2011年6月24日
午後2時
ズドーン
ヒューン
バーン
幸太「命中。次!!」
吹雪「はい!!」
ズドーン
ヒューン
バーン
幸太「命中だ。良いぞ。次は魚雷だ!!」
吹雪「はい!!」
シュッ
シュッ
シュッ
シュッ
と魚雷された魚雷は真っ直ぐ海中を進み、
ズドーン
幸太「命中。ハズレなし!!良くやったぞ吹雪!!」
吹雪「はい。これも司令官のお陰です。」
幸太「いや、これはお前が努力した結果だ。良くやったな。」
と俺は褒める。
幸太「良し。演習はこれくらいで良いだろう。戻ろう。」
吹雪「はい。」
と吹雪は艤装を付けたまま、海から上がってくる。
深海棲艦の攻撃から4日、この4日間の間に深海棲艦は大西洋と地中海にも現れ、スエズ運河とパナマ運河の港、街を攻撃。2000人近くの人が死傷した。確実に深海棲艦が勢力を拡大しつつある中、俺は山口少将に艦娘による独立艦隊の指揮官を任された身として日々、士官としての勉強に励んでいる。そして現在唯一、深海棲艦に対抗できる存在である艦娘である吹雪も演習に励み、僅か3日で俺のサポートがなくとも自分で動いている目標に命中できるようにまで成長した。
吹雪「司令官。今日のお昼は何でしょうかね。」
幸太「さぁ、またおにぎり3つだけかもな。」
と話していると、
隊員「山本少佐!!山本少佐!!」
と隊員が走ってくる。そして、
隊員「ハァ、ハァ。山口少将がお呼びです。直ぐにお向かい下さい。吹雪さんも来るようにと。」
吹雪「私も?」
幸太「・・・・・分かった。直ぐに向かう。」
と言うと、俺と吹雪は山口少将の元へと向かった。
午後2時12分
コンコン
陽介「入ってくれ。」
ガチャ
幸太「失礼します。」
吹雪「失礼します。」
と俺と吹雪は山口少将の部屋に入る。
陽介「ご苦労。今日も演習を。」
幸太「はい。いつでも奴らが来てもいいように。」
陽介「そうか。吹雪君もご苦労。」
吹雪「ありがとうございます。」
幸太「それで、話とは。」
陽介「あぁ、まずは座ってくれ。」
と言われ、俺達は客人用に用意されたソファに座る。そして、
陽介「さて、早速話すとしようか。だが、その前に。・・・・・そろそろ来る頃だろう。」
幸太「何がですか。」
陽介「見れば分かる。」
幸太「?」
と山口少将の意味を理解出来ずに考えていると、
コンコン
?「失礼します。」
と女の子の声が聞こえてくる。
陽介「おお、入ってくれ。」
ガチャ
?「失礼します。」
とドアが開き、入ってきたのは
幸太「え?」
4人の少女であった。
陽介「よく来てくれた。」
と山口少将は笑顔で迎える。
幸太「山口少将、その子達は?」
陽介「見て分かるぬか。よく見てみなさい。」
と言われ、4人の少女達を観察すると、吹雪と似た制服を着ていた。それに気づいた俺は
幸太「山口少将まさか、この子達は・・・・艦娘。」
吹雪「えっ!?」
陽介「そうだ。昨日、目覚めたばかりだ。駆逐艦叢雲、漣、電、五月雨だ。彼女達も今日から君の艦隊の所属とする。今後、彼女達の指揮も任せる。」
幸太「わ、分かりました。」
陽介「よし。それと今後艦娘が更に増える事を視野した上で独立艦隊専属の鎮守府をこの横須賀に建設することが決定した。」
幸太「俺たち鎮守府。」
陽介「そうだ。場所は、君が吹雪君を見つけた旧横須賀鎮守府だ。既に旧横須賀鎮守府の敷地内では設備の改装、鎮守府及び、兵舎の建設も始めている。しかし、前回の我が鎮守府の復興のこともあるため、まだ時間はかかる。その間、君達には一時ある家を貸そうと思ってる。本来は、客人用の物なんだが今の状況で客が来る事もない。だから、そこを鎮守府ができるまでそこを使って欲しい。これが鍵だ。」
と鍵を渡してくる。
幸太「お気遣いありがとうございます。」
陽介「君達は我が国の最後の盾であり矛だ。期待しているよ。」
