スキルツリーがバグった【俺ら】の現地事情   作:神薙改式

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 三ヶ日連続投稿しようとしたけど無理だったよハルトォォォォォッ!!

 カオ転掲示板の纏め見ながら書いてるけど、読み進めていけばいくほどこの主人公がヤバい事やってしまう事が分かって早まった感がヤバい件について…これバランス調整めっちゃ大事じゃねぇか(頭抱え)


第三話 早過ぎる分水嶺

 移動を終えて異界の麓である拠点に到着して組合員を紹介していったのだが、ガイア連合の佐倉さん(あの後移動中に聞いた、本名は『佐倉千代』との事)がうちの組合員見てドン引いていたり、その後大分口数が少なくになってしまったので取り敢えず拠点に連れて行くと、そこでは呆気に取られて百面相していた。

 

「あの、佐倉さん? …知識も碌に無い素人による日曜大工みたいな改造しか出来ていない拠点なんですが、そんな唖然とする位酷い有様だったんでしょうか?」

 

 確かに色々納得出来る様なモノでは無いとは言え、正直それを他所から来た人が見て呆気に取られるのは…うん、心にクルものがあるな…。

 

 なんて思っていたのだが、そんな俺に対して錆び付いた機械の様に此方を向いた佐倉さんは俺の考えとは真逆の答えを返してきた。

 

「いえ、すいませんが南雲さん…その認識は全くの逆なんです。寧ろ出来が良過ぎて驚いてるんですよ…」

「出来が良過ぎる…って、この『唯の掘立て小屋』から素人が『術式も碌に知らないで』、素材についても『異界から適当に回収してきたそれっぽいモノ』を、全体像すら碌に分からないまま『感覚頼り』で突っ込む様に改造していって、その結果積み上げた『子供の積み木みたいな出来』のこの拠点がですか? 一応良さげな素材が入り次第追加で補強とかはしてますけど…所詮は素人の行き当たりばったりですよ?」

「南雲さん…その台詞他所の霊能者の前で溢そうものなら呪われる事必須ですよ?」

「えぇ…」

 

 自分の力量不足を嘆いただけで呪われるとか何それ怖い…。

 

「良いですか南雲さん? 幾つか他の霊能組織を見てきた私が聞いた話と併せてこの拠点以上と言えそうな霊地ですが、はっきり言ってたったの三つだけなんです」

「…嘘だろ?」

「所がどっこいこれが現実です…一つ目は私達ガイア連合が拠点としている星霊神社、二つ目は東京の根願寺ですがこれは戦前のモノが受け継がれているだけのものであり、正直なんとも言えません…それで最後の一つが代々イタコ達が引き継いで管理している恐山ですが、ここも正直な所瀕死の状態と聞いています」

 

 ちょっと待て、じゃあなんだ…下手したらここまで酷い様な異界が全国各地にあって、そんな状態なのに俺が作った下手くそな日曜大工以下の拠点しかないと?

 

「あっ、もしかして人材や武器とか伝承が良いから何とか出来ているとか?」

「第二次世界大戦の際に霊能に長けた人物は根切りにされた上、各家に伝わる霊装どころか鍛錬法さえも根こそぎ強奪や焚書されたと聞いています」

「えっ!? じゃあ今残っている霊能組織って…」

「曰く『競馬で例えるのならば競走馬どころかロバ』…だそうです」

「」

 

 競馬が分からない俺でも分かる事がある…ロバではそもそも競馬では勝負の場所にすら立たないという事だ…。

 

「じゃ、じゃあ今まで他所の霊地ってどんな対応してたんですか?」

「幸いまだ弱いアクマしか出ない事もあって『何とか』対応出来ているといった感じですね」

「あぁ、何とか出来て…『何とか』?」

「…アクマのレベルが1〜3なんかか多いんですが、人間で例えればレベル1が覚醒者に相当し、レベルがあるのと無いのとでは隔絶した格の差が存在するんです」

 

 そこら辺は何となく分かる、レベル1の覚醒者にとってレベル0である非覚醒者の攻撃は碌に通りはしないし、マトモに害そうとするのならは拳銃でも持ってくる必要があるだろう…まぁ、それにしたって今の俺には普通の銃弾なんて殆ど通用する気はしないけど。

 

 いや、今はそんな自分の経験を振り返るよりも『何故今そんな話を持ち出したのか』という事の方が重要だ、俺の疑問に対して一切明るい雰囲気も無しにそんな話を持ち出すという事はつまり…。

 

「…ま、まさか?」

「えぇ、そのまさか…各地の霊能組織に現役でマトモなレベル持ちは殆ど居らず、いうなればレベル0.5どころか『非覚醒者が自分の事を霊能者だと思い込んでいる』という場合もザラにあります」

