話しかけられたら返事は返すけど、親しいかと聞かれれば事務的なのが多い感じというかなんというか…。
多分親しいと感じてるのは原作からはショタオジ、霊視ニキ、カヲルくん、やる夫さん、話に出てこないけど銀さん辺りで、他には幹部クラスが少々…。
親しいのかと聞かれたら首を傾げるけど、なんだかんだで気にしたりするのがミナミィネキとかハム子ネキみたいな残念枠ですね。
だから寧ろ仲が良いのは互いに尊重し合ってる外部関係者の方が多い感じとなっております。
ロボ部達に【アッセンブル】スキルを習得させる様になってから更に一週間経過し、漸く彼等が使い物になったので一息つける事に…。
その間ユエとのレベル差が更に酷い事になりそうだったのでやむなくレベル制限を設けたり、余り構ってやれなかったメリュジーヌがユエの補助付きのレベリングでいつの間にか自我に覚醒していて拗ねていたりと色々あったが、久しぶりにゆっくり嫁達との交流を楽しんだり、気の向くままに完全機械製のデモニカの改良等をしていた。
…しかし『口は災いの元』と言うべきかなんなのか、緊張が途切れて意識が緩んでいると口が軽くなるのはどうやら俺も同じだったらしい。
「そういえば根願寺での勤めは順調に進んでいるのかブーストニキよ?」
「まぁ、ボチボチって所だな…相変わらず地方に戻った霊能者の代わりにやって来る修行者の中にロクデナシが混じる事があるらしいけど、そいつらの選定と排除で時間を取られたりする事以外は概ね順調に底上げは出来ている筈だ」
そんな会話を談話室で交わしているのは日課の中層異界攻略を終えたヘラクレニキだ。
最近二体目にサポート型の式神を頼んだら美遊(運・魔タイプ)が贈られた為、管理や維持コストなんかの面から三体目を頼むかどうか悩んでおり、即ちクロを頼もうかどうか悩んでいるんだという至極【俺ら】らしい話から雑談へと話が流れていくのは当然でもあった。
「どうにも一応根願寺の招集で集められた当時の現地に於ける精鋭達だからとはいえ、流石に隠蔽無しだと強くなり過ぎてるのは誰の目から見ても明らかだった訳だしな」
「そしてそんな側から見たら異常でしかない成長には何かしらの絡繰があるに違いない…そう考えて探りを入れる腐った輩が出て来るのは至極当然、という訳か」
「そう、そんでもって覚悟ガンギマリな彼等は術者としては強くても、交渉事をそこまで得意としていない場合だったりある訳で…口車に乗せられたりして情報を聞き出されたりしたみたいなんだよな…」
幼い頃から修行に打ち込んでたりすると、どうしても政治系というか交渉事とかする機会が無くて騙され易いもんな、ソースは退魔忍。
「ままならんなぁ…しかしどうやってそういった輩を見抜く事が出来たのだ? 別に読心が出来るという訳ではあるまいに?」
「単純に予定と違う奴が暗示使って来ていたのをキョウジさんが見破っただけ」
あの人本当に頼りになり過ぎて申し訳ないんだが…。
で、そんな尊敬している人について語ろうとした結果、気が抜けていた俺は思わずやらかしてしまうのであった。
「いやぁ、本当にキョウジさんは凄いからな? この前も俺が【アッセンブル】スキルで手を貸したとは言え、組み上げた新しい剣術や術式をバリバリに使いこなしてるんだもん、マジで凄いわ」
「なんと、ブーストニキにそこまで言わせる程の傑物とは…うん? 【アッセンブル】スキルで手を貸した? それはどういう意味だ? アレはロボットを筆頭に機械を作り上げるスキルではないのか?」
「ん〜? あのスキルの本質は『組み上げる』事だから、別に対象は機械だけじゃないぞ? 当人の協力と資質や才能が必要になるから何処まで出来るかは当人次第だけど、やろうと思えばスキル弄って新技開発だって出来るしな」
因みに俺は戦闘系の資質が死んでいるからこの方法はある分類の技を除き、愛用の大鉈式神やメリュジーヌを使用している時限定である。
そんな俺の話を聞いて何か考え込み始めたヘラクレニキは、何処となく神妙な顔をしながらも前のめりになって集中し始めた。
「それはつまり…資質と才能さえあればゲーム等で登場した技を再現する事も可能…そう見て良いのか?」