と言うと、山口少将は立ち上がり敬礼する。
幸太「はっ!!」
と俺も答え、敬礼した。
午後2時50分
山口少将と話を終えた俺たちは、今まで寝泊まりしていた兵舎から荷物をまとめ、山口少将から貸してもらえた家にやってきていた。
幸太「マジかよ。ここを借りるのか。豪邸じゃないか。」
と教えてもらった場所に着くと目に入ったのは大きな豪邸。6人で住んでも十分人が住めるほどと思える程の大きさだった。
吹雪「すごいですね。指揮官。こんな所に住めるなんて。」
幸太「あぁ、そうだな。お前らもそう思うだろ。」
と後ろにいる新しく来た叢雲、漣、電、五月雨に聞くが、
4人(叢雲・漣・電・五月雨)「・・・・・・。」
と緊張しているからか、何も言わずに黙っている。しかも、ここに来るまで吹雪と違って話すこともなく俺たちと少し距離をおいて着いてきていた。
幸太「・・・・・、4人共、俺たちはこれからチームなんだ。そんな、緊張しなくても。」
4人「・・・・・・。」
とあまり好かれている感じではなかった。今、強引に信頼を手に入れるのは得策ではではないため、
幸太「じゃあ、入るとしますか。」
と山口少将から借りた鍵を取り出し、
ガチャ
とドアのロックを解除し、中に入る。
吹雪「うわぁ。」
と中に入ると同時に目に入ったのは大きな玄関。いや、ホテルのフロントと言うべきだろうか。中も豪華でよく漫画や映画などで目にするような内装だった。
幸太「マジかよ。」
と自然と口から出てしまうほど豪華だった。そしてこの豪邸は2階もあり、2階には個人用の部屋が10部屋もある。そして、一通り中を見終えると
幸太「吹雪。」
吹雪「はい。」
幸太「悪いが、4人の事少し頼んでもいいか。」
吹雪「分かりました。それで、まずは何をすれば良いですか。」
幸太「まずは、各自の部屋を決めるようしたらどうだ。せっかく、自分達の部屋もあるんだ。お前らの自由にして良いよ。」
吹雪「分かりました。」
と言うと、吹雪は4人と元へ向かって行った。そんな吹雪の後ろ姿を見つつ、
幸太(俺もこれから頑張らないとな。)
と思いつつ、自分の荷物を1階にある将官専用の仕事部屋へと運んだ。そして、その日の夜
午後11時
幸太(今日、新たに着任した新たな艦娘叢雲、漣、電、五月雨。この4人はまだ指揮官である自分とはコミニケーションが取れていないが、吹雪とは既に友人いや、仲間としての関係が出来つつある。明日からは4人の練度の向上を目的とした訓練を行い、ある程度の練度向上が確認出来次第、5人での編成を組んだ演習を開始する予定である。)
と報告書をまとめる。そして、書き終わり、
幸太「ハァ~、喉乾いた。」
とキッチンの冷蔵庫へと向かい
ガチャ
プシュ
と冷蔵庫の中にあったラムネを取り出し、口につける。
幸太「ぷはぁ~、美味いな。」
とラムネを飲んでいると、
ガタッ
と後ろから物音がした。
幸太「うん?」
と後ろを向くと、
電「あっ!?」
幸太「おう、電か。どうした。こんな時間に。」
電「い、いえ・・・・・あの・・・・・喉が渇いたので・・・・・お水を・・・・・ごめんなさい。」
と何故か涙目になってるというか、既に涙が出てきてる。
幸太「お、おい。泣くな、泣くな。別に怒ってないから。ほら、飲むか。ラムネ。」
と冷蔵庫からもう一本、ラムネを取り出し電に差し出す。
電「あ、ありがとうございます。」
幸太「電、一つ聞いていいか。俺の事どう思う。」
と聞く、
電「そ、それは・・・・・・。」
幸太「誤魔化さなくていい。正直に言ってくれ。」
電「正直、まだ分からないのです。ごめんなさい。」
幸太「そっか。俺もまだ電がどんな性格なのかはわからないな。まだ、会ったばかりだからな。でも、きっとこれから互いに知っていけると思う。電、これからよろしくな。」
電「は、はい。電、提督のお役に立てるよう頑張ります。」
