友人へ なぜか死んだので神に頼まれ異世界に行きます 作:ASSSr
少年は緑色草が生い茂る地面が綺麗に円柱状に抉れた落とし穴の底で尻餅をつき、落ちるときに衝突した衝撃の勢いよいのまま仰向けに倒れた。
それと同じくして少年を落としたであろう男の笑い声が黒い土に反響していき少年の耳に大きく響いた。
(...ちょっとまて俺は姉を助ければ良いだけだろ、まともに取り合うなよ)
少年はその起こった全てを無に返し、怒りに身を任せていた脳がハッと我に返り幼児から頼まれた本来の目的を思い出した。
(何か考えろあの化け物からどうすれば逃げられる?)
そして少年はここから出るために辺りを確かめるために起き上がり足を動かし、首を左右に揺らし、手で土の障壁に触れて確認し、最終的に天を仰いだ。
しかしそこにはやはり青白い空と水分を含んだ黒い土の壁とそれに反響する男の笑い声しかなかった。
(そりゃそうかてか、ならどうする?何がある?何ができる?何が?、何が?...)
少年は焦った、跳ねていない心臓が急げと命令するかのようにドクンドクンと鳴ってる気がするほど焦った、少年の頭はその音が鳴るにつれ白く染まっていき、その領域は音と共にどんどんと大きく広がっていった。
男の反響して聞こえた笑い声が消え思考するのにはぴったりな静寂が訪れた、それと同時に青い炎を発した魔法陣と類似した赤い魔法陣が穴の底に表れた。しかし少年には頭に浮かんだ一つの打開策があった。
そしてそれを試すために後ろに下がり後ろの壁に右足の裏だけを着けた。
上体を前に倒すと同時に左足で跳び、両足で壁を蹴り跳んで水泳の、けのびの状態で少年は目の前の壁に吸い込まれていった。
(予想通り、やっぱできんだなこういうこと...ん?)
結果的に少年は自らの突発的な目論見通り地中を泳いでいた、しかしそこには少年の予想外なことが一つあった、それは視界が地上にいるときと同じ、いやそれ以上に良好なことだ。
(何でちゃんと目が見えるんだ?)
少年が真上を向くと地上で自分の少し後ろで煙に包まれている冒険者風の男がおり、自分より前に逃げようか迷っている幼児と逃げようとしてるのを止めている少女の姿があった。
(ならこのまま連れ去れば)
そう思った少年は地中の地面を斜めに蹴り、上昇していき少女達の真下にまで行き下から手を伸ばし地中に取り込んだ。
それに驚いた少女が暴れていたが少年はそれを気にせずに少女と幼児を両腕に抱え、一度深く潜り身体を平行にして地中を蹴り冒険者風の男と真逆の方向へ逃げた。
それから少年が少女たちを地中に引きずり込み数十秒立ち、冒険者風の男との戦場からかなり離れた。
その頃少女の暴れ具合が増しており少年がめんどくさくなりどうしようか悩んだ。
その瞬間少女の振りかぶった拳が少年の胸の中心に当たり、胸辺りの衣服の下に少女の拳より少し大きい穴が空いた。
それにビックリした少年が体制を平行から瞬時に垂直に切り替え地上に出ると同時に少女を投げ飛ばした。
「イッてえな、どういうつもりだ?」
地面に着地した少年はかなり低い声で開口一番にそう言葉を吐き、動かない瞳で少女を見下した。
その少女は草の生い茂る地面に這いつくばり大きく息を吐き、ハァハァと呼吸を乱しながら少年を鋭い目付きで睨んでいた。
「そっちこそ、私たちを殺すき?」
「?、どういうことだ?」
「どうもこうもない!そのままの意味よ!」
少女は少年が高圧的な態度をとっているのを見て少年への怒りをさらに増幅させ、その怒りをそのまま大声に変換して少年へぶつけた。
(どういうことだ?まじで)
少女から怒りの片鱗ともとれる叫びを受けた少年は困惑していた、なぜなら少女が怒っている理由全くもってわからないからである。
「答えなさいよ!!殺すつもりだったの!?」
しかし困惑している少年をよそに少女の怒りは声という衝撃に変わり微動だにしてないように見える少年を襲った。
「悪いがそんなつもりはない、俺も自分の能力について詳しくはわかってないんだ」
少年はため息をついたあと口を開き面倒くさそうにそう弁明し先程と変わらない態度で少女を再度直視した。
「それを信じろって言うの?あんたは!」
少年はそれを聞きさらに困惑していた。
(じゃあどうしろと?)
「それと私の弟を離しなさいよダサい服着た不審者!」
(そういや忘れてたこいつの存在)
少年は幼児の存在を思い出し脇に抱えていた幼児の方に視線を向けたが幼児は少年の腕からダランと無気力にだれていた。
(何で気絶してんだこいつ...ちょっと待てよ、もしかして)
少年は幼児の状態と少女が大きく息を吐いたことを元になぜ少女が怒りを露にしているかを思考し、しばらくして一つの仮説を練り上げた。
「もしかしてだが息ができなかったか?俺が抱えていた間」
「当たり前じゃない、なに言ってるの!」
少年は自分の手で額を思いっきり叩いた。
(そういうことかー、確かにそれは怒る)
全てを察した少年は腕に抱えた幼児を起こすために草のベット上へと幼児を優しく転がした。
「アミ」
それを見た少女は少年が地面に転がした幼児に向かってそう言いながら足早に駆け寄り幼児を揺さぶり生きているかを確かめた。
そして幼児が生きていることを確認するとホッと息を吐き、少年を再度睨み始めた。
少年はどうしたものかと少女をマジマジと見ながら顎をさわりながら頭の中でいろいろと考えた。