「ふむ…極論言えば『それっぽい技は出来る』だろうな、但しリアルアーマードコアみたいに此方の世界の法則を元にしたパチモンに過ぎん技だが」
どう足掻いても『それっぽいだけ』というだけだが実はこの再現技、一応と言って良いのかデメリットも存在する。
「先にデメリットから話しておくが、再現した技については俺はセーフティーとして『モーション中に意識して技名の発声をする事』を掛けてるから、技によっては側から見たら厨二病な事については我慢してくれ、それが嫌なら他の【アッセンブル】持ちに解除してもらう事だな」
「ふむ、ならセーフティーを掛けなければどうなるのだ?」
「仲間に対して技名を教えるだけで発動するし、その時そいつの方を見てたら間違いなくフレンドリーファイアになる、てか最悪寝てる時に寝言で呟いただけで暴発しかねない」
「うむ、セーフティーは必須だな」
最初の時は「これで『魔人剣』完成だな」って呟いた瞬間、暴発して目の前の机ぶっ壊しちまったからクッソビビったわ…通常のスキルに比べて暴発し易くなってるらしいのが難点なんだよな。
「メリットについては技にもよるが『複合属性』になる事だな」
「『複合属性』だと?」
「そのまんまの意味で例えば『スラッシュ』と『ザン』を組み合わせた場合、出来た技である『魔人剣』は『斬撃属性』と『衝撃属性』の二つが判定に出る事が分かっていて、喰らった相手に一度に複数の判定を重ねて強いる事が出来るぞ」
因みに威力は単発式なら『使用したスキルの威力合計値÷使用したスキルの合計数』とかなり分かり易いものとなっているし、連撃型はこれにヒット数の分割った判定が入る感じでそこら辺は元とそこまで変わらんな。
「これを両方弱点にしている相手に喰らわせられればポケモンみたいに四倍弱点だって狙えるし、更に属性混ぜて同時に弱点を突けるのなら狂気染みたダメージも出せるんじゃないかな? 俺は資質足りないから試せんが」
出来るかどうかは分からんが『ガードキル』系が得意な【俺ら】とかは弱点にまで堕とせそうだし、全属性弱点にして超複合属性攻撃とかしてオーバーキルとか狙ってみたいよな。
そんな取り留めもない妄想を膨らませていると、深刻そうな顔をしたヘラクレニキがいきなり頭を下げてきた…いやちょっとここ他にも人が居るのにヘラクレニキみたいな目立つ人がそんな事したら強制的に注目の的になる事待った無しなんですが…?
「えーっと…いきなり頭を下げてどうしたんだヘラクレニキ?」
「すまん、出来ればで良いのだが【アッセンブル】のスキルを持つ知人は俺にはブーストニキしか居ないから、最近の忙しかった状況も理解している上で頼みたい事がある」
「いやまぁ別に良いけれど、取り敢えず顔上げようぜ? 何があってそんなに深刻そうな顔してるんだよ?」
そう言って俺が諭すとヘラクレニキは顔を上げ、何やら憂鬱そうな表情で訳を話してくれた。
「今となっては俺もハッキリ理解しているが、俺はFateに出て来るバーサーカーのヘラクレスにそっくりだ」
「そうだな、固有スキルとして【十二の試練】まで持ってるとか、マジでヘラクレスを連想するな」
俺が理解を示すと、ヘラクレニキは我が意を得たりといった様に深く頷く。
「そうだ、固有スキルの【十二の試練】がある故に俺はここまで強くなる事が出来た訳だし、何時も大助かりしている…しているのだが…」
「だが?」
「あのスキルがある事で寧ろ『射殺す百頭』は無いのかという質問が絶えんのだ…」
「うわぁ…」
これ側から聞けばどうでも良いけど、本人からすれば切実なヤツじゃん…。
「つまりスキルとして【射殺す百頭】を作って欲しい…って事か?」
「すまん、身勝手なのは重々承知してはいるのだが、そろそろあの失望の眼差しが堪えるのだ…」
「ヘラクレニキェ…」
この見た目と違って残念な感じ、正に【俺ら】と言えるんだろうな…。
この後頑張って劣化版とはいえ接近戦用と遠距離用の【射殺す百頭】を作り上げてしまい、コスプレガチ勢にも【アッセンブル】スキルを教え込む羽目になりました。
因みにこのスキル製作ですが、当然ですが元の動きが単純な程再現し易いので、テイルズ系の技とか結構再現度が高めとなっております。