スキルツリーがバグった【俺ら】の現地事情   作:神薙改式

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 前回後書きでネタに走るとか言ってたのに然程ネタっぽくならなかった件について…やっぱり思いついた事書いてるだけだとこんなもんなんですかねぇ?


第二十話 物事は段取り通りに行く方が珍しい

 さて、無事に根願寺を通じて地方の支援を出来ると思っていたのだが、流石にそれは見通しが甘くあり、具体的には【軍勢変生】スキルの詳しい効果が分からないから実演しろというお達しが来たのである。

 

 確かに【大社】等一部でやってみせたとはいえ紹介する側である根願寺では前例が無く、効果も碌に分からない異能で霊能を強化する等言っても信用する事など出来ず、かと言って最近どんどん評価を上げている【ガイア連合】からの推薦を無碍にする事も出来ないので、まずは効果の確認をさせてくれとの事だった。

 

「そんな訳で、今俺達は根願寺が保有する覚醒修行用の異界前に来ておりま〜す!!」

「ハジメ殿…何やら自棄になっておらぬか?」

「ん、録画しているのならある程度分かり易くするのは大事」

 

 俺の某珍獣ハンターみたいなアホなテンションによる撮影*1に戸惑いつつも聞いてくる【葛葉キョウジ】さんと、そんなキョウジさんに対してズレたボケをかますユエという何処にもツッコミが居ない現状なのだが、正直こんなテンションじゃないとやってられない面子というかなんというか…。

 

 始まりは俺が根願寺に出向いた際にどうやってスキルの効果を根願寺に確認させるかという問題に対して、俺が地方から召集している術者や裏について知っているだけの非覚醒者を覚醒させますので、それの確認役としてそれなりの立場にある人さえ居れば後は適当な異界にでも突入すれば良いオッケーです、という普通に聞けば頭を疑う様な内容の条件を出してまず紹介されたのがキョウジさんだった。

 

「ーーっは!?」

「ほぅ、お主……」

「貴方…『覚悟』している人ですね?」

「矢張りお主も護国の者か…」

 

 ガッシィィィィィンッ!!!!*2

 

 …といった具合に一瞬で意気投合したのだが、そこから紹介されたメンバーが余りにも情けなさ過ぎ、無理矢理テンションを上げていないとやってられない様な人材だったのである。

 

 何せ『レベル1有れば良い方』であり『レベル0.3のほぼ未覚醒』やら『装備がNどころか素材同然』なんていう余りにもあんまりな状態の揃い踏みだったのである。

 

 そしてある意味何よりも俺を恐れさせた内容というのが…。

 

「あ、あんなんで大丈夫なのかよ」(←前原圭一 LV0.3)

「いや、確かに心配するのも分からなくはないけど、ガイア連合の一員なんだったら大丈夫…なんじゃないか? そっちはどうだ? 鬼の力とやらでなんか分かったりしないか?」(←菜月昴 LV0.5)

「いや、転生体だからってつってもあの人が俺らより遥かに強いって事くらいしか分かんねぇぞ?」(橘木ヤマト LV1)

 

 俗に言う『死に戻り』やら『ヒロイン凌辱』系の作品に登場する主人公やヒロインキャラそっくりな奴ばかりという、お前らよく今まで無事でいられたなとしか言えない奴等ばかりが来たのである…しかも見た目そっくりな奴等ばかりなのに、誰一人として【俺ら】じゃないというビックリ案件な上、才能限界も日本の霊能者特有のアレ具合という惨状…。

 

 …これワンチャン地元に居たら元になった作品みたいな目に遭ってたんじゃないだろうか? 但し死に戻り無しなのにクリアルート皆無で確定バッドエンドしかない状態だけど。

 

 まぁ、そんな訳で俺の勝手な不安を解消する為にも取り敢えず先ずは装備更新からだな、こんな貧弱装備じゃあ流石に【軍勢変生】スキルによるバフがあっても下手したら痛手を貰いかねないからな。

 

「さて、それでは自分のスキルの検証…ってあぁ、元一般人が多いガイア連合内での異能の呼び方の事なのでお気になさらず…まぁ、検証をする為に皆さんが来る前にざっと此処の異界の中を探索して粗方出て来るアクマの調査をしておいたので、皆さんに『これ』を配っておきますね、ユエも配るの手伝ってくれ」

「はい、一人一つ」

「む? この腕輪…見た目は既製品の様だが霊装となっているのか?」

「そうですね、異界に居たのが物理攻撃しか使えないアクマだけだったので、身に付ければ【物理耐性】ーー要するに物理攻撃のダメージが半減しますーーが付与されるブレスレットを即興品ですがさっき作っておいたので、事故らない為にも付けておいてください」

『『『何だその神装備!?』』』

 

