スキルツリーがバグった【俺ら】の現地事情   作:神薙改式

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 という訳で、前回に引き続き退魔忍回となっております、結構『アレ』な話になっておりますのでご注意を。


第二十六話 そして人生の墓穴へ…

 結論から言えば不知火の娘『水城ゆきかぜ』を救出する事は成功した、まぁそもそもの話としてあの異界はエロトラップダンジョンである為、死ぬ事は滅多に無いからミイラ取りがミイラになるような事にならない限り、生還する事自体は異界とは思えないレベルで簡単な異界なのである。

 

 …詰まる所は生きてはいても問題があったりする訳であり、今回もそんなパターンだったのである。

 

「で、この二人をハジメはどうするの?」

「どうするっていっても、治してやるのが一番なんだろうけどなぁ…」

 

 ユエのジト目に対して右も左も見たくない俺は天を仰ぎながら遠い目をしていた…何で左右を見ないのかって?

 

「あはぁ♡南雲様、もっともっと気持ち良くしてくださぁい♡♡♡」

「んんっ、はぁ…はぁ…♡あぁ、お手を煩わせてしまいすいま…せん♡南雲様…でも、でもぉっ…♡♡♡」

 

 救助対象と同行者が見事に目も当てられない位の痴態を晒しているからだよ!! 必死で反応しないように気を逸らしてるんだから、抱えられてるのにかこつけて身体を押し付けてくるのはやめてくれ!!

 

 説明すると、あの後救助に向かって行くことになったのだが、不知火が不安なのでどうしても行かせて欲しいと言って引き下がらず渋々連れて来たのだが、まさか不知火の耐性一覧に【魅了弱点】があったのである…てかそれと【混乱弱点】以外の状態異常は軒並み耐性持ちだったので、何らかのスキルが関係しているのだと思われる。

 

 それでそんな【魅了】に対して紙装甲な不知火がエロトラップダンジョン異界に入れば速攻でお荷物になる事は確定していたので、急遽【魅了無効】の護符を作って装備させたのだが、今度はゆきかぜの方がやらかしてくれていた。

 

「まさか一発で罠ルートに入るとか想像出来るかよ…」

 

 どうも罠ルートへの分かれ道迄に配置されていた奇襲ポイントで二回とも奇襲を受けていたからか慎重になっていたらしく、一発で罠ルートを見つけてそのまま進んでしまったらしいというのが痕跡から判明したのである。

 

 腐っても退魔忍というか、だからこその退魔忍というか…そんな訳で罠ルートに入ったユキカゼは見事に罠を踏みまくり、母親からの遺伝らしい【魅了弱点】で速攻で【魅了】からの【発情】状態へとなっていた所を俺達に発見されたのだが、ここで不知火がやらかしてくれたのだ。

 

 発見した時のゆきかぜは『全裸の状態で』此方に頭を向けたうつ伏せ状態となっており、不知火はそんな娘の姿を見て最悪の想像をしてしまったのか、異界製作者として罠が発動しなくなる俺の隣から俺の静止の声も聞かず、慌てて助けに行こうと駆け出してしまったのだ。

 

 …因みにこの異界の罠は侵入者がある度にランダムで生成される様になっており、更にある程度拘束したら勝手に解放する様になっている為、ゆきかぜの状態がどれ位までヤバいのかまでは近付いて判断しないと分からなくなっていたので、不知火の不安も理解出来なくもないのが何とも言えない所である。

 

 で、先程も言ったがこの異界のトラップはランダム生成される為、超至近距離に幾つものトラップが生成される可能性もあり…。

 

「目の前でエロトラップによる影牢並みの罠の連鎖を見る事になるとか、誰も想像出来ないし固まっちまうだろうが…」

「…美しい、あれ以上の芸術作品は存在し得ないでしょう」

「いや、その台詞言うとユエがあのトラップ群作り上げたことになるんだが?」

「じゃあ実際にトラップの設定なんかを決めたハジメが言うべきだった?」

「…俺あそこまで変態じゃないぞ?」

 

 マジで芸術作品並みに罠が連鎖して、装備解除や【混乱】を付与された上で【魅了】通り越して【発情】状態となり、『本番』まではいかなかったがぐちょぐちょのべちゃべちゃとなってゆきかぜの後ろから同じ姿勢で崩れ落ちたのだった…もうなんていうか絵面がヒデェよ。

 

「でも何が酷いって【魅了】が悪化したから濃度が濃くなったとでも言いたいのか、【発情】の状態異常って【パトラ】じゃ治らないってのか酷過ぎるだろ…」

「一応【魅了】や【混乱】までは私の【パトラ】で治せるから良いけれど、帰りながら掛け続けてたら当然魔力が足りなくなるから、ここはもうさっさと帰るべき」

「そうだな、取り敢えず見事に罠のせいでこの二人が【アイテム封印】喰らってるから【トラエスト】頼んだ」

「りょーかいー【トラエスト】」

 

 因みに装備全解除*1されてる二人にはちゃんと身体を隠す為の布を巻いておいて、周りから見えない様にしてあるので一応(最低限の)問題は無い…だからといって見られてないからとナニってんじゃないよゆきかぜ!! 普通に音は聞こえるんだからな!?