 

 残酷な事だった…

 

「嘘だろ…なんでまだ日本保ってるんだよ…」

「臭いモノに蓋をする様にロクデモナイ手段を取ったりしている場所も多いですが、覚悟がキマッている所ならば一族総出の特攻で異界の主を倒したり…」

 

 本当に…

 

「最悪の場合は【人柱】を用いた封印ですね…これにいたっても技術が足りない為にその場凌ぎにしかならない事も多いらしいですが…」

 

 残酷な事だった…。

 

「なんでだよ…なんでそんな簡単に命投げ出せるんだよ…俺達みたいに他所頼るとか、いや…したくてもそもそもドングリの背比べで出来ないのか…」

「そうですね、そしてそんな事を繰り返していれば当然の様にジリ貧になるので、何時かはアクマによって滅ぼされる事になります」

「は、ははっ…つまりあの日の俺みたいな目に遭ってる奴がこの世界には腐る程いて、なのにそいつらは力が無いのに使命感だけでその命を投げ出していると…」

「まぁ、敢えて酷い事を言えば彼等は強くなる方法すら知らないので、無駄死にしているともいえますね」

 

 佐倉さんが何とも言えない表情で追い討ちの様な事を言ってくるが、恐らくここの異界にすら手を焼いている俺に対して優先順位を決めて諦めろと言っているのだろう…でもまぁ。

 

「あの時読んだ漫画のキャラって…こんな気持ちだったのかねぇ…?」

「漫画…ですか? どんな作品なんです?」

 

 俺がふと、前世で読んだ漫画の事を呟くと、中々にサブカル好き(特に漫画)な佐倉さんが当然の様に乗ってきたので、前世についてバレない様にそれとなく教える事にした。

 

 …まぁ、詰まるところここが俺にとっての分水嶺だったのだろう。

 

「俺自身読んだのが十年以上も前だからうろ覚えだけど、大雑把に物語を説明するのならマジで何でもアリな現代異種格闘漫画だった筈ですね」

「ふむふむ…(修羅の刻シリーズみたいなヤツかな?)」

「大きな目標としては主人公の父親超えがあるのですが、中々にシリーズが続いているのに達成されてないんだったかな?」

「成る程…(なんかグラップラー刃牙みたいだな?)」

 

※因みに現在(1980年代)に於いて刃牙シリーズはまだ一話たりとも描かれておりません。

 

「で、そんな中一般人からしたら傍迷惑な富豪が『宮本武蔵』を現代に蘇らせて、警察相手に人斬り祭りを開催、その惨劇を見てある武術家がこう言ったんですよ…」

「………」

「『俺が守護(まも)らねばならぬ』…って」

「…南雲さん、一つ聞かせてもらっても宜しいでしょうか?」

「は、はい? 何でしょうか?」

 

 あれ、なんか佐倉さんの様子がおかしい様な…?

 

「その漫画の名前って『グラップラー刃牙』って言いませんか? 後その武術家の名前は『本部以蔵』って言いませんか?」

「…もう既に刃牙って刊行されてましたっけ?」

「一巻どころか一話たりとも存在していませんねぇ…」

「と、いう事は…」

「歓迎しましょう、盛大に!!(ヤケクソ)」

「ハッピーバースデー俺ェッ!!(同上)」

 

 まさかの同類かよぉ!!

 

「ならば正確に明かしましょう、私達ガイア連合…その色々な意味での正式名称は『転生者相互互助団体ガイア連合山梨支部』っていうんですが」

「前半分かるけどなんで『山梨支部』…?」

「…安価は絶対…安価は絶対だから…」

「…つまり掲示板かなんかで組織名決めたのか? 正気か?」

「…そもそもの発端が掲示板だったから仕方なし」

「マジかよ…」

 

 嘘だと言ってよバーニィ…なんか依頼出して良かったのか如何なのか分からんくなってきたぞ…。




 因みに今回名前が明かされた『佐倉千代』ちゃんは、元の掲示板の方でも登場している、簡易式神であるパラスちゃんの献身から蟲型沼にドハマリしちゃった後のガチ勢です、つまり主人公は将来強さ的に抜かされる事が確定しています…悲しいなぁ。

 …まぁ、主人公の資質と特殊スキルを考えれば絶対に戦闘系俺らには追いつかないんですけどね、後天的に覚悟ガンギマリになったのが悲劇というかなんというか…。

 多分戦闘やってる面子でタイマンの殴り合いと仮定するなら、勝てる相手なんて不動のやる夫ニキとか極稀にしか戦闘しない痛いの嫌いで精神的に弱いゆかりネキとか辺りじゃないかな?
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