 皆して面白い位に驚いてるけど、実はこれ見た目の通りアクセサリー枠のほぼ最低レア枠(一応耐性が付与されるので最低ではない)だから【物理耐性】以外に効果は無いし、防御力も無い上に【物理耐性】自体がブレスレットの強化上限を犠牲にして付与している特殊強化だからこれ以上なんにも出来ないっていうね…。

 

 素材がどんな物でも良いから市販のブレスレットと雑魚アクマのフォルマで出来るっていうコスパの良さと、余りにも簡易な作りである為道具が不必要な事だけが取り柄という中々に残念な装備である。

 

 …まぁ、今回みたいな急に必要になった時なんかや、めっちゃ安価な籤なんかの参加賞としては丁度から時々作ってるんだけどな。

 

 …因みに使うフォルマを変えれば耐性も変わるので、暇な間に他の耐性に変えただけのクソ雑な亜種を作ってたら、ハム子ネキがコンプ欲刺激されて一人で全種類分コンプする為に籤を引に来た挙句、まさかの外れを外しまくり上位景品を根刮ぎ当てていったという珍騒動が発生したのには渇いた笑いしか出なかったぞ…。

 

「はい、それじゃあ次は各自の武器をどうにかしましょうか」

「いや、俺普通に刀持ってるんだけど?」

「それ霊刀じゃなくて神秘の欠片も無い唯鋭いだけの刀じゃないですか、改造しても良いならその刀でも良いですが、そのままじゃあ下手すれば刀の方がへし折れますよ?」

 

 そう言ってから俺は見本として愛用している二本の鉈を取り出して見せると、長年手入れと改造を続けて来た鉈はここ最近ガイア連合に入ってから更に上がった技術力のお陰で俺が抑えなければただそこにあるだけで『圧』を放つ妖刀の様な代物となっている為、参加者は仰け反ったり気絶しかけたりと様々な反応を見せた。

 

 …が、ここでまさかの誤算が発生した。

 

「あ、あれ? なんだろこれ? …【ディア】?」

「ぱ、【パトラ】? …あ、なんか落ち着いたかも…」

「こ、これが本当の覚醒か!? …でも覚醒して覚えたスキルが【くいしばり】って…」

「今度は武器見せただけで覚醒するのか…」

「仕方ない、ハジメの武器はレベルで言えば10はあるから、どうあがいてもここの人達にとっては格上なのに、その圧力を受けたら覚醒するのもやむなし」

 

 非覚醒者の精神がやられない為に先に【軍勢変生】を使っておいたのだが、その影響でまさかの武器を見せただけで殆どの参加者か覚醒してしまったのだ…しかも鉈の圧力により覚醒したからなのか初期スキルが揃いも揃って何かしらの回復スキルというね…。

 

「どうすっかねぇ…幸いまだ何人か覚醒出来てない人も居るから、その人達の覚醒支援と全体のレベリングでもやって検証完了って事にしても良いですかねキョウジさん?」

「う、うむ…まさか霊地で何年もの修行をせずとも覚醒するとは…正直それだけで十分な結果とも言えるだろうが、他にもその異能に備わっている能力についても検証が必要だからな、宜しく頼む」

「(そういやショタオジも修行についてなんかそんな事言ってたっけ?)了解です、それじゃあ異界に入っただけで覚醒してしまわない様一度【軍勢変生】を切りますが、適当にそこら辺の雑魚アクマを抑えますんで、そこからトドメを刺してください」

 

 そんなこんなで全員して異界に入り、早速目に付いた【ガキ】に【デビルパライズ】をぶん投げて麻痺させ、転かして踏みつけた所で非覚醒者に【軍勢変生】を使用して可視化、そのまま麻痺して動けない【ガキ】を任せると、俺があげた槍を使って寄って集って突き刺し殺すという中々に殺意溢れる素晴らしい対応をしてくれた、その殺意goodだ。

 

 その後は予想外の展開でやる事が前倒しになりまくったので特に山場も無く、異界自体がショボいのもあって全員のレベルが5になるまでひたすら狩る事でこの日の検証は終了してしまった…なんだかなぁ…。

*1
撮影係:汎用スキル【撮影】を入れてある一反木綿式神

*2
握手しただけです




 ブーストニキとキョウジさんはなんかもう目が合った瞬間に『盟友!!』ってなる位ビビッときたのでトンデモなく力強い握手してました、そのせいで微妙にユエがジト目になった位です。

 因みに地方から来たキャラ達の例に出されたのは他の地方から呼ばれた人(今回は他の仕事で来れなかった)の補助として付いて来た奴の方が多く、本来なら呼ばれた人達の方がレベルが高かったりします(それでも1や2だけど…)

 …まぁ、そのレベル差も今回の【軍勢変生】一回で超えられちゃったんですけどね?
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