最初から知ってた』ってね。だったら、再洗脳短すぎてどっかにミス無いかな、と思ったんだよ。……少なくとも、以前のアルテア伯父さんの戦闘経験潰すわけないと思ったから、戦闘と思いっきり関わってるサイド1の事件関係なら、と……』

 

 

 そして凰牙がゆっくりと体勢を立て直す。

 

 

『お、おの、れ……。こうなれば電童などいらぬわ。く、ユニコーン・ドライブ・インストール! ……貴様のお大事の、このユニコーンドリルで、あの世へ送ってくれる!』

 

『ユニコーン……』

 

『ごめん北斗。俺、今お前の伯父さん、性格悪ぃって思っちまった』

 

『気にしないで銀河。僕も思ったから。できればガルファ皇帝に作られた性格であってほしいな』

 

 

 そして電童もまた、バイパーウィップを高く掲げる。だがこのままでは双方のファイナルアタックがかち合って、双方無駄撃ちに終わるだろう。そして母艦アルデバランが近くにあるこの状況だと、もしかしたら凰牙だけがデンチ交換して復活する危険すらある。

 ……そうは、させるか。『わたし』はテキストメッセージを電童に送信する。

 

 

【2人とも。ファイナルアタックを撃つタイミングを、一拍だけ遅らせてくれ。作戦がある。わたしを信じろ】

 

 

 通信画面の中で、北斗少年と銀河少年が頷くのが見える。

 

 

『ユニコーンドリル!! ファイナル!! アタック!!』

 

『『バイパーウィップ……』』

 

『遅いわ! 砕け散れ、電童!!』

 

 

 騎士GEAR凰牙の右腕に装着されたユニコーンドリルから、渦を巻いた光条が放射される。それはバイパーウィップを左腕に装備して振り上げた電童へと迫る。……様に見えた。

 まあだがその時、『わたし』がまったくの減速無しで、宇宙航行速度のまま2体のGEARの間に割り込んでいなければ。その時わたしが腹部重力子砲(グラビトン)発射口のシャッターを、裏表反転させていなければ。

 

 

『な、貴様は!?』

 

 

 腹部重力子砲(グラビトン)発射口のシャッターは、表面は対物理対エネルギーの装甲板だが、裏面はビーム兵器や光線兵器に対する反射板となっている。しかも効率は極めて高い。

 すれ違いざま、『わたし』はその腹部でユニコーンドリルのファイナルアタックを受けた。当然の結果として、ユニコーンドリルのファイナルアタックはほぼ100%の高効率で反射され、凰牙に直撃する。

 

 

『があああぁぁぁッ!?』

 

『……ファイナル!! アターーーック!!』

 

 

 電童の頭上でブンブンと振り回されていたバイパーウィップが、(いかずち)を纏いつつ凰牙に直撃した。連続して2発のファイナルアタック直撃を受けた凰牙は、そこかしこに破口を開けて放電を発しつつ、漂流を開始した。と、凰牙から光が次々に5つ分離して、離脱して行く。

 

 

【データウェポンか。2人とも、急げ】

 

『わ、わかったよワンセブン! ファイルセーブ! ユニコーンドリル! ドラゴンフレア!』

 

『俺も! ファイルセーブ! レオサークル! ガトリングボア! ブルホーン!』

 

 いったん失ったデータウェポンを全てと、アルテアが契約していたデータウェポン全てを契約し直した2人は、アルテアの母艦アルデバランに向かい飛んだ。損傷のためか今まで動きの無かったアルデバランが、普段よりもゆっくりとした動きで凰牙を回収しようとする。しかしそれは『わたし』が許さない。

 『わたし』は凰牙を()っ攫うと、アルデバランから離れる様に飛ぶ。そこへようやくの事で追いついて来たウッソ君のV2アサルトバスターガンダム、トッもとい銀騎士の複製ビルバイン、そして輝少佐のVF-4ライトニングⅢが現れた。

 

 

『おいおい、必死で追いついて来たのに、終わっちまってるのかよ』

 

『いや、母艦がまだです』

 

『なら、ここは……』

 

【待ってくれ。(さら)われたGEAR副司令のベガ女史が、まだ発見されていない。電童が突入を試みているのからして、おそらくあの母艦……。アルデバランの中に幽閉もしくは軟禁されていると思われる。『わたし』は図体が大き過ぎて艦内の捜索は無理がある】

 

 

 そこまでテキストメッセージを送ると、彼らは分かってもらえた様だ。

 

 

『わかりました!』

 

『了解、オーラバトラーは小さいからな。こいつなら楽勝だろ』

 

『俺も了解しました。ただ、機関部は今のうちに破壊した方が良いかもしれません。突然フォールド……じゃないか、ワープで何処かへ捜索中に()ばれでもしたら』

 