 

「あらブーストニキさん、丁度良いタイミングで戻って来ましたね」

「ミナミィネキ、なんでここに来てるんだ? 支部で合流じゃなかったのか?」

 

 なんかもう遠い目をしてしまう様な現状のまま異界を抜けると、何故か目の前には少し前に連絡を送って合流待ちだった筈のミナミィネキが立っていた。

 

「ブーストニキさんから貰った資料にとても面白そうな内容があったので、早く確認したくて密輸課に頼んで【トラポート】してもらったんです!」

「成る程納得、それじゃあ取り敢えずこの二人をさっさと治療しておきたいんで、移動しながら話す事にしましょうか」

「あれ? そのお二人…もしや?」

「この地域の霊能組織に所属している『水城不知火』さんと『水城ゆきかぜ』ですね、ゆきかぜは反骨精神が旺盛だったのか俺達に任されたこの異界の話を聞いて突入、運悪く罠ルートに突っ込んでしまいこの様、不知火さんは俺に救援を求めて一緒に向かったら娘のアラレもない姿に思わず駆け寄った顔で罠に落ちて同じ様な目に…って感じですね」

 

 ホント改めて思い返しても酷い話だ…。

 

 そんな事を考えていると未だに俺の身体に擦り付いてくる二人を観察していたミナミィネキが、何かに気付いたのかこちらを見てきた。

 

「この【発情】という状態異常、資料にもあったから気になっていましたが、中々に面白い性質を持っているみたいですね」

「簡易的な【アナライズ】じゃあよく分からなかったのに、流石ミナミィネキというかなんというか…」

「取り敢えずこの状態異常には【パトラ】の様な簡易的な全体解除は効きませんね」

「知ってる、もう試した」

「後は初期段階ならば【魅了】を治せる【ディスチャーム】なんかでも回復させられそうですね、流石は専用アイテムといったところでしょうか」

「マジで? 汎用性が無いからって事で一つたりとも持ってないんだけど俺?」

 

 まさかのこれから先の時代は全状態異常に合わせた其々の回復アイテムが必要になる時代が来るのか!?

 

「いえ、既に深刻化している様なので使っても軽減する程度なので、この場合は別の手段をとった方が手っ取り早いですね」

「はぁ…別の手段?」

 

 うん、なんか嫌な予感がしてきだぞ?

 

「一応深刻化していると言っても一過性のものですからね、てっとり早く言えば【房中術】スキル持ちの相手と『交われば』解除可能です、そんな訳で出番ですよブーストニキさん♪」

『!!』

「やっぱりかよ…」

 

 ミナミィネキの言い方からして予想出来てたぞこの野郎馬鹿野郎。

 

「いや、俺にはユエが居るから遠慮したいんだが?」

「ん? 私は別にハジメにとって私が一番なら他に何人居ても問題無い、寧ろもっと居て欲しい位」

「ちょっとユエさん!?」

 

 まさかの味方だと思ってた相手から狙い撃ちされたんだが!?

 

 あぁ、これが橘木君が俺に人生の墓場に突っ込まれた感覚と同じ状態なのか…あの時は知的好奇心と下衆な楽しみでやっちまってゴメンな。

 

「ハジメは底無しな上に上手過ぎて下手したら私のコアが壊れかねない、でもハジメ毎回満足してないみたいだったから、早く新しい式神仲魔かお妾さんプリーズ」

「えっ、毎回ユエが終わった時に眠ってたのってそういう事だったのか!?」

「ほう、やはりブーストニキさんウチの『悪魔娼館』に来たりしませんか? 色々手伝ってくれるならお安くしておきますよ?」

「手伝える事なら依頼で受けるけど、アクマとやるのはノーセンキュー」

 

 そんな感じでいつものノリで話していると、不意に両腕に絡まっていた力が強くなったので目を向けてみると、最早完全に出来上がっている顔をした二人の姿が…。

 

「おうちょっと待て、不知火はゆきかぜっていう子供が居るなら当然旦那が居る筈だよな!? ゆきかぜも落ち着け、もしも好きな奴が居るならそいつが【房中術】使える様にしてやるからそっちに行っとけ、成り行きでやっちまったら絶対後悔する羽目になるぞ!?」

「私の夫は既に鬼籍に入って久しいです…♡」

「アイツ全然覚醒しなくて私の方が強くなったから身を引いた上に〜♡今じゃ彼女作っちゃってるからもう興味なんてありませ〜ん♡」

「oh…」

 

 な、中々随分と霊能界隈あるあるな重たい話が飛んで来たなオイ…。

 

「い、いやそれでもゆきかぜはそこそこ強そうなんだし、霊能組織なら婚約者とか居るんじゃないのか!?」

「正直あんなオッサンの相手するぐらいなら南雲様に嫁ぎたい位で〜す♡というか二番手でも妾でも、何なら愛人でも良いからお側に居させてくれませんか?♡」

「ん、許可する」

「ユエさん!?」

「因みに解除するなら『生』必須ですし、副作用で『デキ易い』ので注意してくださいね〜」

「御忠告ありがとうなミナミィネキ!! でもそれはそれとしてタスケテ!!」

 

 ちょ、三人とも引っ張んな!? そこ何? えっ、ラブホ!? ちょい待て流石にミナミィネキは混ざろうとするなやこれは治療でもあるんだろうが!? あぁもうちくしょう…責任取ってやってやらぁ!!

 

 

 

 …三人相手なのに圧勝してしまった…これヤバくないか?

*1
当然の如くしたぎすらない




【悲報】ブーストニキ現地民の嫁が出来る【しかも母子】

 責任取って二人とも娶ったしちゃんと大切にはするつもりな模様…やったね水城親子、元の方よりはハッピーな展開だぞ!!(尚ベッドの上では毎度惨敗している模様)

 因みに『生』とはいえ【房中術】スキルでちゃんと避妊はしているので問題ありませんし、終末まで(正確にはユエと子供が出来るまで)は子供を作る気はありません、ちゃんと正妻は大事にする男です。

 それと話は全然関係無いけど、ニキネキ呼びってそれ自体が愛称とかさん付けみたいなもんってイメージがあるけれど、何故かミナミィネキはニキネキ呼びの後にさんを付けるような印象があるんだけど、これ俺だけだったりするのかなぁ…?
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