友人へ なぜか死んだので神に頼まれ異世界に行きます 作:ASSSr
「はい、これ」
ナマドがアクセサリー類を売っていた屋台で買った目の辺りが全て隠れる真ん中に黒い線が入った青い仮面を少年につき出した。
「?俺にか?」
「それ以外誰がいるって?」
「それもそうか、だが俺の趣味じゃないから、いらん」
「いいからつけなさいよ」
「いやだ」
ナマドはその言葉にイラつき、着けないと駄々をこねる眼球の動かない少年に青い仮面を顔面に思いっきり投げた。
「おいふざけんな見えないd...何で見えんの?」
「...あんたホントになにも知らないの?」
「そりゃー当たり前だろ、俺は異界から着たやつだからな」
「それはよかったね」
ナマドはため息をつき少年の発言を適当に流し、村のなかを迷う素振りもなく進んでいく。
「今思ったが何で金持ってたんだ?おまえ」
「スッタ」
「いつの間に...ところでどこに向かってんだ?」
「船乗り場、忘れたの?」
「そういやそうだった」
ナマドは先程より大きいため息をもう一度ついた。
そしてナマドが少年との会話のなかで何度か目のため息をついたころで、木製の豪華客船が浮かぶ、いろいろな作業をしている人で賑わっている船乗り場に着いた。
「ここが船乗り場か?」
「ええ、そうよ今から予約するからついてきて」
「へいへい」
少年はそう言い小さな小屋に向かうナマドの後をキョロキョロと回りを見ながらゆっくりと歩いてついて行った。
「こんばんは、今夜の分残ってますか?」
ナマドは少年がなかなかついてこないのを無視して小屋の中にいた、メガネをかけ赤いベレー帽を被った女性に声をかけた。
「はぁ、今夜の分は残っt...!いえ、残ってます最後の一室が残ってました、お客様は運がいいですね」
ベレー帽を被った受付の女性は最初悪態を着き、ナマドの問いを否定しようとしたが何かに気づき目を丸くしたあとその返答を肯定へと変えて答えた。
「ありがとう、お姉さんは綺麗ね」
「そうか?普通ぐらいだろ」
ナマドに追い付いた少年が腰を曲げ、メガネをかけた受付の女性に目線を合わせ開口一番そう言い話しに割り込んだ。
そんな少年にナマドは振り返り少年の仮面の中心に人差し指をトンと置き、言葉を発した。
「あんた、失礼すぎ」
「思ったことお言っただけだ、失礼でも何でもないだろ?」
「かわいそうに、あんたは気が使えないのね」
「ああ、それは否定しない」
目を大きく空けたナマドと口角の上がった少年の視線が交わるところから火花が散っていた、がそれを受付の女性が鎮静化させた。
「あっあのこれ入場券と部屋の鍵です」
「すみません、ありがとうございます」
「ぼうも」
ナマドと少年は受付の女性に顔を向け鍵とチケットをそれぞれ手と口で受け取り苦笑いする受付の女性を背に中に浮く船の方へと歩いていった。
その途中ナマドが少年の顔に手を伸ばして少年が咥えていた入場券を奪い少年に話しかけた。
「何で受け取ったの?」
「...とくに理由はない」
ナマドは隣にいる顔を背けた少年の返答を聞きとにかく呆れた、呆れすぎてどんな表情をすればいいかわからなくなるほど呆れ、言葉を返さなかった。
そして少年達は船の入り口前にまで行き、船に入るのを拒むように立つ男性へ少年が先程まで咥えていた入場券をナマドが手渡した。
それを少し嫌な顔で受け取った男性は木の板で、できた入場券を確認したあと頷き、少年に無理やり何が書いている木の板を渡したあとどうぞ、と少年達を船の中に招いた。
「何だこれ?」
少年はもらった木の板をくるくると裏返し表と裏を確認して首をかしげた。
「地図よ、この船の」
「...どうやって見るんだ?」
「貸して」
ナマドはため息をつき、そう言い少年の手から船内の地図が書かれている木の板を勢いよく奪った。
木の板をナマドはじっくりと見たあと少年に付いてこいと手で空気を仰ぎ、船の廊下を時折木の板を見ながら歩いた。
「着いた」
ナマドがそう呟き、目の前の扉に鍵を差し扉を開けた。
その部屋にはある程度の大きさのシングルベットが壁に面するように置いてありその反対側ら辺にテーブルと椅子が置いてあった。
(廊下より明らかに掃除されてんな)
少年は部屋の中に入り幼児をベットに横たわらせたあと再度部屋を見渡しそう思っいながらベットに腰掛けた。
(一人で船のなかを見て回りたいが恐らく迷うだろうからやめとくか)
「おい赤毛、船見て回らないか?」
「あんたと?嫌、それと私やることがあるからアミ、見といて」
ナマドはそう言い鍵を持ち部屋を出ていってしまった。
(なんだあいつ自分勝手だな、まあ俺が言えた義理じゃないが...てかよく考えたら無理か)
外に一人で出ても意味がないと理解した少年はナマドが帰ってくるのを椅子に腰掛けながら待った、その間脳裏に何か思い浮かんだが少年は気のせいだと思いとくに気に止めなかった。