スキルツリーがバグった【俺ら】の現地事情   作:神薙改式

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 前回書き洩らしていたのですが、覚醒前に幾ら修行しても軍勢変生スキルの効果で覚醒する時にレベルが一気に上がったりはしません。

 ただ単に『元から素養が高過ぎると覚醒しにくい事があるが、その分覚醒した際に強力なスキルが発現しやすくなる』という原作から存在する現象なのです。

 …まぁ、流石にヘラクレニキの場合は身体変化するという大幅な特殊展開を盛りましたけどね?


第十話 人生何が役立つか分かったもんじゃない

 クソムシ共矯正(誤字に非ず)ツアーから数日後…俺はショタオジからの依頼を受ける『前段階で』死にかけていた…。

 

「はい、次は各種ストーン系の制作手順でその次に大小の違いでやるからね」

「あ、反射の概念理解出来た? じゃあ次はカーン系のアイテム作りで実践してみようか」

「そうそう、このタイミングでこの素材を使えば身代わりの概念が強化されてホムンクルスの出来が良くなるんだよね」

「あっ、成る程確かにそこで手を加えていれば三つ先の制作過程でリソースに余裕を持たせられるね、流石改造特化」

「武器型式神にこの特性をもたせれるようになるのはまだ先だと思ってたけど、これは良いブレイクスルーが来た感じかな?」

 

 『五人に分裂している俺』が『五人に増えているショタオジ』によって其々技術に関する知識を教えてもらったり、新しい改善技術を考え出したりしているのだが、それが何を示しているかというと、

 

「「「「「あべしっ!?」」」」」

 

 絶賛地獄の詰め込み教育中なのである…。

 

「あ、ブーストニキが顔中のありとあらゆる穴から血を吹き出した…もしかしてこれ過労死しちゃった?」

「はいはい、リカームリカーム」

「やっぱりまだ個別操作は出来ても別個に分けるのは難しいみたいだね」

「まぁそもそもがこの分身製作って、一人で大規模な儀式行う為に作られたみたいだから、元々戦闘系寄りの分類で覚え難いみたいなんだよなぁ…」

「それでも知識ゼロからここまで術式改造して、たったの数日でモノに仕掛けているのは流石だよね…これブーストニキ下手したら製作と改造関係だけなら色々インチキ臭い俺より上なんじゃない?」

「うぼぁ…死亡経験五人分は同じ内容でもやっぱりエグいな…てか効率良く学習出来るとはいえめっちゃ脳細胞酷使してる感じがして将来が心配なんだが…」

 

 ショタオジによって蘇った俺は、休憩の為に設けられた時間を無駄にしない為に、再度瞑想状態に移って分身の術式を今さっき学習した事を改造に活かす様励むのだった…因みに改造の為の時間は取られないので、今の内にやらなければまたしても同じ様な死因を辿るだけであり、大分必死だったりする。

 

 現状俺の扱う分身の術は『体力や魔力を共有する分身を作り出す術』であり、しかも時間経過で維持する為に体力と魔力が消費されていき、下手に作業を同時に進行しようものならご覧の有様なのである。

 

 ならばなんでしっかりと習得してから勉強しないのかというと、単純にこの術式がショタオジが言っていた様に元々戦闘用だったものを、ショタオジがそのふざけた資質の高さで戦闘以外にも使っているからというのが原因なのである。

 

 そうなると俺の戦闘系に対するクソみたいな資質では何処まで習得出来るか分からない為、それならばやれる間に色々覚えていこうのノリで今現在無茶振りしているだけなのである。

 

 まぁ、お陰様で『体力変換*1』とかいうチキンレースみたいなスキルが発現したがな…これ戦闘系じゃないのか(困惑)

 

「…よし、ホムンクルスの概念で分身との分別具合の強化完了…こ、これなら消耗は別々に済ませれる筈だ」

「あぁ、身代わりの概念から本体と分身を別人として見做す様にしてるのか…それにしてもこれだとコスト掛からない?」

「今回は教えてもらえてる都合上無料で蘇生してくれるんだし、それなら今の内にコスト掛けまくって技術更新からの低コスト化目指した方が時間無駄にせずに済むだろ」

 

 金で時間は買えないけれども、リソースで時間は引き出せるのだ。

 

「でも普通何度死んでもそうしようとは思わないよ?」

「いやそれでも一編に纏めて覚えれた方が結果としては時間有意義に使えるんだから覚えておいて損はないだろう?」

 

 実際五倍の効率とか破格過ぎると思うんだ(尚ショタオジの倍率)

 

