新世紀 エヴァンゲリオン √SCHWARZ   作:らて丸

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Episode.4

『目標は、塔の沢上空を通過』

 

『黑式、発進準備に入ります』

 

『第1ロックボルト外せ』

 

「解除確認…」

 

『了解。第2拘束具、外せ』

 

『了解』

 

『目標は芦ノ湖上空へ侵入』

 

『EVA[黑式]、発進準備よろし!!』

 

訓練をするのと零号機の起動実験を見るために本部へと来ていたら、ちょうど使徒が来たみたいだ

 

『第五使徒』と認定されたものは、正八面体のような水晶みたいな見た目だった

 

あの身体で、どうやって攻撃するのかは謎だ

 

油断はできないな…

 

第四使徒との戦闘での損傷がまだ、完全に修理されてない初号機は、現在(いま)は急速修理中だ

 

『ユキトくん、行けるわね?』

 

「絶好調…とまではいかなくともまぁ、好調かな?」

 

『それなら、結構…ミサト、いつでも行けるわよ』

 

『そのようね、EVA[黑式]、発進ッ!!』

 

身体にずしりとのしかかるG

 

身体は軋み自分がものすごい勢いで上昇している事がわかる

 

『目標内部に、高エネルギー反応!!』

 

『なんですって!?』

 

「マコトさんッ!!最終安全装置を今すぐ外してくださいッ!!」

 

『りょ、了解ッ!!』

 

『円周部を加速!収束していきます!?』

 

『まさかッ!?』

 

その瞬間に収束された光が、一直線に飛んでくる

 

しかし、射出される勢いのまま黑いエヴァは空へと跳躍する

 

「あっぶねぇッ!?」

 

ビルの上に着地するも、そこに向かってもビームが放たれる

 

横に飛んでそれを避ける

 

俺は、ビルを一棟なぎ倒し、左手でそのまま掴む

 

「数秒でいいから持ってくれよッ!!」

 

それを、盾のように構え、目標に対して接近していく

 

加速し、相手に近づけた

 

そう思ったときだった

 

もう一撃、光線がこちらへと向かってくる

 

ビルを盾にしたものの、それは一瞬で蒸発する

 

「ぐっ…あ"あ"あ"あ"ッ!?」

 

唐突の激痛

 

黑式の左腕は、肩から先が無くなっていた

 

腕からは泡が吹き上がり、ダランと垂れ下がり動かなくなってしまっている

 

Scheiße.(クソが)…」

 

正面を向き直し、パレットライフルを構え直す

 

銃弾はまだ残ってる、プログナイフで詰めるか…?

 

跳び上がり、パレットライフルを一気に放つ

 

落下しながら第五使徒へと突っ込んでいくが…

 

再び閃光がほとばしる

 

今度は、右腕に激痛が走る

 

右腕は、肘から向こう側が消え失せている

 

「まだだッ!!」

 

『ユキトッ!?』

 

脳内では理解できていた

 

俺にできることはないと

 

それでも、負けたくなかった

 

前に進まないと

 

戦い続けないと…

 

「あっ…」

 

その瞬間、俺の視界は白くなり

 

そのまま俺は意識を手放した

 

 

 

 

 

 

「んあ?」

 

目を覚ますと病室だった

 

隣には、シンジとコトネ

 

「目、覚めた?」

 

「ああ…」

 

俺に確認をとると、シンジは電話で誰かに通話を掛ける

 

「堀部、ユキトくんが目を覚ましたよ。うん、それじゃあ」

 

俺は身体を起こすと、全身にビシリとヒビが入るような痛みが走った

 

「まだ起きちゃダメだよッ!!」

 

「俺は、負けたのか…」

 

「うん、ユキトくんはもうEVAに乗ったらダメだよ。僕も、乗りたくない…」

 

「そっか」

 

数十秒後にコトネが扉を突き破る勢いで入ってきた

 

「先輩ッ!!」

 

コトネは、飛び込むように俺のことを抱きしめる

 

「先輩が、倒れたって聞いたとき、不安になりました。前みたいなことが起きたんじゃないかって…今度こそ、先輩が帰ってこなくなっちゃうんじゃないかって…」

 

「…痛い」

 

「あ、す、すいませんッ!!先輩が帰ってきて嬉しくて…つい」

 

そこに、綾波がドアを開けて入ってくる

 

「碇くん、いる?」

 

「あ、うん。綾波、どうしたの?」

 

「明日、午前0時より発動される、ヤシマ作戦のスケジュールを伝えます」

 

「うん」

 

「碇・綾波の両パイロットは、本日17:30(イチナナサンマル)、ケイジに集合」

 

18:00(イチハチマルマル)、初号機および零号機起動」

 

18:05(イチハチマルゴー)、発進」

 

