全然知識無い見切り発進ですが生暖かい目で見ておいて下さい。
現地霊能者の家系に生まれた事で適正も知らずに頑張った結果、俺…なんかバグっちゃったみたいです…。
切っ掛けは我が家での覚醒修行として行われた瞑想だった、自我を薄めて無我の境地に近付いた事で個が薄まり前世を知覚して覚醒したのだが、そこからは只管異界への対応を続ける二度目の青春だった。
別に裏稼業が嫌というわけでもなく、寧ろ覚悟ガンギマリな身内達に任せているといつ死んでもおかしくない位人が良い人達ばかりだから率先して俺自身異界に足を運んでいたのだが、その中で気がついた事は『俺と身内とでは素質の差が天と地ほどもある』という事だろうか?
霊視の能力が低い俺はバケモノ共を見る程度の力しかない訳だが、身内の中にはそれすらもまともに出来ない、うっすらとした靄としか認識出来ない位才能限界が低い人も大半であり、そんな人達が立ち向かおうとしても返り討ちにあうのが関の山である。
だから俺は頑張った、ひたすらに頑張って皆を戦える様にする為に前線に立ちながら修行と実戦の日々を送っていた。
弱らせたバケモノを羽交締めしてトドメを刺させたり、奇襲する際に暗示でも掛ける様に囁いて攻撃させたり、自分の魔術を使う感覚を元に魔力みたいなものを流し込んで体内を循環させたり本当に色々…いやまぁ流石にエロ方面は除くが色々やってみた。
結果として俺の努力は実を結んだのか、仲間として認識している相手がパーティーに居る間、その相手の素養の上限を俺と同じ位階まで引き上げる擬似的な覚醒を引き起こす異能を習得していた。
擬似的であっても見れてるのならばそこから正式に覚醒するのなんてあっという間だし、更にそこから同じパーティーで経験を積めば現状の俺が到達している程度と同程度迄には体感サクサク上げれる様になる異能である。
親世代からすれば今まで覚醒出来ずに悩んでいた事をあっという間に解決した俺には感謝してもしたりないとの事だったが、当然上手い話には裏があり…具体的にはそれまで順調に伸びていた俺の力がこの異能を得た途端に滅茶苦茶伸び難くなったのだ…見積もりでいえばざっと十分の一以下になり能力が全然上がらなくなり、これには正直恩恵を受けていた皆も渋い顔となった。
結果的にではあるが一番霊的素養が高そうな俺が善意で皆の強化を図った結果、果てしなく弱体化してしまった様なものであり、善人ばかりであるが故に彼等の苦悩は大きかったのだ。
というか取得した異能の効果的に俺の自力が高くなければ効果が十全に発揮されないというのに、その自力が上がり難くなっているときた…まぁ、所謂『産廃』というやつである…。
そっからは的確に弱点突ける様にスカウターみたいなモノクルや、簡易的に属性を付与出来る塗料等を開発してみたりしたのだが、奥に進む程敵が強くなる特性を持つ異界相手では小手先の誤魔化しなど無いも同然、次第に行き詰まるのは自明の理だったのだ。
現状に問題が発生すれば頭を合わせて相談するのは組織としての当然の事であり、その日の俺達は一族の家長や大事な役所が車座になって相談していた。
「このままでは何時異界からアヤカシ共が溢れ出てくるかまるで分かったものではないぞ…」
「かといって現状我等が強くなる為の手段が乏しい故に対応出来なくなる日もそう遠くはないからのぉ…」
「すんません、結果を焦り過ぎてマジですんません…」
「いやいや、謝んなって
落ち込む俺に対して励ましてくれる小谷の親父さんとそんな親父さんに同意する様に頷く一族の皆…マジで申し訳なさが半端ないぞ…。
「とはいっても流石にこれ以上は儂等だけであの成長していた異界をどうにか出来るとは思えんぞ…」
しかし俺を励ます皆の表情は、そんな浅田の爺様が語る絶望的な事実によって暗く沈む事になってしまった…。
「まさか俺達が苦労して攻略していた異界が唯の一フロアだっただけじゃなく、苦渋の思いで南雲の倅だけで行かせても三層以降も続きそうだからなぁ…」
「あそこにはゲームで言えば中ボスみたいなデカブツが居たし、そう考えると最低でもあそこが折り返し地点…後二層は確実にあると見て良さそうですね…」
「今出来る事といえば異界から出て来るバケモノ共を一君が改良してくれた療養施設に張り込みながら食い止める事くらいだからなぁ…」
「個人的にはあの施設って異界から採れる資源の質がそこまで良くないから結構微妙な出来なんですけどね…追加で焼け石に水であっても傷薬とか霊薬改良して療養中に食べてもらう事でブーストしている状態だけど、それにしたって本場の霊地じゃなくて異界で自生している奴をなんとか使える&食える様にしてるから味も微妙な上に体感半分程度しか回復しないとか…」
資源も、技術も、質に至るまで何から何までまるで足りない…唯一あるのは他の資源がしょぼ過ぎて過剰投与になって無駄にしてしまうから貯蔵されている謎物質だけとか…うごごごご…。
会議中だというのに世知辛い台所事情によって頭を抱えて唸る俺を見やり、
「…一応、この地を守護してきた誇りはあったが…いよいよもって外部に頼る事になりそうじゃのぉ…」
「外部…なぁ…」
「俺も南雲の倅のお陰で覚醒する事が出来たが、正直外部の霊能組織は以前の俺等とドングリの背比べ状態みたいだしなぁ…南雲さん、なんかそこら辺良い感じの話とか聞いてたりせんか?」
そうやって小谷の親父さんが話を振ったのは、この集まりの中でほぼ唯一と言って良い現状の未発達なネットワークを利用した情報収集を可能としているウチの父さんだったのだが、その表情は何とも言い難い困った様なものだった。
…そういえば以前からパソコンに向かって難しい表情を浮かべていたけど、それが関係しているのだろうか?