「その割には会話長引かせて時間稼ぎしている様に見えるんだけど?」

「それはほら…今こうやってる間にも改造は続けている訳なんだし? …うん、流石に死ぬと学習内容が纏めて押し寄せて来て、頭の中ごっちゃになるから整理したいんです許して下さい」

「素直で宜しい」

 

 目見開いたままの真顔ははっきり言って怖いからやめてクレメンス。

 

「てか実際改造に関してはそろそろ生産系への派生術式が出来上がりそうなんだけど、なんかパーツが足りないというか…俺自身歴とした人間なのに、人としての概念が足りない感じがするんだよなぁ…?」

「ん〜? それだったら折角ペルソナ持ってるんだし、条件さえ満たせるのならスキルカード使ってあまり得意じゃない様な汎用スキルとか習得すれば良いんじゃない?」

「あ〜…得意じゃない汎用スキルカード、かぁ…持ってるっちゃ持ってるんだけどねぇ…」

「あれ、ブーストニキってそういうスキルカードとか持ってたの? まだ式神持ってないからてっきりそういうのは興味無いと思ってたんだけど」

「…まぁ、何で持ってるかはどんなスキルカードかを見て貰えば凡そ分かるだろうさ」

 

 そう言ってから収納ポーチ(技術力強化で容量凡そ二倍)から取り出したのは、【房中術】を筆頭にエロ系汎用スキルをこれでもかと詰め込まれたスキルカードである。

 

 そしてそんな物を何も気にせず受け取った『童貞の』ショタオジはというと…。

 

「ブッフォ!!?!」

 

 盛大に吹き出してた…さもあらん。

 

「ガイア連合に来た時偶々やってた闇鍋ガチャを記念って事で引いてみたら、まさかのラストワン賞で引き当てちまったんだよな…昔っからビギナーズラックはそこそこある方だったけど、こんなアホみたいな事で発揮されるとは思わなかったぞ…」

「え、えぇ〜…いやでも、それならこれ解析したりはしなかったのかい?」

「俺からすればそれ福引で特に趣味でも無い様なエログッズを持ってるのになんで使わないの? って言われてる様なもんだぞ? 正直相手も居ないのにこんなん貰っても困惑しかなくてずっと仕舞ったまま今まで忘れてたレベルなんだわ」

「あぁ、成る程なぁ…確かにそれは分からなくもないかなぁ…」

 

 同じ部屋で童貞野郎が二人、何とも言えない表情でエロスキルカードを見つめるというアホみたいな状況が出来上がった。

 

「まぁ、こんな事してても何も始まらない訳だし…ショタオジの言う通りなら少なくともこの手のスキルは俺には欠片たりとも無いからな…解析するかぁ…」

「うん、なんかごめんね?」

「謝んなよ虚しくなる…」

 

 そして取り敢えず簡単に解析してみた結果はというと…。

 

「汎用スキルだから問題無く習得可能、かぁ…」

「…するの?」

「勿体無いしな…という訳で」

「うん?(流れ変わったな)」

 

 スキルカードを人差し指と中指に挟みながら持って部屋の入り口迄移動し、ショタオジの方へと向き直り…。

 

「メモリスティックじゃないけれど一発ネタ『T2ルナメモリのインストール再現』逝っきま〜す!!」

「ふぁっ!?」

 

 驚くショタオジを置き去りにして、ブーメランの要領でスキルカードをカード手裏剣の様に投合、高速で回転しながら部屋の中を飛翔するスキルカードをショタオジは呆けた顔して見るしかなく、クルクルと回転しながら俺の元に戻って来たスキルカードはそのまま頭にぶつかるタイミングで習得をする事で突き刺さる様に俺へと吸収されていく。

 

「キタキタキタキタキタ〜!!」

 

 …これにて無事、スキルカード『夜の帝王(商品名)』習得成功である。

 

 てか滅茶苦茶ふざけた内容だけど、スキルカードの作り自体はかなり高度なモノだったからいつの間にか【スキルカード生成】のスキルまで生えてるし…なんで【カードハント】のスキルじゃないのさ?

 

「…っ…つはっ……っ……っ!?」

 

 尚この後ショタオジは笑い過ぎで一度死んだ。

*1
スキル発動時魔力が足りない場合は体力を消費して発動出来る様になる




 安心して下さい、当初の目的だった分身スキルは無事開発&習得成功しましたよ。

 後、笑い死んだとはいえ超圧倒的格上であるショタオジを殺した事で主人公は3レベル上がり19レベルとなりました…こう書くと明らかにデバフがエグ過ぎる…。
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