とこの日俺は電と少しだけ絆を築く事ができた。
そして、翌日
午前9時
ドンッ
ドンッ
ドンッ
バーン
バーン
バーン
幸太「叢雲5発中3発命中、電5発中1発命中、漣5発中2発命中、五月雨5発中1発命中。よし、全員集合。」
と朝から4人の練度向上を目的とした演習を始めた。まずは砲戦の演習を行い4人それぞれの様子を見る。そして、
幸太「叢雲、お前は射撃に関しては問題ない。だが、一体に対して集中し過ぎた。周りも見るように。電と五月雨、お前達2人はかなり命中率が低い。もう少し、射撃の練習を行うように。、漣、お前は・・・・・。」
と俺は吹雪と協力しつつ、4人の練度を向上の演習を続けた。勿論、4人ともそれぞれコミニケーションを取り、互いの絆も深めていった。そして、4人が来てから1週間後、
ヒューン
ズドーン
幸太「そこまで。結果を言うぞ。叢雲5発中5発命中、電5発中4発命中、漣5発中4発命中、五月雨5発中5発命中。よし。」
吹雪「凄いです。皆んなほぼ確実に命中させていますね。司令官。」
幸太「あぁ、4人とも1週間でここまで成長するとはな。」
吹雪「これも司令官の指導のおかげですね。」
幸太「吹雪の協力がなかったら多分、成し得なかっただろうな。よし、全員集合。一旦、休憩に入ろう。」
と俺はみんなを休憩させる。すると、
陽介「順調のようだね。」
幸太「山口少将!!」
と俺は直ぐに敬礼する。
陽介「そう、一々敬礼しなくていい。ただ様子を見に来ただけだ。彼女達は。」
幸太「はい。吹雪、叢雲、電、漣、五月雨は順調に練度も上がっています。後は実戦で彼女達がどこまで深海棲艦を相手にできるかです。吹雪は一度実戦を経験していますが、残り4人が問題です。」
陽介「そうか。先程、上から報告があった。ハワイが空襲を受けた。」
幸太「ハワイが!?あそこは深海棲艦の攻撃以降、かなり艦が周辺を警戒していた筈です。」
陽介「そうだ。だが、奴らはそれをあっさり壊滅させた。軍港を始め、多くの軍の関連施設がやられた。しかし、最悪なのは奴らは容赦なく民間区域にも攻撃を行なった。分かっている被害だけで民間人が100名近く殺された。」
幸太「・・・・・。」
想像するだけで分かる。前の此処を襲撃された時と同じ光景が、目に浮かぶ。火に包まれる街、泣き叫ぶ声や悲鳴の数々。地獄そのものだと。
陽介「奴らは確実に我々の海を奪うつもりだろう。今後、君達は更に重要な存在となる。頼むぞ。」
と山口少将は言うと、去っていった。そして、この時俺は直ぐに分かった。近いうちに奴らはまた来ると。そして、その時は直ぐに訪れた。
2日後
7月3日
午後11時
横須賀独立艦隊鎮守府(仮)
コンコン
と夜遅くに誰かがやって来た。
幸太「ハァ~、誰だよ。こんな時間に。はい、今開けます。」
ガチャ
とドアを開ける、すると、
「緊急です。直ぐに司令部へと来てください。」
と伝令により俺は吹雪達を起こして山口少将と元へと向かった。
午後11時20分
ガチャ
幸太「遅くなりました。」
と作戦会議室に入る。
陽介「構わん。では、今から状況を話す。午後10時52分に我が基地から紹介に出ていた2隻のイージス艦から連絡があった。深海棲艦と接敵、交戦状態になったと。そして、1分も経たないうち無線は途切れた。よって、これから山本少尉にはこれより消息を絶った2隻のイージス艦の捜索、及び救助を命じる。分かっていると思うが、深海棲艦と接敵する確率は極めて高い。また、夜の海だ。夜戦になるだろう。」
幸太「・・・・・いよいよ、独立機動艦隊の初陣ということですね。」
陽介「そうだ。何があるか分からない。気を引き締めて掛かるように。検討を祈る。」
幸太「はっ!!」
こうして、俺達の艦隊は初陣を飾る事になった。
続く
次回は初陣編です。お楽しみに。