「あぁ〜…一応それらしいのは見つけたんだけれど…」
「なんだ? やけに歯切れが悪いじゃないか。なにか問題がある組織だったのか?」
「…そうだな、取り敢えずどんな組織なのか説明するが、先ず彼等は『只管に力を求めている集団である』という事だな。値切ったりはしないがボッタクリもしない、常識もあるし所謂適正価格で依頼を受けて攻略するといったまるで表の住人みたいな集団なんだ」
「ほう、それで? それだけならば確かに今までの業界からすれば異端であろうとも、我々と同じ様なモノではないのか?」
「えっと…それがぁ…」
そう言う浅田の爺様に対して、父さんは何故か此方を見遣りながら言葉を濁しており、少ししてから覚悟を決めた様に言い淀んでいた口を開いた。
「彼等はねぇ…ほとんどが一般の出で霊能が関係していない者が殆どだった上に、何やら一定の思想で只管に戦い続けている様なのです」
「その思想とやらが何かは分からないのか?」
「いえ、一応それらしき単語がオカルト方面にチラホラと出ていました。近年の異界の発生率の上昇やバケモノ達による被害の増加、それに伴う人心の乱れによって齎される現象……」
父さんの挙げる要素に思い当たる節がある俺は思わず緊張から生唾を飲み込んでいた。
「『終末』……これによる人間文明の崩壊、彼等ガイア連合はこれに対して危機感を募らせており、これに備えて己を高め続けているとの事です」
「それ…俺が前に異界に対して言ってたやつじゃあ…」
「そうだな、一が前に異界に対して持っていた危惧と同じ様な感覚を彼等も持っている…そういった意味では彼等に異界への対応を頼むのは適切とも言えますね」
「ならば我々はガイア連合へと依頼を出し、以降は彼等のサポートに回るという事で良いな? 意見のある者は…おらぬな、ならば南雲の方に依頼を出してもらう事を頼む故、我等は出せる報酬の工面をしよう…それでは此度の会議はここまでとする」
浅田の爺様が下した決議に則って各々自由に動き始める中、俺は報酬に払えそうな物を考えながらも何処か心の中で引っ掛かる疑問に後ろ髪を引かれていた。
(ガイア連合…なんかで聞いた覚えがある気がするけど…なんだったっけ?)
尚暫くしてガイア連合の総本山である『星霊神社』で行われたショタおじとの会話によるワンシーンにて…。
「君なんでそんな資質と真っ反対に頑張っちゃってるの?」
「なんでさ…?」
新年早々新しい小説書いてる作者の屑!!
…いやね、色々な人が書いてるの見たら雑魚物書きとして惹かれちゃうものがあるんですよ…なんというか流行みたいなもんなんですよ。
まぁそんな物書きエンジョイ勢の戯言はさておき、今作の主人公は『現地民大歓喜なお手軽覚醒ブースター及び超万能生産職』がコンセプトとなっております。
戦闘で無双するのは他に書いてる作品の主人公に任せるとして、今作の主人公は現地民の霊能組織に染まっている為、只管に全体の質を向上させる事に腐心しております。
尚見た目のイメージについては名前で分かるでしょうが『ありふれた職業で世界最強』の主人公である『南雲ハジメ』です、最初は違う名前&見た目でしたが、素質考えたらこっちの方が合ってる事に気付いて変更加えました…。
見た目は黒目黒髪(所々若白髪有り)で五体満足で目もちゃんとあるけれど、印象だけは奈落落ちした後の状態となってる感じですね、裏の世界に入った理由が理由だけにさもありなん。
後、主人公のメガテン知識はそこまでは無く、ガイア連合について名前を聞いてもピンと来なかったのはこのせいです(原作様でもメガテン知識の無い転生者は普通に居たのでおかしくないはず)