【何故か輝少佐が言うと、説得力を感じるな。わかった、君たちは電童と突入を。わたしが機関部破壊を行う】

 

 

 そして『わたし』は、艦内に突入する電童以下の彼らを見送ると、半壊凰牙を抱えたままでアルデバランの背後に回る。アルデバランは『わたし』というよりは凰牙を追って、ゆっくりと回頭を始めた。だがそうさせるつもりは毛頭無い。『わたし』はテキストメッセージではなく、叫んだ。

 

 

『グラアアアビトオオオォォォン!!』

 

 

 アルデバランの艦尾が、粉砕され崩壊する。まああそこの部位には生命反応は無かったので、おそらく居てもガルファだけであったろう事は確実だ。やがて電童、V2アサルトバスターガンダム、ビルバイン、VF-4ライトニングⅢが艦内より脱出して来た。

 

 

【救出は?】

 

(かあ)、いやベガさんは発見したけど、電童のコクピットにはちょっと操縦方法の都合から入れづらくて』

 

補修作業口(メンテナンスハッチ)に入ってもらうのもアレだってんで……』

 

【ああ、まあ理解はできる。MF(モビルファイター)みたいなモーショントレース操縦の機体に相乗りは、避けたいだろうな。下手すると傍に立ってるだけで間違って殴る蹴るされたり】

 

 

 うん、少なくともGガンダムやノーベルガンダムに相乗りはしたくない。電童も、たぶん似たようなもんだろう。となると?

 

 

【では誰の機体に? 輝少佐のVF-4ライトニングⅢじゃないのは分かるが。あれはキャノピー開放しないと余裕が無さすぎる。狭いからね】

 

『えっと』

 

『ビルバインに乗ってるぜ。狭くて戦闘機動はできねえけど、レバーとペダル操作なら、そこまで無理じゃねえからな』

 

【そうかね】

 

『ぐふふ、それにちょこっとだけ役得が』

 

 

ドゴォ。

 

 

 何かヤバい打撃音というか、生ゴミが詰まったずぶ濡れのズダ袋を地面に叩きつけたかの様な音がして、ビルバインの機動が変になった。というかヨロヨロしてる。V2アサルトバスターガンダムが、それを支えた。通信画面の中でウッソ君がしょっぱい顔になっている。

 

 

『わたし、これでも既婚者で子持ちなのよね。そういう事、言わないでもらえるかしら』

 

『ごっほ……。うぇ……。りょ……かい……しまし、た』

 

『はいよろしい。いい子ね、銀騎士君?』

 

 

 ナマンダブ、ナマンダブ、死んでも命があるように、アーメン。

 

 

 

*

 

 

 

 ちなみにアルデバランは、同じく既婚者子持ちの輝少佐が、VF-X4ライトニングの最強兵器である反応弾で、一瞬で沈めた。凄い威力だった。でもその輝少佐も、通信映像の中で顔が引き攣っていたりする。

 

 

 

*

 

 

 

 その後しばらく宇宙空間で、エネルギー節約のために黙って浮いていた。なお宇宙空間に於いて、一番耐久性の高いのは『わたし』である。よって太陽から陰になる様に、他の機体群を庇って影に入れてやっていたりする。『わたし』の次に図体がでかい電童は、さすがに無理があるが、『わたし』とほぼ同等に近い宇宙線や太陽光太陽風などへの耐久性があるので、わざわざ陰に入れてやる必要も無い。

 とりあえずビルバインあたりが乗員数オーバーしてるので、即席で超生産能力で接続パイプ作ってこれも超生産能力で生成した空気(エアー)を『わたし』の機体(からだ)から送ってやった。他の機体は、充分にシグコン・シップⅡや他の艦が迎えに来るまで、余裕をもって間に合ったのである。

 

 

「本当にご心配をおかけしました皆さん」

 

『いや、無事で良かった』

 

 

 ベガ副司令姿の織絵女史が、通信スクリーンに映ったラー・カイラム艦橋(ブリッジ)のブライト准将に頭を下げる。ブライト准将は、引き攣った笑顔を浮かべた。まあ狭い機内に女性と詰め込まれた事をついうっかり喜んだ銀騎士が、着艦後即座に医務室送りになったのを聞いていたのだろう。うん、アルテアと言い、ベガ副司令と言い、アルクトス人が強いのか、それともアルクトス人でも皇族の血筋だけが凄いのか。

 ちなみにベガ副司令の正体がバレた事で、北斗少年は銀河少年やエリス嬢にその件について黙っていないといけなかった事を詫びている。2人は素直に許し、友情に亀裂は入らなかった模様。と、その北斗少年がやって来る。

 

 

「ベガさん」

 

「あ、北斗……君。何かしら」

 

 