「同30(サンマル)、二子山仮設基地到着」

 

「以降は別命あるまで待機、明朝日付変更と同時に作戦行動開始」

 

「おい、待て。俺にはないのか?」

 

「ええ、貴方は待機するように言われてるわ。碇くんは準備して」

 

「また、あれに乗らなくちゃいけないの?」

 

「ええ、そうよ」

 

シンジは、座っている椅子に足を乗せ、抱きしめるように座る

 

「僕は…嫌だ。綾波はまだあれに乗って、恐い目にあったことが無いからそんなことが言えるんだ!!もうあんな思い、したくない…」

 

「…じゃあ、俺が乗る」

 

「先輩!?」

 

「コトネはまだ、EVAとのシンクロしたことないだろ?いきなりの相手があれは無理だ」

 

「ッ…」

 

「だったら、俺が乗るしかない」

 

シンジは唇をかみしめて

 

「ユキトくんはなんで、そんなに危険な道ばっかりを選ぶんだよッ!!あんな思いして!!ずっと戦って!!なにが君をそうさせるんだよッ!!」

 

「俺は…守りたいんだ。もうなにも失いたくない。次、また守れなかったら…俺は俺であることを許せない。だから戦うんだ」

 

シンジは、その言葉に衝撃を受けたような顔をしていた

 

「じゃあ、僕は…君を守る。前回君に守ってもらったから…守られてばかりなのは、イヤなんだ」

 

「そっか、じゃあ今回はお前に任せる、頼んだぞ、シンジ」

 

俺は拳を突き出し、シンジの胸をトンと軽く突く

 

「うん、任せて…」

 

決戦が、始まる…

 

 

 

 

 

 

ユキトくんに任された

 

僕は頑張らないと…

 

「これで死ぬかもしれないね…」

 

「どうしてそういうことを言うの」

 

「どうしてって、ユキトくんがあんなんだもん、僕がやったら失敗しちゃうかも知れないでしょ?」

 

「あなたは死なないわ…私が守るもの…」

 

少し経つと、街の灯りが消えていく

 

「…綾波は、なんでEVAに乗るの?」

 

「………絆だから」

 

「絆?」

 

「そう、絆」

 

「それは、父さんとの?」

 

綾波の横顔は月明かりに輝らされて美しかった

 

「みんなとの…」

 

「そっか、僕も似たような感じかな、ユキトくんが信じてくれたから僕はEVAに乗る」

 

「そう…私には、他になにもないもの」

 

「なにもないって…」

 

「時間よ。行きましょ。」

 

「あ、うん…」

 

「それじゃあ、さよなら」

 

零号機へと歩んでいく彼女の背中は

 

とても冷たく、とても淋しく見えた

 

 

 

 

 

 

「先輩、寝てないとダメですよ」

 

「あ、あぁ…わかっているんだけど…」

 

「心配なんですか?」

 

「まぁ、正直…」

 

俺の言葉にコトネはクスっと笑っている

 

「な、なんだよ」

 

「先輩、昔とだいぶ変わりましたね。誰かを心配するだなんてあり得なかったのに」

 

「別にいいだろ」

 

つい恥ずかしくなってしまい顔を背ける

 

「大丈夫ですよ、碇先輩たちなら きっとなんとかしてくれるはずです」

 

「そう、だな…」

 

俺は鋼鉄の空を見上げた

 

 

 

 

 

 

沈黙のなか、僕は対象を見つめる

 

『シンジ君、日本中のエネルギー、あなたに預けるわ……頑張ってね!!』

 

「はい…ッ!!」

 

『第一次、接続開始ッ!!』

 

静謐のなかから、ミサトさんの声が響く

 

『第一から、第803(ハチマルサン)管区まで、送電開始!!』

 

『電圧上昇中、加圧域へ!!』

 

それと同時に、周りの機械は徐々に高温になり、煙を上げていく

 

「スゥ――――ハァ…」

 

一拍の深呼吸

 

感覚は研ぎ澄まされ、改めて敵を視認する

 

ユキトくんは僕を信じてくれた

 

だから僕は、ここで()()を倒すんだ…

 

『全冷却システム、出力最大へ!!』

 

たくさんの人の言葉が飛び交う

 

その中に僕はいない

 

僕はただ、一点を狙い撃つだけでいいんだ

 

『最終安全装置、解除ッ!!』

 

『撃鉄を起こせッ!!』

 

その言葉とともに僕は、撃鉄を引き絞る

 

ヒューズが、ポジトロンライフルに篭められる

 

『地球自転、および、重力の誤差修正、+0.0009。電圧、発射点まで、あと0.2』

 

『第七次最終接続、全エネルギー、ポジトロンライフルへッ!!』

 

呼吸を荒げるな

 

集中しろ

 