 北斗少年はベガ副司令の執務中は、あくまでベガ副司令として扱い公私を切り分ける事にした模様。正体がバレてしまった以上、なまじベガ副司令の方が切り分けが下手そうである。

 

 

「今からちょっとだけ、母さんと僕、に戻ってもらえますか。ちょっとプライベートに近いけれどオフィシャルにも関わる、微妙な話がしたいので」

 

「え゛っ……。あ、ああ、ええ、うん良いわよ? どうしたの北斗」

 

「うん、ちょっと話したい事が2つあるんだ。まずは父さんとの事。このまんま父さんだけのけ者にして、黙ってるのは心苦しいんだ。だから、今度星見町に帰ったとき、いっしょに父さんに事情話して、謝ろう?」

 

「……うん、そうね。それはやらなきゃダメ、ね。わかったわ。で、もう1つ、は?」

 

 

 すると北斗少年は、今までが真面目じゃなかったとは言わないが、思い切り表情を引き締める。ちなみに眉間には、縦皺(たてじわ)が寄っていたり。

 

 

「母さん、アルテア伯父さんについて、話して欲しいんだ。洗脳されるよりも前の、人となりとか逸話を」

 

「!」

 

 

 あの後失神したまま機体ごと捕らわれたアルテアは今、とりあえず肉体というか頭脳に半ば埋め込まれていた洗脳補助具としての仮面を丁寧な外科手術で取り払い、『スタイシュッツ』の拠点であるゼダンの門の内部に新設された病院施設に入院中である。今回の戦闘での負傷と、洗脳されてるのに色々無理を強いた事での脳への悪影響を回復させるため、クローン培養した組織片による移植手術を準備中だ。だがまあ、急速培養するとガン化する危険もあるため、あまり急がずにスローな培養を心掛けている。

 

 

「洗脳を補助してたっていう仮面は取り除いたって言うけれど……。洗脳は、解けるものなのかな。洗脳されてたから、法律としてはたぶん責任能力なしになるってエリスは言ってたけど……。わだかまりが無いとは言えないし、もし洗脳解けないで前のままだったらって思うと。何人も、連邦軍の人とか殺してるし、たぶん指揮したガルファの兵が民間人も何人も……」

 

「北斗……」

 

「だから、考える材料にしたいんだ。母さんにはつらいかもしれないし、ゴメンって言うしか無いんだけど。アルテア伯父さんについて、色々、色々教えて欲しい」

 

「……わかったわ。今晩、母さんの部屋でお話ししましょ」

 

「うん」

 

 

 正直、存在し無いはずの胃が痛む。金属製のはずの蟀谷(こめかみ)が痛い。なんで小学生の北斗少年が、こんなこと悩まないといけないんだ。正直、ガルファ皇帝に対し、怒りが湧く。……あの我が創造主(ブレイン)のカリカチュアめ。自然保護の大型電脳(コンピュータ)が狂うって、モロにブレインだろう。

 そう言えば、今後の電童のストーリー展開だと、太陽系に来た螺旋城を潰すとその後の敵に北斗少年が(さら)われて洗脳されるんだよな……。なんとかして、防ぐ方法を考えておきたいものだが。……わたしだけで考えていても、どうにもならんか。シロウとでも相談するのがいいか? あとはアムロ大尉とかゲッターチームとかも、『物語』に関する相談相手としてなら……。うん、まずシロウに相談してみるとしよう。




北斗少年、前話で折れたと見せかけてぜんっぜん折れてませんでした。それどころかアルテアを嵌めてバイパーウィップ強奪(笑)。
そして今回、前々から出したかったワンセブン腹部のシャッター裏反射鏡出しました。というか、本作品開始前から、腹部の反射鏡でユニコーンのファイナルアタック反射してやろうと目論んでいたんですよね。そう、出てくるのはけっこう遅かったんですが、スパロボ御三家以外の参戦メンバーとしてほぼ最初に決定していた作品が『GEAR戦士電童』で、そして登場決定していた敵が、凰牙inアルテアだったんです。

ちなみに今回は、味方増援が時間経過で来るマップです。初期は電童だけ、しばらくするとワンセブンが戦闘飛行ワンセブン形態で、更に数ターン経過すると輝のライトニングⅢにウッソのV2アサルトバスターに銀騎士の複製ビルバイン。そして普通はそこまで行きませんが、なんか補給装置パーツか何か使って相互補給とかの経験値稼ぎで延々ターン数使うと、数十ターン経過で『スタイシュッツ』主力到着、その次ターンでアルデバラン復活によりアルテア逃走で、ベガさんが宇宙の彼方行っちゃってゲームオーバーです。
熟練ポイントとか何とかで一番システム上美味しいのは、本作の様に電童とワンセブンあたりで決着つけて、あとはイベントでベガさん救出してアルデバランもイベントで沈めるのがいいです。本作ではこのマップは、最高効率で終わったとしています。
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