たった一撃、コアにこの一撃を喰らわせれば、僕達の勝ちなんだ

 

『10、9、8、7、』

 

『目標に高エネルギー反応ッ!!』

 

関係ない

 

前を見続けろ…

 

『なんですって!?』

 

リツコさんの驚きの声が響く

 

『6、5、4、』

 

「今だッ!!綾波ッ!!」

 

その声と同時に、零号機が初号機の前に出て、相手の光線を防ぐ

 

今なら、反撃はない

 

『3、2、1ッ!!』

 

『発射ッ!!』

 

ポインターが使徒を捉える

 

その瞬間、脳みそを空っぽにして、僕は引き金を引いた

 

 

 

 

 

 

私は、席を外していた

 

先輩が「お腹が空いた」と言っていたので、日本で言うお粥みたいな「ハフェルフロッケン」を厨房を借りて作りに行っていた

 

「先輩、喜んでくれるかな?」

 

先輩に手料理を振る舞うのは久しぶりだ

 

軍に入る前に一緒だった時は交互に順番で作っていたから

 

私の料理の師匠も先輩だ

 

先輩は私の知らないことをたくさん教えてくれる

 

先輩の病室の前にたどり着いた私は、ゆっくりとその戸を開いた

 

「先輩、晩ごはん持ってき…」

 

あまりにも静かな部屋

 

布団はめくれ、その中には誰もいないことが分かる

 

「………せんぱい?」

 

そこには、私の先輩

 

一ノ瀬・ユキト・エルンストの姿がなかった

 

 

 

 

 

 

ポジトロンライフルから放たれた光線は、空気を裂きまっすぐ進んでいった

 

その光は使徒の中心を貫くことはできない

 

「ちっ…」

 

僅かな苛立ち

 

しかし、もう一度深呼吸する

 

心を沈めろ

 

『碇くん、さっきの感覚を忘れないで、次こそは決めて魅せて』

 

「うんッ!!」

 

もう一度、構える

 

『第二射、急いで!!』

 

『ヒューズ交換!!再充填開始!!』

 

『銃身、冷却開始』

 

『目標に再び高エネルギー反応!!』

 

『まずいッ!!』

 

使徒は反撃と言うばかりか、エネルギーを溜めている

 

ここで決めきる…

 

『ちょ、誰か止めてッ!!』

 

目の前が真っ白になる

 

光りに包まれ、激痛が全身を襲う

 

そう思われた

 

しかし、僕の身体に変化はない

 

「なッ!?ユキトくん!?」

 

そこにあったのは、漆黒のEVA

 

もう一基用意されていたシールドで、使徒の光線を防ぐ

 

『エヴァンゲリオン[黑式]ッ!?』

 

『ダメ、これ以上は盾が持たない!!』

 

『まだなの!?』

 

「はやく、はやく…ッ!!」

 

徐々に減っていくカウント

 

残り、2、1…

 

『決めろッ!!シンジッ!!』

 

「くっ…ッ!!」

 

再びポジトロンライフルから放たれた光は、使徒の中心…コアを一直線に貫いた

 

『お疲れ様、シンジくん…作戦、成功よ』

 

僕はその言葉を聞いたら、エントリープラグから急いで抜け出した

 

黑式のエントリープラグから出てきたユキトくんが手を振っている

 

「ユキトくんッ!!」

 

「俺は、平気だ。俺よりも、綾波の方に行ってやれ」

 

「………うん」

 

僕は、走った

 

零号機の元へと

 

寂しそうな彼女のそばにいてあげたい

 

「綾波ッ!!」

 

ハッチのノブを握ると、高温になっていて今にでも離したくなる

 

でも…

 

「うぅ……ぐぅぅぅ…うぅぅぅぅ……ッ!!」

 

ガコンッ!!と大きい音をたてて開かれる扉

 

「綾波ッ!!大丈夫かッ!?」

 

綾波は、グダっとしておりどこか痛めてるんじゃないかと感じさせる

 

「自分には…自分にはほかに何も無いなんて、そんなこと言うなよ…」

 

思わず涙が流れる

 

それでも言葉を続ける

 

「別れ際にさよならなんて、悲しいこと言うなよ…」

 

「何泣いてるの?ごめんなさい、こういう時、どんな顔をすればいいのか分からないの…」

 

綾波は目を伏せた

 

その感情を知らないから

 

だから僕は笑って言って見せる

 

「笑えばいいと思うよ…」

 

その言葉の後の綾波の笑顔は、とても素敵だった

ヒロインアンケート(この結果が反映されるとは言っていない‼)

  • 綾波!!
  • アスカ!!
  • ミサト!!
  • リツコ!!
  • マヤさん!!
  • コトネ!!
  • 委員長!!
  • シンジくんちゃん!!
  • カヲルくん!!
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